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1章 開店

15杯目 唐揚げ祭り

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【ニワトリ×50】
レベル0.01
侵入時間
8時間
【400P】


まさかニワトリも侵入者になっているとは思わず、1250Pが1650Pになっててビックリだ。
その疑問は、俺のスキルとダンジョンとは別という事で、オーロラの意見で納得したよ。


「それにしても、これはかなり助かるな」
「少ないですが、ずっと侵入していますからですわね」
「ああ、ミケミたちが無理でも、外に出せば手に入るからな」


時間が経てば経つほどポイントになり、俺はニヤニヤが止まらない。
ミケミたちが戻って来ると、そんな笑顔を止めて交渉に入ったが、やはりニワトリは家畜としてNGを食らったよ。


「ニワトリがダメとなると、他のウシやブタも試してみてくれるかな」
「ふむ、それは良いのだが、唐揚げとはどんな料理なのだ?」
「ああ、通路の真ん中あたりにあった、茶色い塊の奴だ」


文字が読めないのは困ったが、実物を見せて楽しみになったのか、フルーツ牛乳を一気に飲んで早く寝ようと言って来た。
部屋に案内して、また使い方を教えたが、トイレにはビックリされたな。


「もしかして、水洗とかじゃないのか?」
「スイセン?っとは何だいメンヤ殿」
「そこからとなると、人種族の方にもなさそうだな」


どうせ俺は使わないが、兎に角使い方を教えてから各部屋で休んでもらい、唐揚げは明日の楽しみにしてもらったよ。
翌朝までに俺たちは唐揚げを仕込まないといけないので、お店に戻って早速ニワトリの解体を頼む事になったが、オーロラたちはそれはもう喜んで作業をしてくれた。


「オーロラたちはそんな事も出来るんだな、正直助かったよ」
「ワタクシたちは、マスターの為なら何でも出来ますわ」
「それはありがたいが、何でもは言い過ぎだ」
「いえいえ、ほんとに何でもしますわよ」


夜伽でも何でもとか言われたが、俺が魂だけだからか、そんな言葉にも俺は反応はしない。
身体がある様に見えてそうではないのが分かったが、正直美人にそこまで言われてムラムラしないとか男として終わった感じだ。


「しかし、俺にはラーメンがある、性欲なんて無くても死なない」


何故か涙が出たが、俺には皆がいるし楽しいから良いんだ。
せっせと解体してくれるみんなを見ながら、MPが勿体ないので新たな飲み物を出していく作業に取り掛かった。


「マタタビ茶とか酒を今回は出すぞ」


ジュースは用意していたが、他にもビールやワインと色々と交換し、6レベルになって600のMPを存分に使わせてもらった。
遂にお酒の解禁だけど、それを出すのは夜に取っておくとして、みんながあくびをして起きて来たので、唐揚げと好みのラーメンを出したんだ。


「これが唐揚げかい」
「ああ、熱いから気を付けてな」
「ラーメンもあるとは、朝から豪華だねぇ」


いただきますっと、ミケミたちが唐揚げを一口食べると、美味かったのか全員の尻尾が【ピーン】っと伸びたんだ。
若干プルプルと震えてるので、相当嬉しいのかもしれない。


「うまい、これは美味すぎるぞメンヤ殿」
「気に入って貰えたみたいで良かった、ラーメンと合わせると更に美味いぞ」
「ほんとかっ!?」


早速食べて見ようと唐揚げを口に入れてラーメンを食べたら、美味さにまたまた震えていた。
それからみんなのお代わりの嵐が巻き起こり、50羽の鶏肉はあっという間になくなった。


「いやぁ~美味かった」
「手羽先とかボンジリの串焼きとか、唐揚げとは違ったんだが、完食は嬉しいな」


みんな動けない程に食べてくれて、食い倒れとはこういった事を意味するのかと笑ってしまった。
30分の休憩後、みんなに一度外に出てもらいポイント確認を行ったよ。


【ミケミ】
レベル31
侵入時間
14時間
【43400P】


子供が6人で、ニャースラたちよりもレベルの低い子たちと、その親を合わせて18名で、族長のミケミを入れて19人となり、今の合計が395050Pになったんだ。
鬼神を召喚するには足りないので、ミケミに残れる人の選抜をしてもらった。


「あたいたちはちょっと用事が出来たから、最初の3家族と子供たちを頼むよ」
「それは助かる、昼も用意するが帰って来れるのか?」
「ちょっと難しいね」


外の用事は時間が掛かる様で、お弁当を作る事を提案したよ。
弁当と聞いて、分かってない感じだったので、ラーメン屋では珍しいハンバーガーを出して見せると、味見とばかりにミケミは一口食べて、その美味しさに1つをぺろりと食べて切ったな。


「これはまた美味かったよメンヤ殿」
「パンに野菜と肉を挟んでいる、1人4つくらい用意しておくよ」
「それは助かるよ」


ミケミさんは、そのついででも良いからと、肉と野菜を要望して来た。
どうやら、他の集落に行く様でその手土産という事らしい。


「なるほど、それは時間が掛かるな」
「ニーチェから聞いていると思うが、食料は今不足しているんだよ」
「そう言う事ですか、それなら用意するよ」
「助かるよメンヤ殿」


肉は燻製肉が良いだろうと思いながら、俺は野菜も山盛りで出して行き、ミケミたちは出発していった。
ニーチェさんたちを見送ったが、その後にニャースラたちは広場で遊ぶ事になり、俺はある挑戦を始める事にした。


「もっと指先に集中ですマスター」
「う、うぬぬぅ~」
「力んではいけませんわ、もっと落ち着いて」


俺は、自分でもラーメンを作れないかと思い、オーロラたちに事前に聞いて物を掴めるかもしれない事を知ったので試したんだ。
まずはサイバシを掴む練習だが、指を通り抜けてしまっているよ。


「ダメか~」
「まだ始めたばかりですわマスター」
「そうだな、頑張るよオーロラ」


メイドたちがラーメンを作っている間、俺はオーロラに見てもらいながら集中して訓練を行った。
オーロラたちも幽霊で、彼女たちも集中して掴んでいたので、俺も作ってみたいと思ったんだ。


「見てるだけなのはイヤなんだ、絶対掴んでやる」


ボソッと言った俺の思いは、オーロラたちが頑張ってくれているからで、指示を出しているだけの状態はイヤだった。
少しでも触れる事が出来れば、進展があり希望が持てるが、今の所上手くいかずオーロラたちに触れるだけだ。


「しかし、同じようなオーロラたちが出来るんだ、きっと俺にだって」
「頑張りましょうマスター」
「ああ、新たな仲間を召喚するまでには、ハシ一本位は触れる様になるぞ」


うむむぅ~っと、俺は集中して行いニャースラたちが昼食に現れた時にも、俺はまだ進展がなくちょっとヘコんでしまった。
そして、夕食前にミケミさんが戻って来ても出来なくて、ショックを受けてしまっていたよ。


「メンヤ、どうしたにゃ?」
「マスターまだ一日目ですわよ」
「そ、そうだな・・・ニャースラたちは一度ダンジョンを出て貰えるかな」
「了解にゃ~」


落ち込んでいても変わらない、俺の訓練は始まったばかりで、ミケミたちの報告も聞く必要があるし、ポイントも116000P増えたので鬼神は召喚しなくてはならない。
それなのに、俺が落ち込んでいてはいけないから、顔を叩いて気合を入れ気持ちを切り替えたんだ。
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