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第二章 日向ぼっこで死のうとする少女
第七話 初恋と恋敵とレアチーズケーキ
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今現在、鈴木陸が崇拝する人間は二人いる。
一人はレアチーズケーキをこの世に創り給うた人物。
調べて見ると、発祥は意外なことに東京のあるレストランらしい。最近はレアチーズケーキを食す際、東京の方向を拝むことを心がけている。
もう一人は『Brugge喫茶』の店主たる青木君乃だ。その店で提供されているレアチーズケーキは極上という他ないだろう。口に入れる度に鮮烈な快感が突き抜ける。
褒めたたえる度に君乃は「私は手伝っているだけだよ」と謙虚な台詞を漏らす。その奥ゆかしさがまた濃厚なチーズのうまみに深みを与えている、と陸は信じ込んでいる。
「君も好きだねー」と君乃が間延びした声で言った。
「好きですよ。体のすべての細胞がレアチーズケーキになるまで食べ続けたいです」
陸は『Brugge喫茶』の常連客となっていた。
日々の倹約の甲斐もあり、無事に毎週通えている。
注文するメニューはいつもコーヒーとレアチーズケーキのセット。しかし一緒に口に含むことはしない。まずはお冷で喉を潤しつつ口内を清める。その後瞑想することで、全身でレアチーズケーキを受け入れる準備を整える。
フォークがしっとりとした生地に入る触感。自然と涎が溢れてくる。陸は切り方にもこだわっている。毎度毎度切る大きさを調整して、よりよいカッティングを模索しているのだ。最近は皿に対して直角切るのではなく、わざと角度をつけて切ることで表面積を広げるカットにはまっている。そうすることで口に入れた瞬間の香りが一層強烈になるのだ。
試行錯誤しているうちに、食べ終わってしまう。満たされた気持ちすらを味わいながら、空っぽになった皿に手を合わせる。
最後にコーヒーをゆっくり堪能し、目を細めながら深く息を吐く。
ここまでが陸がレアチーズケーキをいただく際のルーティンだ。
「なんか偏屈になってない?」
一連の陸を見ていた君乃が苦笑いを浮かべた。
「このチーズケーキを前にすれば、人類みんな偏屈にもなりますよ」
「それは褒めてるの……?」
「大称賛です」
苦笑いを一層濃くした君乃に対して、陸は熱い視線を送る。
(やっぱり好きだ)
陸が口説き文句の一つでも吐こうとした瞬間、横に一つの影が現れた。
「じゃあお客さん、皿をお下げしますね」
出鼻をくじかれて、皿を片付けている店員をキッと鋭く睨む。
その店員は美青年という言葉が、まさしく似合うような人物だった。"かっこいい"だけでなく"美しくもある"のだ。
まず目を引くのはキレのある二重まぶた。まつげは長く、釣り目が印象的だ。小ぶりな鼻や形のよい耳は日本人離れしており、きめ細やかで白い肌がよく映える。色白は七難隠すというが、彼の顔には目立った欠点は一つもないのだ。それどころか唯一浮いているように見えるぷっくりした唇が、妖艶さと愛嬌を引き出している。
清水なつ。『Brugge喫茶』の店員。
芸能人顔負けの美貌を持っており、清水目当てに『Brugge喫茶』に通う女性客もいる程だ。
圧倒的な美貌を前にしてもなお、陸は睨みをきかせ続ける。
「よいタイミングで申し訳ございません」と清水はしたり顔で言い放った。
絶対にわざとだ、と思いながらも陸は「いえー」と愛想よく返した。そして愛想を顔に張り付けたまま、陸は大きく口を開く。
「そういえば、清水さんには恋人はいるんですか?」
刹那、店内の雰囲気が一転した。まったりした空気から、ピリリと刺激的な空気に変化した。ピクリと反応したのは君乃と数人の女性客だった。偶然なのか、店内に流れたBGMが止まっている。
「なんだよ、藪から棒に」と清水は店員モードを切って陸を睨んだ。
「気になるじゃないですか。そんなにかっこいいんですから。体も引き締まっているし」
