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第1章 前編
8.昼下がりの出会い
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仕事部屋を出ると、家全体になにやら良いにおいが流れていた。ロティアは鼻をスンスン鳴らしながら、何のにおいかを探ってみた。
「……良い匂いだけど、なんの匂いかはわかんないね」
「リジンが料理した匂いかもな」
キッチンを開けたふたりは「えっ!」と声を上げた。
キッチンのテーブルの上には、パンが入ったカゴと、まだ湯気を上げる鉄のフライパンが置かれ、皿が二つ並んでいたのだ。一つにはスプーンが用意されていない。
「……わたしと、フフランの分ってこと?」
フフランはすいっとキッチンの中に飛んでいき、少し隙間を開けておいてあるフライパンの蓋を持ち上げた。
「おお、うまそうだ! なんか貝やエビが入ってるぞ」
ロティアがかけ寄ると、フフランはいっそう大きく蓋を開けてくれた。タイの切り身や貝、エビが入ったフライパンからはトマトやニンニク、オリーブオイルの食欲をそそる匂いがしてくる。
ロティアはあふれてきたツバをごくりと飲み込んだ。
「た、食べて良いのかな?」
「ちょっと減ってるから、リジンは先に食べたんじゃないか? 声をかけてくれれば良いのに、シャイな奴だな」
フフランは器用に蓋を置くと「いただくとしようじゃないか」と言った。
「そうだね。いただいちゃおうか」
ロティアはフフランにはパンを小さく切って皿にいれてやり、自分にはこのおいしそうな海鮮料理をよそった。準備をしている間もロティアのお腹はグーグーなり続けていた。
おいしい昼食を平らげると、ロティアは食器を片付けて、紅茶を淹れて椅子に座りなおした。フフランも向かいの椅子の背もたれに座りなおす。
「あー、おいしかった! お店で出てもおかしくないくらい!」
「あんな細かい絵を描くから、手先が器用で料理もうまいのかもな」
「なるほど、確かにそうかも」
紅茶を一口飲んでふうっと息をついた時、ドアが開いてリジンが入って来た。ロティアは背もたれにだらしなく預けていた背を伸ばした。
「お疲れさまです、リジンさん。昼食、ごちそうさまでした。すごくおいしかったです」
リジンは空になったフライパンをチラッと見ると、微笑を浮かべて「うん」と答えた。
「俺はちょっと出るから、好きに過ごしてて」
「わかりました」
「何しに行くんだ?」
リジンはパンパンに膨らんだ革製のカバンを持ち上げて見せた。
「画家の延長みたいな仕事。そうだ。外出したければ、玄関の横にある棚から、鍵を持って行ってね」
リジンがキッチンから出ていくと、ロティアのフフランはその後を追った。
リジンが帽子をかぶって玄関のドアを開けると、まぶしい夏の日差しが滝のように差し込んできた。昨日までの雨が嘘のようだ。
「わあ、いいお天気。いってらっしゃいませ、リジンさん」
「気をつけろよ」
振り返ったリジンは、ロティアともフフランとも目を合わせず、少し困ったような顔で「いってきます」とささやいた。
カチャンと音を立てて外側から鍵がかかる。それと同時に、ロティアはすぐに飾り棚の方へ歩いていった。無数の三角形を組み合わせて作ったような星型の置物が置かれた飾り棚には、引き出しが十個も付いている。一体どこに鍵が入っているのだろうか。
ロティアがうなり声を上げると、フフランが肩に止まってきた。
「おっ、出かけるのか?」
