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第四章 迷宮の扉
諍いの渦
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翌日の朝、俺が出勤すると大野がすっかりやつれきった様子で自席に座っていた。
「大野先生、大丈夫ですか?」
出勤してきた他の先生方も、大野のただならぬ雰囲気に心配そうに声をかけるものの、どこか腫れ物に触るよう距離を置いているのがわかる。
関われば、いつ火の粉が降りかかるか、それは避けたいというのが他の先生方の本音であるのだろう。
「大野先生、無理しないでくださいね」
俺も、大野にどう声をかければいいのかわからず、それだけ言うのが精一杯だった。
「ありがとうございます。ご心配をおかけしてすいません」
そう答えた大野の声には、全く覇気が感じられず、どうにか声を絞り出しているという印象であった。
職員会議中も大野の顔色は優れず、会議中も上も心ここに在らずといった具合であった。
「さぁ、佐藤先生、行きましょうか」
職員会議が終わり、大野は俺をホームルームに向かうために促した。
しかし、そう言って立ち上がった大野は、そのままその場に崩れ落ちた。
「大野先生!」
俺は大野に駆け寄り、何度もそうやって大野に呼びかけた。
そして、そのまま大野は病院に搬送されていった。
「大変なことになりましたね。大野先生の心中は察するに余りあります。この数日の心労が祟ったのでしょうね。佐藤先生、私も出来る限りのサポートをしますので、どうかクラスのことをよろしくお願いしますね」
俺は、まだ騒つく職員室を出て、ホームルームへと向かった。
教室に入ると、この日は槇隆文は出席していたものの、佐野杏奈は欠席していた。強気な彼女でも、2回も危険な目に遭えば、さすがに精神的にも辛いだろう。
どうするか。最初のことは、まだ事故の可能性が高いことは言わない方がいいだろうか。その方が犯人を泳がせるためにも効果的だろうか。それとも、公表した方が何らかの新しい動きが出てくるだろうか。
ホームルームが滞りなく終わり、職員室へ戻ろうとする俺のところへ、加納慎一と安城誠が連れ立ってやって来た。
わざわざ人気の無いところを選んで声をかけてきたようだ。
「佐藤先生、お話しがあります」
加納慎一は神妙な面持ちで切り出した。
「放課後、お話しがあるのですが、ご都合いかがでしょうか?」
こちらから話しを聞きに行こうと思っていたが、逆に申し出てくるとは都合がいい。
「わかった。俺の方は問題無い。同席させてもらうよ」
「それでは、放課後、視聴覚室までよろしくお願いします」
手短に用件だけ確認すると、2人は小走りに教室へと戻って行った。
果たして、どんな話し合いが持たれるのだろうか?
その日、授業は滞りなく行われた。
さすがにエセ教師には1人の授業は厳しいので、他の先生方の協力をいただいたが、俺の関心は授業の進行よりも、もっぱら放課後の加納慎一たちとの話し合いにしか興味が無かった。
そして、その日の授業が全て終わり、放課後になった。
ホームルームも早々に切り上げ、俺は一旦職員室に戻ってから足早に視聴覚室へと向かった。
果たして、彼らとの面談で何か新しい展開はあるのだろうか?
