神よ願いを叶えてくれ

まったりー

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2章2つ目の世界

17話 小国ユニート

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「見ない顔だな、この国に何しに来た」


俺はあれから分身が3人入り込んだ国、ユニートというところに来た、ここは今のところ温厚な人が多いらしい。


「軍に志願しに来ました」


「ほう、そんなヒョロヒョロしてるのにか?」


俺の年齢だと軍に入る事はそう珍しくない、だがそれは食う為に仕方なくって事がほとんどらしい。


「村が貧しくて逃げてきたんです、お願いします」


「そうか、大変だったな(グスン)書類を書いてやるから詰め所に行くぞ」


初めは威嚇してきた門番が、涙を流しながらそう言って俺を引っ張って行った、この世界の常識は大変な物だな。


「ふむジュントと言うのか」


「はい、歳は12歳です」


12歳と聞いて驚いている、どうしてだ?


「もう少し低いと思っていたが・・・それで何が出来る、なんでもいいぞ」


「魔法を少しと剣を使えます」


魔法と聞いて驚いている、今度はミスらないぞ。


「魔法を使えるのか、どれ見せてみろ」


俺は水をぽたぽた垂れる程度で出した、これくらいが普通なんだ。


「なるほど、まぁないよりはましって感じだな、それで剣はって今の魔法を見ると」


俺の顔を見て何かを察したのか頭を左右に振っていた。


「よしこんなもんだろう、これをもって中央の建物に行って見ろ、俺の推薦だ悪いようにはならんさ」


「ありがとうございます、必ず入隊して見せます」


「おう!期待してるぞ小僧」


名前を名乗ったのだが、小僧と言われてしまった、一人前として見てくれないって事だな。


『なかなかいい人でしたね主、怖い顔ですけど』


「はは、そうだな、それにこの推薦状かなり贔屓しているぞ」


子供のほとんどが字を書けないし読めない、だからあの人が代わりに書いてくれたんだが、内容がこの子は困っているとか絶対入隊させろとか書いてあるんだ。


『ほんとですね、いい人過ぎますね』


「この世界の最初の国はあんなだったのに、どうしてこうも違うんだ」


国のトップがいいやつなのか?一般常識スキルではそこまで細かく解らなかった。


「これは当たりを引いたな」


『分身が調べてるんです、当たりもハズレもないと思いますよ主』


人がせっかく楽しくしているのにこいつは。


「っと言ってる間に中央の建物だ、石造りなのは変わらないんだな、それに1階建てだ」


恐らく耐久の問題で2階建てに出来ないのだろう、建設系も遅れているな。

そして中央と言っていたが、そこから奥は全て壁に覆われていた、恐らくここからは軍の施設なのだろう。


『とにかく入って見ましょうよ主』


俺はナビ玉の言った通り入って見た、直ぐにカウンターの受付になっていた、奥を全部使っているみたいだな、これがこの世界の普通だ、戦争の終わらない世界で軍が力を表している。


「またですか」


受付の人が俺を見ていきなりそう言った。


「どうせアノバノさんでしょ」


「アノバノさん?」


もしかしてあの門番の事か?


「相変わらず名乗ってもいないのね、あなた南の門から入ったでしょ?」


頷いておいた、それを見てやっぱりって顔しているぞ。


「そこに怖い顔のおじさんがいたでしょ、その人がアノバノさんなの、子供に弱いのよ」


なるほど、ここに来る子供は大抵そのおっちゃんが街に入れているらしい、ほんとに優しいなおっちゃん。


「そうでしたか、じゃあこの手紙を渡しても意味ないですかね?」


「いいえ規則ですからね、でも試験はちゃんとしますよ、こっちに来て頂戴」


奥の扉を開けて手招きしている、どんな試験をするんだ?


「まず手紙に書いてあった水の魔法を見せてちょうだい、使えないとか言わないでよ」


受付の女性があのおっちゃんは嘘は書かないが少しかさ増しするって言っている。


「うん、ちゃんと使えるのねよしよし、じゃあ次は剣よ!あの鎧を着けた丸太をこの剣で切って頂戴」


青銅の剣を貰った、これであの青銅の鎧を付けた丸太を切ればいいのか。


「もし切れなくても」


「はぁっ」


受付の女性が追加で説明しているのを俺は聞いてなかった、すでに剣を振っていたんだ。


「これでいいですか?」


「え!?」


鎧と共に丸太が上下半分になって切れた、青銅にしてはよく切れたと思っているぞ、斜めに崩れるように切ったんだ。


「そ、そんなばかな!?あ、あなた12歳よね」


「え!?だって切れって言ったじゃないですか、だから僕は切ったんですよ」


失敗したか?説明を終わらせたからそれが普通だと思っていた、切り口が荒いとかそう言った採点基準だと思ったんだ。


「こ、これは逸材だわ!?ちょっと待ってて!魔法の教育が受けれるように資料を書くから」


かなりのスピードで走ってさっきの扉を開けていった。


『走って行ってしまいましたね主』


「まぁ最初の国みたいに拘束してこないだけマシだろう」


そうだ、俺を道具として使おうとしないだけましだ、まぁ戦争だから使われるんだがな。
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