53 / 93
第六章 チョメチョメを持つ不思議ちゃんの日常
第五十一話 モノの声が聞こえる生活②
しおりを挟む
「こんばんは。こんな時間にどうしたの?」
「ちょっと夜風に当たりたくなったので」
憂いを帯びた表情を見て、楓は何かがあったのを察した。
「今洗濯モノ乾かしているから、ちょっとお話ししよ?」
「……ありがとうございます」
二人は自販機横のベンチに座った。豪快にサイダーを飲み干す音流の姿を見て「なんで太らないんだろう」と心の中だけで呟いた。
「えっと、家で何かあったの?」
「はい。楓さんには前話しましたよね。ウチの家族のこと」
それと同時に言われた。「もう日向ぼっこで死にたいなんて思っていません。なので、これからは純粋なお友達としてお願いしま……しても、いいですか?」と。楓は迷いなく快諾した。
しかしその後、陸との交際報告を告げられた時は、苦い顔をするしかなかった。
「ちょっと寂しくなったんです。パパがいなくなって。早くいなくなればいい、と思ったことがあっても、実際にいなくなると寂しいなんて、我がままですよね」
両親の離婚が決まり、ママが親権をとった。パパは家を出ていき、二人暮らしになった。それが音流の家庭の現状だ。
「ママも少し心の余裕ができたのか、最近はちゃんとご飯を作ってくれるようになったんです。しかもでも、夜に出かけることも増えて行って……。マシになったんですけど、どう接していいのか――」
目を伏せていた音流は突然ハッとして顔を上げた。
「すみません。楓さんにこんな話を……」
楓は母親がいない自分への気遣いだと察して、表情を柔らくした。
「ううん。当たり前にいた人がいなくなるのはつらいよね」
「……はい」
楓は恩師だった老木のことを思い浮かべた。そして、耳の中で遺言がリピートされる。
【人助けをして生きていきなさい。君は――】
老木は楓にチョメチョメのことを教えてくれた恩師だ。ふと、
(……今のわたしは、音流ちゃんにとって『わたしの老木』なのかな)
「チョメチョメにはもう慣れた?」
「不思議な感覚ですけど、楽しいです」
「楽しい……か」
音流の感想を聞いて、楓は困惑した。
(そっか。わたしも最初は楽しんでたんだよね)
感慨に浸っているうちに、音流は話を続ける。
「みんな純粋で楽しそうですよね。幼稚園児みたいで、なんだか元気をもらえます。寂しい時なんて特に。そうだ、ぬいぐるみの声が聞こえたと持ったら、すごく渋い声だったんですよ。もう笑っちゃって!」
「うん、よくあるよくある!」
モノの声は、そのモノがそれだけ存在していたかで変化する。渋い声だったということは、そのぬいぐるみは10年以上は大事にされているのだろう。
「でも、いまひとつなんですよね。もっといい声だったらサイコーなんですけど」
「ちょっとわかる。モノの声って喜怒哀楽がはっきりしてるから」
「そうなんです。そうなんですよ! もっと深みのある声だったら、この世は天国でした」
それからしばらく、二人はモノの声について語り合った。とあるモノがこんなことを言っていた、とあるモノが意外にこんな声をしていた、などなど。話に花を咲かせ続けた。
「そういえば、いつからモノの声が聞こえるようになったんですか?」
「10歳の誕生日」
「すごく区切りのいい日に、素敵なプレゼントですね」
楓は当時のことを思い出し、懐かしむように目を細めた。
(あの時はよかったのに。多分、一番幸せだった)
誕生日会から逃げ出し、トラックに轢かれそうになった日。
老木と動物たちに囲まれた日々。家族のことも、人間関係の全ても忘れて、純粋に楽しめていた。楓にとってはかけがえのない思い出だ。
そして次にフラッシュバックした光景は、思い出したくもないものだった。多くの動物に囲まれ嬲られ、犬の牙がのど元に迫る光景。
「楓さん、どうかしましたか?」
音流の言葉に現実に引き戻された楓は「あ、ううん。なんでもない」とどもりつつ、冷や汗でじっとりと濡れた手のひらをスカートで拭った。
