14 / 41
第1章
14.マリユス教授とアップルピース・シナモンのハーブチンキ
しおりを挟む
朝食を終えると、エリクはひとまず宿屋に帰ると言った。
「戻って着替えたら、職探しに行ってくるわ。いつまでも宿屋じゃ金が尽きるからな」
シュゼットはエリクの肩をポンッと叩いて「頑張ってね!」と鼓舞した。
「おう。風呂も朝食もありがとな。おかげでシャキッとしてる」
「本当に! よかったあ」
「ああ。じゃあまた夜には戻るから。いってきます」
「いってらっしゃい」
「キャンキャンッ」
エリクはシュゼットとブロンと握手を交わすと、勇んで街に出かけて行った。その後ろ姿は心身ともに健康に近づいたように見える。朝から厚めのハムを焼いて、ハーブペッパーで食べたのも良かったようだ。
シュゼットとブロンは、エリクの姿が街の中に消えていくまで、見送り続けた。
家に戻ると、シュゼットはアンリエッタの傍のソファに座った。
「エリクさん、良い仕事と縁があると良いわねえ」
「エリクならきっとすぐに見つけられるよ、良い人だもん。一緒に仕事をしたら楽しいと思う」
「そうね」と朗らかに答えたアンリエッタは、声色を厳しいものに変えて「ところで」と切り出した。
「そのポケットの中、今朝も来てたの?」
シュゼットも声色を変えて「……うん」と押し殺すように答えた。そしてエプロンのポケットから、手触りの悪いぐしゃぐしゃに丸めた紙を取り出した。すると、ブロンが紙をにらみつけ、鼻にしわを寄せて「ウウー」と唸った。
「物音がするから、またかしらとは思ったけれど」
「手紙だけで済んでるから、大事にしない方が良いよね」
「そうね。シュゼット、気にしちゃダメよ。わたしはシュゼットが来てくれてからとっても楽しいし、あなたの仕事を心から尊敬してるんだから」
「ありがとう、おばあちゃん」
シュゼットは威嚇を続けるブロンをなだめながら、紙を開いた。
『奇妙な民間療法を今すぐやめろ!』
走り書きで書かれた冷たい言葉。
シュゼットは紙をもう一度丸めると、キッチンの火に放り込んだ。
「――やあ、シュゼット。おはよう」
「おはようございます、マリユス教授」
「あれ、今日はかわいい友達は一緒じゃないんだね」
「ああ。今日はブロンはお留守番なんです。おばあちゃんの見張り役。最近足の痛みが良くなったからって、色々やろうとするので」
「あはは、なるほどね。立ち話もなんだし、中へどうぞ」
鎖骨辺りまで伸びた銀髪を揺らしながら、マリユス教授はにこやかにシュゼットを中に招き入れた。
本で埋め尽くされた玄関を通り抜け、さらにたくさんの本が並んだリビングに通される。シュゼットはいつも通り、本を避けてからソファに座った。
マリユス教授は、若くして首都の名門大学に籍を置く植物学の大学教授だ。
教授になった最初の五年間は大人しく大学で研究をしていたが、六年目が始まった途端に教授寮を退寮し、この町に移り住んできたそうだ。本人曰く、「首都ではやりたいことができない」そうだ。植物学の教授としては至極全うな意見だ。
今では講義をするため、平日の三日間は首都に通い、残り二日間と休日の二日間はこの町に買った家の庭で植物を観察したり、本とにらめっこをしたりしている。
「これ、頼まれてたハーブチンキです。今回のはアップルピースとシナモンが入ってて、集中力を高めてくれますよ」
「ありがとう、シュゼット。この前のもおいしかったけど、今回のもまたおいしそうな組み合わせだね。まるでアップルパイじゃない」
「どっちも記憶力とか集中力に効くので、ちょうど良いかなと思って」
「シュゼットのチンキは飲みやすくて良いんだよね」
黄色のチンキを受け取ったマリユスは、蓋を開けて香りを楽しんだ。飲むだけでなく、香りを楽しむのもハーブチンキの取り入れ方の一つだ。
「そういえば、また新たにおもしろい植物の情報が入ったんだ」
「へえ、なんですか」
マリユスはテーブルの上に置いてある新しそうな本をペラペラとめくり、該当するページを開いてシュゼットの方に向けた。ハートのような形をした大ぶりな葉の上に、キラキラと光る水分のようなものが描かれている。
「なんでも鉱物を作り出すんだって」
「鉱物を! それはすごいですね……」
「でしょう。まだ一部の地域でしか確認されていないらしいんだけど、水分が蒸発すると塩の結晶が残る塩水と似た現象なんじゃないかって言われてるんだって。葉の上に鉱物を付けるらしいんだ」
「まさにこの絵の通りですね。どのあたりに生える植物なんですか?」
「温暖な地域が多いってこの本にはあるね。この辺りも比較的温暖だから、ひょっとすると見つかるかもしれないんだ。見つけたら大興奮だなあ」
「わたしも見てみたいです! それにこの植物、花をつけるみたいじゃないですか。わたし、蒸留して、どんな精油がとれるか知りたいです」
「それじゃあ見つけたら一番にシュゼットに教えるよ」
「やった! ぜひ!」
シュゼットとマリユスはにっこりと微笑み合った。
シュゼットにとってマリユスは、看ている人でもあり、良き友人でもある。植物の話をこんなにも熱心にできるのは、アンリエッタと植物学教授のマリユスくらいなのだ。
