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第1章 前編
7.見間違い
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それから一時間、ロティアは書類を直して過ごした。フフランはロティアを鼓舞したり、部屋の中を縦横無尽に飛び回ったりして過ごしていた。
そして、時計の針が二周目に突入した時、フフランが突然「クルウッ!」と素っ頓狂な声を上げた。
「わっ、驚いた!」
ロティアが顔を上げると、窓枠にとまって外を見下ろすフフランが、驚いてくちばしをパクパクさせている。ロティアは杖を置いて、フフランのそばに歩み寄った。
「どうしたの、フフラン?」
「あ、あれ、見ろよ。ロティア。おっきな葉っぱが歩いてるぞ」
フフランは震える羽根で、門の外を指した。そこには確かに、オオオニバスの葉のような大きな葉があり、リジン・キューレの家とは反対方向、駅の方に動いているのが見える。
「葉っぱが風で動いてるのか、それとも誰かが傘代わりにしてるのか」とフフラン。
「傘代わりって……、それって、誰かがこの町に住んでるってこと!」
ロティアはそう叫ぶや否や、ドアをバンッと勢いよく開けて、部屋を飛び出した。
この家の他に、家らしいものは一つも見かけなかった。
でも探したら誰か住んでいるのかな。驚くくらいたくさんの人が暮らしていたりして! どんな人が住んでるんだろう。
湧き水のように溢れてくる好奇心に駆られたロティアは、「待てよう!」というフフランの言葉にも振り返らずに階段を駆け下りた。そして鍵がかかっていた玄関のドアを開け放ち、前庭をダーッと駆け抜けて、門の外へ出た。
「……あれ、い、いない」
ロティアははあはあ息をつきながら、辺りを見回した。しかし、二階の窓からでもはっきりと見えた葉っぱは、どこにも見当たらなかった。見えるのは、いつの間にか止んだ雨で濡れる野草だけだ。
「ロ、ロティア、そんなに早く走れたのか」
フフランがふうふう言いながら飛んできて、ロティアの頭の上にとまった。
「あ、ごめんね、フフラン。この町に誰かいるのかと思ったら、ちょっと興奮しちゃって」
「いや、先に驚かせたのはオイラだからな」
ふたりは、葉っぱが消えて行った南の方をジッと見つめた。
その時、リジン・キューレの家の方からリリーリリーとかすかな音が聞こえてきた。
「あ、呼ばれてる!」
「急ごう!」
ロティアとフフランは水たまりだらけでぬかるんだ前庭を勢いよくかけて行った。
「――外に出てたんだ」
リジン・キューレは二階と三階を繋ぐ階段の前に、絵を持って立っていた。ロティアは肩で息をしながら「はい」と答える。
「す、すみません、勝手に……」
「ううん。むしろ急がせてごめんね。今日はこれを頼むよ」
差し出されたのは、クマの親子を描いた絵だ。ふわふわした毛や、野性味あふれる目が星空色一色でも繊細に表現されている。これも良い絵だ、とロティアはにっこりした。
「わかりました。いつまでに終わらせれば良いでしょうか」
「今日中にお願いします。……それと」
「はい?」
「外に出るのは構わないけど、もう少し静かに歩いてくれるかな。……すごく、驚いたから」
リジン・キューレは気まずそうにシャツのボタンを手で触りながら言った。フフランが「階段もドアもすごい勢いだったもんな」と笑う。
「えっ! あ、……ごめんなさい。気を付けます」
ロティアは恥ずかしくなって、リジン・キューレから目をそらした。するとすぐに「でも」と優しい声が上がった。
「雨が上がって、外に出たくなる気持ちは、わかるよ」
「……えっ?」
ロティアが顔を上げると、リジンは眉をハの字にして心配そうな顔でロティア見ていた。
「遠慮しないで、仕事以外の時は、自由に過ごしてくれていいから。庭も、好きに見てね」
そう言ったリジン・キューレは控えめに笑い、三階へ上って行った。
ロティアはポカンを口を開けて、リジン・キューレの後ろ姿を見つめた。
自分のことだけを考えた無我夢中な行動だった。
