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1章 新たな人生
19話 リイル商会開設
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「それで、あの子たちを商会に誘ったのね」
冒険者ギルドの応接室で、僕はファーラさんに問いただされていて、ニッコリと肯定しました。
商会を立ち上げ、あの子たちと交わした契約内容は、ファーラさんも知っている採取の事です。
「そ、それだけなの?」
「ええ、どうせ他の部分は知られる事ですから、採取の方だけで構いません」
「で、でもギルドの」
「そこで提案なんですが、僕の商会で訓練をするというのはどうですか?」
僕からの依頼とすれば、報酬を貰えて冒険者は潤い、更にはギルドも教育をしていると言える。
僕の商会もギルドに名を売る事が出来ると了承を求めると、ファーラさんは唸って悩みだしましたね。
「そんなに考える事じゃないですよファーラさん、これはリイル商会からの提案で、そちらには何も落ち度はありません」
「そうなのだけど、どうしてそこまでしてくれるの?利益なんて無いじゃない」
「そうでもないですよファーラさん、だってここはもっと繁栄しますからね」
後のお客になる利益を考えれば、今の投資なんてちっぽけで、これで恩と思ってくれるから喜んで投資すると言ってあげました。
そこまで考えてくれるならと、ファーラさんは喜んでくれたけど、僕の不満はここの領主に資金が行くことです。
「ああ~そこですか」
「はい、ここが良くなれば、それだけで何もしてない領主が潤います」
「そうなったら、変な事を言い出しかねないって事ね」
「ええ、税を上げたり、冒険者を騎士に任命したりですね」
しっかりとした所なら喜んで送り出す事でも、確実にダメな所なので不安でしかありません。
その為のギルド支援で、家に雇われているテイにすれば断る事も出来るとファーラさんも納得です。
「商業ギルドにも声を掛けていますし、こちらのギルマスが使えなくてもきっと平気です」
「重ね重ねすみません」
「まぁ力づくで来るなら簡単なんで、その時はちょっと騒動がおきますから了承しててください」
何をするのかと不安そうですが、横領や横流しと既に調べてあります。
商業ギルドは優秀で、今まで散々な目にあっていたから喜んで協力してくれました。
「そう言う訳なので、今後商会としてよろしくお願いします」
「分かったわリイル様、新人が来たら依頼を勧めます」
「よろしくお願いします、僕はこれからある人に売り込みに行ってきます」
不思議そうな顔のファーラさんに一礼して、僕は奴隷商の元に向かいました。
途中クラーシュたちと合流し、自信満々に扉をノックしたんだ。
「待っていましたよリイル様」
「よろしくお願いしますバーバルナさん」
「では、どうぞ奥に」
何も聞かずに奥に通され、僕たちも警戒しないで案内され向かい合って座ると、早速お話の為に作った品を見せました。
装備やポーションとこの街で不足している品を並べ、これが全部クラーシュたちの製作品と宣伝したんだ。
「これはこれは、1月でここまで出来るようになるのですな」
「クラーシュたちも頑張ってくれましたから、今後は個人差が出るかもしれません」
「それでも1月でこれは素晴らしい、是非とも教育してほしいですな」
賛成を貰い、読み書きなども教えている事を伝えて、料金表をバーバルナさんに渡しました。
読み書きのみなら1週間で、戦闘系追加で2週間が加わり、生産系は3週間と記載しました。
「ふむ、これが基準ですと、前回の奴隷たちは戦闘は出来ないのですな」
「その通りですバーバルナさん、クラーシュたちは生産系で使わせてもらいます」
「なるほど、では新たな安値の奴隷を5人渡しますので、戦闘系の見本をお願いします」
次の段階に来たかと了承し、新たな奴隷が運ばれて来る前に商会のお話に入ります。
屋敷には、雇った冒険者を住まわせ、店では奴隷たちに生産した品を売ると宣伝です。
「なるほどなるほど、では店で働く奴隷が更に欲しいと言う事ですな」
「話しが早くて助かります」
「いえいえ、これほどの品が作れるのなら、それだけの利益を見込めますからな」
ほんとに利益が得られると分かったバーバルナさんは扱いやすく、料理の出来る奴隷を追加でお願いしました。
喜んで人選してくれることになったけど、ここで食料の不足が気になると僕から話しを振ると、確かにと顔色を曇らせたよ。
「やはり、周りの村では難しいですか?」
「リイル様の思っている通りです、ここの領主はそこら辺に疎くて、全然改善がされないのです」
「でしたら、良い作物を育てられると分かればどうですか?」
「ふむ・・・村に直談判すればよろしいかと思います」
領主には逆効果と言われ、僕はそっちの方で作戦を固めたので、農業の出来る奴隷も追加しました。
実験が成功したらバーバルナさんにお願いすると約束し、奴隷の代金(銀貨100枚)を支払ったんだ。
「1人銀貨2枚ですか」
「ええ、リイル様でしたら、安値の奴隷たちで充分でしょ?」
「分かってくれてますね、流石ですバーバルナさん」
「勿論です、出来上がった商品も外に売り捌いてきます」
よろしくっと、バーバルナさんと握手をして、商談を終了させました。
奴隷は宿の方に運んでもらうように伝え、まずは治療と奴隷紋の契約です。
「リイル様、あまりあの人を信じない方が」
「クラーシュ、僕はバーバルナさんを信じてないよ」
「そ、そうなのですか?」
「うん、僕とバーバルナさんを繋いでいるのは利益なんだ」
お金を稼げるから今の仲があり、それが無くならない限り裏切られることはありません。
だからこそ、利益を出し続けるのであり、街が繁栄していくとクラーシュに教えたよ。
「ですが、他の何者かがそれ以上を提示してきたら」
「その時は切り捨てるけど、それは難しいよクラーシュ」
「そ、そうなのですか?」
そう、僕が今行っている事の全てを上回るには、1つの領地が稼げる額よりも高額になり、それはまだまだ発展途上です。
下手をしたら国でも上回れない額になると教えると、クラーシュはビビってしまったね。
「だから安心してクラーシュ、彼が裏切ったとしても、その時には他に味方がいる」
「それって、ギルドとかですか?」
「そうだね、他にもあるけどそれだけで充分さ」
流石とクラーシュは言って来て、アルエルたちも喜んだけど、裏切られるなら事前に覚悟をしたかった。
もうあんな思いはイヤだっと、宿に戻って奴隷たちを癒し、契約をして次の指示に入ります。
「皆さんはリイル商会の職員として働いてもらう為、これから教育を僕とこちらの者たちで行います」
「ワタシはクラーシュ、裁縫の技術を教えますので皆さん頑張りましょう」
「ボクはアルエル、薬剤の技術を教えるからね」
僕の横でそれぞれ自己紹介を始めたけど、アリュシュの自己紹介がわからなそうだったので、僕が代わりに伝えて今後のお話も追加しました。
戦闘技術に生産技術、料理に農業とそれぞれ別れてもらったけど、総勢55人だからさすがにリマリーちゃんには言わないといけません。
下に降りると、かなり戸惑ってるリマリーちゃんが待っていて、僕はまず謝罪して説明に入ったよ。
「っと言う事で、僕は商会を作ったんだよ」
「そうだったんですね、凄く多かったらビックリです」
「ごめんね、今度埋め合わせをするよ」
「それでしたら、出来ればお料理を教えてください」
朝食が美味しいと聞いたらしく、それくらいで良いならと了承したよ。
奴隷たちを移動させて、今度はボルトたちに説明だけど、前とは違い商会の紋章が奴隷紋である事を告白したんだ。
「このペンダント、奴隷紋なのか?」
「そうだよボルト、これは僕のスキルを有効に使いたいからで強制力はないから、商会の職員証とでも思ってくれて構わないよ」
「そう言う事なら、全然問題ないな」