生憎今日は、佐野杏奈が休んではいるものの、グループの面々が一同に介して集まり、話しを聞くというのは初めてのことだ。
このチャンスを逃してはいけない。はやる気持ちを抑えて、俺は視聴覚室へと向かう階段を急いだ。
視聴覚室の重い扉を開くと、そこにはすでに5人が揃っていた。
扉が開いて俺が部屋に入ると、5人の視線が一斉に俺の方に集中する。
その視線は、いろいろな感情が交差するようだった。
値踏みするような視線、何かに怯えているような視線、期待と諦めの交錯した視線。
様々な視線を感じながら、俺は5人の座っている席へと歩を進めた。
「先生、ありがとうございます、お忙しい中、僕たちのためにお越しいただきまして」
安城誠が丁寧に挨拶をする。
「いや、俺も君たちに話しを聞かなければいけないと思っていたところだ。逆に皆んなから話しをしたいと言ってもらえて良かったよ」
「昨日のことは、だいたい槇君から聞きました。それで今日は、槇君が皆んなに話したいことがある、ということでこの場を設けさせてもらいました」
槇隆文からの申し出か。きっと、中井華子のことを問い詰めるつもりだろう。その前に、全員に聞かなければならないことがある。あの、例の黒い手紙だ。佐野杏奈と槇隆文以外にも受け取っている者がいないか、確認しなければ。
「ワイは昨日・・・」
槇隆文が口を開こうとした時、加納慎一が口を挟んで割り込んだ。
「その前に、皆んなに聞きたいことがある」
そう言うと、加納慎一が鞄から佐野杏奈と槇隆文が持っていたのと同じ、黒い封筒を取り出して机の上に放り投げた。
その場にいた全員が息を呑んだ。
「どうやら皆んな、俺と同じくこの手紙をもらったみたいだな」
すると、その場にいた全員が、各々が受け取った黒い封筒を取り出して机の上に並べた。
そして、中に入っていた便箋を取り出すと、そこにはそれぞれ、許さない。天罰だ。自首しろ。知ってるぞ。脅し文句が記されていた。
「怖い。何でこんなものが?誰がこんなモノを?」
中井華子は怯えている。だが、俺にはそれが大袈裟に怯えているように映った。
田之上陽子は、沈黙している。
槇隆文の顔は、怒りを抑えて強張っているようだ。
加納慎一は、このことでこの場の主導権を握ったつもりでいるようだ。
安城誠は、冷静に全員の様子を窺っている。
「いずれにしても、こんな卑怯なまねをする奴をワイは許さねぇ。ところで、華ちゃんに聞きたいことがある」
槇隆文が動いた。中井華子は、なぜ自分が名指しされたのか戸惑っているようだった。
「昨日の夜、どこで何してたん?」
槇隆文が直球の質問を投げかけた。たちまち中井華子の顔から血の気が失せ、明らかに狼狽しているのが手に取るように見えた。
「ワイ、見たんだよ。華ちゃんのこと」
槇隆文は、狙った獲物にジリジリと迫る狼のように、中井華子をジッと見据えている。
「知らないわ、その時間、私が駅にいるはずないわ」
中井華子は瞬時に即答したが、槇隆文はその言葉を待ってましたとばかりに声をあげて笑った。
「引っかかったな!どうしてワイらが駅で突き落とされたって知っているんだ?もう言い逃れできないぞ!」
「そんなこと、もう皆んな知ってるわよ!言いがかりはやめて!」
中井華子は、今にも泣き叫びそうに耳まで真っ赤にして、その目を潤ませている。
「そうだ、俺たちはもう、槇たちが駅で突き落とされたことは知っているんだ」
「そ・・・それにしたって、それなら自分でアリバイが無いって言ったということになるじゃないか」
「僕達には皆んな、アリバイが無い。それが正しい事実だ」
「もう、皆んなやめて!」
それまで沈黙してきた田之上陽子が、珍しく大きな声をあげて仲裁に入る。
「もう皆んなやめようよ。自分達の中に犯人がいるなんて、そんなことあるはず無いよ」
「でも、この中で唯一これまで全くアリバイの無い人がいる」
安城誠が発した言葉に、その場にいた全員の視線が一点に集まる。
「えっ?自分?そんな、自分のこと?ひどいわ」
