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1章 コスで生活
3話 夜はダンジョン
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「夕飯も同じ物って・・・ササピーさん、もう少し栄養を考えようよ」
ササピーさんの買い物について行けばよかったと、僕は凄く後悔しました、まさか同じ物を買って来るとは思いません、もしかしたら安いのかもです。
明日は絶対ついて行く、そう思って僕はササピーさんから貰ったシスター服に着替えます、これは教会だった名残で今後はこれを着て生活をします、教会とは関係ないんだけど使っているそうで、服もあまりない孤児院なので助かるとササピーさんはにこやかに言ってました。
ダンジョンにはお姫様の服では戦えません、戦うお姫様コスなら違ったかもですけど、色もデザインも違うんだ。
トホホとシスター服に着替えたけど、良い事もあります、シスターさんなら沢山いるんです、それもだいたい同じだから得意分野で応用が効きます、戦うシスターコスに少しでも近づく様にスカートを太ももの位置で結んでみました。
「髪が金髪じゃないし下駄でもない、カンザシもたばこもないから全然なりきれない・・・だけど、服と帽子はそのまま使えるし、戦うシスターさん仮の出来上がりだ」
出来れば剣は普通のが欲しかった、木の剣わ眺めて呟きました。
戦うシスターの基本武器は錫杖です、でもここにはないので、みんなが稽古に使ってる木の剣にしたんだ。
物語上でも持った事がないので、不完全なコスになりステータスはあまり変わってません、むしろスキルが減ってしまったんだよ、これなら箒の方が良かったかもと、とても後悔しているよ。
《ステータス》(コスプレ中)
【名前】遠藤竜(エリナ)
【年齢】16歳
【性別】男(女)
【種族】ヒューマン
【職業】コスプレイヤー(戦うシスター)
【レベル】1(4)
【HP】100(400)【MP】50(500)
【力】100(400)【防御】100(400)
【素早さ】150(700)【魔法抵抗】50(500)
【魔法】
なし
【スキル】
収納レベルMax
(鑑定レベル1)
裁縫レベル5
調理レベル2
(お掃除《裏》レベル3)
(お祈りレベル1)
【ユニークスキル】
コスプレ
永遠の16歳
不眠不休
不思議のダンジョンレベル1
《酒ダンジョン》
【称号】
破滅のランナー
世界を越えたコスプレイヤー
これからモンスターと戦う、それなのに恐怖はありません、孤児院に唯一あった刃物の包丁を拝借して腰に隠し持ちます、ちなみに盾も持っていてお鍋のフタです。
「戦うシスターとはかなり違うね・・・でも冒険者って言ったら、初期の装備はこれだって感じかな」
鏡が無いので見える範囲だけで確認です、シスター服に木の剣とおナベの蓋・・・どう見ても変ですよ。
剣術と盾のスキルがあったはずなのにスキル枠から無くなりました、それでも数値はお姫様より少し上です、あまり変わらないのだから、剣術などのスキルを持ってるコスの方が良いと思うかもだけど違うんだよ、このキャラは戦闘のプロで【お掃除《裏》】があるんだ、あれがあるないで全然強いんです。
ダンジョンの門を出現させ、深呼吸をしてから中に入ります、黒っぽい石の通路が続いるのが見え、いかにもって感じです、もう少し珍しい風景を期待してたとガッカリしながら進むと、分岐の先にモンスターがいました、僕はそれを見て更にガッカリです。
初戦はスライムだよっと、木の剣を振り下ろします、スライムは一撃で崩れ落ち消滅しました。
「感触が思ってたのと違う、プヨプヨしてないの?」
鑑定を使ってモンスターを見ておくべきでした、そう思いつつドロップした袋を回収です、ゲームの様に消滅したモンスターの戦利品が出てきたのは嬉しいです。
今度は失敗しない、そう思いながら袋を鑑定しました、中身はなんと酒粕でしたよ。