(さて、君乃さんを前にどう答える)
陸はあらかじめ楓から『清水と君乃は現在付き合っていない』という情報を得ていた。学生時代は付き合っていたが、社会人になると自然と疎遠になっていた。今は『Brugge喫茶』というつながりがあるものの、元の鞘に収まりきってはいない。
つまり現在、清水と君乃の関係は非常な繊細な状態だ。揺さぶりを掛ければ悪い方向に傾くかもしれない。
そんな陸の小狡い考えに反して、清水は突然、陸の手を取った。
「わかるか!?」
さっきまで美の神のように超然としていた美青年の姿はどこへやら、まるで通信簿を褒められた少年のような顔つきに変わっていた。
陸は驚きのあまり「うえっ!?」と奇妙に叫んだ。
縋るように君乃の方を向くと、やっちゃったね、と言いたげな諦観顔をしていた。そこでようやく自分がミスを犯したことを自覚した。
困惑している陸に気付くことなく、清水は袖を捲し上げて二の腕を露出させた。みっちりとした筋肉がついているが、筋肉が肥大化しているという印象はなく、アスリートのように引き締まっているように見える。
「見てくれ、この三角筋から上腕二頭筋にかけての美しい流線。上腕筋とのバランスがまだ完璧ではないが最近重点的に鍛えているんだ。ぼちぼち僧帽筋も鍛え始めていてな、合わせて大胸筋のキレも上がっている。服の上からでもわかっちゃうかな。それでな——」
「そ、そうなんですか」
(なんで筋肉自慢を始めた!?)
状況を飲み込めずに困惑している陸。顔を赤らめる女性客数人。そんな中で毅然とした態度をとる人間がいた。
「ほら、なっちゃん、はしたないよ」
君乃の鶴の一言で、清水は我に返った。
顔をみるみる赤くなっていき「顔洗ってくる」と言いながら奥へと消えていった。君乃はそれを「いってらっしゃい」と見届けた後、陸に向けて優しく微笑んだ。
「ごめんね。なっちゃんは筋肉バカだから」
君乃の辛辣な物言いに陸は
「そうみたいですね」と半笑いに返した。
それから陸はここで終われるか、とさらに突っ込む。
「君乃さんは清水さんのことなっちゃんって呼ぶんですね」
「あ、ごめんね。いつもは気を付けてるんだけど」
君乃は大して反省してなさそうにはにかんだ。
「お二人はどういう関係なんですか?」
「楓に聞いたんじゃないの?」
(報告したのかよ)
それでも食い下がることなく
「それでも、本人の口から聞きたいと思いまして」と口走った。
「うーん、今はなんて言えばいいのかな。学生時代は恋人だったけど」
「元カレ、ですか」
「そうだね。元カレであり店員でありオーナーであり男友達であり……。一言では言い表せないかも」
一言で言い表せない、という表現に陸は打ちのめられそうになった。
それだけ複雑な関係を結んでいながら円満に付き合えているのだから恋人以上ではないだろうか、と文句を言いたい気分だったが飲み込む。
「今は付き合ってないんですか?」
「今はね。私もなっちゃんも色恋沙汰のアレコレに疲れちゃって」
君乃の愛想笑いを見て、陸の気分がさらに沈む。それでも初恋を簡単に諦め切ることができず「略奪愛だコンチクショー!」と心の中で気合を入れなおした。
そんな陸の決意も露知らず、君乃は「そんなことより」と仕切り直した。
「お願いがあるんだけど」
「なんですか? 僕ができることならなんだってします」
迷いなく答えた陸に、君乃は「ありがとう」とわざとらしく微笑んだ。
「最近、楓の様子がおかしいの。何か知らない?」
「うーん、青木はいつも挙動不審なので、なんとも」
「そうなんだ。私が訊いてもはぐらかされちゃって……。ちょっと探ってきてくれないかな?」
お願いの内容を聞いた瞬間、陸は露骨に嫌そうな顔をした。腕時計探しの一件で、陸は楓にどう接していいかわからなくなっていた。その様子を見て、君乃は一枚の紙きれを取り出した。
「なんと、受けてくれた暁にはなんと割引券をプレゼント!」
「お受けします!」
陸は元気ハツラツに快諾した。レアチーズケーキが絡むと陸に断る理由はなく、君乃はそれを見抜いていた。
