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3章
えにし亭にて (前編)
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昼食も終わり俺達は最後の依頼を終わらせるため【えにし亭】へとやって来た。
「ここが【えにし亭】か、中々賑わってますね。…見たところそこまで汚れてるようには見えないけど簡単そうで良かったですね。」
「この程度の汚れなら掃除依頼なんて出さずに自分達ですれば良いのにね。」
「まぁジャンヌ様、簡単な仕事で金が貰えるんだから良いじゃないですか。」
「そうだね、早く終わらせて休もー!」
ジャンヌ言葉に頷きながら俺は扉を開ける。
「すみませーん、ギルドの依頼で来た冒険者ですが!」
「あぁ?なんだい、冒険者って言う割にヒョロいガキしかいねぇのかい?」
俺の呼びかけに応えたのは鬼の様な………いや、鬼の女性だ。正直怖い。
「なんかすみません…」
「Fランクからの依頼で出したアタシが悪いんだ、気にするこたぁ無いよ。」
この女性、見た目に反して優しい鬼のようだ。
「あ、依頼の方なのですが…このお店は特に何もしなくても十分清潔なようですが…」
「ん?掃除は仕事の1つで雑用として依頼したはずなんだけどね?それでも良いかい?」
「はい、それくらいの変更なら大丈夫です。」
別に危険になったわけでは無いし早く片付けられるだろう。…と思っていた。
「それじゃ依頼成立ということで、アタシはミネット・ドラクール。この【えにし亭】の主人さ。」
「俺はブレイド。今回のメンバーでリーダーを任されています。メンバーは全員ジャンヌ様の奴隷ですので全体への指示はジャンヌ様へお願いします。」
「はいよ、でもここじゃアタシがルールだからアンタ達は平等に扱わせてもらうよ。」
俺と主人は握手を交わし正式に契約が成り立った。
***
俺達の最初の仕事は店の周りの掃除からだ。主人から渡された箒と魔法を併用して地面から店の壁までの隅々を綺麗にした。
「主人!周辺の掃除終わりました!」
「あいよ、それじゃあ…夜の部の食材を市場の店で貰ってきておくれ。この紙を渡して『えにし亭の主人に頼まれて来た』って言えば貰えるよ。肉屋、魚屋、八百屋、青果店の4つ忘れずに取ってきておくれ。」
「はい!」
主人から4枚の紙を受け取った俺はみんなと一緒に市場へと向かい無事に大量の食材を受け取った。
食材を手に店に帰った俺たちを待っていたのは、恐ろしく長い行列ともう既に燃え尽き始めている店員達だった。
「アンタ達!食材を厨房に置いたらエプロン付けて給仕の手伝いだよ!」
「「「「えぇ~!?」」」」
俺達はいつになったら解放されるのだろうか?
______________
ありがとうございます。
長く更新間隔を空けてしまい申し訳ございません。学校生活は相変わらず忙しいため更新は滞りがちとなってしまいますがご理解ください。
また、お気に入り登録が500件を突破しておりました。
インフルエンザが猛威を振るっておりますが、皆様体調管理には十分気をつけてください。
これからもよろしくお願いします。
「ここが【えにし亭】か、中々賑わってますね。…見たところそこまで汚れてるようには見えないけど簡単そうで良かったですね。」
「この程度の汚れなら掃除依頼なんて出さずに自分達ですれば良いのにね。」
「まぁジャンヌ様、簡単な仕事で金が貰えるんだから良いじゃないですか。」
「そうだね、早く終わらせて休もー!」
ジャンヌ言葉に頷きながら俺は扉を開ける。
「すみませーん、ギルドの依頼で来た冒険者ですが!」
「あぁ?なんだい、冒険者って言う割にヒョロいガキしかいねぇのかい?」
俺の呼びかけに応えたのは鬼の様な………いや、鬼の女性だ。正直怖い。
「なんかすみません…」
「Fランクからの依頼で出したアタシが悪いんだ、気にするこたぁ無いよ。」
この女性、見た目に反して優しい鬼のようだ。
「あ、依頼の方なのですが…このお店は特に何もしなくても十分清潔なようですが…」
「ん?掃除は仕事の1つで雑用として依頼したはずなんだけどね?それでも良いかい?」
「はい、それくらいの変更なら大丈夫です。」
別に危険になったわけでは無いし早く片付けられるだろう。…と思っていた。
「それじゃ依頼成立ということで、アタシはミネット・ドラクール。この【えにし亭】の主人さ。」
「俺はブレイド。今回のメンバーでリーダーを任されています。メンバーは全員ジャンヌ様の奴隷ですので全体への指示はジャンヌ様へお願いします。」
「はいよ、でもここじゃアタシがルールだからアンタ達は平等に扱わせてもらうよ。」
俺と主人は握手を交わし正式に契約が成り立った。
***
俺達の最初の仕事は店の周りの掃除からだ。主人から渡された箒と魔法を併用して地面から店の壁までの隅々を綺麗にした。
「主人!周辺の掃除終わりました!」
「あいよ、それじゃあ…夜の部の食材を市場の店で貰ってきておくれ。この紙を渡して『えにし亭の主人に頼まれて来た』って言えば貰えるよ。肉屋、魚屋、八百屋、青果店の4つ忘れずに取ってきておくれ。」
「はい!」
主人から4枚の紙を受け取った俺はみんなと一緒に市場へと向かい無事に大量の食材を受け取った。
食材を手に店に帰った俺たちを待っていたのは、恐ろしく長い行列ともう既に燃え尽き始めている店員達だった。
「アンタ達!食材を厨房に置いたらエプロン付けて給仕の手伝いだよ!」
「「「「えぇ~!?」」」」
俺達はいつになったら解放されるのだろうか?
______________
ありがとうございます。
長く更新間隔を空けてしまい申し訳ございません。学校生活は相変わらず忙しいため更新は滞りがちとなってしまいますがご理解ください。
また、お気に入り登録が500件を突破しておりました。
インフルエンザが猛威を振るっておりますが、皆様体調管理には十分気をつけてください。
これからもよろしくお願いします。
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