「ところでシュゼット。無理を承知で言うけど、体力をつけるチンキやハーブは無いよね」
「教授、植物は万能じゃないってよくご存じでしょう?」
マリユスは両手を顔の高さまで上げて、降参のポーズをした。
「わかってる、わかってる。でも、このところ疲れが取れなくて。やっぱり二重生活は無理があったのかなあ。論文を書かなきゃならない間は、それだけで疲れて全然実地調査に行けないんだ」
「それは少しでも休んでください、としか言えませんよ。でも、あとは助手を雇うのはどうですか? この膨大な量の資料から必要なものを見つけてもらうだけでも、はかどり方が違うと思いますけど……」
シュゼットは本で散乱した家の中を見回した。
「そう思って、求人は出してあるんだ。読み書きがしっかりできて、体力があって、落ち着いた人だと助かるんだけど」
「なんだ、そうなんですね。それなら、早く見つかるように願ってますね」
「ありがとう、シュゼット。俺も願ってるよ」
その後は、マリユスが首都で買ってきたというクッキーを食べながら、植物を育てる上でのたい肥について熱く語り合った。最近では、魔法で作った農薬というものがあるそうだが、虫が死んでしまうほどの威力があるため、とてもじゃないけれど使えないという話をしたり、効率よくたい肥を作る方法を議論したり。話題は尽きなかった。
「戻って着替えたら、職探しに行ってくるわ。いつまでも宿屋じゃ金が尽きるからな」
シュゼットはエリクの肩をポンッと叩いて「頑張ってね!」と鼓舞した。
「おう。風呂も朝食もありがとな。おかげでシャキッとしてる」
「本当に! よかったあ」
「ああ。じゃあまた夜には戻るから。いってきます」
「いってらっしゃい」
「キャンキャンッ」
エリクはシュゼットとブロンと握手を交わすと、勇んで街に出かけて行った。その後ろ姿は心身ともに健康に近づいたように見える。朝から厚めのハムを焼いて、ハーブペッパーで食べたのも良かったようだ。
シュゼットとブロンは、エリクの姿が街の中に消えていくまで、見送り続けた。
家に戻ると、シュゼットはアンリエッタの傍のソファに座った。
「エリクさん、良い仕事と縁があると良いわねえ」
「エリクならきっとすぐに見つけられるよ、良い人だもん。一緒に仕事をしたら楽しいと思う」
「そうね」と朗らかに答えたアンリエッタは、声色を厳しいものに変えて「ところで」と切り出した。
「そのポケットの中、今朝も来てたの?」
シュゼットも声色を変えて「……うん」と押し殺すように答えた。そしてエプロンのポケットから、手触りの悪いぐしゃぐしゃに丸めた紙を取り出した。すると、ブロンが紙をにらみつけ、鼻にしわを寄せて「ウウー」と唸った。
「物音がするから、またかしらとは思ったけれど」
「手紙だけで済んでるから、大事にしない方が良いよね」
「そうね。シュゼット、気にしちゃダメよ。わたしはシュゼットが来てくれてからとっても楽しいし、あなたの仕事を心から尊敬してるんだから」
「ありがとう、おばあちゃん」
シュゼットは威嚇を続けるブロンをなだめながら、紙を開いた。
『奇妙な民間療法を今すぐやめろ!』
走り書きで書かれた冷たい言葉。
シュゼットは紙をもう一度丸めると、キッチンの火に放り込んだ。
「――やあ、シュゼット。おはよう」
「おはようございます、マリユス教授」
「あれ、今日はかわいい友達は一緒じゃないんだね」
「ああ。今日はブロンはお留守番なんです。おばあちゃんの見張り役。最近足の痛みが良くなったからって、色々やろうとするので」
「あはは、なるほどね。立ち話もなんだし、中へどうぞ」
鎖骨辺りまで伸びた銀髪を揺らしながら、マリユス教授はにこやかにシュゼットを中に招き入れた。
本で埋め尽くされた玄関を通り抜け、さらにたくさんの本が並んだリビングに通される。シュゼットはいつも通り、本を避けてからソファに座った。
マリユス教授は、若くして首都の名門大学に籍を置く植物学の大学教授だ。
教授になった最初の五年間は大人しく大学で研究をしていたが、六年目が始まった途端に教授寮を退寮し、この町に移り住んできたそうだ。本人曰く、「首都ではやりたいことができない」そうだ。植物学の教授としては至極全うな意見だ。
今では講義をするため、平日の三日間は首都に通い、残り二日間と休日の二日間はこの町に買った家の庭で植物を観察したり、本とにらめっこをしたりしている。
「これ、頼まれてたハーブチンキです。今回のはアップルピースとシナモンが入ってて、集中力を高めてくれますよ」
「ありがとう、シュゼット。この前のもおいしかったけど、今回のもまたおいしそうな組み合わせだね。まるでアップルパイじゃない」
「どっちも記憶力とか集中力に効くので、ちょうど良いかなと思って」
「シュゼットのチンキは飲みやすくて良いんだよね」
黄色のチンキを受け取ったマリユスは、蓋を開けて香りを楽しんだ。飲むだけでなく、香りを楽しむのもハーブチンキの取り入れ方の一つだ。
「そういえば、また新たにおもしろい植物の情報が入ったんだ」
「へえ、なんですか」