しかしこの時の陸は想像すらできていなかったのだ。
楓の悩みの頓珍漢な奇天烈さを。
一人はレアチーズケーキをこの世に創り給うた人物。
調べて見ると、発祥は意外なことに東京のあるレストランらしい。最近はレアチーズケーキを食す際、東京の方向を拝むことを心がけている。
もう一人は『Brugge喫茶』の店主たる青木君乃だ。その店で提供されているレアチーズケーキは極上という他ないだろう。口に入れる度に鮮烈な快感が突き抜ける。
褒めたたえる度に君乃は「私は手伝っているだけだよ」と謙虚な台詞を漏らす。その奥ゆかしさがまた濃厚なチーズのうまみに深みを与えている、と陸は信じ込んでいる。
「君も好きだねー」と君乃が間延びした声で言った。
「好きですよ。体のすべての細胞がレアチーズケーキになるまで食べ続けたいです」
陸は『Brugge喫茶』の常連客となっていた。
日々の倹約の甲斐もあり、無事に毎週通えている。
注文するメニューはいつもコーヒーとレアチーズケーキのセット。しかし一緒に口に含むことはしない。まずはお冷で喉を潤しつつ口内を清める。その後瞑想することで、全身でレアチーズケーキを受け入れる準備を整える。
フォークがしっとりとした生地に入る触感。自然と涎が溢れてくる。陸は切り方にもこだわっている。毎度毎度切る大きさを調整して、よりよいカッティングを模索しているのだ。最近は皿に対して直角切るのではなく、わざと角度をつけて切ることで表面積を広げるカットにはまっている。そうすることで口に入れた瞬間の香りが一層強烈になるのだ。
試行錯誤しているうちに、食べ終わってしまう。満たされた気持ちすらを味わいながら、空っぽになった皿に手を合わせる。
最後にコーヒーをゆっくり堪能し、目を細めながら深く息を吐く。
ここまでが陸がレアチーズケーキをいただく際のルーティンだ。
「なんか偏屈になってない?」
一連の陸を見ていた君乃が苦笑いを浮かべた。
「このチーズケーキを前にすれば、人類みんな偏屈にもなりますよ」
「それは褒めてるの……?」
「大称賛です」
苦笑いを一層濃くした君乃に対して、陸は熱い視線を送る。
(やっぱり好きだ)
陸が口説き文句の一つでも吐こうとした瞬間、横に一つの影が現れた。
「じゃあお客さん、皿をお下げしますね」
出鼻をくじかれて、皿を片付けている店員をキッと鋭く睨む。
その店員は美青年という言葉が、まさしく似合うような人物だった。"かっこいい"だけでなく"美しくもある"のだ。
まず目を引くのはキレのある二重まぶた。まつげは長く、釣り目が印象的だ。小ぶりな鼻や形のよい耳は日本人離れしており、きめ細やかで白い肌がよく映える。色白は七難隠すというが、彼の顔には目立った欠点は一つもないのだ。それどころか唯一浮いているように見えるぷっくりした唇が、妖艶さと愛嬌を引き出している。
清水なつ。『Brugge喫茶』の店員。
芸能人顔負けの美貌を持っており、清水目当てに『Brugge喫茶』に通う女性客もいる程だ。
圧倒的な美貌を前にしてもなお、陸は睨みをきかせ続ける。
「よいタイミングで申し訳ございません」と清水はしたり顔で言い放った。
絶対にわざとだ、と思いながらも陸は「いえー」と愛想よく返した。そして愛想を顔に張り付けたまま、陸は大きく口を開く。
「そういえば、清水さんには恋人はいるんですか?」
刹那、店内の雰囲気が一転した。まったりした空気から、ピリリと刺激的な空気に変化した。ピクリと反応したのは君乃と数人の女性客だった。偶然なのか、店内に流れたBGMが止まっている。
「なんだよ、藪から棒に」と清水は店員モードを切って陸を睨んだ。
「気になるじゃないですか。そんなにかっこいいんですから。体も引き締まっているし」
(さて、君乃さんを前にどう答える)
陸はあらかじめ楓から『清水と君乃は現在付き合っていない』という情報を得ていた。学生時代は付き合っていたが、社会人になると自然と疎遠になっていた。今は『Brugge喫茶』というつながりがあるものの、元の鞘に収まりきってはいない。
つまり現在、清水と君乃の関係は非常な繊細な状態だ。揺さぶりを掛ければ悪い方向に傾くかもしれない。
そんな陸の小狡い考えに反して、清水は突然、陸の手を取った。
「わかるか!?」
さっきまで美の神のように超然としていた美青年の姿はどこへやら、まるで通信簿を褒められた少年のような顔つきに変わっていた。
陸は驚きのあまり「うえっ!?」と奇妙に叫んだ。
縋るように君乃の方を向くと、やっちゃったね、と言いたげな諦観顔をしていた。そこでようやく自分がミスを犯したことを自覚した。
困惑している陸に気付くことなく、清水は袖を捲し上げて二の腕を露出させた。みっちりとした筋肉がついているが、筋肉が肥大化しているという印象はなく、アスリートのように引き締まっているように見える。
「見てくれ、この三角筋から上腕二頭筋にかけての美しい流線。上腕筋とのバランスがまだ完璧ではないが最近重点的に鍛えているんだ。ぼちぼち僧帽筋も鍛え始めていてな、合わせて大胸筋のキレも上がっている。服の上からでもわかっちゃうかな。それでな——」
「そ、そうなんですか」
(なんで筋肉自慢を始めた!?)
状況を飲み込めずに困惑している陸。顔を赤らめる女性客数人。そんな中で毅然とした態度をとる人間がいた。
「ほら、なっちゃん、はしたないよ」
君乃の鶴の一言で、清水は我に返った。
顔をみるみる赤くなっていき「顔洗ってくる」と言いながら奥へと消えていった。君乃はそれを「いってらっしゃい」と見届けた後、陸に向けて優しく微笑んだ。
「ごめんね。なっちゃんは筋肉バカだから」
君乃の辛辣な物言いに陸は
「そうみたいですね」と半笑いに返した。
それから陸はここで終われるか、とさらに突っ込む。
「君乃さんは清水さんのことなっちゃんって呼ぶんですね」
「あ、ごめんね。いつもは気を付けてるんだけど」
君乃は大して反省してなさそうにはにかんだ。
「お二人はどういう関係なんですか?」
「楓に聞いたんじゃないの?」
(報告したのかよ)
それでも食い下がることなく
「それでも、本人の口から聞きたいと思いまして」と口走った。
「うーん、今はなんて言えばいいのかな。学生時代は恋人だったけど」
「元カレ、ですか」
「そうだね。元カレであり店員でありオーナーであり男友達であり……。一言では言い表せないかも」
一言で言い表せない、という表現に陸は打ちのめられそうになった。
それだけ複雑な関係を結んでいながら円満に付き合えているのだから恋人以上ではないだろうか、と文句を言いたい気分だったが飲み込む。
「今は付き合ってないんですか?」
「今はね。私もなっちゃんも色恋沙汰のアレコレに疲れちゃって」
君乃の愛想笑いを見て、陸の気分がさらに沈む。それでも初恋を簡単に諦め切ることができず「略奪愛だコンチクショー!」と心の中で気合を入れなおした。
そんな陸の決意も露知らず、君乃は「そんなことより」と仕切り直した。
「お願いがあるんだけど」
「なんですか? 僕ができることならなんだってします」
迷いなく答えた陸に、君乃は「ありがとう」とわざとらしく微笑んだ。
「最近、楓の様子がおかしいの。何か知らない?」
「うーん、青木はいつも挙動不審なので、なんとも」
「そうなんだ。私が訊いてもはぐらかされちゃって……。ちょっと探ってきてくれないかな?」
お願いの内容を聞いた瞬間、陸は露骨に嫌そうな顔をした。腕時計探しの一件で、陸は楓にどう接していいかわからなくなっていた。その様子を見て、君乃は一枚の紙きれを取り出した。
「なんと、受けてくれた暁にはなんと割引券をプレゼント!」
「お受けします!」
陸は元気ハツラツに快諾した。レアチーズケーキが絡むと陸に断る理由はなく、君乃はそれを見抜いていた。
しかしこの時の陸は想像すらできていなかったのだ。
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