異世界転生~創造神と魔神の使い~

田村 翔

文字の大きさ
上 下
42 / 56
2章

まさかの事態

しおりを挟む
ブルレックの攻撃を受けてどこかに飛ばされた俺が1番に見たものは、広い森のだった。
はぁ?ってことはここ…上空?
俺はやっと自分のおかれている状況を理解した。
と同時に恐ろしいほどの浮遊感に襲われた。
このままだと後10秒と少しで地面に落下するだろう。
俺は死ぬのだろうか?
一瞬だけそう思ったが、魔法なら助かるかもしれない。
そう考えたが、魔法名を唱えるより前に浮遊感は無くなった。

ーバッシャー

俺が奇跡的に湖か何かに落ちたからだ。
こんなところで死なれては困るジジイ達の干渉だろう。
「はぁ、何とか助かったが…ここはどこだ?」
俺は陸に上がって周りを見回しながら1人呟く。
「知らないわよそんなこと…それより…早く私を…助けなさいよぉ…」
「え?」
まさか独り言に返事があるとは思わず、変な声をあげてしまう。
「だ、誰だ!?」
俺はとっさに剣を構えた。
「私よ…エンヴィー帝国…姫のジャンヌよ…」
まさかこいつまで飛ばされてたとは…
今頃ブルレックの奴焦ってるだろうな。
自分のせいで姫をどこかへ飛ばしちゃったんだからな。
「だからぁ…早く…助けてってば…」
「はいはい。」
俺は渋々溺れそうになっている魔族の姫を助けてやった。
「あ…ありがとう///」
おい、照れるな。
こっちまで恥ずかしくなるから。
「何でお前までここにいるんだよ。ブルレックの魔法食らったのは俺だけじゃないのか?」
「そんなこと…私に聞かれても分からないわよ。…いきなり空にあげられたのだし。」
確かにそうだよな。対象の俺が分からないことが巻き込まれただけのこいつに分かるはずもないか…
「取りあえず森を抜けるか、村を見つけるかだな。行くぞ、えーと…」
地面に座ったままの姫をどう呼ぶべきか悩んでしまった。
「ジャンヌでいいわよ。親しい者達は皆そう呼ぶわ。貴方は?」
「俺はブレイド。うちの国の国王の甥だ。」
「貴族にしては王子に軽く話していると思っていたけれど従兄弟だったのね。」
「まぁ、おしゃべりもこの辺にして先に進もうぜ、ジャンヌ。」
「あ…うん!」
この姫こんな感じで軽いところがあるからヴェルと同じで堅苦しくないから楽で良いな。
っていうかこの世界の王族ってそういうのが多いのかな?

歩いている間にジャンヌといろんなことを話した。
お互いの国のことや戦争についてなど。
そこで分かったことだが、魔族は各国のトップが集まって戦争や国の現状について話し合うらしい。
魔族の国は、ラース王国・グラトニー王国・グリード王国・スロウス帝国・ラスト帝国・プライド帝国そして、ジャンヌ達のエンヴィー帝国の7つあるらしい。
ジャンヌ達のエンヴィー帝国は最近できた国らしく、エンプティネス王国がプライド帝国に、メランカリィ帝国がスロウス帝国に吸収されたタイミングで新たに造られたそうだ。
そのため領土が少ないので、ホーンリバー王国に戦争を仕掛けたらしい。
「人間族としてこんなことを言うのはどうかと思うけど…勝てたから良かったものの勝てなかったらどうするつもりだったんだ?」
「不意打ちだから絶対勝てるって父上達が言ってたから…」
「なるほど…これからはあまりしないでくれよ。特にラミッシュ王国は。」
「父上に言っておくわ。私を助けてくれた人がいる国だからって。」
こんな話をしていると少し開けたところに出た。
「ここは…どこだ?」
「さ、さぁ?」
森の中に木造の家、屋根にはコケが生えている。
「誰かいませんか-!」
「ちょっと!ブレイド!!」
「何だよ、この方が手っ取り早いじゃん。」
「でも、もし人間だったら…」
「大丈夫、俺が付いてるから。」
「ブレイド…///」
だから照れるなって…こっちまで恥ずかしくなるから!
こいつとフラグが立っているような気がして仕方が無い。
人間族と魔族とだといろいろと難しい気がするけど大丈夫だろうか?
「何者だ、お前達。」
こんなことを考えていると唐突に声をかけられた。
「こんにちは、俺はブレイド・フォン・ヴィトゲンシュタイン。こちらはジャンヌ・ド・エンヴィーです。」
「何故、人間族と魔族が一緒に我々エルフの隠れ里へ足を踏み入れた?幻惑の結界も張っておいたというのに…」
「俺達は魔法で上空に飛ばされてこの近くに落ちたので結界とかはよく分からないんだが…」
「それは大変だっただろう。僅かながら歓迎しましょう。勇敢なる者達よ。私はこの里の見回り役をしておりますエリック・フレッカーと申します。」
こうして俺達はエルフの隠れ里で過ごすことになった。
まずは国にどう帰るかを考えないと。
___________________

ありがとうございます。
果たしてブレイドは誰とくっつくことになるのか?
風邪が流行っておりますので皆様もお気を付け下さい。
これからもよろしくお願いします。
しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

俺だけ皆の能力が見えているのか!?特別な魔法の眼を持つ俺は、その力で魔法もスキルも効率よく覚えていき、周りよりもどんどん強くなる!!

クマクマG
ファンタジー
勝手に才能無しの烙印を押されたシェイド・シュヴァイスであったが、落ち込むのも束の間、彼はあることに気が付いた。『俺が見えているのって、人の能力なのか?』  自分の特別な能力に気が付いたシェイドは、どうやれば魔法を覚えやすいのか、どんな練習をすればスキルを覚えやすいのか、彼だけには魔法とスキルの経験値が見えていた。そのため、彼は効率よく魔法もスキルも覚えていき、どんどん周りよりも強くなっていく。  最初は才能無しということで見下されていたシェイドは、そういう奴らを実力で黙らせていく。魔法が大好きなシェイドは魔法を極めんとするも、様々な困難が彼に立ちはだかる。時には挫け、時には悲しみに暮れながらも周囲の助けもあり、魔法を極める道を進んで行く。これはそんなシェイド・シュヴァイスの物語である。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!! 神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!? これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

転生幼女が魔法無双で素材を集めて物作り&ほのぼの天気予報ライフ 「あたし『お天気キャスター』になるの! 願ったのは『大魔術師』じゃないの!」

なつきコイン
ファンタジー
転生者の幼女レイニィは、女神から現代知識を異世界に広めることの引き換えに、なりたかった『お天気キャスター』になるため、加護と仮職(プレジョブ)を授かった。 授かった加護は、前世の記憶(異世界)、魔力無限、自己再生 そして、仮職(プレジョブ)は『大魔術師(仮)』 仮職が『お天気キャスター』でなかったことにショックを受けるが、まだ仮職だ。『お天気キャスター』の職を得るため、努力を重ねることにした。 魔術の勉強や試練の達成、同時に気象観測もしようとしたが、この世界、肝心の観測器具が温度計すらなかった。なければどうする。作るしかないでしょう。 常識外れの魔法を駆使し、蟻の化け物やスライムを狩り、素材を集めて観測器具を作っていく。 ほのぼの家族と周りのみんなに助けられ、レイニィは『お天気キャスター』目指して、今日も頑張る。時々は頑張り過ぎちゃうけど、それはご愛敬だ。 カクヨム、小説家になろう、ノベルアップ+、Novelism、ノベルバ、アルファポリス、に公開中 タイトルを 「転生したって、あたし『お天気キャスター』になるの! そう女神様にお願いしたのに、なぜ『大魔術師(仮)』?!」 から変更しました。

流石に異世界でもこのチートはやばくない?

裏おきな
ファンタジー
片桐蓮《かたぎりれん》40歳独身駄目サラリーマンが趣味のリサイクルとレストアの資材集めに解体業者の資材置き場に行ったらまさかの異世界転移してしまった!そこに現れたのが守護神獣になっていた昔飼っていた犬のラクス。 異世界転移で手に入れた無限鍛冶 のチート能力で異世界を生きて行く事になった! この作品は約1年半前に初めて「なろう」で書いた物を加筆修正して上げていきます。

処理中です...