「酒粕って・・・もしかして白かったあのスライムって、酒粕のスライムだったの?」
スライムと言ったら青でしょとは思いました、でもまさか酒粕だったなんて、さすがお酒ダンジョンって事でしょうか。
僕はそう思いつつ進みます、分岐や曲がり角に出現するのは、全部酒粕スライムで一撃で倒せます、余裕だねっと思いつつ、ふと通路の端を見てしゃがみました、そこには植物が生えていたんです。
「これって、木のグラス?」
チューリップの様な花に違和感があったので目に入りました、なんと花びらの部分が取っ手の無い木のコップだったんです、よく見ると通路の先にもお花があります。
木のフォークやナイフやお皿です、そして一番大きな花は木のジョッキでした、これは孤児院でも使えると僕は採取しましたよ。
「酒粕はそれだけじゃダメかもだけど、収集品は使えるかも」
酒粕も売れればいいなぁと、僕は先に進みます、1階をある程度探索して、僕はうっかりしていたんだ、かなりの時間が経ってる気がしたんだけど、それが分からなんです。
収納スキルの中の携帯は時間が違いました、これでは朝食に間に合わないかもです。
「時間が分からないのは問題だね、空は見えないし・・・どうしよう」
ダンジョンに入ったのは7時の夕食後、洗い物をして部屋に向かった後なので、大体8時と計算出来たんだ、それからスライムを20体倒しています、コップとかは見つけたら取ってるので、10個ずつが収納スキルに入っています。
逆算して2時間くらいだと予想します、疲れないとこういった状況で困るものなんだと、階段をトボトボ降りました。
「さて、次はどんなモンスターが出るのかな?」
1階を降りたんだから、モンスターも強くなるよね、そう思って進んだ僕の目の前にがっかりするモンスターが見えます、なんと同じような白いスライムがポヨンポヨンしていたんだ、僕はまたかと倒して進みます。
それから変わり映えしないモンスターと、採取物を採取し最短を進み5階まで一気にいきました、ここまで1階と同じ位の時間を使った感覚です。
「さすがに6階からは違うよね?・・・お願い!違うモンスターを見せてよ」
もう酒粕スライムは飽きました、そう思って進むと何と新しいモンスターが見えガッツポーズを取ってしまったよ、僕がこんなに喜ぶのはコスイベントが始まる時くらいなんだ、それだけ楽しいんだよ。
そのモンスターは細い壺の形をしています、20センチくらいである物にソックリです、鑑定を掛け名称を確認しました。
「ツボトックリ?アルコールの強いお酒が体内に入っている」
フムフムと説明を読みました、見たまんま太目のツボに日本酒が入っているトックリと言う事です、モンスターにはまだ気づかれてませんから、スライムとどれくらい強さが違うのか、不意を突いて木の剣で殴りつけます、簡単に割れてしまい消滅したんです。
弱!?僕の感想は一言です、ドロップ品を確認しましたけど、予想通り日本酒が出てきました、それもトックリそのままです。
「これは・・・売れるよね?食器類も少しは足しになるかもしれないし、売れるかな」
ラノベでも異世界のお酒はエールやワインです、新たなお酒として売り込めばきっと売れます。
お金になるモノが手に入ったっとやる気が出て来ました、テンションをあげて、僕はツボトックリを倒して行きます、ある程度倒して行き部屋に入ると、またまた新たなモンスターを見れました、子供なら入れそうな樽に足が4本生えたモンスターです、鑑定で分かった名前はタルドッグです。
「ワンコの代わりなのは分かるけど、もう少しビジュアルを考えてほしいね」
僕の感想は「ただの樽じゃん」です、顔もないのでワンコには見えません、でもお酒が入っているならお金になるかもと倒します、木の剣では数発叩かないと樽は壊れませんでした、壁に何度も飛ばしてやっと倒したんです、樽の攻撃が突撃だけだったので余裕で倒す事は出来ましたね。
ドロップ品は樽なんだろうなぁっと消滅したタルドッグを見ます、見事に樽は出現して期待をしないで鑑定を掛けると、それは嬉しい物だったんですよ。
「ビールだ!異世界でエールよりも上質として売れるかもしれない」
ラノベではラガーとして出るモノもあります、だからこれは絶対に売れる、そう思って抱えるほどの大きな樽を回収しました、タルドッグは率先して倒すべきだと、この後の僕は張り切りました。
そして10階に降りた時、今までと違う造りに唾を飲み緊張しました、なんと階段を降りた先の通路に扉が見えたんです。
「こんなに早く部屋があるなんて、もしかしてボスとか?」
扉の大きさは普通です、気を付けながら開けると新しいモンスターが見えたんだ、それだけならまだ良かったんだけど、その先にひと際大きな扉が見えます、あれはどう見ても特別な扉で、今度こそボスの部屋なんじゃない?と思いました。
「じゃあ、あいつはさしずめボスを守る幽霊だね」
扉の前には火の玉の幽霊が浮いています、鑑定を掛けると炭酸水ウイスプと出ました、よく見ると体の中に泡が見えます、ポコポコと弾いてるのか音も少ししました。
幽霊なら物理が効かないんじゃないかと、僕は一撃入れて逃げる用意です、でもウイスプは試しの一撃で消滅してしまいます。
あっけなさすぎだよ、期待外れの言葉を呟いてちょっとしょんぼりです。
「う~ん、タルドッグよりも弱くないかな、ボスの門番なのにこれで良いの?」
変だと思いつつ、ドロップ品の炭酸水の入った瓶を回収します、気を取り直してボスの扉を開けると、黒装束の忍者がいました、そいつは良く知っている瓶の集まりです。
「シノビワイン・・・つまりはワインが手に入るんだね、これは頑張らないと」
瓶なら叩けば倒せる、そう思って突撃しました、でもシノビなだけに僕の大振りを避けてきます、ここに来て初めて攻撃を躱された、その驚きを表情に出す暇もなく僕は防御の姿勢を取ったよ、僕の攻撃を躱したシノビワインが空中で体勢を変え蹴りを入れるのが見えたんだ、蹴りは何とかお鍋のフタで防ぎ少し後退です。
攻撃に反応できたのは戦うシスターのおかげです、身体が勝手に動きました、でもお鍋の蓋は壊れてしまったよ、それを確認していた隙にシノビワインの2撃目が来ました、僕は反応できずお腹に蹴りを貰い、後ろに飛ばされて転がります、凄い痛みを感じて次の攻撃が来ると、なんとか立ち上がろうとします、でも痛くてできませんでした。
「うっくぅ~」
足は動かず横に寝たままでシノビワインを見ます、後ろに手を回し小さな瓶を取り出したのが見えました、瓶の先端は鋭く尖っていて飛び道具だと直ぐに分かったんだ、そしてその瓶は僕に向かって投げられました、痛みのせいで立ち上がれない僕は、床を横に転がり瓶を避けます、何本も投げて来るので反撃も出来ず転がり続けたんだ。
そのおかげかお腹の痛みが薄れていきました、足も少しは動きます、でも遠距離の攻撃をされていて反撃するチャンスがありません。
「そっちが投げて来るなら、こっちだってあるんだぞ」
戦うシスターさんは決して負けません、その心が僕に力をくれたのかもしれない、チャンスは1度だけ、腰に隠していた包丁は1本しかないんだ、僕が反撃できず床に転がるだけなのを見て、シノビワインは一度攻撃を止めました。
そこで僕は転がるのを止めてタイミングをうかがいます、シノビワインが再度瓶を投げる瞬間を狙ったんだ、その時は直ぐに訪れ、僕は包丁を投げます、飛んで来ていた瓶を破壊し包丁はシノビワインに向かって行きました、シノビワインはかろうじて避けます、だけど体勢を崩したのを僕は見逃しません、体が自分のじゃないみたいに動き、その隙に距離を縮めます、途中に落ちている木の剣を拾い、シノビワインの頭目掛けて振り降ろしました、見事にそれはヒットして頭の瓶を割る事に成功したんです、消滅したのを確認して何とか勝てたと床に座り一息です。
「ヤバかった~今までのモンスターが弱いからここまで来たけど、やっぱり危ないや」
