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第六章 チョメチョメを持つ不思議ちゃんの日常
第五十三話 チョメチョメ少女の秘め事
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鈴木陸。楓はそいつの顔を見て露骨に顔をしかめた。
(正直、こいつのことは苦手だ)
楓の『人助け』において、陸は邪魔者扱いされている。陸としては「見ていられないから」と手助けしているのだが、楓にとってはうざったらしくて仕方がなかった。人に助けられたら『人助け』にならない、と考えているからだ。
(だけど、こいつはネルちゃんを救った)
音流から聞いたノロケ話の数々を思い出しては、楓は歯がゆい気持ちと同時にウンザリした気分になった。しかし次の陸の発言でさらにウンザリすることになる。
「なあ、女子は下の名前で呼ばれるとうれしいものなのか?」
『Brugge喫茶』の営業中にもかかわらず「はあぁ!?」とドスの利いた声を上げてしまう。
「まあ、人によるんじゃない。恋人なら呼んでくれた方がうれしいでしょ」
楓が無難な返しをすると
「そうだよなぁ。そうしないといけないよなあぁ」と陸が情けない声をあげながら嘆いた。
楓はその態度に苛立ちながら
「それなら本人に訊けばいいでしょ」と突き放した。
「訊いて嫌われたら……」
自然とため息があふれ出た。この場から逃げ出して叫びたい気持ちを抑えながら、相手の求めていそうな言葉を見繕う。
「まあ、自分のペースでやればいいんじゃない? 恋愛のペースだって人それぞれなんだから」
(なんで独りのわたしがこんなこと言わないといけないの?)
楓の投げやりな物言いに気付いていないのか、陸は力強く頷いた。
「そうだよな。それが一番だよな」
鈴木陸は逃げの口実が欲しかったのかもしれない、と楓は察した。
(まあ、こいつの場合は百年かかっても難しそうだけど)
そう心の中だけで悪態をついていたのだが「ありがとう!」と純粋な感謝を陸から告げられて、楓の心の中で何かがつっかえた。
カラコロン、と。扉に取り付けられたベルが鳴ると、一人の少女が入ってきた。
「あ、同志」
真っ先に彼氏である陸を見つけた音流は、満面の笑みを浮かべながら、当然のように陸の横に座った。陸はそのことに驚きながらも、何も言わない。
「二人でなにを話していたんですか?」
音流の純粋ともけん制ともとれる質問を聞いた瞬間、二人は顔を見合わせた。
(言うなよ、って言いたげな顔をしてる)
しかしそう簡単に従う程、楓は素直ではない。
(ここで正直に言ったら面白いかもだけど、目の前でイチャイチャされたくないしなぁ)
いたずら心と防衛本能がせめぎ合う。結果は一瞬で出た。
「ちょっと授業のわからないところについてだよ」
「う、うん、そうそう」
「……そうなんですね」
音流の顔には笑顔が貼り付いているが、妙な間があった。素直な陸はホッと息を吐いているが、楓は冷たい視線を向けている。
(これ、嘘ついているのはバレてるでしょ)
楓は「知-らない」と言わんばかりに立ち上がり、店員モードに切り替える。
「ネルちゃんは何か食べる?」
「いつものをお願いします!」
「了解。いつものね」
「はい、いつものです!」
音流としては「いつもの」で通じるのが楽しいのだろう。目を輝かせて、はしゃいでしる。その横で陸がほのぼのした視線を向けている。
(なんか、すっかりカップルっぽくなってるし)
二人が付き合い始めてから一か月以上が過ぎていた。中学校は夏休みに入っており、青春まっさかりだ。
(半裸で抱き合ったせい? それとももっと先に行ってる?)
