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2章 コスで冒険

31話 子供たちの衣装

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悪い奴らの屋敷から帰って来て、嫌な事を忘れる為に僕の楽しみの時間です、朝食の後みんなに仮縫いを着てもらっていました、そして心からの一言が口から出ます。


「可愛い!」


ペンギン衣装を子供たちに着せて、僕は一言叫びます、僕の大好きな生き物を衣装にしたから尚更だね、メイドとかウエイトレスさんでも良いけど、僕はやっぱり可愛いのを選んだんです。
手の部分は指が出るようにして物を持てるよう変えました、頭はペンギンフードをかぶる感じです。
本当は魔法糸で胴体をふっくらさせたかった、それに合わせ太目にして、本物のペンギンさんっぽくしたかったんだ、でも出来そうもないので、胴体周りはダボダボって感じだよ、でもそれはそれで可愛いです。


「お姉ちゃんは着ないの?」

「僕は飴の細工があるから、これはちょっとね」


フルーツを乗せただけの飴だけじゃ物足りないと思い、色を付けた飴を合わせ動物の形を作って見ようと考えました、向こうでもありましたよね。
氷が無いのは残念っと、服を子供たちに合わせます、僕のスキルのおかげでペンギンコスだと冷えやすくもなるんです。


「魔法糸が使えれば、氷も作れたかもしれないのに、まったくもって残念」

「お姉ちゃん?」


オベミがペンギンさんのままで振り返って来ちゃったよ、何でもないって笑顔を見せます。
今の状態でも、僕が着れば氷は出ます、でもそれじゃ意味ないんだ、子供たちが着てこそ光るんですよ。
小さなペンギンさんたちが氷を出し、飴を冷やして売る、その姿を想像してウットリです。


「出来たよオベミ、じゃあ次はヤーサおいで~」

「あ~い」


ヤーサは赤ペンギンです、黒いペンギン以外も黄色や青と子供たちの髪の色で色々変えました、みんなが気に入ってくれたし、屋台の係りを決めて子供たちは張り切っています。
服が出来たら次はペンギンブーツです、足を測ってペタペタ鳴る特注ですよ。


「姉ちゃん、足なんて計らなくていいよ」

「ダメだよジャック、みんなはよく遊ぶんだから、新しいのを作る時は直さないとね」


靴は一人一足しかありません、服以外も準備するのがコスです、みんなの分も出来るだけ用意します、靴は種類が無く、僕の悩みの種でもあります。
次に年長者のコスですが、ペンギンさんコスは隠します、サーヤとミーオはワンピースだと思ってるんだ、あれは普段着です、普通の女の子のお洋服を作ると喜んでくれるので沢山作ってるんだ、でもアルミクとドミノンはあまり興味がないんだ、冒険者の着ている服を欲しがるんですよ。
あれは灰色や白と単調で、作っていてもあまり面白くないんだ、だからちょっと細工できないかと考えてます、そうモンスターの素材を使って、ちょこっと強化ですね。


「革の服に防具・・・やっぱり、皮を取りに行こうかな」


女性狩人のコスに着替え、フードをかぶって王都を出ました、このコスは森の住人と呼ばれるエルフさんのコスなので耳は伸び本物になれます、更に索敵能力は忍者以上、凄いんですよ。


《ステータス》(コスプレ中)
【名前】遠藤竜(エリナ)
【年齢】16歳
【性別】女
【種族】エルフ
【職業】コスプレイヤー(森の狩人)
【レベル】1(999)
【HP】100(2億)【MP】50(20億)
【力】100(1億)【防御】100(2億)
【素早さ】150(70億)【魔法抵抗】50(20億)
【魔法】
(精霊魔法レベルMax)
(全属性レベルMax)
【スキル】
収納レベルMax
(弓レベルMax)
(短剣レベルMax)
(格闘レベルMax)
(索敵レベルMax)
(危機察知レベルMax)
(鑑定レベルMax)
裁縫レベル5
調理レベル3
【ユニークスキル】
コスプレ
永遠の16歳
不眠不休
不思議のダンジョンレベル3
《酒ダンジョン》
《野菜ダンジョン》
《肉ダンジョン》
(森神の恵み)
【称号】
破滅のランナー・世界を越えたコスプレイヤー・お酒ダンジョン制覇者・魅了の笑顔・恐怖の笑顔・宣伝娘・お酒ダンジョン制覇者・お仕置き人・迷惑っ子・二つ名持ち・ドジっ子・野菜ダンジョン制覇者・闇のお仕置き人
最高の指導者
[指導の凄さを絶賛された者に送られる称号]