ユニークスキルが不完全ながらも活躍してくれたおかげです、あの時体が勝手に動かなかったら危なかったと反省以外ありません。
ドロップ品を回収して帰ろう、そう思ってワインの瓶を10個回収すると、その横に他のドロップ品が落ちていたんです、それは魔石でした、鑑定で【小】と出たので魔石小ですね。
これも売れると笑顔で魔石を拾って収納にしまいます、もと来た道を戻る為、入って来た扉に体を向けると、部屋の中心に門が出現しているのに気付いたんだ、それはダンジョンに入った時と同じ物です。
「これは、お酒ダンジョンがここで終わりって事だよね、10階で終わりって・・・良かったような物足りないような?」
帰りの時間を考えてなかったから良かった、でもお酒はもっと種類があります、だから手に入らないのが確定して残念です。
でも、今の僕の実力ではこれが限界です、明日はもう少し装備を整え慎重に行きたい、そう思ってダンジョンを出ました、窓の外は明るくなり始めていましたよ、部屋には時計はありません、何か時間の分かるモノは無いかと窓の外を見ます、ササピーさんが外に出入りしている時間なら姿が見れると思ったんです、予想通りササピーさんが見えましたよ。
「となると今の時間は6時かな?・・・また一緒に行けなかった、時間が分からないのは困るね、今日手に入れた品物を売って時計を買えないかな」
この世界のお金を持ってません、ドロップ品を売ったお金で買えれば良いなと心配になります、でもそんな事よりも何だか楽しい気持ちが溢れてきます、ダンジョンを冒険したんだよ、そうなってもおかしくないよね。
ササピーさんの手伝いをしなくちゃと、汗を拭くために一度服を脱ぎウキウキを諫めます、そして服の汚れを払ってシスター服を普通に着ます、さすがに戦うシスターだとみんなに足元を見られて恥ずかしいですからね。
準備を急いで台所に向かい、僕はかなり後悔です。
ササピーさんの買い物について行けばよかったと、僕は凄く後悔しました、まさか同じ物を買って来るとは思いません、もしかしたら安いのかもです。
明日は絶対ついて行く、そう思って僕はササピーさんから貰ったシスター服に着替えます、これは教会だった名残で今後はこれを着て生活をします、教会とは関係ないんだけど使っているそうで、服もあまりない孤児院なので助かるとササピーさんはにこやかに言ってました。
ダンジョンにはお姫様の服では戦えません、戦うお姫様コスなら違ったかもですけど、色もデザインも違うんだ。
トホホとシスター服に着替えたけど、良い事もあります、シスターさんなら沢山いるんです、それもだいたい同じだから得意分野で応用が効きます、戦うシスターコスに少しでも近づく様にスカートを太ももの位置で結んでみました。
「髪が金髪じゃないし下駄でもない、カンザシもたばこもないから全然なりきれない・・・だけど、服と帽子はそのまま使えるし、戦うシスターさん仮の出来上がりだ」
出来れば剣は普通のが欲しかった、木の剣わ眺めて呟きました。
戦うシスターの基本武器は錫杖です、でもここにはないので、みんなが稽古に使ってる木の剣にしたんだ。
物語上でも持った事がないので、不完全なコスになりステータスはあまり変わってません、むしろスキルが減ってしまったんだよ、これなら箒の方が良かったかもと、とても後悔しているよ。
《ステータス》(コスプレ中)
【名前】遠藤竜(エリナ)
【年齢】16歳
【性別】男(女)
【種族】ヒューマン
【職業】コスプレイヤー(戦うシスター)
【レベル】1(4)
【HP】100(400)【MP】50(500)
【力】100(400)【防御】100(400)
【素早さ】150(700)【魔法抵抗】50(500)
【魔法】
なし
【スキル】
収納レベルMax
(鑑定レベル1)
裁縫レベル5
調理レベル2
(お掃除《裏》レベル3)
(お祈りレベル1)
【ユニークスキル】
コスプレ
永遠の16歳
不眠不休
不思議のダンジョンレベル1
《酒ダンジョン》
【称号】
破滅のランナー