田之上陽子の声が上擦り、無言の圧力に押されるかのように、彼女は一歩後ずさる。
「これは動かし難い事実だ。因みに君は、昨日どこにいた?」
すっかりその場の主導権を握った安城誠が、追い討ちをかけるように田之上陽子に問う。
「・・・無い」
周囲の無言の圧力が田之上陽子を襲う。それに堪えきれなくなったのか、田之上陽子の瞳からは、大粒の涙が溢れては零れ落ちる。
「酷い・・・いつも自分ばかり。もういい・・・自分は自分で何とかする!自分だってやる時はやるんだから!これからは自分のことには気をつけることね!」
「何よそれ!?どういう意味なのよ!何をするつもり!?」
中井華子が金切り声を上げて田之上陽子の言葉の真意を糺す。
「そのままのことよ!」
普段は感情を抑えている田之上陽子も、この時ばかりは内から溢れる感情を抑えきれずに、感情を爆発させ勢いよくドアを閉めて飛び出して行ってしまった。
「田之上君!」
俺は、その場に他の4人を残して田之上陽子のあとを追って部屋を出た。
「大野先生、大丈夫ですか?」
出勤してきた他の先生方も、大野のただならぬ雰囲気に心配そうに声をかけるものの、どこか腫れ物に触るよう距離を置いているのがわかる。
関われば、いつ火の粉が降りかかるか、それは避けたいというのが他の先生方の本音であるのだろう。
「大野先生、無理しないでくださいね」
俺も、大野にどう声をかければいいのかわからず、それだけ言うのが精一杯だった。
「ありがとうございます。ご心配をおかけしてすいません」
そう答えた大野の声には、全く覇気が感じられず、どうにか声を絞り出しているという印象であった。
職員会議中も大野の顔色は優れず、会議中も上も心ここに在らずといった具合であった。
「さぁ、佐藤先生、行きましょうか」
職員会議が終わり、大野は俺をホームルームに向かうために促した。
しかし、そう言って立ち上がった大野は、そのままその場に崩れ落ちた。
「大野先生!」
俺は大野に駆け寄り、何度もそうやって大野に呼びかけた。
そして、そのまま大野は病院に搬送されていった。
「大変なことになりましたね。大野先生の心中は察するに余りあります。この数日の心労が祟ったのでしょうね。佐藤先生、私も出来る限りのサポートをしますので、どうかクラスのことをよろしくお願いしますね」
俺は、まだ騒つく職員室を出て、ホームルームへと向かった。
教室に入ると、この日は槇隆文は出席していたものの、佐野杏奈は欠席していた。強気な彼女でも、2回も危険な目に遭えば、さすがに精神的にも辛いだろう。
どうするか。最初のことは、まだ事故の可能性が高いことは言わない方がいいだろうか。その方が犯人を泳がせるためにも効果的だろうか。それとも、公表した方が何らかの新しい動きが出てくるだろうか。
ホームルームが滞りなく終わり、職員室へ戻ろうとする俺のところへ、加納慎一と安城誠が連れ立ってやって来た。
わざわざ人気の無いところを選んで声をかけてきたようだ。
「佐藤先生、お話しがあります」
加納慎一は神妙な面持ちで切り出した。
「放課後、お話しがあるのですが、ご都合いかがでしょうか?」
こちらから話しを聞きに行こうと思っていたが、逆に申し出てくるとは都合がいい。
「わかった。俺の方は問題無い。同席させてもらうよ」
「それでは、放課後、視聴覚室までよろしくお願いします」
手短に用件だけ確認すると、2人は小走りに教室へと戻って行った。
果たして、どんな話し合いが持たれるのだろうか?
その日、授業は滞りなく行われた。
さすがにエセ教師には1人の授業は厳しいので、他の先生方の協力をいただいたが、俺の関心は授業の進行よりも、もっぱら放課後の加納慎一たちとの話し合いにしか興味が無かった。
そして、その日の授業が全て終わり、放課後になった。
ホームルームも早々に切り上げ、俺は一旦職員室に戻ってから足早に視聴覚室へと向かった。
果たして、彼らとの面談で何か新しい展開はあるのだろうか?
