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最後の晩餐
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「さぁ、少し急いでください」
修二にスーツを借りた俺と小川は、小走りで長い廊下を抜け、階段を駆け降りる。
「何をそんなに急いでいるんだ?」
小川は修二に尋ねる。
「食事の時間に遅れると、昇仁様の機嫌が悪くなるんですよ。この家では、皆んな揃ってから食事をするのがルールなので」
俺たちは、軽く肩で息をしながら一階にある食堂の前に辿り着いた。
「いいですね、あくまでも仕事先の関係者ということで、調子を合わせて下さいね。探偵さんを呼んだなんてバレたら、僕は追い出されてしまいます」
修二は扉の前で俺たちに改めて念を押して、それから重厚な扉を開いた。
扉を開けると、そこには『こんな長いテーブル存在するのか』と思うほど長い、真っ白なテーブルクロスのかけられたテーブルが中央に据えられ、家の者一同が並んで腰掛けていた。
「遅いぞ」
テーブルの最も奥に座っている白髪の老人が、地獄の底から溢れ出してきたような威厳のある声で一言言った。
「遅くなってすいません、取引き先のお客様をご案内していたものですから。こちら、お二人は田辺ホールディングスの小川様と小林様です。この度の龍昇坊ちゃんのお披露目のお祝いに、社を代表してみえました」
俺たちは、これでもかというほど深々と頭を下げた。一同の目が俺たちに注がれるのがわかる。借り物のスーツとは言え、馬子にも衣装とはよく言ったものだ。高級なスーツに身を包んでいるおかげか、俺のような男も立派なビジネスマンとして見られているようだ。
「まぁ、よい。お二人とも、遠路はるばるご苦労であった。さぁ、早くお掛けなさい、せっかくの料理が冷めてしまう」
昇仁の言葉を合図にして、使用人たちがテキパキと食事の用意を整えていく。
「さぁ、皆の者。食事にしようか。天におられる私達の父よ、皆が聖とされますように、 みくにが来ますように、御心が天に行われる通り、地にも行われますように。私達の日ごとの糧を今日もお与え下さい。私達の罪をお許し下さい私達も人を許します。 私達を誘惑に陥らせ得ず悪からお救い下さい。アーメン」
「アーメン」
どうやら烏丸家は敬虔なキリスト教の信者らしい。
食事の挨拶を終えると、その場にいた者たちが一斉に食事を始め、誰も何も喋らずに、広い食堂には食器とカトラリーの音だけが高い音を立てていた。
「ところで、加奈はどうした?」
昇仁が、松崎加奈がこの場にいない事について口を開いた。
「松崎様は先日からの風邪がまだ良くなっておりませんので、今日も自室でお食事を召し上がっていらっしゃいます」
昇仁の傍に立っている田所が答える。
「そうか、龍昇にうつさないためにもそれがいい。加奈も丸くなったな。なぁ、龍昇」
昇仁は、自らの隣に置かれているベビーカーの中で、小さな寝息を立てている赤ん坊に向かって、先ほどとは打って変わった優しい声音で微笑んで話しかけた。
「どうかしら?風邪にしては長すぎるんじゃなくて?他に何か思うところがあるんじゃないかしら?」
昇仁の右手に座る高齢の白髪を淡い紫に染めた和装の婦人が、おおげさに鼻を鳴らして疑問を呈する。
「そうね、私もそう思うわ、お母様」
細い鋭い眼をした50代と思われる、恰幅の良い女性も同調した。
「やめなさい、艶子も陽美も。やれやれ、これだから女は・・・なぁ、龍昇」
昇仁の龍昇に対する溢れる感情は止まらないようだ。ことあるごとに龍昇に優しく微笑みかけている。
「パパの言うとおりよね、龍昇ちゃん」