世界を越えたコスプレイヤー
これからモンスターと戦う、それなのに恐怖はありません、孤児院に唯一あった刃物の包丁を拝借して腰に隠し持ちます、ちなみに盾も持っていてお鍋のフタです。
「戦うシスターとはかなり違うね・・・でも冒険者って言ったら、初期の装備はこれだって感じかな」
鏡が無いので見える範囲だけで確認です、シスター服に木の剣とおナベの蓋・・・どう見ても変ですよ。
剣術と盾のスキルがあったはずなのにスキル枠から無くなりました、それでも数値はお姫様より少し上です、あまり変わらないのだから、剣術などのスキルを持ってるコスの方が良いと思うかもだけど違うんだよ、このキャラは戦闘のプロで【お掃除《裏》】があるんだ、あれがあるないで全然強いんです。
ダンジョンの門を出現させ、深呼吸をしてから中に入ります、黒っぽい石の通路が続いるのが見え、いかにもって感じです、もう少し珍しい風景を期待してたとガッカリしながら進むと、分岐の先にモンスターがいました、僕はそれを見て更にガッカリです。
初戦はスライムだよっと、木の剣を振り下ろします、スライムは一撃で崩れ落ち消滅しました。
「感触が思ってたのと違う、プヨプヨしてないの?」
鑑定を使ってモンスターを見ておくべきでした、そう思いつつドロップした袋を回収です、ゲームの様に消滅したモンスターの戦利品が出てきたのは嬉しいです。
今度は失敗しない、そう思いながら袋を鑑定しました、中身はなんと酒粕でしたよ。
「酒粕って・・・もしかして白かったあのスライムって、酒粕のスライムだったの?」
スライムと言ったら青でしょとは思いました、でもまさか酒粕だったなんて、さすがお酒ダンジョンって事でしょうか。
僕はそう思いつつ進みます、分岐や曲がり角に出現するのは、全部酒粕スライムで一撃で倒せます、余裕だねっと思いつつ、ふと通路の端を見てしゃがみました、そこには植物が生えていたんです。
「これって、木のグラス?」
チューリップの様な花に違和感があったので目に入りました、なんと花びらの部分が取っ手の無い木のコップだったんです、よく見ると通路の先にもお花があります。
木のフォークやナイフやお皿です、そして一番大きな花は木のジョッキでした、これは孤児院でも使えると僕は採取しましたよ。
「酒粕はそれだけじゃダメかもだけど、収集品は使えるかも」
酒粕も売れればいいなぁと、僕は先に進みます、1階をある程度探索して、僕はうっかりしていたんだ、かなりの時間が経ってる気がしたんだけど、それが分からなんです。
収納スキルの中の携帯は時間が違いました、これでは朝食に間に合わないかもです。
「時間が分からないのは問題だね、空は見えないし・・・どうしよう」
ダンジョンに入ったのは7時の夕食後、洗い物をして部屋に向かった後なので、大体8時と計算出来たんだ、それからスライムを20体倒しています、コップとかは見つけたら取ってるので、10個ずつが収納スキルに入っています。
逆算して2時間くらいだと予想します、疲れないとこういった状況で困るものなんだと、階段をトボトボ降りました。
「さて、次はどんなモンスターが出るのかな?」
1階を降りたんだから、モンスターも強くなるよね、そう思って進んだ僕の目の前にがっかりするモンスターが見えます、なんと同じような白いスライムがポヨンポヨンしていたんだ、僕はまたかと倒して進みます。
それから変わり映えしないモンスターと、採取物を採取し最短を進み5階まで一気にいきました、ここまで1階と同じ位の時間を使った感覚です。
「さすがに6階からは違うよね?・・・お願い!違うモンスターを見せてよ」
もう酒粕スライムは飽きました、そう思って進むと何と新しいモンスターが見えガッツポーズを取ってしまったよ、僕がこんなに喜ぶのはコスイベントが始まる時くらいなんだ、それだけ楽しいんだよ。
そのモンスターは細い壺の形をしています、20センチくらいである物にソックリです、鑑定を掛け名称を確認しました。
「ツボトックリ?アルコールの強いお酒が体内に入っている」
フムフムと説明を読みました、見たまんま太目のツボに日本酒が入っているトックリと言う事です、モンスターにはまだ気づかれてませんから、スライムとどれくらい強さが違うのか、不意を突いて木の剣で殴りつけます、簡単に割れてしまい消滅したんです。
弱!?僕の感想は一言です、ドロップ品を確認しましたけど、予想通り日本酒が出てきました、それもトックリそのままです。
「これは・・・売れるよね?食器類も少しは足しになるかもしれないし、売れるかな」
ラノベでも異世界のお酒はエールやワインです、新たなお酒として売り込めばきっと売れます。
お金になるモノが手に入ったっとやる気が出て来ました、テンションをあげて、僕はツボトックリを倒して行きます、ある程度倒して行き部屋に入ると、またまた新たなモンスターを見れました、子供なら入れそうな樽に足が4本生えたモンスターです、鑑定で分かった名前はタルドッグです。
「ワンコの代わりなのは分かるけど、もう少しビジュアルを考えてほしいね」
僕の感想は「ただの樽じゃん」です、顔もないのでワンコには見えません、でもお酒が入っているならお金になるかもと倒します、木の剣では数発叩かないと樽は壊れませんでした、壁に何度も飛ばしてやっと倒したんです、樽の攻撃が突撃だけだったので余裕で倒す事は出来ましたね。
ドロップ品は樽なんだろうなぁっと消滅したタルドッグを見ます、見事に樽は出現して期待をしないで鑑定を掛けると、それは嬉しい物だったんですよ。
「ビールだ!異世界でエールよりも上質として売れるかもしれない」
ラノベではラガーとして出るモノもあります、だからこれは絶対に売れる、そう思って抱えるほどの大きな樽を回収しました、タルドッグは率先して倒すべきだと、この後の僕は張り切りました。
そして10階に降りた時、今までと違う造りに唾を飲み緊張しました、なんと階段を降りた先の通路に扉が見えたんです。
「こんなに早く部屋があるなんて、もしかしてボスとか?」
扉の大きさは普通です、気を付けながら開けると新しいモンスターが見えたんだ、それだけならまだ良かったんだけど、その先にひと際大きな扉が見えます、あれはどう見ても特別な扉で、今度こそボスの部屋なんじゃない?と思いました。
「じゃあ、あいつはさしずめボスを守る幽霊だね」
扉の前には火の玉の幽霊が浮いています、鑑定を掛けると炭酸水ウイスプと出ました、よく見ると体の中に泡が見えます、ポコポコと弾いてるのか音も少ししました。
幽霊なら物理が効かないんじゃないかと、僕は一撃入れて逃げる用意です、でもウイスプは試しの一撃で消滅してしまいます。
あっけなさすぎだよ、期待外れの言葉を呟いてちょっとしょんぼりです。
「う~ん、タルドッグよりも弱くないかな、ボスの門番なのにこれで良いの?」
変だと思いつつ、ドロップ品の炭酸水の入った瓶を回収します、気を取り直してボスの扉を開けると、黒装束の忍者がいました、そいつは良く知っている瓶の集まりです。
「シノビワイン・・・つまりはワインが手に入るんだね、これは頑張らないと」
瓶なら叩けば倒せる、そう思って突撃しました、でもシノビなだけに僕の大振りを避けてきます、ここに来て初めて攻撃を躱された、その驚きを表情に出す暇もなく僕は防御の姿勢を取ったよ、僕の攻撃を躱したシノビワインが空中で体勢を変え蹴りを入れるのが見えたんだ、蹴りは何とかお鍋のフタで防ぎ少し後退です。
攻撃に反応できたのは戦うシスターのおかげです、身体が勝手に動きました、でもお鍋の蓋は壊れてしまったよ、それを確認していた隙にシノビワインの2撃目が来ました、僕は反応できずお腹に蹴りを貰い、後ろに飛ばされて転がります、凄い痛みを感じて次の攻撃が来ると、なんとか立ち上がろうとします、でも痛くてできませんでした。
「うっくぅ~」
足は動かず横に寝たままでシノビワインを見ます、後ろに手を回し小さな瓶を取り出したのが見えました、瓶の先端は鋭く尖っていて飛び道具だと直ぐに分かったんだ、そしてその瓶は僕に向かって投げられました、痛みのせいで立ち上がれない僕は、床を横に転がり瓶を避けます、何本も投げて来るので反撃も出来ず転がり続けたんだ。
そのおかげかお腹の痛みが薄れていきました、足も少しは動きます、でも遠距離の攻撃をされていて反撃するチャンスがありません。
「そっちが投げて来るなら、こっちだってあるんだぞ」
戦うシスターさんは決して負けません、その心が僕に力をくれたのかもしれない、チャンスは1度だけ、腰に隠していた包丁は1本しかないんだ、僕が反撃できず床に転がるだけなのを見て、シノビワインは一度攻撃を止めました。
そこで僕は転がるのを止めてタイミングをうかがいます、シノビワインが再度瓶を投げる瞬間を狙ったんだ、その時は直ぐに訪れ、僕は包丁を投げます、飛んで来ていた瓶を破壊し包丁はシノビワインに向かって行きました、シノビワインはかろうじて避けます、だけど体勢を崩したのを僕は見逃しません、体が自分のじゃないみたいに動き、その隙に距離を縮めます、途中に落ちている木の剣を拾い、シノビワインの頭目掛けて振り降ろしました、見事にそれはヒットして頭の瓶を割る事に成功したんです、消滅したのを確認して何とか勝てたと床に座り一息です。
「ヤバかった~今までのモンスターが弱いからここまで来たけど、やっぱり危ないや」
ユニークスキルが不完全ながらも活躍してくれたおかげです、あの時体が勝手に動かなかったら危なかったと反省以外ありません。
ドロップ品を回収して帰ろう、そう思ってワインの瓶を10個回収すると、その横に他のドロップ品が落ちていたんです、それは魔石でした、鑑定で【小】と出たので魔石小ですね。
これも売れると笑顔で魔石を拾って収納にしまいます、もと来た道を戻る為、入って来た扉に体を向けると、部屋の中心に門が出現しているのに気付いたんだ、それはダンジョンに入った時と同じ物です。
「これは、お酒ダンジョンがここで終わりって事だよね、10階で終わりって・・・良かったような物足りないような?」
帰りの時間を考えてなかったから良かった、でもお酒はもっと種類があります、だから手に入らないのが確定して残念です。
でも、今の僕の実力ではこれが限界です、明日はもう少し装備を整え慎重に行きたい、そう思ってダンジョンを出ました、窓の外は明るくなり始めていましたよ、部屋には時計はありません、何か時間の分かるモノは無いかと窓の外を見ます、ササピーさんが外に出入りしている時間なら姿が見れると思ったんです、予想通りササピーさんが見えましたよ。
「となると今の時間は6時かな?・・・また一緒に行けなかった、時間が分からないのは困るね、今日手に入れた品物を売って時計を買えないかな」
この世界のお金を持ってません、ドロップ品を売ったお金で買えれば良いなと心配になります、でもそんな事よりも何だか楽しい気持ちが溢れてきます、ダンジョンを冒険したんだよ、そうなってもおかしくないよね。
ササピーさんの手伝いをしなくちゃと、汗を拭くために一度服を脱ぎウキウキを諫めます、そして服の汚れを払ってシスター服を普通に着ます、さすがに戦うシスターだとみんなに足元を見られて恥ずかしいですからね。
準備を急いで台所に向かい、僕はかなり後悔です。
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25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
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ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
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