神よ願いを叶えてくれ

まったりー

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3章91番目の世界

89話 試作品

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『主良いんですかこれ?』


あれから3カ月が経ってなんとか落ち着いてきた俺たちは今あの基地にはいない、本部の中央王都ジャービルに試作機展覧会に来ている。


「しょうがないだろ、デルション社が無くなって今まで名を潜めていた会社が申請してきたんだ、これも世界の為だ」


そうなんだ、俺がいなくなっても開発が出来ないとあいつらには勝てない、そうなるとこの世界は救った事にならないだろう、これは散々世界を救った結果だな。


『そうですけど、どれも第5世代の粗悪品ですよ、ひどいのは第4世代にも劣ります』


「まぁな、デルション社が優秀だったと初めて知ったよ」


他の会社があったのは知っていた、だがこれほどとは知らなかったよ、分身を入社させておくべきだったか?いやここまでとなると結局俺がやることになるからダメだな。


「なぁジュント、なに独り言言ってるんだ?」


ナビ玉と普通に話しているとプルネーラが言ってきた、俺の護衛に志願してくれたんだ。


「どれもひどいなと思ったんだよ」


「それはそうだろ、ほとんどの情報は軍が抑えてたんだ、これでもすごいくらいだぜ」


そうなんだよな、第3世代の時までは結構拮抗してたんだ、だがいつの間にかそうなってた、これからは伸びるだろうな。


「それは知ってるよ、だが俺たちの本命はあれだ」


「あれな、あたしも楽しみなんだ、世界初のマテリアルコア2機搭載型」


デルション社から出て行った研究者が他の会社で作ったらしい、他にも結構移籍した者がいるからそれが楽しみだったんだ、それがこれだからな。


「そうだな、マテリアルコアを増やすとそれだけで出力が上がるが調整も難しい、それにはプログラム自体を」


俺は少し饒舌になって説明してしまった、2機搭載は仕組みさえちゃんとすればすぐに出来る、問題は搭乗者だ、魔力が足りなくて直ぐガス欠になるんだ。


「っとすまんプルネーラ、少し話し込んでしまった」


「ガジェト整備長が喜ぶわけだ、ジェミーたちは屋台だしよ、いいよなぁ」


そう言えばプルネーラ隊の他の子たちが見えなかったが、そうか屋台に行ってたか、プルネーラは俺の護衛で離れられないって訳か、意外にまじめだな。


「大体見たから俺たちも少し屋台を見るか」


「い、良いのか!?」


「ああ、もうあらかた見たからな、後はその本命が出てくるまで時間を潰すだけだ」


やはり本命だからか、軍がそれを最後に空から登場させるらしい、まぁ聞いた話ではあまり成功とはいえないらしいが、今回の展覧会が悪すぎたからどうしても何か出さないとダメだったらしい。


「このタコ焼きっての美味いな」


「プルネーラ頬っぺたにタレがついてるぞ」


俺はハンカチで取ってやった余程美味しいんだな、何だか子供と過ごしているみたいだ、プルネーラは15だから子供と言うと怒りそうだから言わないけどな。


「さ、サンキュー」


「そう言えばプルネーラの姉さんの件はどうなった?」


「ふぇ!?」


顔が近かったから驚いた顔がまじかで見れた、俺が知らないと思っていたとはいえ驚きすぎじゃないか?


「手紙が来たって喜んでただろ」


「そ、そうだけどよ・・・タイミングがズルすぎだぜ」


プルネーラが怒り出した、どうしてそこで怒るんだ、俺は普通に世間話をしただけだろう。


「聞いたタイミングが悪かったか、だがプルネーラと二人の時なんて無いからな」


基地だと大抵ジェミーがプルネーラに付いている、今日はどうしてか他の子と屋台を周ると言ってきたんだ、最近ナビ玉が反応しなくなったから良く解らんがプルネーラが赤くなっていたのを思うとそう言った事なんだろうな。


「ま、まぁそうだな・・・元気にしてるって来たよ、これと一緒にな」


プルネーラがクッキーが入っている缶詰めを出してきた、って事はどこかの施設にいるって事か?


「なるほどなって、どうしてそんな物を今持ってるんだ!?」


「ジュントに試食してもらおうと思ったんだ、これって前に食べたのと同じだろ?」


確かにそうだ、だがあれはこの世界の人の口に合うかどうかを確認したんだ、人気が出ないとただの非常食になってしまうからな。


「そうだったか、うん美味いな」


「そうだろ!軍が力を入れ始めたからこれからもっと種類を作るんだって書いてあったんだ、楽しそうで良かったよ」


ほんとはもっと早い時期にこういった物を作りたかったんだ、だが畑とか色々やることが多くてできなかった、やっとそこら辺も出来てきて進軍だ!っと思っていた時だったんだ、軍を一掃して良かったな。



「それは何よりだな、料理もかなり増えたし後はもっと生産性を上げたいとこだ・・・あれ?」


俺は屋台を見回してみたんだが、去年よりもかなり増えたな、これも分身が頑張っている証拠だ、それは良いんだか。


「んぐ!どうしてネティーアがいるんだ!?ジュント」


「俺も驚きだ、あの格好を見るに休みをもらってきたんじゃないか?」


ドレスを着てウロウロしている、機体に詳しいって言ってたのはこれが理由か?


「どうする?声を掛けるかジュント」


「いやよそう、俺たちがいるのを知っていて言わなかったんだ、プライベートに入るのは良くない」


基地でそう言った話をしたんだ、それなのに何も言ってこなかった、きっと一人で楽しみたいんだ。


「ふぅ~ん・・・あたしは色々知ってるジュントがいた方が楽しいと思うけどなぁ」


「まぁ良いじゃないか、向こうの串焼きを食いに行くぞプルネーラ」


それから俺たちは買い食いをした、途中からジェミーたちとも合流したんだが、なかなか楽しい時間を過ごしたな。

そして変わった展示の物に目が行った。
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