生憎今日は、佐野杏奈が休んではいるものの、グループの面々が一同に介して集まり、話しを聞くというのは初めてのことだ。
このチャンスを逃してはいけない。はやる気持ちを抑えて、俺は視聴覚室へと向かう階段を急いだ。
視聴覚室の重い扉を開くと、そこにはすでに5人が揃っていた。
扉が開いて俺が部屋に入ると、5人の視線が一斉に俺の方に集中する。
その視線は、いろいろな感情が交差するようだった。
値踏みするような視線、何かに怯えているような視線、期待と諦めの交錯した視線。
様々な視線を感じながら、俺は5人の座っている席へと歩を進めた。
「先生、ありがとうございます、お忙しい中、僕たちのためにお越しいただきまして」
安城誠が丁寧に挨拶をする。
「いや、俺も君たちに話しを聞かなければいけないと思っていたところだ。逆に皆んなから話しをしたいと言ってもらえて良かったよ」
「昨日のことは、だいたい槇君から聞きました。それで今日は、槇君が皆んなに話したいことがある、ということでこの場を設けさせてもらいました」
槇隆文からの申し出か。きっと、中井華子のことを問い詰めるつもりだろう。その前に、全員に聞かなければならないことがある。あの、例の黒い手紙だ。佐野杏奈と槇隆文以外にも受け取っている者がいないか、確認しなければ。
「ワイは昨日・・・」
槇隆文が口を開こうとした時、加納慎一が口を挟んで割り込んだ。
「その前に、皆んなに聞きたいことがある」
そう言うと、加納慎一が鞄から佐野杏奈と槇隆文が持っていたのと同じ、黒い封筒を取り出して机の上に放り投げた。
その場にいた全員が息を呑んだ。
「どうやら皆んな、俺と同じくこの手紙をもらったみたいだな」
すると、その場にいた全員が、各々が受け取った黒い封筒を取り出して机の上に並べた。
そして、中に入っていた便箋を取り出すと、そこにはそれぞれ、許さない。天罰だ。自首しろ。知ってるぞ。脅し文句が記されていた。
「怖い。何でこんなものが?誰がこんなモノを?」
中井華子は怯えている。だが、俺にはそれが大袈裟に怯えているように映った。
田之上陽子は、沈黙している。
槇隆文の顔は、怒りを抑えて強張っているようだ。
加納慎一は、このことでこの場の主導権を握ったつもりでいるようだ。
安城誠は、冷静に全員の様子を窺っている。
「いずれにしても、こんな卑怯なまねをする奴をワイは許さねぇ。ところで、華ちゃんに聞きたいことがある」
槇隆文が動いた。中井華子は、なぜ自分が名指しされたのか戸惑っているようだった。
「昨日の夜、どこで何してたん?」
槇隆文が直球の質問を投げかけた。たちまち中井華子の顔から血の気が失せ、明らかに狼狽しているのが手に取るように見えた。
「ワイ、見たんだよ。華ちゃんのこと」
槇隆文は、狙った獲物にジリジリと迫る狼のように、中井華子をジッと見据えている。
「知らないわ、その時間、私が駅にいるはずないわ」
中井華子は瞬時に即答したが、槇隆文はその言葉を待ってましたとばかりに声をあげて笑った。
「引っかかったな!どうしてワイらが駅で突き落とされたって知っているんだ?もう言い逃れできないぞ!」
「そんなこと、もう皆んな知ってるわよ!言いがかりはやめて!」
中井華子は、今にも泣き叫びそうに耳まで真っ赤にして、その目を潤ませている。
「そうだ、俺たちはもう、槇たちが駅で突き落とされたことは知っているんだ」
「そ・・・それにしたって、それなら自分でアリバイが無いって言ったということになるじゃないか」
「僕達には皆んな、アリバイが無い。それが正しい事実だ」
「もう、皆んなやめて!」
それまで沈黙してきた田之上陽子が、珍しく大きな声をあげて仲裁に入る。
「もう皆んなやめようよ。自分達の中に犯人がいるなんて、そんなことあるはず無いよ」
「でも、この中で唯一これまで全くアリバイの無い人がいる」
安城誠が発した言葉に、その場にいた全員の視線が一点に集まる。
「えっ?自分?そんな、自分のこと?ひどいわ」
田之上陽子の声が上擦り、無言の圧力に押されるかのように、彼女は一歩後ずさる。
「これは動かし難い事実だ。因みに君は、昨日どこにいた?」
すっかりその場の主導権を握った安城誠が、追い討ちをかけるように田之上陽子に問う。
「・・・無い」
周囲の無言の圧力が田之上陽子を襲う。それに堪えきれなくなったのか、田之上陽子の瞳からは、大粒の涙が溢れては零れ落ちる。
「酷い・・・いつも自分ばかり。もういい・・・自分は自分で何とかする!自分だってやる時はやるんだから!これからは自分のことには気をつけることね!」
「何よそれ!?どういう意味なのよ!何をするつもり!?」
中井華子が金切り声を上げて田之上陽子の言葉の真意を糺す。
「そのままのことよ!」
普段は感情を抑えている田之上陽子も、この時ばかりは内から溢れる感情を抑えきれずに、感情を爆発させ勢いよくドアを閉めて飛び出して行ってしまった。
「田之上君!」
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