僕と精霊〜The last magic〜

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最後の魔法編

第192話 四聖纏い

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 クラムが投げた首飾りの宝珠から5つの影が飛び出した。1つはゼルべの大口の中へと消え、残りの影はクラムの下に集まる。

「ビャッコ、みんな!久しぶりだな」
「ふっ..状況は理解している。ゆくぞクラム!」
1つの影は白い毛並みの虎に変わり、雄叫びを上げる。

「さぁ行きますよ」
1つの影は炎の羽を持つ鳥に
「ああ!」
1つの影は流れる波の鱗を持つ龍に
「どれ、久しぶりに気張るとするか」
「ヒャヒャヒャ!俺らが揃えば無敵よ」
「黙れ蛇...」
1つは蛇の尾を持つ亀に

「スザク、セイリュウ、ゲンプ、みんな居ないけど俺に力を貸してくれ!」
クラムの体はオオカミから虎に変貌し始める。

「今更そんな仲間を呼んだって無駄なのよ❗️全部食べてあげる❗️」
ゼルべは巨大な手でクラムを掴もうとしたが甲羅の形をしたバリアに弾かれる。

「ルシャアアア‼️」
セイリュウの雄叫びが波を運び、大量の海の生き物達が集まり始める。

「う、海だと❗️海鮮だぁぁ‼️」
迫り来る魚の魔獣の群れをゼルべ一口で飲み込んでしまう。

「ご馳走さ          」
ゼルべの声が突然消えた。同時に周囲から空気の流れすら聞こえなくなった。

四聖纏しせいまとい!白虎爪連斬びゃっこそうれんざん‼️」
無音の世界を断ち切るようにビャッコを身に纏ったクラムはゼルべを貫く。

「どうなってる!?何故音が消えた❗️」
「なるほど、近場で見ると分かりやすいですね。再生による不死身の肉体。でばこれを」
スザクは上空から炎の翼を飛ばしてゼルべの傷口に突き刺す。

「ギャアア‼️さ、再生でぎない...❗️」
「ふっ当然ですよ。同じ再生の力、ならば私は貴方の再生を逆流させていただきました」
翼が刺さった傷口は再生をするどころか逆に朽ち始めた。

「体が崩れ     」
再び周囲から音が聞こえた。
「ホワイトハント‼️」
クラムの一撃がゼルべのコアを破壊する。

「あ..この...クソエサがぁ.....」
ゼルべの肉体は徐々に消滅をし、魂だけが何処かへ飛んでいってしまった。
「なんだこれ?」
「ヤツの魂のようですね。追いますか?」

「いや、別に良いや。死んであの世に行くんだろ?」
「まぁそうだな」
「それにしてもみんな久しぶりだなぁ!」
クラムはビャッコの首元をわしゃわしゃと撫でる。

「ふっあの中は実に退屈であった」
「ま、でもアイツもついでに消えてくれたし万々歳って訳よ!なっ!亀!」
「ああ、今回は流石に疲れたの。2度とあんな事はごめんじゃ」
 クラムは仲間達との合流を喜んだ。自分の甘さが更なる厄災を呼ぶとも知らずに



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