「そうですか? 何かあったら言ってくださいね」と音流に言葉をかけられて、楓は「ありがとう」と小さく返した。
音流は飲み終えたペットボトルをゴミ箱に投げ入れようとしたのだが、コンと軽い音が鳴って、地面に転がった。ペットボトルは不規則な軌道を描いてゴミ箱の裏へと隠れてしまう。しかし音流は迷いない動作で、見えない位置にあるペットボトルを拾い上げた。
モノの声を聞いて位置を把握したのだ。
「チョメチョメって便利ですよね。探し物が楽になりました」
「うん。それ以外には料理とかにも使える」
「そうなんですか?」と音流は意外そうに目を丸くした。
「モノの声を聞き分ければ、今どんな状態だかわかるの。冷蔵庫やオーブンの中でも。焼き加減とか固まり具合もわかっちゃう」
音流はしばらく考えて込んでから、小さく口を開いた。
「料理は苦手なのでよくわかりません」
「やってみたら、料理。自分でおいしいものを作れると便利だよ」
「それは素敵なことですね」
「よかったら今度、料理を教えようか?」
楓の誘いに、音流は食い気味に「いいんですか!?」と叫んだ。
「できれば、弁当の作り方を教えていただきたいんですが……」
「二人分?」と楓は真顔で訊ねると
「……二人分です」と音流は人差し指を突き合わせて、恥ずかしそうに答えた。
(あいつの苦手な食べものは何だろう? みっちり調べておこう)
そんな思惑もつゆ知らず、音流は月を見上げながら
「同志の声が聞きたくなってきました」と寂しそうに言葉を漏らした。
「電話すれば?」
「うーん。電話すると、電話自身が話しかけられたと勘違いしちゃうんですよね。電話先からの声と電話自身の声が混ざって大変です」
あー、と楓は共感の声を上げた。
「それはね——」と音流に電話をするときのコツを教授し始めた。電話から意識をそらしつつ、電話から聞こえる音を耳に入れる、という器用な技術だ。
音流は楓から手ほどきを受けながら、徐々にコツをつかんでいった。
「ありがとうございます。わかってきました!」
「うん、よかった」
一区切りがついて、癖で時計を見る。
「あ、そろそろ時間だ」
乾燥機が止まってしばらく経っており、洗濯モノがほどよく冷めている頃合いだろう。
「すみません、長話に付き合わせてしまって……」
「ううん、わたしも楽しかったから。夏休みで会う機会が減ってたからうれしい」
「ウチもです! 今日一番の収穫です」
そこまで言うと、音流は立ち上がって歩道に出る。
「それじゃあ、今日はありがとうございました!」
「うん、またね」
「はい、またね、です!」
元気いっぱいに手を振って去っていったのだが、途中転びそうになって、照れながらも帰っていった。
見届けると、カー、と声が聞こえた。
「カラス兄、いたんだ」
『途中からな。随分楽しそうだったじゃないか』
カラス兄はかなり不機嫌そうな声音で言った。しかしカラス兄が不機嫌なのはいつものことだ、と楓はあまり気にしない。
「そうだ。ネルちゃんを送り届けて。ほら、危なっかしいから」
『お前のお願いでも、ちょっと……』
「ネルちゃんいい子だよ?」
『あいつ、チョメチョメに目覚めたんだよな?』
「まさか人見知り?」
『……』
図星だったのか、カラス兄は押し黙ってしまう。
「え、本当に人見知りなの?」と楓が悪戯っぽくからかうと
『それぐらいはしてやるよ!』とカラス兄は翼を広げて怒った。
カラス兄の意外な一面を知って、楓は愉快そうに笑った。
「ありがとう。今度お礼に撫でてあげるね」
『お前が撫でたいだけだろ。なんで俺へのご褒美になるんだよ』
「でも、いつも寝そうになるでしょ。かわいいよ」
『……もう、なんでもいい』
カラス兄は諦めたように言った。
「あと、鳥目なんだから気を付けてね。すぐにテンパるんだから」
『うるせえよ』
カラス兄は飛び立とうとしたのだが、言い忘れていたことを思い出して、再び楓に目を向けた。
『ああ、そうだそうだ。最後に"ありがとう"って言われてたな』
「うん、そうだね」
カラス兄の言動の意図が分からず、楓は不思議そうに小首をかしげた。
『これも『人助け』としてカウントするのか?』
