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第2章
20.吉凶禍福(前編)
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「よう、ロティア。それにフフランも」
リジンと会った翌日、午前の終わり頃、ひょっこりと現れたのは、ロティアの常連客であるレストラン店主のアーベンだ。アーベンは慣れた手つきで鉄格子のドアを開け、中に入って来た。
「こんにちは、アーベンさん」
ロティアは笑顔で挨拶をした。その耳元には、リジンがくれた夜空色の石のイヤリングが光っている。
「あれ、今日って定休日だったか?」とフフラン。
「いや、臨時休業だ。従業員が三人も風邪をひいて、厨房が回らないからな」
アーベンはコートを椅子の背もたれにかけ、大きく息をつきながらドサッと椅子に座った。その顔には少し疲れが見える。ロティアが「お茶を淹れましょうか?」と尋ねると、笑顔で手を振った。
「悪いな、わかりやすく疲れた態度取って」
「いえいえ。アーベンさんのお料理にはわたしもお世話になってますから」
アーベンがロティアの常連客であるように、ロティアもアーベンのレストランの常連客なのだ。ラスペラの郷土料理を出すレストランで、家庭的な味が評判なのだ。
「ありがとな」
アーベンはカバンの中からメニューが書かれた紙の束を取り出した。アーベンの依頼はたいていが、メニュー表の値段を書き換えるために、文字を取り出してほしいという内容だ。
「米を使ってるメニューの値段を変えたいんだ。不作のせいで米が高騰しててな。米は輸入に頼ってるから、大打撃だよ」
「それは大変ですね。メニュー表は全部で何冊ですか?」
「全部で三十冊だ。米を使ったメニューは三つ。全部値段を取ってくれ」
「承知しました。今日がお店の臨時休業日なら、明日の営業日までには完了していた方が良いですよね?」
「可能なら頼むよ。いつも急で悪いな」
「いえいえ。特急料金をいただいますし、御贔屓にしてくださってありがとうございます」
メニュー表の値段の書き換えの依頼はよくある依頼の一つだ。そのメニューに使われる食材が不作や輸送不備の影響で高騰すると、それに応じて値段を変えるレストランが多いのだ。
「最近は東の方では雨が続いて食物が育たないらしいな。現地は食料不足らしくて、輸入にまで回ってこないんだよ」
「心配ですね。恵の雨なんて言葉もあるから、雨が完全に悪いものでもないですけど。あんまり降り続かれるのは困りますよね」
「そうだよなあ。早いとこ雨雲が去るのを願うしかないな」
その後、書類を書いている間、アーベンは米に変わる代替品を使うメニューを考えていると話した。
「ショートパスタを使ったメニューを考えてるんだ。形状が米に似たのを取り寄せて、どうにか対処できないかと思ってな」
「そうなんですね。落ち込まずに前進するアーベンさん、すごいです」
「ありがとよ、ロティア。今度また食べにおいで。フフランとあの美人な兄ちゃんと一緒に」
アーベンはリジンを美人だと言っていつも褒めてくれるのだ。
「ぜひ! ねえ、フフラン」
「ああ! 今日にでも食べに行きたいよ!」
フフランがアーベンの頭に飛び乗ると、アーベンは笑いながら「早くて明後日だな」と言って、フフランを優しくなでた。
「そういや、俺の身内でロティアに依頼を頼みたいって奴がいるんだよ。昨日ロティアのことを教えたから、たぶんそのうち来ると思う。そん時はよろしくな。たぶん、俺の名前を出すから」
「わあ、頼りにしていただけて嬉しいです! もちろん、誠心誠意ご対応させていただきますね」
「頼むよ。結構なドジをやらかしたみたいだからな」
アーベンはクツクツと笑った。その表情から、アーベンと親しい人なのだろうとわかった。
代金を支払うと、アーベンは「頼むよ」と笑顔で出て行った。
「アーベンの奴、ちょっとは元気になったか?」
「うーん。わたしたちに心配かけないようにしてくれてた気もするけど。でも笑顔になってくれたのは嬉しいね」
「そうだな。ロティアのことも広めてくれてるみたいだし、良い奴だよな」
「本当に、お客様に恵まれてるね、わたし」
「よーしっ!」と言って、ロティアはカーディガンの袖を捲った。
「丁寧に且つ超特急で終わらせて、アーベンさんに恩返ししようっと!」
「良いな! オイラも応援してるぜ」
「ありがとう、フフラン」
昼食を終えてアーベンの仕事を進めていると、また別のお客がやって来た。そわそわしながらドアをのぞきこんでいるところを、フフランに見つかったのだ。ロティアはすぐに立ち上がり、「こんにちは」と声をかけた。
