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Episode2 愛のこもった手料理で胃袋鷲掴み大作戦!
2-1 ボクが尊敬する彼女
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魔王城の地下にある倉庫で、ボンボとリザミィは掃除をしていた。
ボンボはよいしょ、と大きな段ボール箱を持ち上げる。この荷物は、先日まで自分が所属していた前衛第一部隊から運ばれてきたものだ。
ここはパッと見は汚い倉庫だが、ボンボが現在所属する組織、KEMOの本部でもある。
今朝……と言ってもボンボが本部に来て一時間くらい経った頃だったが、本部に足を踏み入れるや否や「もー! こんなばっちいところで仕事なんて出来ないわ! 魔王様に失礼よ!」と叫んだリザミィが掃除を始めて今に至る。
本部には段ボールやら何に使うのかもよくわからない道具が散乱していて、確かに仕事部屋と呼ぶには程遠い。
綺麗な環境で仕事をするに越したことはないと思うので、ボンボもこうしてリザミィと一緒に掃除をしている。
時刻はお昼を回った頃だろうか。この部屋にはちゃんとした時刻を示す時計がないので、正確な時間はわからない。
ボンボは運んでいた段ボール箱を自分の席の近くに置いた。
部屋の奥には鉄の棚がいくつも並んでいるので座れるようなスペースはないが、出入口に面した壁の両角にL字型の机が置いてある。ボンボたちはそこを各自の席とすることにした。
ちなみに席の割り当てはリザミィの一存で決まった。彼女はなるべくライジャーの近くにはいたくないらしく、ボンボとリザミィがL字型の机を半分ずつ使うことになった。ライジャーは反対側に置かれたL字型の机を一人で使っている。
ボンボはライジャーの机の上に置かれた魔界終末時計をおそるおそる見た。いつ針が動くか気が気ではない。
針は昨日と変わらず11時15分を指していた。
昨日ボンボたちが無事に初仕事を終えたことによって、魔界終末時計の針は少し巻き戻った。魔界の危機が少し遠のいたということだ。
魔王のご機嫌一つで魔界が終わってしまうなんて。そして自分がそれを防ぐためのメンバーに選ばれてしまったなんて、何かの冗談にしか思えない。恐ろしすぎる。
ボンボは正直なところまだ実感を持てていなかった。
リザミィとライジャーはどうしてあんな風に堂々としていられるのだろう。彼女たちの強靭な精神力が心底羨ましい。
ボンボは時計の針をじっと見つめた。
組織隊長のベイディオロが言うには、魔王様は繊細でご機嫌が変わりやすいとのこと。
KEMOのメンバーであるボンボたちは、常に魔王の機嫌を取ることを第一に考えなければならない。それが仕事だ。
なので魔王の機嫌が悪くになった時に備えて、いつでも早急に対応出来るようにしておく必要がある。つまり、ほぼ休みなしと考えておいた方がいいだろう。
ボンボが以前所属していた前衛部隊でも、魔物たちは人間軍との戦いに備えて常に待機していたので、休みはほとんどなかった。まぁ、ボンボは能力の低さから戦闘に出ることはほとんどなかったので、連日休みとほぼ変わらなかったのだが……。
前衛部隊では、自分はお荷物でなんの力にもなれなかった。何も出来ない自分が情けなくて恥ずかしかった。
しかし、弱音を吐いたボンボに向かってリザミィは言ってくれたのだ。「過去のことはさっさと忘れちゃいましょ。ボンボも私たちと一緒に、新たな一歩を踏み出すのよ!」と。
その一言に、ボンボはとても救われていた。
ボンボはパイプ椅子に座るリザミィに視線を送る。
彼女の側に置かれた段ボール箱には、魔王の姿が描かれた缶バッチや魔王のぬいぐるみが入っていた。かなりの量の魔王グッズだ。一体どこで購入しているのだろう。城下町アボロスに専門店のようなものがあるのだろうか。
訊いてみようかなと一瞬考えがよぎったが、魔王のこととなるとリザミィは数時間延々と話し続けるだろう。また今度時間のある時にしよう。
リザミィの席に面した壁には紙が貼られてある。紙には達筆な字体で大きくこう書かれていた。
【魔王様と絶対結婚!】
リザミィがずっと公言している夢だ。
夢をこんな風にでかでかと貼り出されていると、こちらも応援したい気持ちになる。
大きな夢を抱くリザミィは、さっきから熱心に本を読みふけっていた。掃除の途中で見つけたものらしい。
これは掃除がなかなか先に進まないやつだ。