「せっかくなら仕事を終わらせて、街を見に行こうよ。あの動く葉っぱの正体がわかるかもよ」
「なるほど、いいな! それじゃあ、オイラは右側の引き出しを見てみるから、ロティアは左を頼むよ」
「うんっ! 早く見つけて、お出かけだー!」
ものの一分後、鍵はあっさり見つかった。鍵には大きな鈴が紐でくくりつけられ、一番上の段に入っていたのだ。
超特急で仕事を終わらせたロティアは、制服から私服のワンピースに着替えると、勇んで玄関のドアを開けた。
白樺の木の葉から零れ落ちる雨粒は、雲間から顔を出す太陽の光でキラキラと光っている。まるで自然のカンテラのようだ。
ロティアは両手を広げて、大きく深呼吸をした。緑の香りを含んだ心地よい風が、体の中を駆け巡っていく。
こんな新鮮な空気を吸うのは久しぶりだ。
実家がある町は緑が多くて、どちらかと言えばヴェリオーズに似ていた。しかし魔法特殊技術社がある街はビル群だらけの大都会。お世辞にも空気がおいしいとは言えない。
ロティアは、ヴェリオーズの方が断然の空気の方がおいしいなと思った。
「うーんっ。空気がうまいな!」
隣でパタパタ羽根を揺らして飛んでいるフフランの言葉に、ロティアはクスッと笑った。
「わたしも同じこと考えてたよ。良いところだね」
「探索したらもっと良いところが見つかるかもしれないぞ!」
「それじゃあ、ヴェリオーズの良いところ探しにしゅっぱーつ!」
ロティアとフフランは水たまりをジャンプしながら、門に向かって駆け出した。
門から出たロティアとフフランは、右と左、それから正面を順に見た。どちらを見ても、緑の世界はずっと先まで続いている。
こうして見ると、よくフフランはこの緑一色の世界であの動く葉っぱを見つけられたな、とロティアは思った。そして、あの時わたしが見失っただけで案外近くにいたかもしれない、とも思った。
「さっきの葉っぱが見えたのは、門から正面方向だよな」
「駅もそっちだし、ひとまず真っ直ぐ進んでみようか」
駅からリジンの家を繋ぐ野草だらけの煉瓦道は、よく見ると枝分かれした細い道がいくつもあった。最初に来た日は、目的地に行くことに気を取られていてちっとも気が付かなかったようだ。
道に沿って木々が生えていることもわかり、メインロードの煉瓦道さえ見失わなければ迷うことはなさそうだった。そうとわかると、ロティアとフフランは、リジンの家から見て西側に進路を取って歩き出した。
けたたましい小鳥のさえずりがあちこちから聞こえてくる。フフランが「当分晴れるって喜んでるな」と教えてくれた。
「道が整備されてることはわかったけど、それでもふつうの町よりは緑が多いから、鳥以外の生き物も住んでそうだね」
罠のようにアーチ型に絡まって生えた野草に足を取られ、ロティアはヨタヨタしながら歩いた。
「人間の気配もないから、山から降りてきても危険がないもんな」
フフランは翼をはためかせ、気持ちよさそうに飛び回っている。
その時、後ろからぬかるんだ野草道で何かが足を滑らせた音が聞こえてきて、ロティアとフフランはバッと振り返った。何者かが倒れている。それはかなり遠くてわかりづらいが、人の形に見える。
ロティアとフフランは顔を見合わせ、「大丈夫ですか!」と言いながら音の方へ走って行った。
「あいたたたっ」
ロティアの声で顔を上げたのは、小人だった。ロティアの足の長さと大体同じ背丈で、口元には豊富な白い髭が生え、バケツのような形をした帽子の下からは白髪が見える。瞳の色と洋服は草色をしていて、とてもきれいだ。
本当に、ここにわたしとフフランとリジンさん以外が存在したんだ!
