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1章 開店

12杯目 養殖場とお手伝い

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ニャースラたちは変わらずで、3時間だったから5人のポイントは16500にもなり、新たに来てくれた親御さんたちのログはこんな感じだった。


【ニート】
レベル21
侵入時間
3時間
【6300P】

【トトル】
レベル17
侵入時間
3時間
【5100P】

【ケニー】
レベル22
侵入時間
3時間
【6600P】

【ミュミュ】
レベル18
侵入時間
3時間
【5400P】


今まで手に入れたポイントが4万を超え5レベルに上がったが、まずは1万Pの超部屋(500m四方)を設置して、そこを500Pで牧草地に模様替えしたんだ。
とても広いからなかなかの風景で、どうしてか空が高い場所に見える。


「オーロラこれって、どういうことなんだ?」
「牧草地にしたからですわね」
「そんな一言で・・・まぁダンジョンの仕様ってやつか」


室井がそんな事を言っていたが、その時はああそうかと言ってしまっていた自分を殴りたいな。
1階をぶち抜いてるのか?っとか、そんな事を考えても仕方ないので、その方が良いと思う事にしてニワトリを50羽出したんだ。


「もっと出しても良いが、ウシの方も部屋を作りたいからな」
「そう言えば、お世話は誰がするのですかマスター?」
「そ、そう言えば考えてなかった」


どうしようと思って、ニワトリをアイテムボックスに入れようとしたんだが、どうやら生き物は入らない様でしまえなかった。
これはまずいと、夜にニーチェさんたちに頼もうと他人任せになってしまった。


「では、ウシとブタは無しですか?」
「そうだな、せめて世話の出来るモンスターを出してからだ」
「でしたら、鬼神がよろしいと思いますわ」


オーロラが言うので画面を出したんだが、鬼神はオーガの上位種で50万も掛かる事が分かった。
これはさすがに無理だろうと、他のモンスターを探そうとしたんだが、オーロラが推した理由を言って来て、ニャースラたちにお願いして見ようと考えたよ。


「泊まり込みか~」
「はい、あの3家族なら協力してくれますわ」
「しかし50万となると、今手に入れたポイントの10倍だぞ」


簡単に計算しても30時間は掛かり、それでも39.9万Pで届かないだろう。
それに、ダンジョンが危険と思われている今の段階で、3家族がいなくなるのは問題と指摘した。


「ですので、事前に族長に知らせるのです」
「なるほど、安全性を更に知らせる訳だなオーロラ」
「はい、積み重ねなら、丁度良い出来事ですわ」


確かにそうだと、地下1階に道を増やし、そこに宿泊できる小部屋とお風呂と、ついでに大部屋の遊び場も設置した。
全部で1万P使ったが、必要経費という事で納得したんだ。


「後は、飲み物とかも部屋に置くか」
「冷蔵庫も役に立ちそうですわね」
「そうだな、手伝ってくれオーロラ」
「はい喜んで」


夜までの時間、メイドたちも手伝ってくれて部屋を整えたが、ラーメンを作らなかったのは初めてだった。
ベッドなども俺のスキルで交換した物なので、最初に置かれた品よりも上質なモノだから、きっと喜んではくれるだろう。


「滞在してくれるだろうか」
「マスターの気持ちが籠っていますから、きっと平気ですわ」
「そうっすよ」
「ダメだったら、ウチたちが使いましょうか?」


メイドたちもなんだが楽しそうだが、名前が無いと同じ顔ばかりなのでちょっと困った。
しかし、名前を付ける事はしてはいけないらしく、呼ぶ時は気を付ける事にしたよ。


「さて、そろそろ来るよな」
「昨日と同じ時間とは限りませんよマスター」
「まぁ族長の説得があるからな」


それもそうだと思ったんだが、期待してしまうのは仕方なく、みんなでラーメンを食べて待つことにした。
作らなかったのは待っていたいからで、メイドたちの個性も確認したかったんだ。


「みんな似てる様でちょっと違うんだな」
「分かりますか?」
「ああ、オーロラを分かる様に何となく分かる」


魔力の流れというのもあるらしいが、オーロラがテレていたよ。
口調は結構違うが笑い方とかも違い、主としてしっかり見てあげるべきと思ってジッと見てしまった。


「マスターちょっとご相談なのですが、よろしいですか?」
「珍しいなオーロラ、何か心配事か?」
「ちょっと気になると言いますか、外の情報を集める部隊を作った方が良いと思いますの」


ニャースラたちの情報では断片的で、確かに気にはなっていたが、まずはダンジョンの中が優先なのを伝えて保留にした。
しかし、必要なのは俺にも分かるから出来るだけ急ぐつもりではいて、今俺には他にも気にしている事がある。


「みんな、ラーメンも沢山の種類を作れる様になったので、次のステップに進もうと思う」
「マスター?」
「オーロラ、実はみんなには言ってなかったが、ラーメンには茹で方と言うモノが存在し、それによっても味が変わる」


皆は「そんなバカなっ!?」って顔して来たけど、確かに存在しててスープとの相性も変わる。
だからこそ、何度も作って慣れた今の時点で伝えたわけだ。


「明日はそこを訓練しようと思うが、やってくれるか?」
「勿論ですよマスター」


オーロラの言葉にメイドたちも返事をしてくれて、今後は茹で時間を変える為のタイマーも準備する事になった。
そして、みんなのおかげで俺は今とても楽しくて、魂だけの存在になった自分だが、俺は幸せだった。


「ありがとうなみんな、これからもよろしく」
「当然ですわよマスター」
「そうっすよ」


皆は笑顔で喜んでくれるが、ラーメンだけが幸せじゃないと分かったよ。
その中にニャースラたちも入れたいが、その為にはもう少し信用を得なくてはならない。


「そう言えば、料理がどんななのか分からないとか言われたな」
「そうでしたわね」
「マスターが出した、小さな料理で良いのでは?」
「いや、あれでも分かってもらえなかった」


そこで俺が考えたのは、通路の右側に見本を置く事だった。
長いテーブルの上に作り物の料理を置き、見た目だけは分かる様にし、最後は味見をさせる事を宣言したんだ。


「さすがマスターですわ」
「ありがとうオーロラ・・・だが、味は分からないからな、今後の課題だ」
「そうですわね、頑張りましょう」


少しずつ、ほんとに少しずつ良くなってきた感じはあり、俺もいつの間にか食べて貰う喜びを感じられた。
オーロラたちとの生活も楽しいし、今後も続くように頑張りたい。


「成功すると良いな」
「そうですわねぇ」


入り口を見て、俺はそんな願いが口から出たが、それは違う形で現実になり俺達はそれを歓迎したんだ。
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