マリユスはテーブルの上に置いてある新しそうな本をペラペラとめくり、該当するページを開いてシュゼットの方に向けた。ハートのような形をした大ぶりな葉の上に、キラキラと光る水分のようなものが描かれている。
「なんでも鉱物を作り出すんだって」
「鉱物を! それはすごいですね……」
「でしょう。まだ一部の地域でしか確認されていないらしいんだけど、水分が蒸発すると塩の結晶が残る塩水と似た現象なんじゃないかって言われてるんだって。葉の上に鉱物を付けるらしいんだ」
「まさにこの絵の通りですね。どのあたりに生える植物なんですか?」
「温暖な地域が多いってこの本にはあるね。この辺りも比較的温暖だから、ひょっとすると見つかるかもしれないんだ。見つけたら大興奮だなあ」
「わたしも見てみたいです! それにこの植物、花をつけるみたいじゃないですか。わたし、蒸留して、どんな精油がとれるか知りたいです」
「それじゃあ見つけたら一番にシュゼットに教えるよ」
「やった! ぜひ!」
シュゼットとマリユスはにっこりと微笑み合った。
シュゼットにとってマリユスは、看ている人でもあり、良き友人でもある。植物の話をこんなにも熱心にできるのは、アンリエッタと植物学教授のマリユスくらいなのだ。
「ところでシュゼット。無理を承知で言うけど、体力をつけるチンキやハーブは無いよね」
「教授、植物は万能じゃないってよくご存じでしょう?」
マリユスは両手を顔の高さまで上げて、降参のポーズをした。
「わかってる、わかってる。でも、このところ疲れが取れなくて。やっぱり二重生活は無理があったのかなあ。論文を書かなきゃならない間は、それだけで疲れて全然実地調査に行けないんだ」
「それは少しでも休んでください、としか言えませんよ。でも、あとは助手を雇うのはどうですか? この膨大な量の資料から必要なものを見つけてもらうだけでも、はかどり方が違うと思いますけど……」
シュゼットは本で散乱した家の中を見回した。
「そう思って、求人は出してあるんだ。読み書きがしっかりできて、体力があって、落ち着いた人だと助かるんだけど」
「なんだ、そうなんですね。それなら、早く見つかるように願ってますね」
「ありがとう、シュゼット。俺も願ってるよ」
その後は、マリユスが首都で買ってきたというクッキーを食べながら、植物を育てる上でのたい肥について熱く語り合った。最近では、魔法で作った農薬というものがあるそうだが、虫が死んでしまうほどの威力があるため、とてもじゃないけれど使えないという話をしたり、効率よくたい肥を作る方法を議論したり。話題は尽きなかった。
1
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。

契約破棄された聖女は帰りますけど
基本二度寝
恋愛
「聖女エルディーナ!あなたとの婚約を破棄する」
「…かしこまりました」
王太子から婚約破棄を宣言され、聖女は自身の従者と目を合わせ、頷く。
では、と身を翻す聖女を訝しげに王太子は見つめた。
「…何故理由を聞かない」
※短編(勢い)
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

【完結】聖女の私を処刑できると思いました?ふふ、残念でした♪
鈴菜
恋愛
あらゆる傷と病を癒やし、呪いを祓う能力を持つリュミエラは聖女として崇められ、来年の春には第一王子と結婚する筈だった。
「偽聖女リュミエラ、お前を処刑する!」
だが、そんな未来は突然崩壊する。王子が真実の愛に目覚め、リュミエラは聖女の力を失い、代わりに妹が真の聖女として現れたのだ。
濡れ衣を着せられ、あれよあれよと処刑台に立たされたリュミエラは絶対絶命かに思われたが…
「残念でした♪処刑なんてされてあげません。」

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

純白の牢獄
ゆる
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~
沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。
ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。
魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。
そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。
果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。
転生要素は薄いかもしれません。
最後まで執筆済み。完結は保障します。
前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。
長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。
カクヨム様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる