216 / 219
第9章 勇者RENの冒険
第212話 勝機
しおりを挟む
迫りくるニュートの剣。だが、オレにはまるでスローモーションのようにゆっくりと見えていた。
(オレは今見えている!)
ニュートの動きに合わせ、振り下ろされる刀を寸での所で躱し、そしてすれ違いざまに奴の腹に刀を合わせた。
(手応えあり!)
ぐふっ! っと息を吐く声が聞こえる。振り向けば、奴の腹から血が吹き出し、口の周りも血の青色に染まっていた。
「まさか……オレの呪いを解き、ここまでやってくれるとはな……」
ニュートの手が震える。顔が怒りの形相に変化していく。そして、血走った目つきでオレを睨みつけた。
「貴様は危険すぎる……。今まで戦ったどの相手よりも……。ここで必ず、貴様を……殺す」
ニュートは先程、ブレスを吐いたばかり。その体内に魔力は少ない。だが、こうして相対すると、残存魔力の量など関係ないと思えるほどの圧力がオレにかかってくる。
それはニュートの殺気だった。
(今まで以上に奴の集中力が高まっている……。それにオレの体は完全に呪いを断ち切れた訳では無い……。手足にまだ残る黒い残照のせいで動きが鈍っている。この勝負、長引かせるわけにはいかない)
オレの意思は決まった。
もう短期決戦しか選択肢はない。
オレは最後の力を振り絞り、刀を構え、残る魔力を全て集めていった。
***
「はぁっ、はぁっ……、ふぅ」
男は長い距離を走ったようで激しく肩で呼吸を整えている。たどり着いたのは広場。その周りには巨大な石が鳥居のような形に積み上げられ、広場を囲っている。ストーンヘンジよりも積み重なった石が多く配置された場所の中央に男は歩いていった。
「早く……、早く儀式を始めてしまわねば……」
男は懐から分厚い本と杖を取り出した。体に残った魔力を全て杖に込め、呪文を唱え始める。
「全知全能の我らが大邪神よ。今、ここに多くの魂を捧げる……。どうか、我らの宿敵を打ち破り、この世を暗黒に染め上げ給え!!!」
男の周囲に真っ黒な霧が立ち込めた。そして、中心に向かって集まっていく。
より濃密に集まった霧は呪文を唱えていた男すらも飲み込んだ。
「我の体、我の魂をも飲み込むがいい!!! そして、あの憎き黒騎士に天罰を!!!」
男が叫びながら黒い霧に飲み込まれている時、そこに駆けつけた騎士がいた。
「しまった! 遅かったか!」
黒い鎧に身を包み込んだその男が追いついた時にはすでに黒い霧が立ち込め、広場に近づくことも出来ない。
「くっ…………」
黒騎士から焦った声が漏れる。
黒い霧は中心に向かってより濃く集まったかと思うと、そこから徐々に大きく成り始めた。
黒騎士が追いかけていた男の姿はもうすでに失くなっていた。
「あの男、自分の体すらも捧げたというのか!」
黒騎士は手を震わせながら言った。
黒い霧がいよいよ広がっていき、全長10メルほどの大きさにまで広がると、そこから人形に変わっていく。
そして、頭部に当たる部分から二つの赤い光が灯った。まるでこの世の全てを恨んでいるかのような燃え上がる赤い目が、黒騎士を睨む。
「どうやら、コイツの相手をしなければならないらしいな……やれやれだ」
黒騎士は手に持っていた剣を構え、現れた黒い巨人に向かって斬りかかるのであった。
***
ニュートをジッと見つめると、奴以外のあらゆる物が視界から外れていく。
そして、耳には会場の喧騒も届かなくなった。
ニュートは憎々しげな顔つきでオレを睨みつつ、駆け出した。
まるで世界全体がスローモーションになったかのようにゆっくりと背景が流れていく。
オレには全てがゆっくりと見えていた。
ニュートが繰り出す剣筋も、合間に吐き出す小さなブレスも、奇襲として使ってきた尻尾による攻撃すらも、オレの体には届かない。
そんな世界の中、オレの攻撃がニュートを捉えた。
最初に捉えたのは左腕。奴の振り下ろしを躱しつつ、オレの小刀がキレイに奴の左腕をなぞり上げた。
ドッ、と重い音と共に奴の左腕が地に落ちた。
「ヌアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!」
ニュートは左腕を失っても勢いは衰えなかった。残った右腕に大きな刀をしっかりと握り、すぐに振り下ろす。
一旦、後ろへ下がり、その剣を躱すと、奴の剣が地面を捉え、巨大な穴を開ける。
通常、これほど力を込めた一撃を放った後にはスキも出来る。だが、奴はすぐに躱したオレの方へ向かって飛び込んできた。
ニュートの目は完全に血走っていた。興奮しきっており、全く痛みすら感じていないように見える。
襲い来るニュートの刀。いや、コイツこそグレンの本体なのだろう。明らかに左腕に持っていた短い刀とは纏っている魔力の量が違っている。
俺は咄嗟に両手の刀を十字に重ね、そして、上方から切りつけるニュートの攻撃を受け止めた。
ズンッ!!! 大きな音を立て、オレの体が2,3十センチは地に沈む。だが、耐えた。奴のフルパワーの攻撃を耐えきったのだ。
奴の目がわずかに開いた。
(勝機ッ!!!)