「あ、ど、どうも。……アーベンの紹介で、来ました」
やはりアーベンの身内の依頼人だ。早速来てくれたらしい。
アーベンと同い年くらいに見える男性は、ロティアがドアを開けると、のろのろと中に入って来た。その手には、つやつやした糸で刺繍された高そうなノートが握られている。
ロティアと向かい合って座ると、男性はそのノートを机の上に置いた。
「自分はタジーと言います。アーベンの弟です」
「そうなんですね。アーベンさんにはいつもお世話になっています、ロティア・チッツェルダイマーです。よろしくお願いします」
「チッツェルダイマー! チッツェルダイマーっていえば、名のある魔法使いの家じゃないですか! はー、だから兄さんもロティアさんを勧めてきたんですね」
アーベンからチッツェルダイマー家出身だということに言及されたことはない。むしろチッツェルダイマー家を知っているかもわからない。しかしロティアはひとまずは「そうかもしれませんね」と答えた。
「それでタジーさんのご依頼というのは?」
「あ、はい。えっと、このノートの文字を消してほしいんです」
タジーはノートを恐る恐る開いた。そこには美しい表紙を持つノートには似つかわしくない、書きなぐられた文字がある。しかも数ページに及んでいるようだ。
「……これは、妻が大事にしているノートなんです。大変高価なものだそうで、ずっと大事に取っておこうと思っていたものでした」
「そう、なんですね……」
――で、でも、文字が書かれちゃってる、よね?
ロティアの肩に止まるフフランも首を傾げる。
ふたりの前に座るタジーの額は、いつの間にか汗でびっしょりと濡れていた。
「……昨日、ずいぶん酔っぱらっていたんです。……それで、俺は、酔うと詩をしたためる癖があるのですが、その詩を、このノートに……」
「書いちゃったのか」とフフランが言葉を続けた。
「妻は、このノートを家の中の、良く見える場所に置いていたんです。だから、俺は、つい、このノートに手を伸ばしてしまって……。他に紙が無かったもので……」
お酒って怖いんだな、と思いながら、ロティアは「なるほど」と答えた。
「事情は分かりましたけど、奥様にはまだ気づかれていないんですか? 早く元の場所に戻した方が良いですよね」
「妻には、今日は一日外で羽根を伸ばしてくるように言ってあります。出発前には、ノートのことは気づいていないはずです」
「つまり、奥様がご自宅に戻られる前には、ノートを元に戻す必要があるということですね。それならすぐに取り掛かりますので、こちらの書類にご記入をお願いします」
「特急料金っていうのは……」
「この後ロティアが説明してくれるぜ」
タジーは文句ひとつ言わずに指定の金額を支払うと、終わるまでここで待たせてほしいと言った。
「焦らせるつもりは毛頭ありませんが、外に出ると焦りで酒を飲んでしまいそうで……。お邪魔でなければここにいさせてください」
「構いませんよ。お急ぎのお客様の中にはここでお待ちになる方もたくさんいらっしゃいますから」
ロティアはすでに手を動かしながら答えた。フフランがそのまま椅子にいるように念を押すと、タジーはホッとして、背もたれに背を預けた。それまではずっと椅子の先に少し尻を乗せている程度だったのだ。
詩には明るくないが、タジーの詩は好きだとロティアは思った。酔っているせいもあるかもしれないが、世の中の明るい面に目を向けている前向きな詩だ。
「タジーさんは詩を習ったことが?」
「えっ、あ、いや、独学です。気分が良くなると、なぜか書いてしまうんですよね」
「素敵な習慣ですね。もし可能なら、今後は何かノートを用意して、書き溜めてみてはいかがですか? わたしはタジーさんの詩が好きだな、と思うので」
「そんな風に言ってくれてありがとう」
ロティアと頬を染めるタジーはにっこりと微笑み合った。
「あの、良かったらこの詩、別の紙に移しても良いですか?」
「えっ! そんなことまでできるんですか!」
「はい。もし良かったらなんですけど。このまま消えてしまうのはもったいないような気がして」
「ぜひお願いします! 嬉しいなあ。兄さんにロティアさんを勧めてもらって良かった。素晴らしい魔法ですね」
「最高の誉め言葉です。ありがとうございます」
そう冷静に答えたが、心の中のロティアは有頂天だった。
大嫌いだった魔法で、リジンの他にも人の役に立てるだなんて。素晴らしいだなんて。
なんと誇らしいことだろうか。
ロティアはもう一度「ありがとうございます」と言って、いっそう早く手を動かした。おかげで、一時間後にはノートはまっさらに戻っていた。こうしてタジーは事なきを得たのだった。
リジンと会った翌日、午前の終わり頃、ひょっこりと現れたのは、ロティアの常連客であるレストラン店主のアーベンだ。アーベンは慣れた手つきで鉄格子のドアを開け、中に入って来た。
「こんにちは、アーベンさん」
ロティアは笑顔で挨拶をした。その耳元には、リジンがくれた夜空色の石のイヤリングが光っている。
「あれ、今日って定休日だったか?」とフフラン。
「いや、臨時休業だ。従業員が三人も風邪をひいて、厨房が回らないからな」
アーベンはコートを椅子の背もたれにかけ、大きく息をつきながらドサッと椅子に座った。その顔には少し疲れが見える。ロティアが「お茶を淹れましょうか?」と尋ねると、笑顔で手を振った。
「悪いな、わかりやすく疲れた態度取って」
「いえいえ。アーベンさんのお料理にはわたしもお世話になってますから」
アーベンがロティアの常連客であるように、ロティアもアーベンのレストランの常連客なのだ。ラスペラの郷土料理を出すレストランで、家庭的な味が評判なのだ。
「ありがとな」
アーベンはカバンの中からメニューが書かれた紙の束を取り出した。アーベンの依頼はたいていが、メニュー表の値段を書き換えるために、文字を取り出してほしいという内容だ。
「米を使ってるメニューの値段を変えたいんだ。不作のせいで米が高騰しててな。米は輸入に頼ってるから、大打撃だよ」
「それは大変ですね。メニュー表は全部で何冊ですか?」
「全部で三十冊だ。米を使ったメニューは三つ。全部値段を取ってくれ」
「承知しました。今日がお店の臨時休業日なら、明日の営業日までには完了していた方が良いですよね?」
「可能なら頼むよ。いつも急で悪いな」
「いえいえ。特急料金をいただいますし、御贔屓にしてくださってありがとうございます」
メニュー表の値段の書き換えの依頼はよくある依頼の一つだ。そのメニューに使われる食材が不作や輸送不備の影響で高騰すると、それに応じて値段を変えるレストランが多いのだ。
「最近は東の方では雨が続いて食物が育たないらしいな。現地は食料不足らしくて、輸入にまで回ってこないんだよ」
「心配ですね。恵の雨なんて言葉もあるから、雨が完全に悪いものでもないですけど。あんまり降り続かれるのは困りますよね」
「そうだよなあ。早いとこ雨雲が去るのを願うしかないな」
その後、書類を書いている間、アーベンは米に変わる代替品を使うメニューを考えていると話した。
「ショートパスタを使ったメニューを考えてるんだ。形状が米に似たのを取り寄せて、どうにか対処できないかと思ってな」
「そうなんですね。落ち込まずに前進するアーベンさん、すごいです」
「ありがとよ、ロティア。今度また食べにおいで。フフランとあの美人な兄ちゃんと一緒に」
アーベンはリジンを美人だと言っていつも褒めてくれるのだ。
「ぜひ! ねえ、フフラン」
「ああ! 今日にでも食べに行きたいよ!」
フフランがアーベンの頭に飛び乗ると、アーベンは笑いながら「早くて明後日だな」と言って、フフランを優しくなでた。
「そういや、俺の身内でロティアに依頼を頼みたいって奴がいるんだよ。昨日ロティアのことを教えたから、たぶんそのうち来ると思う。そん時はよろしくな。たぶん、俺の名前を出すから」
「わあ、頼りにしていただけて嬉しいです! もちろん、誠心誠意ご対応させていただきますね」
「頼むよ。結構なドジをやらかしたみたいだからな」
アーベンはクツクツと笑った。その表情から、アーベンと親しい人なのだろうとわかった。
代金を支払うと、アーベンは「頼むよ」と笑顔で出て行った。
「アーベンの奴、ちょっとは元気になったか?」
「うーん。わたしたちに心配かけないようにしてくれてた気もするけど。でも笑顔になってくれたのは嬉しいね」
「そうだな。ロティアのことも広めてくれてるみたいだし、良い奴だよな」
「本当に、お客様に恵まれてるね、わたし」
「よーしっ!」と言って、ロティアはカーディガンの袖を捲った。
「丁寧に且つ超特急で終わらせて、アーベンさんに恩返ししようっと!」
「良いな! オイラも応援してるぜ」
「ありがとう、フフラン」
昼食を終えてアーベンの仕事を進めていると、また別のお客がやって来た。そわそわしながらドアをのぞきこんでいるところを、フフランに見つかったのだ。ロティアはすぐに立ち上がり、「こんにちは」と声をかけた。
「あ、ど、どうも。……アーベンの紹介で、来ました」
やはりアーベンの身内の依頼人だ。早速来てくれたらしい。
アーベンと同い年くらいに見える男性は、ロティアがドアを開けると、のろのろと中に入って来た。その手には、つやつやした糸で刺繍された高そうなノートが握られている。
ロティアと向かい合って座ると、男性はそのノートを机の上に置いた。
「自分はタジーと言います。アーベンの弟です」
「そうなんですね。アーベンさんにはいつもお世話になっています、ロティア・チッツェルダイマーです。よろしくお願いします」
「チッツェルダイマー! チッツェルダイマーっていえば、名のある魔法使いの家じゃないですか! はー、だから兄さんもロティアさんを勧めてきたんですね」
アーベンからチッツェルダイマー家出身だということに言及されたことはない。むしろチッツェルダイマー家を知っているかもわからない。しかしロティアはひとまずは「そうかもしれませんね」と答えた。
「それでタジーさんのご依頼というのは?」
「あ、はい。えっと、このノートの文字を消してほしいんです」
タジーはノートを恐る恐る開いた。そこには美しい表紙を持つノートには似つかわしくない、書きなぐられた文字がある。しかも数ページに及んでいるようだ。
「……これは、妻が大事にしているノートなんです。大変高価なものだそうで、ずっと大事に取っておこうと思っていたものでした」
「そう、なんですね……」
――で、でも、文字が書かれちゃってる、よね?
ロティアの肩に止まるフフランも首を傾げる。
ふたりの前に座るタジーの額は、いつの間にか汗でびっしょりと濡れていた。
「……昨日、ずいぶん酔っぱらっていたんです。……それで、俺は、酔うと詩をしたためる癖があるのですが、その詩を、このノートに……」
「書いちゃったのか」とフフランが言葉を続けた。
「妻は、このノートを家の中の、良く見える場所に置いていたんです。だから、俺は、つい、このノートに手を伸ばしてしまって……。他に紙が無かったもので……」
お酒って怖いんだな、と思いながら、ロティアは「なるほど」と答えた。
「事情は分かりましたけど、奥様にはまだ気づかれていないんですか? 早く元の場所に戻した方が良いですよね」
「妻には、今日は一日外で羽根を伸ばしてくるように言ってあります。出発前には、ノートのことは気づいていないはずです」
「つまり、奥様がご自宅に戻られる前には、ノートを元に戻す必要があるということですね。それならすぐに取り掛かりますので、こちらの書類にご記入をお願いします」
「特急料金っていうのは……」
「この後ロティアが説明してくれるぜ」
タジーは文句ひとつ言わずに指定の金額を支払うと、終わるまでここで待たせてほしいと言った。
「焦らせるつもりは毛頭ありませんが、外に出ると焦りで酒を飲んでしまいそうで……。お邪魔でなければここにいさせてください」
「構いませんよ。お急ぎのお客様の中にはここでお待ちになる方もたくさんいらっしゃいますから」
ロティアはすでに手を動かしながら答えた。フフランがそのまま椅子にいるように念を押すと、タジーはホッとして、背もたれに背を預けた。それまではずっと椅子の先に少し尻を乗せている程度だったのだ。
詩には明るくないが、タジーの詩は好きだとロティアは思った。酔っているせいもあるかもしれないが、世の中の明るい面に目を向けている前向きな詩だ。
「タジーさんは詩を習ったことが?」
「えっ、あ、いや、独学です。気分が良くなると、なぜか書いてしまうんですよね」
「素敵な習慣ですね。もし可能なら、今後は何かノートを用意して、書き溜めてみてはいかがですか? わたしはタジーさんの詩が好きだな、と思うので」
「そんな風に言ってくれてありがとう」
ロティアと頬を染めるタジーはにっこりと微笑み合った。
「あの、良かったらこの詩、別の紙に移しても良いですか?」
「えっ! そんなことまでできるんですか!」
「はい。もし良かったらなんですけど。このまま消えてしまうのはもったいないような気がして」
「ぜひお願いします! 嬉しいなあ。兄さんにロティアさんを勧めてもらって良かった。素晴らしい魔法ですね」
「最高の誉め言葉です。ありがとうございます」
そう冷静に答えたが、心の中のロティアは有頂天だった。
大嫌いだった魔法で、リジンの他にも人の役に立てるだなんて。素晴らしいだなんて。
なんと誇らしいことだろうか。
ロティアはもう一度「ありがとうございます」と言って、いっそう早く手を動かした。おかげで、一時間後にはノートはまっさらに戻っていた。こうしてタジーは事なきを得たのだった。
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