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第1章 前編
15.増えていくインク瓶
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とんでも四兄弟の事件以降、ロティアとフフランがリジンの仕事について行くことはなかった。リジンのことを知ることができたおかげで、同行する必要が無くなったのが一番の理由だ。
それに加え、ロティアにはリジンの家にいる理由ができた。それは家の裏手にハーブガーデンを発見したことだ。バジルやパセリなど定番なものからフェンネル、セージ、ローズマリー、タイムなど、料理に使うハーブはだいたいここで収穫している、とリジンは話した。
そこでロティアは、時間がある時はこのハーブガーデンで過ごすようになった。家の中にいるよりもフフランが自由に外を飛び回れるのも良いな、と思い、今ではこの時間が一番好きだった。
リジンの方は、絵を教えに行く時以外は、ほとんど外出せず、相変わらず三階にあるアトリエで絵を描いていた。絵を取り出す依頼は、五枚以上頼まれることもあれば、たった一枚の日もある。
ロティアも相変わらず絵ごとに新しいインク瓶を使っているため、その数はどんどん増えている。ロティアの部屋の出窓には、もはや二十個以上のインク瓶が並んでいた。もちろんどれにも紙札がついていて、どんな絵だったかが事細かに書かれている。
リジンから依頼がない雨の日は、ロティアは魔法特殊技術社から郵送されてきた依頼の書類の文字を、裏庭の東屋で取り出して過ごした。濡れるのが嫌いなフフランは、ロティアの持ってきた毛布にくるまって小さくなって寝ていた。
ふたりと一羽の生活は、とても穏やかに過ぎて行った。
リジンの家で二週間ほど過ごした頃、驚くべきお客がやって来た。
その日、ロティアは朝の日課になった前庭の掃除をし、フフランはオーケの家に通じる元果樹園の方へ出かけていた。朝食が足りなかったらしい。
「え、えー!」
突然の大声に、ロティアは箒を持ったまま、「うわあ!」と飛び上がった。
心臓をバクバク鳴らしながら振り返ると、そこには大きな包みを持ったサニアらしき少女が立っていた。「らしき」というのは、サニアの特徴的だった長い髪は、ロティアと同じくらい短くなっていたのだ。
「ロ、ロティアさん?」
「えっ、あ、サニアさん?」
ふたりはぽかんと口を開けたまま見つめ合った。するとそこへリジンが現れた。門の向こう側に立つサニアに気が付くと、ハトが豆鉄砲を食らったような顔で目をパチパチさせている。
「あ、リジン先生もいる!」
「リ、リジンさんの、お宅なので……」
ロティアがポカンとしたまま答えると、サニアは短い髪を手でわしゃわしゃと掻きまわした。
「やっぱり一人で来てよかった! 三人がいたら、雷雲に放り込まれたみたいにうるさかったよ、きっと」
リジンはひとまずサニアを一階の談話室に通した。
ロティアも箒を片付けて、リジンの隣に座る。
三人分のお茶が並ぶと、リジンは咳払いをしてから口を開いた。
「……突然訪ねてきてどうしたの? というか、サニアに住んでいる場所を話した覚えはないんだけど」
「先生が前にリリッシュにしつこく聞かれて、ぽろっとこのあたりの地名を言ってたから、当てずっぽうで来たの。先生が好きそうな街はどこかなって考えて。でも先生に会いに来たわけじゃないんだ」
サニアはそう言って、笑顔でロティアの方を見た。そして、「あれ」と首を傾げた。
「フフランは?」
「あ、フフランは今出かけてるんです。ごめんなさい。でももうすぐ帰ってくると思います」
「そっか。まあ、ロティアさんがいれば、あとでフフランにも渡せるからいいか。はい、これ」
サニアは持ってきた包みをテーブルの端に置いた。五芒星の絵が描かれた青色の包装紙は、ツヤツヤした赤色のリボンできれいに結われている。