一瞬好奇心をそそられたが、結局は自分を傷つけることになることに気付いて、口に出すことはなかった。
厨房でコーヒーを淹れている君乃に声を掛ける。
「お姉ちゃん。ネルちゃんがいつものだって」
「いつもの。あー、たまごサンドね。待っててね。すぐ用意するから。このコーヒーは3番テーブルのお客さんだから、よろしく」
「うん」
楓がコーヒーを配膳して戻ってくると、すでにたまごサンドが出来上がっていた。
「さすが」
「ちょっとたまご多めにしといたから」
「……さすがに多すぎない?」
『Brugge喫茶』のたまごサンドはかなりシンプルなものだ。6枚切りの食パンにマーガリンを塗り、たまごペーストをこれでもかと挟んでいる。問題は食パンのサイズとたまごペーストの量だ。顔よりも大きな食パンと、こぼれんばかりのたまごペースト。楓が完食してしまえば、その一日の間はご飯がいらないだろう。
(学生向けって言っても加減があるでしょ)
それをアールグレイのアイスティーと共に音流の前へ持っていく。
「はい、たまごサンドとアールグレイのアイスティーになります」
「ありがとうございます」
音流は待っていました、と言った様子でさっそくかぶりつく。大きく口を開けているはずなのに上品に見える不思議な食べ方で、みるみるサンドイッチが消えていった。
(一体、体のどこに消えてるんだろう)
音流の細い体に備わったふくよかな胸を見て、恨めしい気持ちになった。
「やっぱり、ここのサンドイッチはサイコーです。ノスタルジーです」
「ありがとう」
楓は心の中で、いや昔のサンドイッチを食べたことないでしょ、とツッコミを入れた。
確かにそのサンドイッチは昔に通っていたカフェを参考にしており、昔ながらの味を再現している。しかし特段手が込んでいるわけではなく、素材はスーパーで買っているものばかりだ。
(その点、鈴木陸はいいチョイスをしている)
レアチーズケーキは楓の自信作だった。チーズも砂糖もクッキー生地にもこだわっており、舌触りのよさをとことん追求している。楓にとってはお菓子作りの集大成ともいえる作品だ。
(あーもー、わけわかんない)
そんなレアチーズケーキを好きだと叫ぶ陸に対して、楓はどう接すればいいかわからなかった。レアチーズケーキを褒められるのは純粋にうれしいのだが、それを高らかに叫ぶ姿を見る度に、モヤモヤした気持ちが湧き上がってくる。
日々のストレスや鬱憤がたまってきたのだろう。胸の中を掻きむしりたい衝動に襲われた。
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
クラスメイト達から離れて、居住スペースに向かう。君乃に一言声を掛けてから、自分の部屋へと入る。
机の上に置いていたカバンからあるものを取り出し、抱きしめる。
『どうしたんだい?』
抱きしめたモノから渋い声が聞こえて、楓はわずかに頬を緩めた。
「なんだかつらい」
『それはつらそうだね』
「どうしたらいいのかな」
『したいようにすればいいさ』
「わたし、ダメなにんげんだよね」
『そんなことはないさ』
「わたし、いきてていいのかな」
『きみは毎日キレイに拭いてくれるじゃないか。いつも助かってるよ』
中身のない問答を繰り返す。優しくて包容力のある声が共感してくれる。それだけで心は徐々に軽くなっていく。
気持ちが落ち着いてきて、抱きしめていたあるものを見つける。
(返したほうがいいのはわかってるけど……)
ふんぎりがつかなかった。「渡したくない」という独占欲が日に日に強まってしまっている。
突如、店舗スペースの方から大声が聞こえた。おそらくは陸のものだろう。
『ん? 懐かしい声が聞こえるね』
その言葉を聞いた瞬間、楓は顔をこわばらせて、あるものを引き出しの中に入れて、鍵を閉めた。これでどこかに行くことはないだろう。
自分の行動に嫌気がさして、ため息をついた。
引き出しの中で、カチカチカチ、と古びた腕時計は針を動かし続けている。
『あの子は元気みたいだねぇ』
音流が返したくないと強く願っているもの。
それは、陸が探していた形見の腕時計だった。
(正直、こいつのことは苦手だ)
楓の『人助け』において、陸は邪魔者扱いされている。陸としては「見ていられないから」と手助けしているのだが、楓にとってはうざったらしくて仕方がなかった。人に助けられたら『人助け』にならない、と考えているからだ。
(だけど、こいつはネルちゃんを救った)
音流から聞いたノロケ話の数々を思い出しては、楓は歯がゆい気持ちと同時にウンザリした気分になった。しかし次の陸の発言でさらにウンザリすることになる。
「なあ、女子は下の名前で呼ばれるとうれしいものなのか?」
『Brugge喫茶』の営業中にもかかわらず「はあぁ!?」とドスの利いた声を上げてしまう。
「まあ、人によるんじゃない。恋人なら呼んでくれた方がうれしいでしょ」
楓が無難な返しをすると
「そうだよなぁ。そうしないといけないよなあぁ」と陸が情けない声をあげながら嘆いた。
楓はその態度に苛立ちながら
「それなら本人に訊けばいいでしょ」と突き放した。
「訊いて嫌われたら……」
自然とため息があふれ出た。この場から逃げ出して叫びたい気持ちを抑えながら、相手の求めていそうな言葉を見繕う。
「まあ、自分のペースでやればいいんじゃない? 恋愛のペースだって人それぞれなんだから」
(なんで独りのわたしがこんなこと言わないといけないの?)