ボンボは段ボールの中身を出しながら小さく笑った。
リザミィは凄い。
魔王への愛情も凄いが、それだけじゃない。自分の気持ちに真っ直ぐで明るくて、眩しいくらいだ。ボンボはこれまで、こんなにキラキラした性格の魔物に出会ったことはない。
リザミィのことはKEMOに来る前から知っていた。同僚のオークが「第四部隊のダークエルフ、魔王と結婚したいんだってさ。頭おかしいよね」と、誰かに話しているのを耳にしたことがある。
それを聞いた時、ボンボの胸には軽蔑や批判的な感情は浮かばず、素直に凄いと思った。
あの魔王様と結婚したいと思うなんて、よっぽどの自信と覚悟がないと口になんて出来ない。
実際リザミィに会ってみたら、確かに魔王への愛は異常だった。けれどボンボはそれをかっこいいと感じていた。
好きなものを真っ直ぐ好きと言える。
たとえ周りから馬鹿にされたり嘲笑されたとしても、何一つ動じない強さをリザミィは持っている。周囲の目を気にしてしまう小心者のボンボには到底真似できない。
中にはそんな彼女の性格が気に食わないと思う者もいるだろう。ライジャーがいい例だ。
ライジャーはやけにリザミィに食って掛かっている印象がある。
だが、ライジャーはリザミィのことを邪険に扱っているものの、心底嫌っているわけじゃないんじゃないかとボンボは思っている。ライジャーはボンボよりも遥かに頭がいいので、彼の考えていることは予想もつかないけれど。
そんなライジャーは、朝から本部に顔を出していない。
もしかしたら遅刻なのかもしれないが、無断欠席説が濃厚だ。KEMOに配属となって給料は歩合制になったとはいうものの、勤務態度をベイディオロにでも見られたら減給対象になるような気もする。大丈夫だろうか。
リザミィは一向に姿を現さないライジャーに散々ぶつくさ文句を言っていたが、今は諦めたようだ。
すると、ぐうぅ、とボンボの腹が盛大に鳴った。さっき軽食のサンドイッチを食べたはずだが、もう消化してしまったらしい。
ボンボの腹の虫に反応したリザミィが、本から顔を上げた。
「あら、もしかしてもうお昼? そろそろ昼休憩にしましょうか」
「リザミィさんはお昼ご飯どうするの? 食堂で食べる?」
魔王城には軍の者なら24時間利用できる食堂がある。和食から洋食、中華に至るまで様々な料理を食べることが出来るので、ボンボもよく利用していた。
更に、食堂には共有のキッチンもあって自由に使うことが出来る。家に帰らなくても自炊することが可能だ。
「私は朝購買でパンを買ってきたから、ここで食べながら掃除を進めるわ」
購買のパン。ちょっと魅力的かもしれない。ボンボは焼きそばパンがお気に入りだ。
けれど今日は天気もいいし、せっかくなので外に出て何か食べたい気分だった。
「ボクは外で食べてくるよ」
「そう、いってらっしゃい」
立ち上がったボンボはリザミィが開いている本を見下ろした。
料理の絵が載っている。作り方も書かれているのでおそらく料理本だ。
「美味しそうな料理載ってた?」
ボンボが尋ねると、リザミィは本のページをペラペラ捲った。
「まあね。いつか私も、魔王様に料理を作る時が来るわけじゃない?」
はっきり言い切るところがリザミィらしい。彼女はニコッと笑っている。
「今後の参考になるかもと思って読み始めたんだけど、モーニングからディナー料理まで網羅されててなかなかいいわ。このアリマっていうシェフ、いいセンスしてるわね」
アリマ。
その名前を聞いて、ボンボは慌ててリザミィが持つ本の背表紙を凝視した。
『愛のレシピ』というタイトルの下、本の著者名にはしっかり「アリマ」と書かれている。
ボンボは母親が持っていたアリマの料理本を幼い時から愛読していた。幼少期のボンボは、美味しそうな料理の絵を眺めながらよく涎を垂らしていたものだ。
リザミィは知らなかったようだが、魔界でシェフアリマの名を知らない者はいないんじゃないだろうか。それくらい有名で人気のある料理人だ。
「凄く有名なシェフだよ。二十年くらい前からあんまり雑誌とかでも見なくなったけど」
「そうなの? 有名ということは魔王様もご存知かもしれないのね。ある意味、私のライバルってわけね……」
謎の闘争心を燃やしているリザミィを見て、ボンボは小さく笑ってしまった。一体何を張り合っているのだろうか。なんだか微笑ましい。
「でもいいわねぇ……。私も、この本に出て来るお洒落な料理を魔王様へ作ってみたいわ」
「リザミィさんなら出来るよ」
「ふふふ、やっぱりそう思う?」