まだ高校生かと見紛うほど若い、龍昇を挟んで隣に座る派手な女が、龍昇の頬を優しく突っつき昇仁と仲睦まじく見つめ合う。その姿を見ている限り、2人の年の差以外は普通の仲のいい夫婦にしか見えない。どうやら、この若い女が問題の麻谷麗らしい。
「何が『パパ』よ。普段は『じいさん』って呼んでるくせに」
「月代さん、やめなさい」
「何よ、敏樹さん。あの女の肩を持つつもり?」
「そんなことあるわけないじゃないか」
陽美と同じような、細い鋭い眼をした神経質そうな痩せた女を、その旦那であろう大人しそうな小太りの鼈甲の眼鏡が印象的な紳士がなだめている。
「月代姉さん、今さらあたし達が何を言っても無駄よ、損するだけだわ。でも、羨ましいわ。老人の前で股開いただけなのに。礼司さんはどうお考え?」
「僕はお義父様さえよろしければそれでいいよ」
「まぁ、相変わらず食えない男ね」
星子と思われる、おそらく整形だろうが不自然な二重の目をした、ショートボブのサテンのドレスを纏った女性は、礼司の反応に不満を隠せない。
「もう!お母様もおばさま方も、凛や舞の前でやめてください!」
「茜さん、私は先に部屋に戻るよ」
「ちょっと、暁さん!凛、舞。部屋に戻りましょ。波さん、残りはあとで部屋に届けさせて」
「はい、茜様」
市原は茜に言われて頭を下げた。
そんな殺伐とした食堂に、優しい弦楽器の音色が静かに流れてくる。
見ると、食堂の隅にいくつかの楽器が置かれていて、それらを背にして金髪で中世の貴族の子女が着るような衣装を纏った若い女が、そこを即席のステージにして演奏をしている。
弦楽器はヴィオラで、それを奏でる女性は、どこかで聴いたような、しかし初めて聴くような、既視感のある音色を奏でている。
演奏が終わると女性は、一同に向かってスカートの裾を軽く持ち上げて、茶目っ気を込めて礼をした。
「また腕をあげたな、環。」
昇仁が嬉しそうに拍手をすると、つられてその場にいた全員が拍手をした。
「ありがとうございます、お祖父様。お祖父様のおかげで留学させていただけているおかげです」
環と呼ばれた女は、昇仁に向かってもう一度深く一礼する。
「素晴らしいわ、私たちも子供が産まれたら何か音楽を習わせようかしら。ねぇ、海斗さん?」
「そうだね、愛ちゃん」
おそらくこの2人が陽美の娘である愛梨と、その婿である海斗らしい。2人は仲睦まじく手を繋いで、互いに微笑み合っている。
「静香さん、うちもそうしようか?」
「女の子ならね」
修二の話しかけた女は、演奏が終わると我関せずと、さっさと食事に戻った。
どうも静香は色気より食い気らしい。いくら家族だけの食事とはいえ、他の女性陣がきちんと身なりを整えているのに、静香だけはノーメイクにファストファッションのような出立ちだった。
「今の曲は何というタイトルの曲かしら?あたし、高校中退だからわからないの」
「この曲は私が即興で弾いた曲よ。だからまた弾けと言われても、もう弾けないわ。私、忘れっぽいから」
麗に質問された環は、可愛らしく笑って答えた。
「お前達は仲がいいな。私は嬉しいぞ」
「えぇ、だって凛と舞を除いたら独身の女は私と美智だけだもの。美智は高校生だし、ジェネレーションギャップを感じるのよね」
「そう言えば、その美智ちゃんはどうしているんだろう?」
修二がせっかく明るくなった雰囲気を持続させようと腐心しているのがわかる。
「美智様は、まだ今市様との勉強中でございます。後ほど部屋に食事を運んでくれとのご指示です」
田所が答える。
「まぁ、何の勉強かしらね?」
「保健体育の個人授業じゃないかしら?」
艶子と陽美が声を押し殺して、周りに聞こえるように笑う。
「さ、さてと、小川さんと小林さんをお部屋に案内して来ようかな。さぁ、お二人ともこちらへどうぞ」
再び不穏な空気が漂い始めた食堂を、俺たちは修二の後をついて抜け出した。