書面の規約にも掲載してあると説明し、他の人たちも納得してくれて、商会が大きく動き出したのを実感しました。
冒険者ギルドの応接室で、僕はファーラさんに問いただされていて、ニッコリと肯定しました。
商会を立ち上げ、あの子たちと交わした契約内容は、ファーラさんも知っている採取の事です。
「そ、それだけなの?」
「ええ、どうせ他の部分は知られる事ですから、採取の方だけで構いません」
「で、でもギルドの」
「そこで提案なんですが、僕の商会で訓練をするというのはどうですか?」
僕からの依頼とすれば、報酬を貰えて冒険者は潤い、更にはギルドも教育をしていると言える。
僕の商会もギルドに名を売る事が出来ると了承を求めると、ファーラさんは唸って悩みだしましたね。
「そんなに考える事じゃないですよファーラさん、これはリイル商会からの提案で、そちらには何も落ち度はありません」
「そうなのだけど、どうしてそこまでしてくれるの?利益なんて無いじゃない」
「そうでもないですよファーラさん、だってここはもっと繁栄しますからね」
後のお客になる利益を考えれば、今の投資なんてちっぽけで、これで恩と思ってくれるから喜んで投資すると言ってあげました。
そこまで考えてくれるならと、ファーラさんは喜んでくれたけど、僕の不満はここの領主に資金が行くことです。
「ああ~そこですか」
「はい、ここが良くなれば、それだけで何もしてない領主が潤います」
「そうなったら、変な事を言い出しかねないって事ね」
「ええ、税を上げたり、冒険者を騎士に任命したりですね」
しっかりとした所なら喜んで送り出す事でも、確実にダメな所なので不安でしかありません。
その為のギルド支援で、家に雇われているテイにすれば断る事も出来るとファーラさんも納得です。
「商業ギルドにも声を掛けていますし、こちらのギルマスが使えなくてもきっと平気です」
「重ね重ねすみません」
「まぁ力づくで来るなら簡単なんで、その時はちょっと騒動がおきますから了承しててください」
何をするのかと不安そうですが、横領や横流しと既に調べてあります。
商業ギルドは優秀で、今まで散々な目にあっていたから喜んで協力してくれました。
「そう言う訳なので、今後商会としてよろしくお願いします」
「分かったわリイル様、新人が来たら依頼を勧めます」
「よろしくお願いします、僕はこれからある人に売り込みに行ってきます」
不思議そうな顔のファーラさんに一礼して、僕は奴隷商の元に向かいました。
途中クラーシュたちと合流し、自信満々に扉をノックしたんだ。
「待っていましたよリイル様」
「よろしくお願いしますバーバルナさん」
「では、どうぞ奥に」
何も聞かずに奥に通され、僕たちも警戒しないで案内され向かい合って座ると、早速お話の為に作った品を見せました。
装備やポーションとこの街で不足している品を並べ、これが全部クラーシュたちの製作品と宣伝したんだ。
「これはこれは、1月でここまで出来るようになるのですな」
「クラーシュたちも頑張ってくれましたから、今後は個人差が出るかもしれません」
「それでも1月でこれは素晴らしい、是非とも教育してほしいですな」
賛成を貰い、読み書きなども教えている事を伝えて、料金表をバーバルナさんに渡しました。
読み書きのみなら1週間で、戦闘系追加で2週間が加わり、生産系は3週間と記載しました。
「ふむ、これが基準ですと、前回の奴隷たちは戦闘は出来ないのですな」
「その通りですバーバルナさん、クラーシュたちは生産系で使わせてもらいます」
「なるほど、では新たな安値の奴隷を5人渡しますので、戦闘系の見本をお願いします」
次の段階に来たかと了承し、新たな奴隷が運ばれて来る前に商会のお話に入ります。
屋敷には、雇った冒険者を住まわせ、店では奴隷たちに生産した品を売ると宣伝です。
「なるほどなるほど、では店で働く奴隷が更に欲しいと言う事ですな」
「話しが早くて助かります」
「いえいえ、これほどの品が作れるのなら、それだけの利益を見込めますからな」
ほんとに利益が得られると分かったバーバルナさんは扱いやすく、料理の出来る奴隷を追加でお願いしました。
喜んで人選してくれることになったけど、ここで食料の不足が気になると僕から話しを振ると、確かにと顔色を曇らせたよ。
「やはり、周りの村では難しいですか?」
「リイル様の思っている通りです、ここの領主はそこら辺に疎くて、全然改善がされないのです」
「でしたら、良い作物を育てられると分かればどうですか?」
「ふむ・・・村に直談判すればよろしいかと思います」
領主には逆効果と言われ、僕はそっちの方で作戦を固めたので、農業の出来る奴隷も追加しました。
実験が成功したらバーバルナさんにお願いすると約束し、奴隷の代金(銀貨100枚)を支払ったんだ。
「1人銀貨2枚ですか」
「ええ、リイル様でしたら、安値の奴隷たちで充分でしょ?」
「分かってくれてますね、流石ですバーバルナさん」
「勿論です、出来上がった商品も外に売り捌いてきます」
よろしくっと、バーバルナさんと握手をして、商談を終了させました。
奴隷は宿の方に運んでもらうように伝え、まずは治療と奴隷紋の契約です。
「リイル様、あまりあの人を信じない方が」
「クラーシュ、僕はバーバルナさんを信じてないよ」
「そ、そうなのですか?」
「うん、僕とバーバルナさんを繋いでいるのは利益なんだ」
お金を稼げるから今の仲があり、それが無くならない限り裏切られることはありません。
だからこそ、利益を出し続けるのであり、街が繁栄していくとクラーシュに教えたよ。
「ですが、他の何者かがそれ以上を提示してきたら」
「その時は切り捨てるけど、それは難しいよクラーシュ」
「そ、そうなのですか?」
そう、僕が今行っている事の全てを上回るには、1つの領地が稼げる額よりも高額になり、それはまだまだ発展途上です。
下手をしたら国でも上回れない額になると教えると、クラーシュはビビってしまったね。
「だから安心してクラーシュ、彼が裏切ったとしても、その時には他に味方がいる」
「それって、ギルドとかですか?」
「そうだね、他にもあるけどそれだけで充分さ」
流石とクラーシュは言って来て、アルエルたちも喜んだけど、裏切られるなら事前に覚悟をしたかった。
もうあんな思いはイヤだっと、宿に戻って奴隷たちを癒し、契約をして次の指示に入ります。
「皆さんはリイル商会の職員として働いてもらう為、これから教育を僕とこちらの者たちで行います」
「ワタシはクラーシュ、裁縫の技術を教えますので皆さん頑張りましょう」
「ボクはアルエル、薬剤の技術を教えるからね」
僕の横でそれぞれ自己紹介を始めたけど、アリュシュの自己紹介がわからなそうだったので、僕が代わりに伝えて今後のお話も追加しました。
戦闘技術に生産技術、料理に農業とそれぞれ別れてもらったけど、総勢55人だからさすがにリマリーちゃんには言わないといけません。
下に降りると、かなり戸惑ってるリマリーちゃんが待っていて、僕はまず謝罪して説明に入ったよ。
「っと言う事で、僕は商会を作ったんだよ」
「そうだったんですね、凄く多かったらビックリです」
「ごめんね、今度埋め合わせをするよ」
「それでしたら、出来ればお料理を教えてください」
朝食が美味しいと聞いたらしく、それくらいで良いならと了承したよ。
奴隷たちを移動させて、今度はボルトたちに説明だけど、前とは違い商会の紋章が奴隷紋である事を告白したんだ。
「このペンダント、奴隷紋なのか?」
「そうだよボルト、これは僕のスキルを有効に使いたいからで強制力はないから、商会の職員証とでも思ってくれて構わないよ」
「そう言う事なら、全然問題ないな」
書面の規約にも掲載してあると説明し、他の人たちも納得してくれて、商会が大きく動き出したのを実感しました。
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