息を呑む。すぐに言い返せなかった。
「……わかんない」
『それはなんでだろうな』
吐き捨てると、カラス兄は音流のことを追いかけていった。
独り残された楓は「なんでなんだろう」と何度も反芻しながら、上の空で帰路につきはじめた。
しかし結局答えがわからず、ため息をつく。
(言いたいことがあるなら、はっきり言ってよ)
ふと自分に向けられた音流の笑顔を思い出し、軽い気持ちになる。
(まあ、でも、今はわかんなくてもいいかな)
軽やかになったステップで、姉の待つ家へと帰るのだ
「ちょっと夜風に当たりたくなったので」
憂いを帯びた表情を見て、楓は何かがあったのを察した。
「今洗濯モノ乾かしているから、ちょっとお話ししよ?」
「……ありがとうございます」
二人は自販機横のベンチに座った。豪快にサイダーを飲み干す音流の姿を見て「なんで太らないんだろう」と心の中だけで呟いた。
「えっと、家で何かあったの?」
「はい。楓さんには前話しましたよね。ウチの家族のこと」
それと同時に言われた。「もう日向ぼっこで死にたいなんて思っていません。なので、これからは純粋なお友達としてお願いしま……しても、いいですか?」と。楓は迷いなく快諾した。
しかしその後、陸との交際報告を告げられた時は、苦い顔をするしかなかった。
「ちょっと寂しくなったんです。パパがいなくなって。早くいなくなればいい、と思ったことがあっても、実際にいなくなると寂しいなんて、我がままですよね」
両親の離婚が決まり、ママが親権をとった。パパは家を出ていき、二人暮らしになった。それが音流の家庭の現状だ。
「ママも少し心の余裕ができたのか、最近はちゃんとご飯を作ってくれるようになったんです。しかもでも、夜に出かけることも増えて行って……。マシになったんですけど、どう接していいのか――」
目を伏せていた音流は突然ハッとして顔を上げた。
「すみません。楓さんにこんな話を……」
楓は母親がいない自分への気遣いだと察して、表情を柔らくした。
「ううん。当たり前にいた人がいなくなるのはつらいよね」
「……はい」
楓は恩師だった老木のことを思い浮かべた。そして、耳の中で遺言がリピートされる。
【人助けをして生きていきなさい。君は――】
老木は楓にチョメチョメのことを教えてくれた恩師だ。ふと、
(……今のわたしは、音流ちゃんにとって『わたしの老木』なのかな)
「チョメチョメにはもう慣れた?」
「不思議な感覚ですけど、楽しいです」
「楽しい……か」
音流の感想を聞いて、楓は困惑した。
(そっか。わたしも最初は楽しんでたんだよね)
感慨に浸っているうちに、音流は話を続ける。
「みんな純粋で楽しそうですよね。幼稚園児みたいで、なんだか元気をもらえます。寂しい時なんて特に。そうだ、ぬいぐるみの声が聞こえたと持ったら、すごく渋い声だったんですよ。もう笑っちゃって!」
「うん、よくあるよくある!」
モノの声は、そのモノがそれだけ存在していたかで変化する。渋い声だったということは、そのぬいぐるみは10年以上は大事にされているのだろう。
「でも、いまひとつなんですよね。もっといい声だったらサイコーなんですけど」
「ちょっとわかる。モノの声って喜怒哀楽がはっきりしてるから」
「そうなんです。そうなんですよ! もっと深みのある声だったら、この世は天国でした」
それからしばらく、二人はモノの声について語り合った。とあるモノがこんなことを言っていた、とあるモノが意外にこんな声をしていた、などなど。話に花を咲かせ続けた。
「そういえば、いつからモノの声が聞こえるようになったんですか?」
「10歳の誕生日」
「すごく区切りのいい日に、素敵なプレゼントですね」
楓は当時のことを思い出し、懐かしむように目を細めた。
(あの時はよかったのに。多分、一番幸せだった)
誕生日会から逃げ出し、トラックに轢かれそうになった日。
老木と動物たちに囲まれた日々。家族のことも、人間関係の全ても忘れて、純粋に楽しめていた。楓にとってはかけがえのない思い出だ。
そして次にフラッシュバックした光景は、思い出したくもないものだった。多くの動物に囲まれ嬲られ、犬の牙がのど元に迫る光景。
「楓さん、どうかしましたか?」
音流の言葉に現実に引き戻された楓は「あ、ううん。なんでもない」とどもりつつ、冷や汗でじっとりと濡れた手のひらをスカートで拭った。
「そうですか? 何かあったら言ってくださいね」と音流に言葉をかけられて、楓は「ありがとう」と小さく返した。
音流は飲み終えたペットボトルをゴミ箱に投げ入れようとしたのだが、コンと軽い音が鳴って、地面に転がった。ペットボトルは不規則な軌道を描いてゴミ箱の裏へと隠れてしまう。しかし音流は迷いない動作で、見えない位置にあるペットボトルを拾い上げた。
モノの声を聞いて位置を把握したのだ。
「チョメチョメって便利ですよね。探し物が楽になりました」
「うん。それ以外には料理とかにも使える」
「そうなんですか?」と音流は意外そうに目を丸くした。
「モノの声を聞き分ければ、今どんな状態だかわかるの。冷蔵庫やオーブンの中でも。焼き加減とか固まり具合もわかっちゃう」
音流はしばらく考えて込んでから、小さく口を開いた。
「料理は苦手なのでよくわかりません」
「やってみたら、料理。自分でおいしいものを作れると便利だよ」
「それは素敵なことですね」
「よかったら今度、料理を教えようか?」
楓の誘いに、音流は食い気味に「いいんですか!?」と叫んだ。
「できれば、弁当の作り方を教えていただきたいんですが……」
「二人分?」と楓は真顔で訊ねると
「……二人分です」と音流は人差し指を突き合わせて、恥ずかしそうに答えた。
(あいつの苦手な食べものは何だろう? みっちり調べておこう)
そんな思惑もつゆ知らず、音流は月を見上げながら
「同志の声が聞きたくなってきました」と寂しそうに言葉を漏らした。
「電話すれば?」
「うーん。電話すると、電話自身が話しかけられたと勘違いしちゃうんですよね。電話先からの声と電話自身の声が混ざって大変です」
あー、と楓は共感の声を上げた。
「それはね——」と音流に電話をするときのコツを教授し始めた。電話から意識をそらしつつ、電話から聞こえる音を耳に入れる、という器用な技術だ。
音流は楓から手ほどきを受けながら、徐々にコツをつかんでいった。
「ありがとうございます。わかってきました!」
「うん、よかった」
一区切りがついて、癖で時計を見る。
「あ、そろそろ時間だ」
乾燥機が止まってしばらく経っており、洗濯モノがほどよく冷めている頃合いだろう。
「すみません、長話に付き合わせてしまって……」
「ううん、わたしも楽しかったから。夏休みで会う機会が減ってたからうれしい」
「ウチもです! 今日一番の収穫です」
そこまで言うと、音流は立ち上がって歩道に出る。
「それじゃあ、今日はありがとうございました!」
「うん、またね」
「はい、またね、です!」
元気いっぱいに手を振って去っていったのだが、途中転びそうになって、照れながらも帰っていった。
見届けると、カー、と声が聞こえた。
「カラス兄、いたんだ」
『途中からな。随分楽しそうだったじゃないか』
カラス兄はかなり不機嫌そうな声音で言った。しかしカラス兄が不機嫌なのはいつものことだ、と楓はあまり気にしない。
「そうだ。ネルちゃんを送り届けて。ほら、危なっかしいから」
『お前のお願いでも、ちょっと……』
「ネルちゃんいい子だよ?」
『あいつ、チョメチョメに目覚めたんだよな?』
「まさか人見知り?」
『……』
図星だったのか、カラス兄は押し黙ってしまう。
「え、本当に人見知りなの?」と楓が悪戯っぽくからかうと
『それぐらいはしてやるよ!』とカラス兄は翼を広げて怒った。
カラス兄の意外な一面を知って、楓は愉快そうに笑った。
「ありがとう。今度お礼に撫でてあげるね」
『お前が撫でたいだけだろ。なんで俺へのご褒美になるんだよ』
「でも、いつも寝そうになるでしょ。かわいいよ」
『……もう、なんでもいい』
カラス兄は諦めたように言った。