「ロティアさんに、この前のお詫びの贈り物」
「えっ! そ、そんなことのために、わざわざ?」
「本当はリジン先生にロティアさんの住所を聞いて、送ろうと思ってたんだ。でも直接渡せてよかった。またこうして話せたのもうれしい!」
サニアがにっこりと微笑むと、ロティアもつられて微笑んだ。
「でも、お詫びは必要ないですよ。あの日に謝ってもらったので、もう気にしてません」
「えー、受け取ってくれないってこと? ロティアさんに喜んでほしくて、時間かけて選んだのに」
サニアは唇を尖らせて、甘えたような顔でロティアを見てきた。
まさかこんなに懐いてもらえるなんて。
ロティアは胸がいっぱいになって、胸の前で両手をギュウッと握り締めた。
「……受け取らせてもらいます。ありがとうございます、サニアさん」
サニアはまたにっこりと笑って、「どういたしまして!」と答えた。
「ねえ、サニアって呼んでよ。言葉ももっと砕けてほしい。友達になってほしいって、あの日に言ったでしょう」
「そうでしたね。でも、本当に良いんですか?」
「わたしが頼んでるんだから、良いに決まってるじゃん!」
「それじゃあ、改めてありがとう、……サニア」
ふたりは少し照れくさそうに微笑みあった。しかしすぐにサニアは真顔に戻り、ジロッとリジンを見た。
「ところでリジン先生。どうしてロティアが先生のお家にいるんですか?」
「サ、サニア、それは……」
ロティアは隣の席で静かにしていたリジンを見た。リジンは口元にしなやかな指を当てて、困った顔をしている。
サニアには、ロティアとフフランがリジンの家に一か月住み込みをしている話をしても問題はないだろう。しかしその言い方を迷っているようだった。
「ひょっとして、一緒に住んで、先生の絵を取り出してるとか? ロティアの魔法って、インクを取り出す魔法だったよおね?」
「そ、そうなんです!」
ロティアは思わず同意してしまった。
「先生って絵をくれなければ、売りもしないから不思議だったけど、全部消しちゃってたんだね」
「……あ、ああ。そうなんだよ」
リジンはホッとした顔をしてうなずいて答えた。
「いっつも展覧会は三日しかやらないし、フォードたちがうるさいくらいせがんでも、見本の絵ですらくれないもんね」
「えっ、そうなの!」
衝撃的な二つの事実に、ロティアはまた隣に座るリジンを見た。リジンはさっきと同じように口元に手を当てて、眉間にしわを寄せている。これは困っているというよりは、焦っている顔に見えた。
ロティアは顔を正面に戻して、サニアの言葉を心の中で繰り返した。
三日しか行われない展覧会なんて、ほとんど聞いたことがない。そんな短い期間では、入場料で得る収入よりも、絵を飾るのに借りた場所のお金の方がかかっている可能性がある。
また、絵画教室で使った見本を、生徒である子どもにすら贈らないなんて。
まるで自分の描いた絵を、短い期間で徹底的にこの世から消し去っているようだ。
一体何が、そんなにも強く、リジンに絵を消させているのだろうか。
ロティアにはその答えが想像することすらできない。
まだ知り合って二週間だもんね、と自分に言い聞かせた。
「まあ、先生のことはどうでもいーんだ。一緒に暮らしてるってことは、ここに来ればロティアとフフランに会えるってこと?」
サニアの明るい声で、ロティアとリジンは我に返った。サニアはキラキラした瞳でロティアを見てくる。
「あ、うん。そうだね。でも一か月後は一度家に帰るの。だから、実家と職場の住所を教えてあげるよ」
「本当に! やったー!」
サニアは万歳をして喜ぶと、ロティアの隣のソファに座りなおして、カバンから手帳を取り出した。ラベンダーの花が書かれたサニアらしい手帳だ。
「これに書いて! わたし絶対会いに行くから!」
「ふふっ、楽しみにしてるね」
住所を書きつけていると、フフランが窓から飛び込んできた。サニアに気が付くと、ふたりでくるくると回って再会を喜び合った。
リジンは一度席を外し、冷蔵庫に残っていたチーズケーキを三人分と、フフランのパンを皿に盛って戻って来た。
その後は他愛のない話をして過ごした。
ロティアは頭の片隅に残った小さな違和感と寂しさをぬぐうために、大げさなくらい笑った。
それに加え、ロティアにはリジンの家にいる理由ができた。それは家の裏手にハーブガーデンを発見したことだ。バジルやパセリなど定番なものからフェンネル、セージ、ローズマリー、タイムなど、料理に使うハーブはだいたいここで収穫している、とリジンは話した。
そこでロティアは、時間がある時はこのハーブガーデンで過ごすようになった。家の中にいるよりもフフランが自由に外を飛び回れるのも良いな、と思い、今ではこの時間が一番好きだった。
リジンの方は、絵を教えに行く時以外は、ほとんど外出せず、相変わらず三階にあるアトリエで絵を描いていた。絵を取り出す依頼は、五枚以上頼まれることもあれば、たった一枚の日もある。
ロティアも相変わらず絵ごとに新しいインク瓶を使っているため、その数はどんどん増えている。ロティアの部屋の出窓には、もはや二十個以上のインク瓶が並んでいた。もちろんどれにも紙札がついていて、どんな絵だったかが事細かに書かれている。
リジンから依頼がない雨の日は、ロティアは魔法特殊技術社から郵送されてきた依頼の書類の文字を、裏庭の東屋で取り出して過ごした。濡れるのが嫌いなフフランは、ロティアの持ってきた毛布にくるまって小さくなって寝ていた。
ふたりと一羽の生活は、とても穏やかに過ぎて行った。
リジンの家で二週間ほど過ごした頃、驚くべきお客がやって来た。
その日、ロティアは朝の日課になった前庭の掃除をし、フフランはオーケの家に通じる元果樹園の方へ出かけていた。朝食が足りなかったらしい。
「え、えー!」
突然の大声に、ロティアは箒を持ったまま、「うわあ!」と飛び上がった。
心臓をバクバク鳴らしながら振り返ると、そこには大きな包みを持ったサニアらしき少女が立っていた。「らしき」というのは、サニアの特徴的だった長い髪は、ロティアと同じくらい短くなっていたのだ。
「ロ、ロティアさん?」
「えっ、あ、サニアさん?」
ふたりはぽかんと口を開けたまま見つめ合った。するとそこへリジンが現れた。門の向こう側に立つサニアに気が付くと、ハトが豆鉄砲を食らったような顔で目をパチパチさせている。
「あ、リジン先生もいる!」
「リ、リジンさんの、お宅なので……」
ロティアがポカンとしたまま答えると、サニアは短い髪を手でわしゃわしゃと掻きまわした。
「やっぱり一人で来てよかった! 三人がいたら、雷雲に放り込まれたみたいにうるさかったよ、きっと」
リジンはひとまずサニアを一階の談話室に通した。
ロティアも箒を片付けて、リジンの隣に座る。
三人分のお茶が並ぶと、リジンは咳払いをしてから口を開いた。
「……突然訪ねてきてどうしたの? というか、サニアに住んでいる場所を話した覚えはないんだけど」
「先生が前にリリッシュにしつこく聞かれて、ぽろっとこのあたりの地名を言ってたから、当てずっぽうで来たの。先生が好きそうな街はどこかなって考えて。でも先生に会いに来たわけじゃないんだ」
サニアはそう言って、笑顔でロティアの方を見た。そして、「あれ」と首を傾げた。
「フフランは?」
「あ、フフランは今出かけてるんです。ごめんなさい。でももうすぐ帰ってくると思います」
「そっか。まあ、ロティアさんがいれば、あとでフフランにも渡せるからいいか。はい、これ」
サニアは持ってきた包みをテーブルの端に置いた。五芒星の絵が描かれた青色の包装紙は、ツヤツヤした赤色のリボンできれいに結われている。
「ロティアさんに、この前のお詫びの贈り物」
「えっ! そ、そんなことのために、わざわざ?」
「本当はリジン先生にロティアさんの住所を聞いて、送ろうと思ってたんだ。でも直接渡せてよかった。またこうして話せたのもうれしい!」
サニアがにっこりと微笑むと、ロティアもつられて微笑んだ。
「でも、お詫びは必要ないですよ。あの日に謝ってもらったので、もう気にしてません」
「えー、受け取ってくれないってこと? ロティアさんに喜んでほしくて、時間かけて選んだのに」
サニアは唇を尖らせて、甘えたような顔でロティアを見てきた。
まさかこんなに懐いてもらえるなんて。
ロティアは胸がいっぱいになって、胸の前で両手をギュウッと握り締めた。
「……受け取らせてもらいます。ありがとうございます、サニアさん」
サニアはまたにっこりと笑って、「どういたしまして!」と答えた。
「ねえ、サニアって呼んでよ。言葉ももっと砕けてほしい。友達になってほしいって、あの日に言ったでしょう」
「そうでしたね。でも、本当に良いんですか?」
「わたしが頼んでるんだから、良いに決まってるじゃん!」
「それじゃあ、改めてありがとう、……サニア」
ふたりは少し照れくさそうに微笑みあった。しかしすぐにサニアは真顔に戻り、ジロッとリジンを見た。
「ところでリジン先生。どうしてロティアが先生のお家にいるんですか?」
「サ、サニア、それは……」
ロティアは隣の席で静かにしていたリジンを見た。リジンは口元にしなやかな指を当てて、困った顔をしている。
サニアには、ロティアとフフランがリジンの家に一か月住み込みをしている話をしても問題はないだろう。しかしその言い方を迷っているようだった。
「ひょっとして、一緒に住んで、先生の絵を取り出してるとか? ロティアの魔法って、インクを取り出す魔法だったよおね?」
「そ、そうなんです!」
ロティアは思わず同意してしまった。
「先生って絵をくれなければ、売りもしないから不思議だったけど、全部消しちゃってたんだね」
「……あ、ああ。そうなんだよ」
リジンはホッとした顔をしてうなずいて答えた。
「いっつも展覧会は三日しかやらないし、フォードたちがうるさいくらいせがんでも、見本の絵ですらくれないもんね」
「えっ、そうなの!」
衝撃的な二つの事実に、ロティアはまた隣に座るリジンを見た。リジンはさっきと同じように口元に手を当てて、眉間にしわを寄せている。これは困っているというよりは、焦っている顔に見えた。
ロティアは顔を正面に戻して、サニアの言葉を心の中で繰り返した。
三日しか行われない展覧会なんて、ほとんど聞いたことがない。そんな短い期間では、入場料で得る収入よりも、絵を飾るのに借りた場所のお金の方がかかっている可能性がある。
また、絵画教室で使った見本を、生徒である子どもにすら贈らないなんて。
まるで自分の描いた絵を、短い期間で徹底的にこの世から消し去っているようだ。
一体何が、そんなにも強く、リジンに絵を消させているのだろうか。
ロティアにはその答えが想像することすらできない。
まだ知り合って二週間だもんね、と自分に言い聞かせた。
「まあ、先生のことはどうでもいーんだ。一緒に暮らしてるってことは、ここに来ればロティアとフフランに会えるってこと?」
サニアの明るい声で、ロティアとリジンは我に返った。サニアはキラキラした瞳でロティアを見てくる。
「あ、うん。そうだね。でも一か月後は一度家に帰るの。だから、実家と職場の住所を教えてあげるよ」
「本当に! やったー!」
サニアは万歳をして喜ぶと、ロティアの隣のソファに座りなおして、カバンから手帳を取り出した。ラベンダーの花が書かれたサニアらしい手帳だ。
「これに書いて! わたし絶対会いに行くから!」
「ふふっ、楽しみにしてるね」
住所を書きつけていると、フフランが窓から飛び込んできた。サニアに気が付くと、ふたりでくるくると回って再会を喜び合った。
リジンは一度席を外し、冷蔵庫に残っていたチーズケーキを三人分と、フフランのパンを皿に盛って戻って来た。
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