僕と精霊〜The last magic〜

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最後の魔法編

第216話 少年の罪、英雄への罰

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合同式会場

 此処は魔法軍の国と科学軍の国で作られた式典会場。今日は特別な日。人間達と悪魔の戦いに勝利し、その勝利に貢献した者達への表彰を行なっていた。


会場 男子更衣室
「おいジャン、どうしたんだよ。気分でも悪いのか?」
「い、いや...ちょっと、大丈..うぷっ..ごめんキツい」
「マジでどうしたんだ?」
真っ青な顔で項垂れているジャンを見てザルとザーナは心配している。

「病み上がりの状態にスカルドの飛行はちょっとキツかったか...ごめんねジャン、でもこれが一番手っ取り早かったから、ねぇルナちゃん」
「にぃにぃ!げぇー!きゃきゃっ!」
「ルナ..お兄ちゃん吐きそうだから、そういう事言っちゃ..めっだよ」
「めっ!」

「てか、僕ら以外の受賞者って誰?」
「男は俺にザル、ジャンとザーナ」
「おい呼び捨てするなガキ」
「うるさい」

「あと、今日は来てないがレートとクラム。女は俺にウリエラ、スフール、母さんにサラ姉さん...わざわざ私達2カウントしなくても良いよ」
「アレ?メイデン達は?」
「精霊達は受賞の代わりに精霊界に自由に行ける権利だと」
「へぇ」

「皆さんそろそろ時間ですよ。あっ!ルナさんは私が預かりますから」
ツイスターが呼び出しとルナを預かりに来た。

「さぁルナさん、一緒にお兄ちゃん達のカッコいい所を一緒に見ましょうね」
「にぃにぃばいばい!」
ルナはツイスターに抱かれながら部屋を後にする。

「さ、行くか。おらジャン、吐くんだったらさっさと吐いて来いよー」
「うい」


 式はもう始まっていた。僕らが舞台裏で待機している時にはスフール達の表彰が終わっていた。他にもビャクヤ商会とか科学軍の兵器開発の人も表彰されてる。

「ひゃー人がいっぱい居るぜ。緊張するな」
「確かに...凄いな満員だよ」
「此処って5万人以上は入れるんだよな」
「うわっマジ!?」
ジャンとザルとアドロンは3人でヒソヒソと小声でニヤける。

「おっと俺だな。ガキども俺に続け」
ザーナは堂々とステージを歩く。

「よっ!親の七光り!」
「「ザーナ!ザーナ」」
もはや誰が来ても歓声が会場を包み込む。

「そういやアイツ、学園長の孫だったな」
「へぇ」
「ふーん」

 次はアドロンが表彰された。次はザル、そして最後は僕だ。でもよくよく考えたら賞を貰う僕自身がどんな賞を貰うのか分からないなんて、なんか変だな。

「「「「「ジャーン・バン!ジャーン・バン!」」」」」
凄い歓声だなぁ全身に声が響いてくるよ。

「ジャン・バーン。貴方は先の戦争にて、人類の勝利に多大なる貢献をしたとし、この賞を授けます」
多分偉い人なのかな?僕はスーツの胸ポケットに金色のバッジを付けてもらった。
「ありがとう、君こそ英雄だよ」
再び歓声が上がった。英雄..でもなんだか寂しい。

 最後にジャンは礼をしてステージを後にしようと時、石やゴミが飛んできた。

「ソイツに英雄なんかじゃないぞ!」
「ヤツこそ悪魔!今すぐ天罰を!」
「引っ込め!」
歓喜の雰囲気を破壊する声が飛んできた。






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