俺は左腕でそのままニュートの刀を抑えつつ、右腕に持つ刀でニュートの腹を横になぞりながら駆け抜けるのであった。
(オレは今見えている!)
ニュートの動きに合わせ、振り下ろされる刀を寸での所で躱し、そしてすれ違いざまに奴の腹に刀を合わせた。
(手応えあり!)
ぐふっ! っと息を吐く声が聞こえる。振り向けば、奴の腹から血が吹き出し、口の周りも血の青色に染まっていた。
「まさか……オレの呪いを解き、ここまでやってくれるとはな……」
ニュートの手が震える。顔が怒りの形相に変化していく。そして、血走った目つきでオレを睨みつけた。
「貴様は危険すぎる……。今まで戦ったどの相手よりも……。ここで必ず、貴様を……殺す」
ニュートは先程、ブレスを吐いたばかり。その体内に魔力は少ない。だが、こうして相対すると、残存魔力の量など関係ないと思えるほどの圧力がオレにかかってくる。
それはニュートの殺気だった。
(今まで以上に奴の集中力が高まっている……。それにオレの体は完全に呪いを断ち切れた訳では無い……。手足にまだ残る黒い残照のせいで動きが鈍っている。この勝負、長引かせるわけにはいかない)
オレの意思は決まった。
もう短期決戦しか選択肢はない。
オレは最後の力を振り絞り、刀を構え、残る魔力を全て集めていった。
***
「はぁっ、はぁっ……、ふぅ」
男は長い距離を走ったようで激しく肩で呼吸を整えている。たどり着いたのは広場。その周りには巨大な石が鳥居のような形に積み上げられ、広場を囲っている。ストーンヘンジよりも積み重なった石が多く配置された場所の中央に男は歩いていった。
「早く……、早く儀式を始めてしまわねば……」
男は懐から分厚い本と杖を取り出した。体に残った魔力を全て杖に込め、呪文を唱え始める。
「全知全能の我らが大邪神よ。今、ここに多くの魂を捧げる……。どうか、我らの宿敵を打ち破り、この世を暗黒に染め上げ給え!!!」
男の周囲に真っ黒な霧が立ち込めた。そして、中心に向かって集まっていく。
より濃密に集まった霧は呪文を唱えていた男すらも飲み込んだ。
「我の体、我の魂をも飲み込むがいい!!! そして、あの憎き黒騎士に天罰を!!!」
男が叫びながら黒い霧に飲み込まれている時、そこに駆けつけた騎士がいた。
「しまった! 遅かったか!」
黒い鎧に身を包み込んだその男が追いついた時にはすでに黒い霧が立ち込め、広場に近づくことも出来ない。
「くっ…………」
黒騎士から焦った声が漏れる。
黒い霧は中心に向かってより濃く集まったかと思うと、そこから徐々に大きく成り始めた。
黒騎士が追いかけていた男の姿はもうすでに失くなっていた。
「あの男、自分の体すらも捧げたというのか!」
黒騎士は手を震わせながら言った。
黒い霧がいよいよ広がっていき、全長10メルほどの大きさにまで広がると、そこから人形に変わっていく。
そして、頭部に当たる部分から二つの赤い光が灯った。まるでこの世の全てを恨んでいるかのような燃え上がる赤い目が、黒騎士を睨む。
「どうやら、コイツの相手をしなければならないらしいな……やれやれだ」
黒騎士は手に持っていた剣を構え、現れた黒い巨人に向かって斬りかかるのであった。
***
ニュートをジッと見つめると、奴以外のあらゆる物が視界から外れていく。
そして、耳には会場の喧騒も届かなくなった。
ニュートは憎々しげな顔つきでオレを睨みつつ、駆け出した。
まるで世界全体がスローモーションになったかのようにゆっくりと背景が流れていく。
オレには全てがゆっくりと見えていた。
ニュートが繰り出す剣筋も、合間に吐き出す小さなブレスも、奇襲として使ってきた尻尾による攻撃すらも、オレの体には届かない。
そんな世界の中、オレの攻撃がニュートを捉えた。
最初に捉えたのは左腕。奴の振り下ろしを躱しつつ、オレの小刀がキレイに奴の左腕をなぞり上げた。
ドッ、と重い音と共に奴の左腕が地に落ちた。
「ヌアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!」
ニュートは左腕を失っても勢いは衰えなかった。残った右腕に大きな刀をしっかりと握り、すぐに振り下ろす。
一旦、後ろへ下がり、その剣を躱すと、奴の剣が地面を捉え、巨大な穴を開ける。
通常、これほど力を込めた一撃を放った後にはスキも出来る。だが、奴はすぐに躱したオレの方へ向かって飛び込んできた。
ニュートの目は完全に血走っていた。興奮しきっており、全く痛みすら感じていないように見える。
襲い来るニュートの刀。いや、コイツこそグレンの本体なのだろう。明らかに左腕に持っていた短い刀とは纏っている魔力の量が違っている。
俺は咄嗟に両手の刀を十字に重ね、そして、上方から切りつけるニュートの攻撃を受け止めた。
ズンッ!!! 大きな音を立て、オレの体が2,3十センチは地に沈む。だが、耐えた。奴のフルパワーの攻撃を耐えきったのだ。
奴の目がわずかに開いた。
(勝機ッ!!!)