リザミィは、はにかんだ笑顔を零した。
お世辞でもなんでもなく、リザミィなら魔王の為となったらなんだって出来るような気がした。
ボンボはよいしょ、と大きな段ボール箱を持ち上げる。この荷物は、先日まで自分が所属していた前衛第一部隊から運ばれてきたものだ。
ここはパッと見は汚い倉庫だが、ボンボが現在所属する組織、KEMOの本部でもある。
今朝……と言ってもボンボが本部に来て一時間くらい経った頃だったが、本部に足を踏み入れるや否や「もー! こんなばっちいところで仕事なんて出来ないわ! 魔王様に失礼よ!」と叫んだリザミィが掃除を始めて今に至る。
本部には段ボールやら何に使うのかもよくわからない道具が散乱していて、確かに仕事部屋と呼ぶには程遠い。
綺麗な環境で仕事をするに越したことはないと思うので、ボンボもこうしてリザミィと一緒に掃除をしている。
時刻はお昼を回った頃だろうか。この部屋にはちゃんとした時刻を示す時計がないので、正確な時間はわからない。
ボンボは運んでいた段ボール箱を自分の席の近くに置いた。
部屋の奥には鉄の棚がいくつも並んでいるので座れるようなスペースはないが、出入口に面した壁の両角にL字型の机が置いてある。ボンボたちはそこを各自の席とすることにした。
ちなみに席の割り当てはリザミィの一存で決まった。彼女はなるべくライジャーの近くにはいたくないらしく、ボンボとリザミィがL字型の机を半分ずつ使うことになった。ライジャーは反対側に置かれたL字型の机を一人で使っている。
ボンボはライジャーの机の上に置かれた魔界終末時計をおそるおそる見た。いつ針が動くか気が気ではない。
針は昨日と変わらず11時15分を指していた。
昨日ボンボたちが無事に初仕事を終えたことによって、魔界終末時計の針は少し巻き戻った。魔界の危機が少し遠のいたということだ。
魔王のご機嫌一つで魔界が終わってしまうなんて。そして自分がそれを防ぐためのメンバーに選ばれてしまったなんて、何かの冗談にしか思えない。恐ろしすぎる。
ボンボは正直なところまだ実感を持てていなかった。
リザミィとライジャーはどうしてあんな風に堂々としていられるのだろう。彼女たちの強靭な精神力が心底羨ましい。
ボンボは時計の針をじっと見つめた。
組織隊長のベイディオロが言うには、魔王様は繊細でご機嫌が変わりやすいとのこと。
KEMOのメンバーであるボンボたちは、常に魔王の機嫌を取ることを第一に考えなければならない。それが仕事だ。
なので魔王の機嫌が悪くになった時に備えて、いつでも早急に対応出来るようにしておく必要がある。つまり、ほぼ休みなしと考えておいた方がいいだろう。
ボンボが以前所属していた前衛部隊でも、魔物たちは人間軍との戦いに備えて常に待機していたので、休みはほとんどなかった。まぁ、ボンボは能力の低さから戦闘に出ることはほとんどなかったので、連日休みとほぼ変わらなかったのだが……。
前衛部隊では、自分はお荷物でなんの力にもなれなかった。何も出来ない自分が情けなくて恥ずかしかった。
しかし、弱音を吐いたボンボに向かってリザミィは言ってくれたのだ。「過去のことはさっさと忘れちゃいましょ。ボンボも私たちと一緒に、新たな一歩を踏み出すのよ!」と。
その一言に、ボンボはとても救われていた。
ボンボはパイプ椅子に座るリザミィに視線を送る。
彼女の側に置かれた段ボール箱には、魔王の姿が描かれた缶バッチや魔王のぬいぐるみが入っていた。かなりの量の魔王グッズだ。一体どこで購入しているのだろう。城下町アボロスに専門店のようなものがあるのだろうか。
訊いてみようかなと一瞬考えがよぎったが、魔王のこととなるとリザミィは数時間延々と話し続けるだろう。また今度時間のある時にしよう。
リザミィの席に面した壁には紙が貼られてある。紙には達筆な字体で大きくこう書かれていた。
【魔王様と絶対結婚!】
リザミィがずっと公言している夢だ。
夢をこんな風にでかでかと貼り出されていると、こちらも応援したい気持ちになる。
大きな夢を抱くリザミィは、さっきから熱心に本を読みふけっていた。掃除の途中で見つけたものらしい。
これは掃除がなかなか先に進まないやつだ。
ボンボは段ボールの中身を出しながら小さく笑った。
リザミィは凄い。
魔王への愛情も凄いが、それだけじゃない。自分の気持ちに真っ直ぐで明るくて、眩しいくらいだ。ボンボはこれまで、こんなにキラキラした性格の魔物に出会ったことはない。
リザミィのことはKEMOに来る前から知っていた。同僚のオークが「第四部隊のダークエルフ、魔王と結婚したいんだってさ。頭おかしいよね」と、誰かに話しているのを耳にしたことがある。
それを聞いた時、ボンボの胸には軽蔑や批判的な感情は浮かばず、素直に凄いと思った。
あの魔王様と結婚したいと思うなんて、よっぽどの自信と覚悟がないと口になんて出来ない。
実際リザミィに会ってみたら、確かに魔王への愛は異常だった。けれどボンボはそれをかっこいいと感じていた。
好きなものを真っ直ぐ好きと言える。
たとえ周りから馬鹿にされたり嘲笑されたとしても、何一つ動じない強さをリザミィは持っている。周囲の目を気にしてしまう小心者のボンボには到底真似できない。
中にはそんな彼女の性格が気に食わないと思う者もいるだろう。ライジャーがいい例だ。
ライジャーはやけにリザミィに食って掛かっている印象がある。
だが、ライジャーはリザミィのことを邪険に扱っているものの、心底嫌っているわけじゃないんじゃないかとボンボは思っている。ライジャーはボンボよりも遥かに頭がいいので、彼の考えていることは予想もつかないけれど。
そんなライジャーは、朝から本部に顔を出していない。
もしかしたら遅刻なのかもしれないが、無断欠席説が濃厚だ。KEMOに配属となって給料は歩合制になったとはいうものの、勤務態度をベイディオロにでも見られたら減給対象になるような気もする。大丈夫だろうか。
リザミィは一向に姿を現さないライジャーに散々ぶつくさ文句を言っていたが、今は諦めたようだ。
すると、ぐうぅ、とボンボの腹が盛大に鳴った。さっき軽食のサンドイッチを食べたはずだが、もう消化してしまったらしい。
ボンボの腹の虫に反応したリザミィが、本から顔を上げた。
「あら、もしかしてもうお昼? そろそろ昼休憩にしましょうか」
「リザミィさんはお昼ご飯どうするの? 食堂で食べる?」
魔王城には軍の者なら24時間利用できる食堂がある。和食から洋食、中華に至るまで様々な料理を食べることが出来るので、ボンボもよく利用していた。
更に、食堂には共有のキッチンもあって自由に使うことが出来る。家に帰らなくても自炊することが可能だ。
「私は朝購買でパンを買ってきたから、ここで食べながら掃除を進めるわ」
購買のパン。ちょっと魅力的かもしれない。ボンボは焼きそばパンがお気に入りだ。
けれど今日は天気もいいし、せっかくなので外に出て何か食べたい気分だった。
「ボクは外で食べてくるよ」
「そう、いってらっしゃい」
立ち上がったボンボはリザミィが開いている本を見下ろした。
料理の絵が載っている。作り方も書かれているのでおそらく料理本だ。
「美味しそうな料理載ってた?」
ボンボが尋ねると、リザミィは本のページをペラペラ捲った。
「まあね。いつか私も、魔王様に料理を作る時が来るわけじゃない?」
はっきり言い切るところがリザミィらしい。彼女はニコッと笑っている。
「今後の参考になるかもと思って読み始めたんだけど、モーニングからディナー料理まで網羅されててなかなかいいわ。このアリマっていうシェフ、いいセンスしてるわね」
アリマ。
その名前を聞いて、ボンボは慌ててリザミィが持つ本の背表紙を凝視した。
『愛のレシピ』というタイトルの下、本の著者名にはしっかり「アリマ」と書かれている。
ボンボは母親が持っていたアリマの料理本を幼い時から愛読していた。幼少期のボンボは、美味しそうな料理の絵を眺めながらよく涎を垂らしていたものだ。
リザミィは知らなかったようだが、魔界でシェフアリマの名を知らない者はいないんじゃないだろうか。それくらい有名で人気のある料理人だ。
「凄く有名なシェフだよ。二十年くらい前からあんまり雑誌とかでも見なくなったけど」
「そうなの? 有名ということは魔王様もご存知かもしれないのね。ある意味、私のライバルってわけね……」
謎の闘争心を燃やしているリザミィを見て、ボンボは小さく笑ってしまった。一体何を張り合っているのだろうか。なんだか微笑ましい。
「でもいいわねぇ……。私も、この本に出て来るお洒落な料理を魔王様へ作ってみたいわ」
「リザミィさんなら出来るよ」
「ふふふ、やっぱりそう思う?」
リザミィは、はにかんだ笑顔を零した。
お世辞でもなんでもなく、リザミィなら魔王の為となったらなんだって出来るような気がした。
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