「あと、鳥目なんだから気を付けてね。すぐにテンパるんだから」
『うるせえよ』
カラス兄は飛び立とうとしたのだが、言い忘れていたことを思い出して、再び楓に目を向けた。
『ああ、そうだそうだ。最後に"ありがとう"って言われてたな』
「うん、そうだね」
カラス兄の言動の意図が分からず、楓は不思議そうに小首をかしげた。
『これも『人助け』としてカウントするのか?』
息を呑む。すぐに言い返せなかった。
「……わかんない」
『それはなんでだろうな』
吐き捨てると、カラス兄は音流のことを追いかけていった。
独り残された楓は「なんでなんだろう」と何度も反芻しながら、上の空で帰路につきはじめた。
しかし結局答えがわからず、ため息をつく。
(言いたいことがあるなら、はっきり言ってよ)
ふと自分に向けられた音流の笑顔を思い出し、軽い気持ちになる。
(まあ、でも、今はわかんなくてもいいかな)
軽やかになったステップで、姉の待つ家へと帰るのだ
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

隣の優等生は、デブ活に命を捧げたいっ
椎名 富比路
青春
女子高生の尾村いすゞは、実家が大衆食堂をやっている。
クラスの隣の席の優等生細江《ほそえ》 桃亜《ももあ》が、「デブ活がしたい」と言ってきた。
桃亜は学生の身でありながら、アプリ制作会社で就職前提のバイトをしている。
だが、連日の学業と激務によって、常に腹を減らしていた。
料理の腕を磨くため、いすゞは桃亜に協力をする。
やくびょう神とおせっかい天使
倉希あさし
青春
一希児雄(はじめきじお)名義で執筆。疫病神と呼ばれた少女・神崎りこは、誰も不幸に見舞われないよう独り寂しく過ごしていた。ある日、同じクラスの少女・明星アイリがりこに話しかけてきた。アイリに不幸が訪れないよう避け続けるりこだったが…。
無敵のイエスマン
春海
青春
主人公の赤崎智也は、イエスマンを貫いて人間関係を完璧に築き上げ、他生徒の誰からも敵視されることなく高校生活を送っていた。敵がいない、敵無し、つまり無敵のイエスマンだ。赤崎は小学生の頃に、いじめられていた初恋の女の子をかばったことで、代わりに自分がいじめられ、二度とあんな目に遭いたくないと思い、無敵のイエスマンという人格を作り上げた。しかし、赤崎は自分がかばった女の子と再会し、彼女は赤崎の人格を変えようとする。そして、赤崎と彼女の勝負が始まる。赤崎が無敵のイエスマンを続けられるか、彼女が無敵のイエスマンである赤崎を変えられるか。これは、無敵のイエスマンの悲哀と恋と救いの物語。


隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
青天のヘキレキ
ましら佳
青春
⌘ 青天のヘキレキ
高校の保健養護教諭である金沢環《かなざわたまき》。
上司にも同僚にも生徒からも精神的にどつき回される生活。
思わぬ事故に巻き込まれ、修学旅行の引率先の沼に落ちて神将・毘沙門天の手違いで、問題児である生徒と入れ替わってしまう。
可愛い女子とイケメン男子ではなく、オバちゃんと問題児の中身の取り違えで、ギャップの大きい生活に戸惑い、落としどころを探って行く。
お互いの抱えている問題に、否応なく向き合って行くが・・・・。
出会いは化学変化。
いわゆる“入れ替わり”系のお話を一度書いてみたくて考えたものです。
お楽しみいただけますように。
他コンテンツにも掲載中です。
燦歌を乗せて
河島アドミ
青春
「燦歌彩月第六作――」その先の言葉は夜に消える。
久慈家の名家である天才画家・久慈色助は大学にも通わず怠惰な毎日をダラダラと過ごす。ある日、久慈家を勘当されホームレス生活がスタートすると、心を奪われる被写体・田中ゆかりに出会う。
第六作を描く。そう心に誓った色助は、己の未熟とホームレス生活を満喫しながら作品へ向き合っていく。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる