神よ願いを叶えてくれ

まったりー

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3章91番目の世界

67話 親族

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俺は今目隠しをして車の中にいる。


「はいジュント」


「どっち?」


「右がベルで左がナルだろ」


目隠しを取り双子を当てて見せているんだ、どうしても信じられないらしい。


「ほんとにわかるんだ」


「すごいですね、ねぇカチューさんミントルさん」


「信じられない、も、もう一度やって見せて」


車での移動中ずっと双子がどっちかを当てさせられた、ちなみに運転はファンナがしていてずっと笑っていたよ。


「着いたが俺と来るのが神崎とベルとナル、ファンナと行くのがカチューとミントルでいいんだな」


「ええ時間は3時間後にここで集合ね、じゃあ行きましょ二人とも」


ファンナたちが歩き出したので俺たちも歩き出した、歩き出したんだが。


「どうしてファンナたちに付いてくるの?ジュントさん」


「いや俺もこっちに用があるんだよ」


ずっと一緒で止まった場所も同じ、病院だった。


「まさかね」


ファンナが何か言っていたが小声だったから良く聴き取れなかった、受付でファンナたちが先に行き、俺はエネート先生を呼んでもらう為受付で待った。


「ジュント」


「ん?どうしたベル」


ベルが俺の袖を引っ張ってきた。


「あの子」


「回復魔法掛けて」


ベルとナルが指差したのでそっちを見ると、目に包帯を巻いている子がいた。


「あの子の怪我を治してほしいのか?」


二人が頷いている、してもいいのだが無断でやると後々困るんだよな。


「先生に聞いて許可が出たらな」


「うん」


「約束」


俺は二人を撫でながら言った、すぐわかってくれたので良かった、他のとこでも同じようなことを言った子がいたのだが、解ってくれなかったんだよ。


「どうもお待たせして申し訳ありませんジュントさん」


「いえそれほど待ってませんよ先生、連絡有難うございます」


俺はエネートと握手をして挨拶をかわした、それと二人と約束したので聞いてみた。


「それでアリスに会う前に、あの子を治してあげたいのですがいいですか?」


「え!?あの子ですか、で、出来るんですか!」


ん!この反応は、ちょっとまずいかもな。



「ちょっと見てもいいかな」


「誰?」


「エネート先生の知り合いだよ」


少女にそう言って俺はエネートに許可を貰いスキルの『診察鑑定』を使った。


『主、この子は重傷です、ここで治すと騒ぎになりますよ』


ナビ玉が言ってきた診察でも分かった、眼球が無くなっている、両方ともだ。


「先生、この子はどういった処置をしてますか」


「ジュントさん解っているでしょう」


エネートも分かっているようだ。


「そうですか」


「ジュント」


「治せない?」


二人が見てきた、全力でやれば治せるんだ、だがそれをやると騒ぎになって収集が付かなくなる、黙っててもらってもその内誰かが嗅ぎつけるだろう。


「先生個室にこの子を」


「ほ、本気ですかジュントさん!?」


「なるべく静かにお願いします、ええ本気ですよ、どうせアリスを治すんです、もう一人増えても変わりません」


「た、確かにそうですが、魔力は平気ですか?膨大な量になると思うのですが」


まあ普通の人ならその人が死ぬかもな、失った物の復元はかなりの魔力を使うんだ。


「俺は平気ですよ、じゃあ行きましょう、人払いもお願いします」


俺たちは二階の個室に移動し、回復魔法を掛けた。


「なんだか気持ちいい」


「いいですよ、包帯を取ってください先生」


エネートが少しずつ包帯を外していき眼を閉じたままの顔が見れた。


「少し傷が残ってるな、待ってて『パーフェクトヒール』」


俺は回復魔法だけを掛けて傷を消した、顔に傷があるのは可哀想だからな。


「すごい⁉︎傷が消えました」


神崎が驚いているが、これは軍の治療士にも2人ほど出来る者がいる。


「ほらアマリス、眼をゆっくり開けてごらん」


「はい先生」


アマリスと呼ばれた少女が眼を開けると青い瞳が現れた、うんちゃんと復元してるな。


「どうかなちゃんと見える?」


「はい見えます!ちゃんと見えるよお父さん」


「ああアマリス!良かった」


エネートがアマリスを抱きしめた、もしかして娘さんだったのかな?


「良かった」


「うん」


「感動です」


抱きしめ合っている二人を見てベルたちは涙を流している。


『主分かっていますか?』


『ああ、わかっているさ』


ここにも護衛を付けないとな、絶対噂になる。



「すみませんでしたジュントさん」


「いやいいですよ、じゃあ行きましょう」


しばらく抱きしめ合った後、エネートが俺たちの方を向いて言ってきた、家族の幸せの邪魔はしないさ。

俺たちはアリスのいる部屋に向かい中に入ると親族の人が座っていた。


「え!?」
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