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2章

実技試験です 2

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みんなの剣術測定を見ていた俺だが…
みんな弱すぎない!?
ほら!先生達が俺の方見ながらあれ?みたいな感じになってるじゃん!
これも全部マギット先生が原因だ。
あの人が剣を振ってこなかったらこんなことにはならなかったはずだ…多分。
そうであると信じたい。

まぁ、それは置いといて…
次は魔法能力測定だ。
こっちでは特に何も起こらないように気を付けよう。
そこ、無理だとか言わないで!俺が一番分かってるから…
そんなことを考えながら歩いていると試験会場に着いたみたいだ。
といってもさっきの所から2階に上がっただけなんだけど。
会場は階段を上って左右に1カ所ずつだ。
因みに俺は番号順なので右側だった。
どうでもいいなこんなこと。

会場内はフローリングになっていて、奥のちょっと高くなっているところにサンドバッグ(?)が吊されている。
「はい、それではあの的を狙って魔法を撃って下さい。魔法の精度と威力を見させていただきます。」
今回の監督は若い女の人だ。静かに試験内容を説明してくれた。
あの声のデカイ方は左側の会場に行った。
「それでは、受験番号で5人ずつお願いします。」
「「「「「はい!」」」」」
1人目は短めの赤い髪の女の子だ。
「【火よ、我が手に集いて敵を穿て、ファイアーボール】!」

ーポンッ

えっ?アンナ先生から聞いてはいたけど、詠唱ってあんなにイタいの?
それに「ポンッ」って…それでドヤ顔はないよ。
「ありがとうございます。素晴らしい精度です。威力もその年ではなかなかのものですね。」
いやいや、確かにコントロール良かったけどさ、威力はあれで良い方なの!?
これは本気出したらダメなやつだ…
そんなことを考えていると次の子が前に出ていた。
青い髪の男の子だ。
「【水よ、集い踊りて押し流せ、ウォーターボール】!」

ーバシャッ

…押し流せてないし。
あの的ってそんなに破壊できないものなの!?
破壊できちゃったらまた先生から変な目で見られるんじゃないだろうか…
威力は先生達との練習より少し抑える位で良いかな?

***

いろいろと考えていたが、残りは5人。
未だに的を破壊できる子は出てこない。どうしよう…
「それでは、最後の5人お願いします。」
「「「「「はい!」」」」」
だーーーーー、どうしよう!もうすぐで俺の番じゃん!
「あっ、1番目は王子ですね。お願いします。」
えっ、王子?ってことはヴィクトール叔父さんの息子?同級生だったんだ…
「【風よ、踊り狂いて全てを凪ぎ払え、ウィンドカッター】!」

ーザシュッ

「「「「「おぉー」」」」」
良かったー、俺の前に的を破壊できる奴出てきてくれて。
「流石王子ですね。精度も威力も問題なしです。」
やっぱり叔父さんの息子なら凄いんだなぁ。
よしじゃあちょっとだけ力入れようかな?
ってことで最後は俺だ。
今更だがどの魔法にしようか?
火・水・風・土・光・闇・無から1つだからなぁ。
無は良いかな。
ファイアーボール・ウォーターボール・ウィンドカッター・ストーンバレット・シャイニング・シャドウボールどれにしようかな…
「よし、【ファイアーボール】」

ードガッ
ードォォォン

「「「「「「「「「「……………」」」」」」」」」」
あっれれ~なんでが見えるのかな?
これはまたやっちゃったな…
「…えーと、今のは全力ですか?」
「いいえ、相当抑えて撃ちましたけど…」
「あ……あれで相当抑えた?」
「ええ」
「……そうですか。分かりました。試験はこれで終了です。皆さんお疲れ様でした。」
俺が最後でよかったー。
怒られなくてよかったー。
ハァ、俺受かるのかな?落ちたらなんて説明しよう。
魔法能力測定の時に的と一緒に壁も破壊してしまったので落ちたのだと思います。ってか?
家に弁償代とかの請求でも来るんだろうか?
国営の学校だからヴィクトール叔父さんの方でなんとかしてくれないかなぁ…

~~~

全ての試験が終わった国立学園に教師達が集まっていた。

「そんなに凄かったのか?ヴィトゲンシュタイン公爵の息子は。」
「凄いなんてモノではありませんよ。相当抑えて、本人は軽く撃ったつもりの魔法で練習場が壊れるかと思いました。まぁ、実際に壁は破壊されたんですが…」
「…そ、そんなにか?」
「ええ、しかも無詠唱で、撃ち出すまでも一瞬でしたね。しかも撃つ前になぜか彼の周りに全属性の魔法が見えたんですよ。」
「ということは彼は全属性使えるということか?」
「私の見間違いではなければということになりますが…」
「なぁ、それ、ワシらが教える事あるのか?」
「確かにそうですよね。ですが召喚獣や魔族のことなどまだ知らないこともあるでしょうし入学は必要なのではないでしょうか。」
「そうか。ところで入試順位はどうなったのかね?」
「筆記も見ました。まだ採点中ですが、ほぼ満点だった様ですね。」
「となるとこれは…」
「ええ、今年のは決まりですね。」

____________________________

ありがとうございます。
やっぱり無事に入学はできませんでしたね。
次回はブレイドが入試主席になったことを教えられます。
スピーチの原稿考えないと…誰か考えてくれないかなぁ(半分本気)
これからもよろしくお願いします。
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