そんな行動に対して、まさか励ますような言葉をかけてくるだなんて。驚かせてしまったのだから、もっと怒られるものだと思っていたのに。
三階に通じるドアが閉まると、フフランがくちばしを開いた。
「リジンって、良い奴だなあ。驚かされたら、ちょっとは腹立つだろうに」
「そ、そうだよね。本当は、怒ってたりするかな?」
「うーん。リジンが怒った顔は昨日見たけど、今はあの顔はしてなかったからなあ。大丈夫じゃないか?」
ロティアはその場に立ち尽くし、三階のドアを見た。
「……リジンさんは、不思議なんじゃないんだ。優しい人なんだ」
そうつぶやいた途端、ロティアは昨日と今日の自分の行動や言動のすべてが恥ずかしくなり、顔から火が出そうになった。
書面で依頼をよこした上に、問答無用で試用期間を始めてしまうような人は、きっと良い人じゃない。
ロティアは無意識にそう決めつけていたのだ。
だから、リジンが昨日、荷物がないのならすぐに帰るように言ったり、フフランの夜目を気にしたり、カンテラを貸してくれたことに対して違和感を持ったのだろう。
ロティアはその場に座り込み、グッとくちびるをかみしめた。
「……わたしって、最低」
口の中で押し殺すような声でそうつぶやいた。
「大丈夫か、ロティア?」
フフランが床に降り立って顔をのぞきこんでくる。
ロティアは眉間にしわを寄せたまま、口だけで笑った。
「……大丈夫っ。自分の未熟さがよくわかったから。すぐに直せないと思うけど、今日から生まれ変われるように、がんばる!」
フフランはキョトンとした顔をして、「おうっ?」と答えた。
仕事部屋に戻ると、書類をしまって作業台を片付けたロティアは、空っぽの新しいビンを取り出した。船のような形をした横長のビンだ。
仕事道具の一つであるビンは、今やロティアの趣味にまで影響し、ロティアのカバンの中には常に不可思議な形をしたビンが入っているようになった。瓶集めが、今のロティアの趣味なのだ。
「あれ、この前のビンっていっぱいになったか?」
フフランはコルクの蓋をくちばしでツンツンつついた。
「ううん。でも、リジン・キューレさんの依頼では、絵によってビンを変えようって、今決めたの」
「へえ、どうしてだい?」
「事情があるから仕方ないとはいえ、わたし、リジン・キューレさんの絵、すごく素敵だと思うの。だから、インクを入れるビンを分けて、どんな絵だったかラベルをつけておけば、絵を思い出せるかな、と思って」
ロティアは昨日取り出した時計台の絵のビンと、小さな紙とヒモを机に置いた。紙に「時計塔・少し大きな絵・天気は雲がモコモコした晴れ?」と手早く描くと、錐を使って穴を開け、ビンの首にヒモで括り付ける。
「なるほどな。これだけでもオイラも思い出せるぞ」
「でしょう! せっかく素敵な絵だから、わたしたちだけでも覚えておこうよ」
「良いアイディアだな! 賛成だ」
ロティアとフフランはにっこりと微笑みあった。
これは、リジン・キューレを誤解していたことへの申し訳なさからではない。
ロティアがリジン・キューレの絵を素晴らしいと思った気持ちは本物だ。ただその絵に対して、昨日よりもいっそうの敬意を持ちたい。そう思ったのだ。
クマの絵は時計塔とはまた違った難しさがあった。
クマの毛質を表現するかすれた細かい線を取り出す作業に、気が遠くなるのだ。ロティアを取り囲むように、コバエのような小さなインクがふよふよと浮いている。
フフランはロティアの顔が見えなくなるほどインクが取り出されるたびに、「一回ビンに入れたらどうだ?」と声をかけた。
しかしフフランにインクが付いてしまう可能性があるため、十分に離れていなければならなかった。
「ごめんね、フフラン。退屈でしょう。お散歩でも行って来たら?」
ロティアが顔を上げると、フフランは窓枠にとまって、雲間から陽光が差し込む外を眺めていた。
「いやあ、オイラはぼーっとしてるのも好きだからあ、気にするなあ」
ちょっと眠いのか、語尾が間延びしている。ロティアはクスッと笑って顔を戻した。
それから二時間が過ぎた時、ロティアのお腹がグーッと抗議の音を鳴らした。