急ぎ足で西に進み大きな山を登ります、そして目的のモンスターを発見です。
モンスターはロックバイパーと言う、岩よりも固いと言われ、新人冒険者の憧れの装備です。
ふたりにはピッタリと矢を打ち込み一撃で倒します。


「これで3匹目っと、早く収納しないとね」


近いて収納にしまいニコニコです、そろそろ帰ろうっと思った時、遠くで爆発が起きました、僕は何かあったのかと向かったんです。
そこには大きなトカゲと冒険者20人がいました、すでに15人が倒れ全滅しそうな雰囲気です。


「一番強そうな先頭の人は頑張ってるけど・・・これってまずいよね」


モンスターの鑑定も忘れ、僕は矢を放ちました、冒険者の間では了承を貰ってから参戦するのが礼儀です、でもそれでは間に合わない状態だと判断しました。
10mのトカゲの口に僕の矢が刺さり地面まで押しつけられています、先頭の男性は目の前に現れた僕にびっくりしてます。


「だ、誰だ君は・・・いやそれよりも助かった」


怒られると思ったけどお礼を言われちゃったよ、そのまま僕は加勢して男性が主力で攻撃し倒したんだ、僕は倒れてる人達を助けに向かったよ、かなり危険な人達も多くて、僕はこのキャラのユニークスキルワザを使うことにしたんだ。
ユニーク支援ワザ【森神の恵み】これは味方のHPを全回復するそよ風を周囲20mに起こします、倒れてる人も目を覚まし起き上がると、寄り添っていた人たちは驚き戸惑っています。


「これは!?奇跡か」


先頭にいた男性もポツリと呟いてました、僕は素性を聞かれるのが嫌なので、説明しないでその場を離れたんだ、後ろで男性が何か言ってたけど無視です。
孤児院に戻った僕は、目的の皮を剥ぎ取る為にゲームの解体コスである、肉解体屋にお着替えです。


《ステータス》(コスプレ中)
【名前】遠藤竜(エリナ)
【年齢】16歳
【性別】男
【種族】エルフ
【職業】コスプレイヤー(モンスター解体屋)
【レベル】1(50)
【HP】100(50万)【MP】50(100万)
【力】100(50万)【防御】100(50万)
【素早さ】150(30万)【魔法抵抗】50(100万)
【魔法】
(保存魔法レベルMax)
(5大元素魔法レベルMax)
【スキル】
収納レベルMax
(解体レベルMax)
(部位破壊レベルMax)
(剥ぎ取りレベルMax)
(鑑定レベルMax)
裁縫レベル5
調理レベル3
【ユニークスキル】
コスプレ
永遠の16歳
不眠不休
不思議のダンジョンレベル3
《酒ダンジョン》
《野菜ダンジョン》
《肉ダンジョン》
(モンスターの解体心得)
【称号】
破滅のランナー・世界を越えたコスプレイヤー・お酒ダンジョン制覇者・魅了の笑顔・恐怖の笑顔・宣伝娘・お酒ダンジョン制覇者・お仕置き人・迷惑っ子・二つ名持ち・ドジっ子・野菜ダンジョン制覇者・闇のお仕置き人・最高の指導者
救済者
[窮地を救った者の称号]



コスのおかげで、モンスターを見ると何処をどう解体すればいいのかが分かります、更に手順も完璧です。
コスの知識のままにモンスターをバラしていき、部位ごとに錬金術士コスで作った保存具に乗せ一息します。
何処を何に使うのか、加工はどうしようか、保存具の部位を眺めて考えます。


「う~ん、お肉も食べれるとか聞いてるけど、ヘビのお肉って美味しいのかな?」


服に使う皮を先に干していき、ブロックに切り分けた肉を更にぶつ切りにします、鑑定を肉に掛けると鳥肉の様に美味しいって出ます、今日の夕飯はこれですね。
ちょっと楽しみにしながら革を加工です、部分的に鎧が出来、本人の採寸に合わせて調整していきます、仮縫いなので本人に再度合わせたら完成ですね。


