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4章 繁盛

84話 ご説明

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「さて皆さん、グラスは持ちましたね、ではカンパーイ」


僕の掛け声でシャンパンの入ったグラスをみんなで掲げました、そして一気に飲み干して拍手です。
僕たちは戦いに勝利しました、最後はみんなに内緒の奥の手である、スライムドームを使うことになってしまったけど、みんなが無事だし、敵の魔力も逆に使って世界の大地も少しは癒やす事が出来たんだ。


「それにしてもすごかったにゃ、あんなスライム、ウチでも勝てないかもしれないのにゃ」


少し顔を赤くしてクロネオが僕の足にすり寄ってきました、僕は頭をモフモフしてそんなことは無いって返します、スライムドームはダメージを吸収する性質を持ってます、普通に攻撃したのでは勝てません。


「じゃあどうやって倒すにゃ?」

「それはね、強い衝撃を与えないように攻撃するんだ、誰もが強さを求めるでしょ、逆の発想だよ」


衝撃には強いけど、弱い攻撃には弱いんだ、だから手で掘ったりとかは簡単にできます、それを説明するとクロネオは驚いたままで僕を見てきます。
そんなに見つめないでよと、モフモフしておきました。


「後は世界が緑であふれるのを待つだけだね・・・出来れば織田さんたちも元の世界に帰してあげたいんだけど、無理なのかなぁ~」


ミントからお代わりのシャンパンを注いで貰いながら、少し離れている織田さんたちに目線を送ります、坂崎さんたちは帰る気はないみたいだけど、織田さんは絶対に帰りたいはずなんです、僕には聞いてきませんけど、絶対にそうです。


「あの悪魔にお願いすれば叶うなら、僕は願っても良い、織田さんだけでも帰したいよ」


シャンパンを飲み、それだけが悔いとして残ります、それにあいつがまだ神として残っているのかそれも疑問なんだ、坂崎さんたちと一緒にいるルナと言う子は新しい神様なんです。
僕は何とかならないかと、ルナに聞くことにしたよ、僕の命で良いのならそれと引き換えでもいい、ミントが悲しむけど、今はクロネオたちもいます、きっとさみしい思いはしません。


「ショタ父さん」


僕が近づくとルナが気づいてそんな呼び方をしてきました、僕はガクッと体勢を崩して何とか持ちこたえたんだ。


「あ、あのねルナ、僕はショタではないんだよ」

「そうなの?ヒカル父さんがショタ先生って呼んでたから、ワタシはショタ父さんだと思ったんだけど」


ルナがそう言ったので、僕はその犯人を見ます、森田君が見事に顔を逸らしたよ。
後でお仕置きですっと思いながらも修正して、本題の話をしたんだ、ルナは考え込んでるけど、出来ないわけじゃないみたいだね。


「僕に出来る事なら何でもするよ、僕の命が必要なら捧げる、だからお願いだよ」

「シンジ!?」「先生!?」


ミントと織田さんが僕の肩を掴んで止めてきます、でも僕は本気です、僕の出来る事は済ませました、このダンジョンもミントがいれば回りますし、外の世界も魔力で満ち始めてる、もう僕がいなくても回るんだよ。


「今足りないのは、力の源」


ルナは【いただきます】の感謝の言葉から生まれた神様です、それは世界に広がったから形になったと説明してくれたんだ、そしてルナが誕生した事であいつは力を失いつつあると教えてくれた、僕はそれを聞いた時すごくうれしかった、僕がやってきたことは正しかったと喜んだんだよ。


「じゃあ、もっといただきますを広めないといけないのかな?」

「それが一番良いんだけど、代わりの物でも良い、ショタ父さんが持ってるポイントを下さい」


手を出してきたので、僕はその手に自分の手を添えました、すると僕の体から何かが出て行くのを感じたんだ。
ダンジョンのポイントって、僕の体に入ってたの!?と驚いたけど、ルナが光出したのでもっと驚きましたよ。


「「ルナ」」

「ヒカル父さん、ソラ母さん安心して、これはワタシの本当の姿、これで天界に行くことが出来るようになったんだよ」


ルナが白い羽衣を纏い少しだけ浮いてます、僕は天界と聞いて焦ります、もしかしたらルナは戻ってこないかもって思ったんだ、坂崎さんと森田君は、ルナをすごく大切にしています、本当の家族の様に一緒なんです、それを引き裂くのは僕は嫌です。


「ショタ父さんも安心して、ワタシは直ぐに帰って来る」


僕の心を読んだのかな?と思っているとルナは頷いていました、そして姿が一瞬で消えたんです、坂崎さんたちはかなり不安そうです。


「ぐ、ぐぅ~・・・ち、力が抜ける、どうしたと言うの」


天界ではあの女が苦しみ力をどんどん失っていました、そこにルナが到着してあの女を見下ろします。


「初めまして、ワタシの先任者さん、早速だけど、あなたには罰を受けてもらうわ」

「だ、誰よあんた、わたしが何をしたと言うの」


あの女が老けた顔をして告げました、それを聞いてルナはおでこに手を置いてため息を付いたんです。


「それが分からないからあなたは罰を受けるの、命の尊さを理解できるように反省して」


ルナの両手が光、あの女が怯えだします、ルナの力を感じて恐ろしくなったんです。


「な、何をするつもりよ」

「あなたには食材になってもらいます、誰かの糧となり命の大切さを知るのです、その回数はショタ父さんの作った食材と同じ数、4930京6421兆7510億1400万5221回、その間食べられる痛みも受けるでしょう、それも罰として受けるのですよ」


あの女が顔を青くします、でもルナはやめる事はしません、両手の光を女に飛ばし、女の体が光の玉になったんです、ルナは片手に収まる玉を拾い笑顔です、そして僕が飛ばされた窓に投げ吸い込まれていったんです。


「これで、ワタシは管理者の力を持つ、帰ってショタ父さんのお願いを聞かないとね」


ルナが光になり窓に飛び込みます、誰もいなくなった宮殿は静かになるだけでした。
僕たちの前にルナが戻って来きたのは、ルナが消えた5秒後でしたよ。
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