60 / 63
3章 商品チート
60話 聖女様(クラーシュ様)助けて
しおりを挟む
「誰か・・・誰か助けて・・・クラーシュ様」
アタシは、村を良くしてくれた時の夢を見て、そんな言葉が口から洩れました。
ここに来て鞭で打たれ、毎日空腹で苦しくて死にそうです。
「もう、イヤだ」
「誰か、殺してくれ」
「みんな」
アタシと一緒に来たみんなはもう諦めた感じで、アタシも諦めた方が楽かもっと目を閉じたんです。
もうこのまま目を開けずに死んでしまいたい、そう思ってしまうけど、また鞭で打たれるだけなので、怖くて苦しくてもやるしかありません。
「ここだぜ」
「こんな所に、絶対許せません」
牢屋の扉が開かれ、アタシはビクっと身体を緊張させ、また怒られると思って寝たまま丸くなったわ。
何処かで聞いた声だったかもしれませんが、もう怖くて見れません。
「開けたぜ」
「ありがとうシャカル」
「良いって事よ、その代わり、あたいの約束守ってくれよな」
「勿論よ、わたしはどこかの聖女と違って約束は守るわ」
牢屋に入って来た人たちの会話を聞いて、もしかしてと期待して顔を上げたら、アタシの知ってる人がそこにいました。
でも、会わせる顔が無い事を思い出して、下を向いてしまったんです。
「ベネット、無事で良かったわ」
「あの、クラーシュ様」
「あらベネット、あれだけ出て行く時暴言を吐いたのに、まだわたしを様付けするのね」
「そ、それは・・・すみません」
あの時は、本当にがっかりしていたからあんなことを言ってしまい、とても後悔していました。
でも、奴隷と分かったら聖女なんて呼べないし、様付けだってする気が無くなったんです。
「まったく、こんな時だけ様付けされても、こちらは嬉しくもなんともないわベネット」
「すみません、本当にすみませんでした」
「謝られてもどうしようも無いのよベネット、あなたは商会を抜けたんですからね」
「お、お願いしますクラーシュ様、助けて下さい」
無理な事を言っているのは分かっていたけど、アタシはそれしか言えませんでした。
そして、クラーシュ様の答えは無理というモノで、それでもアタシはお願いしたんです。
「本当に自分勝手ですねベネット、あなたを助けてもこちらにメリットはありません」
「そ、それは・・・確かにありません」
「まったく、そんなだから10倍とか言うありえない報酬に目が向くんです」
自分にそんな価値は無いと、クラーシュ様にズバッと言われて、アタシは泣きそうです。
既に涙は出てしまっていて、頭を地面に付けてお願いしたんです。
「ですから、お願いされても無理なんですよ」
「お願いします、奴隷でも何でもなります、だからお願いします」
「何を言ってるんですかベネット、あなたは既に奴隷なんですよ、だからシャカルに付いて行くことが決まっています」
「そ、そんな」
牢屋の外にいる聖女のローブを纏った人の物とクラーシュ様に言われて、アタシは絶望しました。
ミサエルの他の聖女に所有権が変わっただけだから、アタシの未来は変わらないと声を上げて泣いてしまったわ。
「っんだよ、あたいじゃ嫌だってのか?ミサエルの方が良いのかよ」
「まぁまぁシャカルさん、ベネットは分かってないだけです」
「そうだろうけどよ、あいつと一緒とか勘弁してほしいぜ」
「それも踏まえて、色を付けますから、それで許してください」
クラーシュ様が話しを纏めてくれたようですけど、アタシは泣く事しか出来ませんでした。
そんなアタシに、クラーシュ様はここを出る事を伝えて来て、意味が分からずに顔を上げたんです。
「た、助けてくれるんですか?」
「助けませんよ、あなたは罪を償う為に、聖女シャカルさんと一緒に行動するんです」
「おう、こき使ってやるから覚悟しろよ」
「ひっ!」
また酷い仕打ちを受けると思ったけど、クラーシュ様の笑顔を見て、そうじゃない事が分かりました。
反省して仕える事を言い渡されて、アタシは助けて貰えた事が分かったんです。
「あ、ありがとうございます」
「お礼なんて言わないでください、わたしは反省する機会を与えただけです」
それが救いの手なのが分かって、自分の行いに反省しました。
この機会を与えて貰えて、絶対に無駄にしない様に努力しようと思ったんです。
「必ず、いえもう絶対裏切りません」
「人は失敗するモノですが、もう一度あってはたまりませんよベネット」
「はい、すみませんでした」
フラフラになったアタシたちは、牢屋を出てクラーシュ様は離れて行き、アタシたちはシャカルの屋敷に連れていかれたんです。
そこで食事を貰い、回復魔法も使ってもらえたんです。
「よし、こんなもんだろう」
「すみません聖女様」
「良いんだよ、あたいも目的があったんだ、あいつに感謝しろよな」
「勿論です」
助けないと言っていましたけど、こうしてここにいられるのはクラーシュ様のおかげで、また助けられたと感謝したんです。
聖女じゃないと、商会を出る時言ってしまいましたけど、アタシの中ではやっぱりクラーシュ様が聖女様でした。
「次に会う時は、胸を張って会えるようにします」
「その意気だぞ、それでこそ預かってる意味があるからな」
「預かるって、どういうことですか?」
「ああ、クラーシュの提案でな、商会で仕事をさせるよりも、あたいに付かせた方が勉強になると言って来たのさ」
十分反省し、更に自分を鍛えるように言われ、やっぱり救いの手だったと実感しました。
他の人はまだ目を覚ましませんけど、アタシはみんなにこの事を話し、反省して今後を過ごすように伝えようと思います。
「頼むぜベネット、じゃないとあたいが困るからな」
「はい、お任せください、必ず期待に応えて見せます」
「おう頼むぜ、何せあたいの世話をするシスターがいないからな、助かるぜ」
シャカル様に仕えて、これから存分に反省するのがアタシの今後の人生です。
それが、クラーシュやリイル様を裏切ったアタシの償いで、許して貰えなくても続けるんです。
アタシは、村を良くしてくれた時の夢を見て、そんな言葉が口から洩れました。
ここに来て鞭で打たれ、毎日空腹で苦しくて死にそうです。
「もう、イヤだ」
「誰か、殺してくれ」
「みんな」
アタシと一緒に来たみんなはもう諦めた感じで、アタシも諦めた方が楽かもっと目を閉じたんです。
もうこのまま目を開けずに死んでしまいたい、そう思ってしまうけど、また鞭で打たれるだけなので、怖くて苦しくてもやるしかありません。
「ここだぜ」
「こんな所に、絶対許せません」
牢屋の扉が開かれ、アタシはビクっと身体を緊張させ、また怒られると思って寝たまま丸くなったわ。
何処かで聞いた声だったかもしれませんが、もう怖くて見れません。
「開けたぜ」
「ありがとうシャカル」
「良いって事よ、その代わり、あたいの約束守ってくれよな」
「勿論よ、わたしはどこかの聖女と違って約束は守るわ」
牢屋に入って来た人たちの会話を聞いて、もしかしてと期待して顔を上げたら、アタシの知ってる人がそこにいました。
でも、会わせる顔が無い事を思い出して、下を向いてしまったんです。
「ベネット、無事で良かったわ」
「あの、クラーシュ様」
「あらベネット、あれだけ出て行く時暴言を吐いたのに、まだわたしを様付けするのね」
「そ、それは・・・すみません」
あの時は、本当にがっかりしていたからあんなことを言ってしまい、とても後悔していました。
でも、奴隷と分かったら聖女なんて呼べないし、様付けだってする気が無くなったんです。
「まったく、こんな時だけ様付けされても、こちらは嬉しくもなんともないわベネット」
「すみません、本当にすみませんでした」
「謝られてもどうしようも無いのよベネット、あなたは商会を抜けたんですからね」
「お、お願いしますクラーシュ様、助けて下さい」
無理な事を言っているのは分かっていたけど、アタシはそれしか言えませんでした。
そして、クラーシュ様の答えは無理というモノで、それでもアタシはお願いしたんです。
「本当に自分勝手ですねベネット、あなたを助けてもこちらにメリットはありません」
「そ、それは・・・確かにありません」
「まったく、そんなだから10倍とか言うありえない報酬に目が向くんです」
自分にそんな価値は無いと、クラーシュ様にズバッと言われて、アタシは泣きそうです。
既に涙は出てしまっていて、頭を地面に付けてお願いしたんです。
「ですから、お願いされても無理なんですよ」
「お願いします、奴隷でも何でもなります、だからお願いします」
「何を言ってるんですかベネット、あなたは既に奴隷なんですよ、だからシャカルに付いて行くことが決まっています」
「そ、そんな」
牢屋の外にいる聖女のローブを纏った人の物とクラーシュ様に言われて、アタシは絶望しました。
ミサエルの他の聖女に所有権が変わっただけだから、アタシの未来は変わらないと声を上げて泣いてしまったわ。
「っんだよ、あたいじゃ嫌だってのか?ミサエルの方が良いのかよ」
「まぁまぁシャカルさん、ベネットは分かってないだけです」
「そうだろうけどよ、あいつと一緒とか勘弁してほしいぜ」
「それも踏まえて、色を付けますから、それで許してください」
クラーシュ様が話しを纏めてくれたようですけど、アタシは泣く事しか出来ませんでした。
そんなアタシに、クラーシュ様はここを出る事を伝えて来て、意味が分からずに顔を上げたんです。
「た、助けてくれるんですか?」
「助けませんよ、あなたは罪を償う為に、聖女シャカルさんと一緒に行動するんです」
「おう、こき使ってやるから覚悟しろよ」
「ひっ!」
また酷い仕打ちを受けると思ったけど、クラーシュ様の笑顔を見て、そうじゃない事が分かりました。
反省して仕える事を言い渡されて、アタシは助けて貰えた事が分かったんです。
「あ、ありがとうございます」
「お礼なんて言わないでください、わたしは反省する機会を与えただけです」
それが救いの手なのが分かって、自分の行いに反省しました。
この機会を与えて貰えて、絶対に無駄にしない様に努力しようと思ったんです。
「必ず、いえもう絶対裏切りません」
「人は失敗するモノですが、もう一度あってはたまりませんよベネット」
「はい、すみませんでした」
フラフラになったアタシたちは、牢屋を出てクラーシュ様は離れて行き、アタシたちはシャカルの屋敷に連れていかれたんです。
そこで食事を貰い、回復魔法も使ってもらえたんです。
「よし、こんなもんだろう」
「すみません聖女様」
「良いんだよ、あたいも目的があったんだ、あいつに感謝しろよな」
「勿論です」
助けないと言っていましたけど、こうしてここにいられるのはクラーシュ様のおかげで、また助けられたと感謝したんです。
聖女じゃないと、商会を出る時言ってしまいましたけど、アタシの中ではやっぱりクラーシュ様が聖女様でした。
「次に会う時は、胸を張って会えるようにします」
「その意気だぞ、それでこそ預かってる意味があるからな」
「預かるって、どういうことですか?」
「ああ、クラーシュの提案でな、商会で仕事をさせるよりも、あたいに付かせた方が勉強になると言って来たのさ」
十分反省し、更に自分を鍛えるように言われ、やっぱり救いの手だったと実感しました。
他の人はまだ目を覚ましませんけど、アタシはみんなにこの事を話し、反省して今後を過ごすように伝えようと思います。
「頼むぜベネット、じゃないとあたいが困るからな」
「はい、お任せください、必ず期待に応えて見せます」
「おう頼むぜ、何せあたいの世話をするシスターがいないからな、助かるぜ」
シャカル様に仕えて、これから存分に反省するのがアタシの今後の人生です。
それが、クラーシュやリイル様を裏切ったアタシの償いで、許して貰えなくても続けるんです。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,018
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる