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3章

閑話 ウトエナさんの誕生日

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宿も決まり本格的に活動を始めようかというとき、衝撃の事実が発覚した。
それは今日の昼ご飯中の会話ー…

…ーいつものように料理の配膳が終わり、みんなでご飯を食べながらこれからの予定を立てようとしていた。

「今日の予定だけど、ギルドの依頼を受けるか、この国の現状を現地の人達に聞くか、どっちが良い?」
「私は、冒険者としての活動をした方がいいと思う。まだ、来たばかりの人がいきなり自分の国について聞いて来たら不審に思われると思うし…」

俺がみんなに問いかけると代表してジャンヌが答えてくれた。
そういう考えもあるか。

「ナタリーとウトエナさんもそれで良い?」
「私はブレイド達が決めたことなら反対はしないです!」
「私も皆様がお決めになられたことですので…それに……」

2人とも賛成してくれたがウトエナさんはまだ言いたいことがあるみたいだった。

「ウトエナさん、何か言いたいことがあるなら言ってね。俺達は今パーティなんだから。」
「不満があるというわけではないんです。ただ、2年ぶりに他の人と特別な日を一緒に過ごせて嬉しいな、と思っただけですので。」

俺が遠慮しないように言うと、ウトエナさんは今日が特別な日だから嬉しいのだと言った。

「特別な日って何?」
「それは…今日6/14は私の誕生日なんです。」

俺が重ねて質問をするとウトエナさんは少し恥ずかしそうに答えてくれた。
そっか、今日誕生日だったんだそれは嬉しいだろ…う……な………

「「「誕生日!?今日!!?」」」

みんなも知らなかったようで俺と同じように驚いていた。
そういえばみんなの誕生日知らなかったな。

「みんなはいつなの?誕生日。」
「私は2/6です!」
「私は10/31ね。ブレイドは?」
「俺は5/21だな。」
「「終わってるじゃない!」」

そう、実は俺の誕生日はラース王国を探したり捕まってたりしてる間に終わっていたのだ。
それより、ジャンヌの誕生日ってハロウィンだったんだ。
いずれ国交ができたらハロウィンパーティーとかぶっちゃうかも…ってそれよりも!

「俺のことよりウトエナさん!今日だぞ!!今日の予定は誕生日パーティーに変更。ご飯が終わったらプレゼントを探し行にこう。」
「「了解!!」
「あ、ウトエナさんはここで留守番しててくれる?主役にプレゼントは内緒にしておきたいしさ。…1人だと退屈だと思うし、遊ぶもの幾つか置いて行くよ。遊び方は一緒に置いてある紙に書いてあるから。じゃあ行ってきまーす。」

置いていかれると知ったウトエナさんが悲しそうな顔をしたので、パズルやトランプを置いて行く。

「楽しみに待ってますね!」

そんなこと言われたら張り込んじゃうぞ!ー…

…ーこんな感じでウトエナさんの誕生日を祝うことになり、早速プレゼントを買いに行こうという訳だ。
早く終わったら晩御飯の買出しにでも行こう。
そんなことを考えていた時期が俺にもありました。
というのもジュエリーショップに入ったところで、

「奴隷の入店は禁止です。」

そう言われてしまったのだ。
これでは買出し等と言っている場合ではない。
しかし、そう言われて簡単に引き下がる俺ではない。

「【光よ、我が身を避けて通り我が身を隠せ、不可視インビジブル】」

姿を消してジャンヌの横に立ち商品を選ぶことにした。

(俺はこのネックレスとか良いも思うな。)
(金貨1枚だけど大丈夫なの?)
(飛ばされる前に稼いだ分が後金貨3枚ほど残ってるはずだ。)
(それなら私にも何か…)
(また今度な。今日はウトエナさんの買い物だから。)

俺が金貨1枚もするネックレス(金の羽根に赤い宝石の付いたタイプ)を選んだことで現在の所持金がバレてしまった。
そのせいで今度ジャンヌにも何かプレゼントしなければならなくなってしまった。

因みに、ナタリーからのプレゼントは可愛らしい服だ。
狩りの時は着れないが、休みの時に着る用だと思う。
そして、ジャンヌからのプレゼントは花柄の髪留めだ。
これはいつでも付けられるし、ウトエナさんの黒髪に映える明るい色をしている。
こう考えるも俺のネックレスが高いだけで困る代物に感じられる。
でも、みんなのプレゼントに合わせやすいからありかもしれない。

***

そして、遂にパーティーの時間となった。
俺達は野営をした場所に【転移門ゲート】で来ている。
何故ここに来たかというと宿の食堂は公共の物なので借りれなかったかからだ。
で、パーティーの料理はというと、G⚫︎⚫︎gle先生…じゃなくて 異世界辞書アナザーワールドディクショナリーを参考に俺が作った料理が並んでいる。

みんな俺が料理できることに驚いていたが、レシピが分かれば普通にできるからな!
みんな美味しいと言ってくれたので料理は大成功だと思う。

さぁ、ご飯の後はプレゼントの時間だ。
ナタリー、ジャンヌ、俺の順に渡した。
ウトエナさんは付き合いが短いにも関わらずプレゼントをくれたことにとても感謝してくれた。
「このお返しは必ず!」
とか言ってたし。

誕生日パーティーもひと段落し、【転移門ゲート】で宿に帰った俺達ははしゃぎ疲れたのかすぐに寝てしまった。

翌日、ウトエナさんがみんなのプレゼントをつけて食堂に出て来た顔は心から嬉しそうな顔だったと追加しておこう。
何にだよ………
___________

ありがとうございます。
恐らくこれがテスト前最後の投稿となります。
読者の皆さんの中には学生もおられると思いますので、共にテストを乗り切りましょう!
これからもよろしくお願いします。
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