「え、エリナ姉・・・これってなんの革だよ、高いんじゃないのか?」


夕食前、調理のお手伝いをしているふたりに、着てもらいました、見た事ないとアルミクが騒いできましたね。
ドミノンなんてすごい速さで頷いてます、首を痛めないか心配だよ。


「そんな大層な物じゃないよアルミク、これは僕の訓練なんだ、防具を作れる様に練習してるんだよ、これから頑張って良い物にするからさ、協力してね」


装備を付けると動きが変わるんだ、重くなったりもする、だから実戦前には着慣れておかないと危険なんだよ、金属装備もそれがあるから最初はふたりには送れません、ミスリルは軽いから渡したかったけど、製法が分からなくて無理そうなんです。
身体に合わせ終わり、収納にしまいます、本縫いは夜中の作業ですね、糸も出来れば魔法糸にしたかったと調理中にみんなにお話しします、糸が丈夫で少しなら大きさの調節もしてくれると、魔法糸の便利さを話したんだ、みんなは「へぇ~」っと分かってない返事をしていました。
夕食を運んでる時、プレゼントは明日の朝だから期待してと伝えたんだ、僕が酒場に行く時、ふたりはかなり興奮していましたね。
次の日は、ふたりとも朝早くに台所にいました、早く早くと顔に書いてあるので、装備を渡したんです、その場ですぐに着始め、サーヤたちに見せています、なかなか似合ってるとサーヤたちはお世辞風に言ってます、だけど僕は似合ってると思ったよ、これで明日からの訓練にも力が入るってふたりは張り切っていたんだ、その日の酒場のお仕事ではその話題で盛り上がったんだ。


「へぇ~さすがエリナさん、防具まで作れちゃうんですね」


素材から糸まで大変だったと、ビールを注いで苦労を伝えたんだ、リンシャは自分たちにも服を作ってと、お願いしてきましたよ、服なら僕の本業ですからストレス発散になります、もちろん喜んでって返事をしました、今度孤児院に集まろうっと約束を交わしたんだよ。


「いいなそれ、オレは入れないのかな?」


厨房からクレミルが身を乗り出して参戦です、彼には僕の男衣装の題材に密かになってもらっています。
ここでもちろんっと言っても良いです、だけどそれはヤボですよ、今からリンシャとクレミルの楽しいお話が始まります。


「クレミルも仲間に入りたいのね、良いわよアタシが許可するわ」

「な!?なんでお前に言われないといけないんだ、オレはエリナさんに聞いてるんだ」


何よなんだよっと、ケンカが始まったんだ、いつもの仲良し夫婦ケンカが始まったと、僕とアマリスは見守ったんだ、ふたりは休みの日はいつも仲良く歩いてるんだよ、アマリスと素直になりなよっとお仕事に戻ります、お客さんもふたりの言い合いを温かい目で見てるんだよ、もちろん装備うんぬんは聞こえてないからね。


「仲がいいねぇリンシャちゃん、ちょっと悔しいぜ」

「アースロさんは、僕にセクハラするくせに、他の女性も狙ってるんですか?刺しますよ」


フォークをキラリと見せて怒ります、別に付き合うわけじゃないけど、イラっとしますよね、アースロさんはいつものように笑顔です、僕のおしりを狙ってきます。
手を抓って止め、フォークを喉に付けて笑顔を見せます、いつもの挨拶です。


「まいっちゃうよエリナちゃん、俺はミスリルクラスだよ、自信なくしちゃうよ」

「何言ってるんですか、アースロさんだって本気じゃないでしょ」


動きでそれは分かります、だから挨拶なんです、アースロさんはそれを楽しんでる、僕も同じで楽しいんだ、アマリスのドジっ子ぶりも、ここでは挨拶なんだよ、ほんとにドジってしまう事もあるけどね。


「それが分るから誉めてるのさエリナちゃん、早くイーザスさんに会わせたいね、すっげぇ気に入るぞ」


前からアースロさんは言ってました、お祭りの時期に帰って来ると言うプラチナクラスの優秀な人です、そろそろ帰って来る頃と最近ずっと言ってます、どんな人達なんだろうね。
気になってアースロさんに教えてもらいました、20人組みで雷系の大剣を使ってるとても背の高い人です、僕は容姿を聞き、昨日助けた人達だと分かったんです、その話はしないで、楽しみにしてますって伝えました。
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