「お昼にするか」
「……ふふっ、そうだね」
ロティアははにかみながら周りに浮いているインクをビンに入れた。
そして、時計の針が二周目に突入した時、フフランが突然「クルウッ!」と素っ頓狂な声を上げた。
「わっ、驚いた!」
ロティアが顔を上げると、窓枠にとまって外を見下ろすフフランが、驚いてくちばしをパクパクさせている。ロティアは杖を置いて、フフランのそばに歩み寄った。
「どうしたの、フフラン?」
「あ、あれ、見ろよ。ロティア。おっきな葉っぱが歩いてるぞ」
フフランは震える羽根で、門の外を指した。そこには確かに、オオオニバスの葉のような大きな葉があり、リジン・キューレの家とは反対方向、駅の方に動いているのが見える。
「葉っぱが風で動いてるのか、それとも誰かが傘代わりにしてるのか」とフフラン。
「傘代わりって……、それって、誰かがこの町に住んでるってこと!」
ロティアはそう叫ぶや否や、ドアをバンッと勢いよく開けて、部屋を飛び出した。
この家の他に、家らしいものは一つも見かけなかった。
でも探したら誰か住んでいるのかな。驚くくらいたくさんの人が暮らしていたりして! どんな人が住んでるんだろう。
湧き水のように溢れてくる好奇心に駆られたロティアは、「待てよう!」というフフランの言葉にも振り返らずに階段を駆け下りた。そして鍵がかかっていた玄関のドアを開け放ち、前庭をダーッと駆け抜けて、門の外へ出た。
「……あれ、い、いない」
ロティアははあはあ息をつきながら、辺りを見回した。しかし、二階の窓からでもはっきりと見えた葉っぱは、どこにも見当たらなかった。見えるのは、いつの間にか止んだ雨で濡れる野草だけだ。
「ロ、ロティア、そんなに早く走れたのか」
フフランがふうふう言いながら飛んできて、ロティアの頭の上にとまった。
「あ、ごめんね、フフラン。この町に誰かいるのかと思ったら、ちょっと興奮しちゃって」
「いや、先に驚かせたのはオイラだからな」
ふたりは、葉っぱが消えて行った南の方をジッと見つめた。
その時、リジン・キューレの家の方からリリーリリーとかすかな音が聞こえてきた。
「あ、呼ばれてる!」
「急ごう!」
ロティアとフフランは水たまりだらけでぬかるんだ前庭を勢いよくかけて行った。
「――外に出てたんだ」
リジン・キューレは二階と三階を繋ぐ階段の前に、絵を持って立っていた。ロティアは肩で息をしながら「はい」と答える。
「す、すみません、勝手に……」
「ううん。むしろ急がせてごめんね。今日はこれを頼むよ」
差し出されたのは、クマの親子を描いた絵だ。ふわふわした毛や、野性味あふれる目が星空色一色でも繊細に表現されている。これも良い絵だ、とロティアはにっこりした。
「わかりました。いつまでに終わらせれば良いでしょうか」
「今日中にお願いします。……それと」
「はい?」
「外に出るのは構わないけど、もう少し静かに歩いてくれるかな。……すごく、驚いたから」
リジン・キューレは気まずそうにシャツのボタンを手で触りながら言った。フフランが「階段もドアもすごい勢いだったもんな」と笑う。
「えっ! あ、……ごめんなさい。気を付けます」
ロティアは恥ずかしくなって、リジン・キューレから目をそらした。するとすぐに「でも」と優しい声が上がった。
「雨が上がって、外に出たくなる気持ちは、わかるよ」
「……えっ?」
ロティアが顔を上げると、リジンは眉をハの字にして心配そうな顔でロティア見ていた。
「遠慮しないで、仕事以外の時は、自由に過ごしてくれていいから。庭も、好きに見てね」
そう言ったリジン・キューレは控えめに笑い、三階へ上って行った。
ロティアはポカンを口を開けて、リジン・キューレの後ろ姿を見つめた。
自分のことだけを考えた無我夢中な行動だった。
そんな行動に対して、まさか励ますような言葉をかけてくるだなんて。驚かせてしまったのだから、もっと怒られるものだと思っていたのに。
三階に通じるドアが閉まると、フフランがくちばしを開いた。
「リジンって、良い奴だなあ。驚かされたら、ちょっとは腹立つだろうに」
「そ、そうだよね。本当は、怒ってたりするかな?」
「うーん。リジンが怒った顔は昨日見たけど、今はあの顔はしてなかったからなあ。大丈夫じゃないか?」
ロティアはその場に立ち尽くし、三階のドアを見た。
「……リジンさんは、不思議なんじゃないんだ。優しい人なんだ」
そうつぶやいた途端、ロティアは昨日と今日の自分の行動や言動のすべてが恥ずかしくなり、顔から火が出そうになった。
書面で依頼をよこした上に、問答無用で試用期間を始めてしまうような人は、きっと良い人じゃない。
ロティアは無意識にそう決めつけていたのだ。
だから、リジンが昨日、荷物がないのならすぐに帰るように言ったり、フフランの夜目を気にしたり、カンテラを貸してくれたことに対して違和感を持ったのだろう。
ロティアはその場に座り込み、グッとくちびるをかみしめた。
「……わたしって、最低」
口の中で押し殺すような声でそうつぶやいた。
「大丈夫か、ロティア?」
フフランが床に降り立って顔をのぞきこんでくる。
ロティアは眉間にしわを寄せたまま、口だけで笑った。
「……大丈夫っ。自分の未熟さがよくわかったから。すぐに直せないと思うけど、今日から生まれ変われるように、がんばる!」
フフランはキョトンとした顔をして、「おうっ?」と答えた。
仕事部屋に戻ると、書類をしまって作業台を片付けたロティアは、空っぽの新しいビンを取り出した。船のような形をした横長のビンだ。
仕事道具の一つであるビンは、今やロティアの趣味にまで影響し、ロティアのカバンの中には常に不可思議な形をしたビンが入っているようになった。瓶集めが、今のロティアの趣味なのだ。
「あれ、この前のビンっていっぱいになったか?」
フフランはコルクの蓋をくちばしでツンツンつついた。
「ううん。でも、リジン・キューレさんの依頼では、絵によってビンを変えようって、今決めたの」
「へえ、どうしてだい?」
「事情があるから仕方ないとはいえ、わたし、リジン・キューレさんの絵、すごく素敵だと思うの。だから、インクを入れるビンを分けて、どんな絵だったかラベルをつけておけば、絵を思い出せるかな、と思って」
ロティアは昨日取り出した時計台の絵のビンと、小さな紙とヒモを机に置いた。紙に「時計塔・少し大きな絵・天気は雲がモコモコした晴れ?」と手早く描くと、錐を使って穴を開け、ビンの首にヒモで括り付ける。
「なるほどな。これだけでもオイラも思い出せるぞ」
「でしょう! せっかく素敵な絵だから、わたしたちだけでも覚えておこうよ」
「良いアイディアだな! 賛成だ」
ロティアとフフランはにっこりと微笑みあった。
これは、リジン・キューレを誤解していたことへの申し訳なさからではない。
ロティアがリジン・キューレの絵を素晴らしいと思った気持ちは本物だ。ただその絵に対して、昨日よりもいっそうの敬意を持ちたい。そう思ったのだ。
クマの絵は時計塔とはまた違った難しさがあった。
クマの毛質を表現するかすれた細かい線を取り出す作業に、気が遠くなるのだ。ロティアを取り囲むように、コバエのような小さなインクがふよふよと浮いている。
フフランはロティアの顔が見えなくなるほどインクが取り出されるたびに、「一回ビンに入れたらどうだ?」と声をかけた。
しかしフフランにインクが付いてしまう可能性があるため、十分に離れていなければならなかった。
「ごめんね、フフラン。退屈でしょう。お散歩でも行って来たら?」
ロティアが顔を上げると、フフランは窓枠にとまって、雲間から陽光が差し込む外を眺めていた。
「いやあ、オイラはぼーっとしてるのも好きだからあ、気にするなあ」
ちょっと眠いのか、語尾が間延びしている。ロティアはクスッと笑って顔を戻した。
それから二時間が過ぎた時、ロティアのお腹がグーッと抗議の音を鳴らした。
「お昼にするか」
「……ふふっ、そうだね」
ロティアははにかみながら周りに浮いているインクをビンに入れた。
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