楓の投げやりな物言いに気付いていないのか、陸は力強く頷いた。
「そうだよな。それが一番だよな」
鈴木陸は逃げの口実が欲しかったのかもしれない、と楓は察した。
(まあ、こいつの場合は百年かかっても難しそうだけど)
そう心の中だけで悪態をついていたのだが「ありがとう!」と純粋な感謝を陸から告げられて、楓の心の中で何かがつっかえた。
カラコロン、と。扉に取り付けられたベルが鳴ると、一人の少女が入ってきた。
「あ、同志」
真っ先に彼氏である陸を見つけた音流は、満面の笑みを浮かべながら、当然のように陸の横に座った。陸はそのことに驚きながらも、何も言わない。
「二人でなにを話していたんですか?」
音流の純粋ともけん制ともとれる質問を聞いた瞬間、二人は顔を見合わせた。
(言うなよ、って言いたげな顔をしてる)
しかしそう簡単に従う程、楓は素直ではない。
(ここで正直に言ったら面白いかもだけど、目の前でイチャイチャされたくないしなぁ)
いたずら心と防衛本能がせめぎ合う。結果は一瞬で出た。
「ちょっと授業のわからないところについてだよ」
「う、うん、そうそう」
「……そうなんですね」
音流の顔には笑顔が貼り付いているが、妙な間があった。素直な陸はホッと息を吐いているが、楓は冷たい視線を向けている。
(これ、嘘ついているのはバレてるでしょ)
楓は「知-らない」と言わんばかりに立ち上がり、店員モードに切り替える。
「ネルちゃんは何か食べる?」
「いつものをお願いします!」
「了解。いつものね」
「はい、いつものです!」
音流としては「いつもの」で通じるのが楽しいのだろう。目を輝かせて、はしゃいでしる。その横で陸がほのぼのした視線を向けている。
(なんか、すっかりカップルっぽくなってるし)
二人が付き合い始めてから一か月以上が過ぎていた。中学校は夏休みに入っており、青春まっさかりだ。
(半裸で抱き合ったせい? それとももっと先に行ってる?)
一瞬好奇心をそそられたが、結局は自分を傷つけることになることに気付いて、口に出すことはなかった。
厨房でコーヒーを淹れている君乃に声を掛ける。
「お姉ちゃん。ネルちゃんがいつものだって」
「いつもの。あー、たまごサンドね。待っててね。すぐ用意するから。このコーヒーは3番テーブルのお客さんだから、よろしく」
「うん」
楓がコーヒーを配膳して戻ってくると、すでにたまごサンドが出来上がっていた。
「さすが」
「ちょっとたまご多めにしといたから」
「……さすがに多すぎない?」
『Brugge喫茶』のたまごサンドはかなりシンプルなものだ。6枚切りの食パンにマーガリンを塗り、たまごペーストをこれでもかと挟んでいる。問題は食パンのサイズとたまごペーストの量だ。顔よりも大きな食パンと、こぼれんばかりのたまごペースト。楓が完食してしまえば、その一日の間はご飯がいらないだろう。
(学生向けって言っても加減があるでしょ)
それをアールグレイのアイスティーと共に音流の前へ持っていく。
「はい、たまごサンドとアールグレイのアイスティーになります」
「ありがとうございます」
音流は待っていました、と言った様子でさっそくかぶりつく。大きく口を開けているはずなのに上品に見える不思議な食べ方で、みるみるサンドイッチが消えていった。
(一体、体のどこに消えてるんだろう)
音流の細い体に備わったふくよかな胸を見て、恨めしい気持ちになった。
「やっぱり、ここのサンドイッチはサイコーです。ノスタルジーです」
「ありがとう」
楓は心の中で、いや昔のサンドイッチを食べたことないでしょ、とツッコミを入れた。
確かにそのサンドイッチは昔に通っていたカフェを参考にしており、昔ながらの味を再現している。しかし特段手が込んでいるわけではなく、素材はスーパーで買っているものばかりだ。
(その点、鈴木陸はいいチョイスをしている)
レアチーズケーキは楓の自信作だった。チーズも砂糖もクッキー生地にもこだわっており、舌触りのよさをとことん追求している。楓にとってはお菓子作りの集大成ともいえる作品だ。
(あーもー、わけわかんない)
そんなレアチーズケーキを好きだと叫ぶ陸に対して、楓はどう接すればいいかわからなかった。レアチーズケーキを褒められるのは純粋にうれしいのだが、それを高らかに叫ぶ姿を見る度に、モヤモヤした気持ちが湧き上がってくる。
日々のストレスや鬱憤がたまってきたのだろう。胸の中を掻きむしりたい衝動に襲われた。
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
クラスメイト達から離れて、居住スペースに向かう。君乃に一言声を掛けてから、自分の部屋へと入る。
机の上に置いていたカバンからあるものを取り出し、抱きしめる。
『どうしたんだい?』
抱きしめたモノから渋い声が聞こえて、楓はわずかに頬を緩めた。
「なんだかつらい」
『それはつらそうだね』
「どうしたらいいのかな」
『したいようにすればいいさ』
「わたし、ダメなにんげんだよね」
『そんなことはないさ』
「わたし、いきてていいのかな」
『きみは毎日キレイに拭いてくれるじゃないか。いつも助かってるよ』
中身のない問答を繰り返す。優しくて包容力のある声が共感してくれる。それだけで心は徐々に軽くなっていく。
気持ちが落ち着いてきて、抱きしめていたあるものを見つける。
(返したほうがいいのはわかってるけど……)
ふんぎりがつかなかった。「渡したくない」という独占欲が日に日に強まってしまっている。
突如、店舗スペースの方から大声が聞こえた。おそらくは陸のものだろう。
『ん? 懐かしい声が聞こえるね』
その言葉を聞いた瞬間、楓は顔をこわばらせて、あるものを引き出しの中に入れて、鍵を閉めた。これでどこかに行くことはないだろう。
自分の行動に嫌気がさして、ため息をついた。
引き出しの中で、カチカチカチ、と古びた腕時計は針を動かし続けている。
『あの子は元気みたいだねぇ』
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