どうやら、このただならぬ空気、何かが起きてもおかしくない、そんな予感がしてきた。
修二にスーツを借りた俺と小川は、小走りで長い廊下を抜け、階段を駆け降りる。
「何をそんなに急いでいるんだ?」
小川は修二に尋ねる。
「食事の時間に遅れると、昇仁様の機嫌が悪くなるんですよ。この家では、皆んな揃ってから食事をするのがルールなので」
俺たちは、軽く肩で息をしながら一階にある食堂の前に辿り着いた。
「いいですね、あくまでも仕事先の関係者ということで、調子を合わせて下さいね。探偵さんを呼んだなんてバレたら、僕は追い出されてしまいます」
修二は扉の前で俺たちに改めて念を押して、それから重厚な扉を開いた。
扉を開けると、そこには『こんな長いテーブル存在するのか』と思うほど長い、真っ白なテーブルクロスのかけられたテーブルが中央に据えられ、家の者一同が並んで腰掛けていた。
「遅いぞ」
テーブルの最も奥に座っている白髪の老人が、地獄の底から溢れ出してきたような威厳のある声で一言言った。
「遅くなってすいません、取引き先のお客様をご案内していたものですから。こちら、お二人は田辺ホールディングスの小川様と小林様です。この度の龍昇坊ちゃんのお披露目のお祝いに、社を代表してみえました」
俺たちは、これでもかというほど深々と頭を下げた。一同の目が俺たちに注がれるのがわかる。借り物のスーツとは言え、馬子にも衣装とはよく言ったものだ。高級なスーツに身を包んでいるおかげか、俺のような男も立派なビジネスマンとして見られているようだ。
「まぁ、よい。お二人とも、遠路はるばるご苦労であった。さぁ、早くお掛けなさい、せっかくの料理が冷めてしまう」
昇仁の言葉を合図にして、使用人たちがテキパキと食事の用意を整えていく。
「さぁ、皆の者。食事にしようか。天におられる私達の父よ、皆が聖とされますように、 みくにが来ますように、御心が天に行われる通り、地にも行われますように。私達の日ごとの糧を今日もお与え下さい。私達の罪をお許し下さい私達も人を許します。 私達を誘惑に陥らせ得ず悪からお救い下さい。アーメン」
「アーメン」
どうやら烏丸家は敬虔なキリスト教の信者らしい。
食事の挨拶を終えると、その場にいた者たちが一斉に食事を始め、誰も何も喋らずに、広い食堂には食器とカトラリーの音だけが高い音を立てていた。
「ところで、加奈はどうした?」
昇仁が、松崎加奈がこの場にいない事について口を開いた。
「松崎様は先日からの風邪がまだ良くなっておりませんので、今日も自室でお食事を召し上がっていらっしゃいます」
昇仁の傍に立っている田所が答える。
「そうか、龍昇にうつさないためにもそれがいい。加奈も丸くなったな。なぁ、龍昇」
昇仁は、自らの隣に置かれているベビーカーの中で、小さな寝息を立てている赤ん坊に向かって、先ほどとは打って変わった優しい声音で微笑んで話しかけた。
「どうかしら?風邪にしては長すぎるんじゃなくて?他に何か思うところがあるんじゃないかしら?」
昇仁の右手に座る高齢の白髪を淡い紫に染めた和装の婦人が、おおげさに鼻を鳴らして疑問を呈する。
「そうね、私もそう思うわ、お母様」
細い鋭い眼をした50代と思われる、恰幅の良い女性も同調した。
「やめなさい、艶子も陽美も。やれやれ、これだから女は・・・なぁ、龍昇」
昇仁の龍昇に対する溢れる感情は止まらないようだ。ことあるごとに龍昇に優しく微笑みかけている。
「パパの言うとおりよね、龍昇ちゃん」
まだ高校生かと見紛うほど若い、龍昇を挟んで隣に座る派手な女が、龍昇の頬を優しく突っつき昇仁と仲睦まじく見つめ合う。その姿を見ている限り、2人の年の差以外は普通の仲のいい夫婦にしか見えない。どうやら、この若い女が問題の麻谷麗らしい。
「何が『パパ』よ。普段は『じいさん』って呼んでるくせに」
「月代さん、やめなさい」
「何よ、敏樹さん。あの女の肩を持つつもり?」
「そんなことあるわけないじゃないか」
陽美と同じような、細い鋭い眼をした神経質そうな痩せた女を、その旦那であろう大人しそうな小太りの鼈甲の眼鏡が印象的な紳士がなだめている。
「月代姉さん、今さらあたし達が何を言っても無駄よ、損するだけだわ。でも、羨ましいわ。老人の前で股開いただけなのに。礼司さんはどうお考え?」
「僕はお義父様さえよろしければそれでいいよ」
「まぁ、相変わらず食えない男ね」
星子と思われる、おそらく整形だろうが不自然な二重の目をした、ショートボブのサテンのドレスを纏った女性は、礼司の反応に不満を隠せない。
「もう!お母様もおばさま方も、凛や舞の前でやめてください!」
「茜さん、私は先に部屋に戻るよ」
「ちょっと、暁さん!凛、舞。部屋に戻りましょ。波さん、残りはあとで部屋に届けさせて」
「はい、茜様」
市原は茜に言われて頭を下げた。
そんな殺伐とした食堂に、優しい弦楽器の音色が静かに流れてくる。
見ると、食堂の隅にいくつかの楽器が置かれていて、それらを背にして金髪で中世の貴族の子女が着るような衣装を纏った若い女が、そこを即席のステージにして演奏をしている。
弦楽器はヴィオラで、それを奏でる女性は、どこかで聴いたような、しかし初めて聴くような、既視感のある音色を奏でている。
演奏が終わると女性は、一同に向かってスカートの裾を軽く持ち上げて、茶目っ気を込めて礼をした。
「また腕をあげたな、環。」
昇仁が嬉しそうに拍手をすると、つられてその場にいた全員が拍手をした。
「ありがとうございます、お祖父様。お祖父様のおかげで留学させていただけているおかげです」
環と呼ばれた女は、昇仁に向かってもう一度深く一礼する。
「素晴らしいわ、私たちも子供が産まれたら何か音楽を習わせようかしら。ねぇ、海斗さん?」
「そうだね、愛ちゃん」
おそらくこの2人が陽美の娘である愛梨と、その婿である海斗らしい。2人は仲睦まじく手を繋いで、互いに微笑み合っている。
「静香さん、うちもそうしようか?」
「女の子ならね」
修二の話しかけた女は、演奏が終わると我関せずと、さっさと食事に戻った。
どうも静香は色気より食い気らしい。いくら家族だけの食事とはいえ、他の女性陣がきちんと身なりを整えているのに、静香だけはノーメイクにファストファッションのような出立ちだった。
「今の曲は何というタイトルの曲かしら?あたし、高校中退だからわからないの」
「この曲は私が即興で弾いた曲よ。だからまた弾けと言われても、もう弾けないわ。私、忘れっぽいから」
麗に質問された環は、可愛らしく笑って答えた。
「お前達は仲がいいな。私は嬉しいぞ」
「えぇ、だって凛と舞を除いたら独身の女は私と美智だけだもの。美智は高校生だし、ジェネレーションギャップを感じるのよね」
「そう言えば、その美智ちゃんはどうしているんだろう?」
修二がせっかく明るくなった雰囲気を持続させようと腐心しているのがわかる。
「美智様は、まだ今市様との勉強中でございます。後ほど部屋に食事を運んでくれとのご指示です」
田所が答える。
「まぁ、何の勉強かしらね?」
「保健体育の個人授業じゃないかしら?」
艶子と陽美が声を押し殺して、周りに聞こえるように笑う。
「さ、さてと、小川さんと小林さんをお部屋に案内して来ようかな。さぁ、お二人ともこちらへどうぞ」
再び不穏な空気が漂い始めた食堂を、俺たちは修二の後をついて抜け出した。
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