ロティアはうれしくなって、濡れることも忘れて小人のそばに座り込んだ。
「大丈夫ですか。お怪我は?」
「いやあ、大丈夫だよ。どうもご親切に」
小人はにっこりと微笑んで、時間をかけて立ち上がった。少し足が痛むようだが、血が出ている様子はない。
小人はロティアとフフランを見て、「ほう」と声を上げた。
「初めて見る顔だなあ」
「あ、わたし昨日から一ヶ月、リジン・キューレさんのところで住み込みで働いているロティア・チッツェルダイマーです。こちらは親友のフフランです」
「リジンの!」
小人は花が咲くように、パアッと笑顔になった。
「ああ、突然大声を出してすまんね。わたしはリジンの友達のオーケ・タソル」
「リジンの!」
「リジンさんの!」
今度は、ロティアとフフランが声を上げる番だった。
「そう。この町にリジンが来て間もなくね」
そう答えた時、ジリリジリリと音がなった。オーケはズボンのポケットから懐中時計を取り出した。
「おお、一時間経ったか。散歩は終わりだ。えっと、ロティアにフフラン。よかったら一緒にうちに来ないかい? ぜひ君たちと話してみたいんだが」
「えっ! うれしいです! ぜひご一緒させてください!」
「おっ、それはツイてるなあ。それじゃあ行こうか」
「……良い匂いだけど、なんの匂いかはわかんないね」
「リジンが料理した匂いかもな」
キッチンを開けたふたりは「えっ!」と声を上げた。
キッチンのテーブルの上には、パンが入ったカゴと、まだ湯気を上げる鉄のフライパンが置かれ、皿が二つ並んでいたのだ。一つにはスプーンが用意されていない。
「……わたしと、フフランの分ってこと?」
フフランはすいっとキッチンの中に飛んでいき、少し隙間を開けておいてあるフライパンの蓋を持ち上げた。
「おお、うまそうだ! なんか貝やエビが入ってるぞ」
ロティアがかけ寄ると、フフランはいっそう大きく蓋を開けてくれた。タイの切り身や貝、エビが入ったフライパンからはトマトやニンニク、オリーブオイルの食欲をそそる匂いがしてくる。
ロティアはあふれてきたツバをごくりと飲み込んだ。
「た、食べて良いのかな?」
「ちょっと減ってるから、リジンは先に食べたんじゃないか? 声をかけてくれれば良いのに、シャイな奴だな」
フフランは器用に蓋を置くと「いただくとしようじゃないか」と言った。
「そうだね。いただいちゃおうか」
ロティアはフフランにはパンを小さく切って皿にいれてやり、自分にはこのおいしそうな海鮮料理をよそった。準備をしている間もロティアのお腹はグーグーなり続けていた。
おいしい昼食を平らげると、ロティアは食器を片付けて、紅茶を淹れて椅子に座りなおした。フフランも向かいの椅子の背もたれに座りなおす。
「あー、おいしかった! お店で出てもおかしくないくらい!」
「あんな細かい絵を描くから、手先が器用で料理もうまいのかもな」
「なるほど、確かにそうかも」
紅茶を一口飲んでふうっと息をついた時、ドアが開いてリジンが入って来た。ロティアは背もたれにだらしなく預けていた背を伸ばした。
「お疲れさまです、リジンさん。昼食、ごちそうさまでした。すごくおいしかったです」
リジンは空になったフライパンをチラッと見ると、微笑を浮かべて「うん」と答えた。
「俺はちょっと出るから、好きに過ごしてて」
「わかりました」
「何しに行くんだ?」
リジンはパンパンに膨らんだ革製のカバンを持ち上げて見せた。
「画家の延長みたいな仕事。そうだ。外出したければ、玄関の横にある棚から、鍵を持って行ってね」
リジンがキッチンから出ていくと、ロティアのフフランはその後を追った。
リジンが帽子をかぶって玄関のドアを開けると、まぶしい夏の日差しが滝のように差し込んできた。昨日までの雨が嘘のようだ。
「わあ、いいお天気。いってらっしゃいませ、リジンさん」
「気をつけろよ」
振り返ったリジンは、ロティアともフフランとも目を合わせず、少し困ったような顔で「いってきます」とささやいた。
カチャンと音を立てて外側から鍵がかかる。それと同時に、ロティアはすぐに飾り棚の方へ歩いていった。無数の三角形を組み合わせて作ったような星型の置物が置かれた飾り棚には、引き出しが十個も付いている。一体どこに鍵が入っているのだろうか。
ロティアがうなり声を上げると、フフランが肩に止まってきた。
「おっ、出かけるのか?」
「せっかくなら仕事を終わらせて、街を見に行こうよ。あの動く葉っぱの正体がわかるかもよ」
「なるほど、いいな! それじゃあ、オイラは右側の引き出しを見てみるから、ロティアは左を頼むよ」
「うんっ! 早く見つけて、お出かけだー!」
ものの一分後、鍵はあっさり見つかった。鍵には大きな鈴が紐でくくりつけられ、一番上の段に入っていたのだ。
超特急で仕事を終わらせたロティアは、制服から私服のワンピースに着替えると、勇んで玄関のドアを開けた。
白樺の木の葉から零れ落ちる雨粒は、雲間から顔を出す太陽の光でキラキラと光っている。まるで自然のカンテラのようだ。
ロティアは両手を広げて、大きく深呼吸をした。緑の香りを含んだ心地よい風が、体の中を駆け巡っていく。
こんな新鮮な空気を吸うのは久しぶりだ。
実家がある町は緑が多くて、どちらかと言えばヴェリオーズに似ていた。しかし魔法特殊技術社がある街はビル群だらけの大都会。お世辞にも空気がおいしいとは言えない。
ロティアは、ヴェリオーズの方が断然の空気の方がおいしいなと思った。
「うーんっ。空気がうまいな!」
隣でパタパタ羽根を揺らして飛んでいるフフランの言葉に、ロティアはクスッと笑った。
「わたしも同じこと考えてたよ。良いところだね」
「探索したらもっと良いところが見つかるかもしれないぞ!」
「それじゃあ、ヴェリオーズの良いところ探しにしゅっぱーつ!」
ロティアとフフランは水たまりをジャンプしながら、門に向かって駆け出した。
門から出たロティアとフフランは、右と左、それから正面を順に見た。どちらを見ても、緑の世界はずっと先まで続いている。
こうして見ると、よくフフランはこの緑一色の世界であの動く葉っぱを見つけられたな、とロティアは思った。そして、あの時わたしが見失っただけで案外近くにいたかもしれない、とも思った。
「さっきの葉っぱが見えたのは、門から正面方向だよな」
「駅もそっちだし、ひとまず真っ直ぐ進んでみようか」
駅からリジンの家を繋ぐ野草だらけの煉瓦道は、よく見ると枝分かれした細い道がいくつもあった。最初に来た日は、目的地に行くことに気を取られていてちっとも気が付かなかったようだ。
道に沿って木々が生えていることもわかり、メインロードの煉瓦道さえ見失わなければ迷うことはなさそうだった。そうとわかると、ロティアとフフランは、リジンの家から見て西側に進路を取って歩き出した。
けたたましい小鳥のさえずりがあちこちから聞こえてくる。フフランが「当分晴れるって喜んでるな」と教えてくれた。
「道が整備されてることはわかったけど、それでもふつうの町よりは緑が多いから、鳥以外の生き物も住んでそうだね」
罠のようにアーチ型に絡まって生えた野草に足を取られ、ロティアはヨタヨタしながら歩いた。
「人間の気配もないから、山から降りてきても危険がないもんな」
フフランは翼をはためかせ、気持ちよさそうに飛び回っている。
その時、後ろからぬかるんだ野草道で何かが足を滑らせた音が聞こえてきて、ロティアとフフランはバッと振り返った。何者かが倒れている。それはかなり遠くてわかりづらいが、人の形に見える。
ロティアとフフランは顔を見合わせ、「大丈夫ですか!」と言いながら音の方へ走って行った。
「あいたたたっ」
ロティアの声で顔を上げたのは、小人だった。ロティアの足の長さと大体同じ背丈で、口元には豊富な白い髭が生え、バケツのような形をした帽子の下からは白髪が見える。瞳の色と洋服は草色をしていて、とてもきれいだ。
本当に、ここにわたしとフフランとリジンさん以外が存在したんだ!
ロティアはうれしくなって、濡れることも忘れて小人のそばに座り込んだ。
「大丈夫ですか。お怪我は?」
「いやあ、大丈夫だよ。どうもご親切に」
小人はにっこりと微笑んで、時間をかけて立ち上がった。少し足が痛むようだが、血が出ている様子はない。
小人はロティアとフフランを見て、「ほう」と声を上げた。
「初めて見る顔だなあ」
「あ、わたし昨日から一ヶ月、リジン・キューレさんのところで住み込みで働いているロティア・チッツェルダイマーです。こちらは親友のフフランです」
「リジンの!」
小人は花が咲くように、パアッと笑顔になった。
「ああ、突然大声を出してすまんね。わたしはリジンの友達のオーケ・タソル」
「リジンの!」
「リジンさんの!」
今度は、ロティアとフフランが声を上げる番だった。
「そう。この町にリジンが来て間もなくね」
そう答えた時、ジリリジリリと音がなった。オーケはズボンのポケットから懐中時計を取り出した。
「おお、一時間経ったか。散歩は終わりだ。えっと、ロティアにフフラン。よかったら一緒にうちに来ないかい? ぜひ君たちと話してみたいんだが」
「えっ! うれしいです! ぜひご一緒させてください!」
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小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。
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