俺は左腕でそのままニュートの刀を抑えつつ、右腕に持つ刀でニュートの腹を横になぞりながら駆け抜けるのであった。
0
お気に入りに追加
240
あなたにおすすめの小説
ハズレ職業のテイマーは【強奪】スキルで無双する〜最弱の職業とバカにされたテイマーは魔物のスキルを自分のものにできる最強の職業でした〜
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティー【黄金の獅子王】に所属するテイマーのカイトは役立たずを理由にパーティーから追放される。
途方に暮れるカイトであったが、伝説の神獣であるフェンリルと遭遇したことで、テイムした魔物の能力を自分のものに出来る力に目覚める。
さらにカイトは100年に一度しか産まれないゴッドテイマーであることが判明し、フェンリルを始めとする神獣を従える存在となる。
魔物のスキルを吸収しまくってカイトはやがて最強のテイマーとして世界中に名を轟かせていくことになる。
一方、カイトを追放した【黄金の獅子王】はカイトを失ったことで没落の道を歩み、パーティーを解散することになった。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
1枚の金貨から変わる俺の異世界生活。26個の神の奇跡は俺をチート野郎にしてくれるはず‼
ベルピー
ファンタジー
この世界は5歳で全ての住民が神より神の祝福を得られる。そんな中、カインが授かった祝福は『アルファベット』という見た事も聞いた事もない祝福だった。
祝福を授かった時に現れる光は前代未聞の虹色⁉周りから多いに期待されるが、期待とは裏腹に、どんな祝福かもわからないまま、5年間を何事もなく過ごした。
10歳で冒険者になった時には、『無能の祝福』と呼ばれるようになった。
『無能の祝福』、『最低な能力値』、『最低な成長率』・・・
そんな中、カインは腐る事なく日々冒険者としてできる事を毎日こなしていた。
『おつかいクエスト』、『街の清掃』、『薬草採取』、『荷物持ち』、カインのできる内容は日銭を稼ぐだけで精一杯だったが、そんな時に1枚の金貨を手に入れたカインはそこから人生が変わった。
教会で1枚の金貨を寄付した事が始まりだった。前世の記憶を取り戻したカインは、神の奇跡を手に入れる為にお金を稼ぐ。お金を稼ぐ。お金を稼ぐ。
『戦闘民族君』、『未来の猫ロボット君』、『美少女戦士君』、『天空の城ラ君』、『風の谷君』などなど、様々な神の奇跡を手に入れる為、カインの冒険が始まった。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
異世界エステ〜チートスキル『エステ』で美少女たちをマッサージしていたら、いつの間にか裏社会をも支配する異世界の帝王になっていた件〜
福寿草真
ファンタジー
【Sランク冒険者を、お姫様を、オイルマッサージでトロトロにして成り上がり!?】
何の取り柄もないごく普通のアラサー、安間想介はある日唐突に異世界転移をしてしまう。
魔物や魔法が存在するありふれたファンタジー世界で想介が神様からもらったチートスキルは最強の戦闘系スキル……ではなく、『エステ』スキルという前代未聞の力で!?
これはごく普通の男がエステ店を開き、オイルマッサージで沢山の異世界女性をトロトロにしながら、瞬く間に成り上がっていく物語。
スキル『エステ』は成長すると、マッサージを行うだけで体力回復、病気の治療、バフが発生するなど様々な効果が出てくるチートスキルです。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
俺だけステータスが見える件~ゴミスキル【開く】持ちの俺はダンジョンに捨てられたが、【開く】はステータスオープンできるチートスキルでした~
平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。
異世界より召喚された者は神からスキルを授かるが、直人のスキルは『物を開け閉めする』だけのゴミスキルだと判明し、ダンジョンに廃棄されることになった。
途方にくれる直人は偶然、このゴミスキルの真の力に気づく。それは自分や他者のステータスを数値化して表示できるというものだった。
しかもそれだけでなくステータスを再分配することで無限に強くなることが可能で、更にはスキルまで再分配できる能力だと判明する。
その力を使い、ダンジョンから脱出した直人は、自分をバカにした連中を徹底的に蹂躙していくのであった。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる