僕と精霊〜The last magic〜

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最後の魔法編

第190話 どこで間違えたのか

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 ジャンとパンプは無事に目を覚ました。
「パンピー❗️」
「アスモン?なんか大きくなったな」
「うぅ!パンピー生きてるのだ!」
パンプはアスモンに強く抱きしめられながら周りを見渡す。

「なぁアスモン、ケンザキは?」
「ケンザキという者ならユウスケが倒したぞ」
「え!?ジャン!聞いたか!ユウスケが!ジャン?」
ジャンは自分の両手を見つめながら微かに感じる胸騒ぎを探っていた。

「どうしたんだジャン?」
「なぁイグニートのヤツ、どこに行ったか分かるか」
「イグニートなら消えたぞ」
「え?」
アスモンは2人が倒れていた時の事を全て話した。

「それじゃあイグニートは...」
ジャンは膝から崩れ落ちる。
「最後にイグニートが言ってたのだ。死ぬわけじゃない、主人の中で生きるって」

「そうか、イグニート..ありがとう」
ジャンは胸に手を当てて、自分の魔力の中でイグニートの魂が燃えたぎるのを感じた。

「なぁユウスケは?ケンザキを倒したんだろ?」
「父さんが!?」
「ほらあそこ、あそこに倒れてる紫色の男がケンザキだろ?」
アスモンが指差す方にユウスケ達がいた。

「父さん!」
「おおジャン!無事だったか」
「ケンザキめ!今トドメを」
「待て」
ユウスケはパンプの前に手で壁を作る。

「ユウスケ!どうしてだよ」
「悪い、ちょっと2人だけにしてくれ。最後に話したいんだ」
「でも!」
「パンプ、父さん。僕ら別のところに加勢しに行くよ」
「おう、気をつけろよ」
「うん」
3人はまた新たな戦地へと走り去った。


「ユウスケ..さん、僕は死ぬのかな?」
「ああ、元々無茶だったんだよ。人間が魔獣と同じ力を持つなんて」
「ははは、とんだ三日天下だよ。前も今回も...負けた。結局、僕も凡人か...」
ケンザキはボロボロに崩れ落ちる自身の体を見ながら笑う。

「何言ってんだ。こんなクソみたいな戦争、元を辿ればお前のせいじゃねぇか。そんで首謀者は戦争と関係無く死んでる。お前の1人勝ちだ、このクソ天才」
「クソ天才か..ユウスケさんに褒められるのもなんか久しぶりだな...嬉しい.な」

「僕は..どこで間違えたのかな..今まで計算も..実験も全部成功してたのに..間違えた事なんて無かったのに..」
「昔からよく言うだろ。人知を超えるなって、お前は人間である事を捨てちまった時点でもう手遅れだったんだよ」
ユウスケは落ちていた拳銃を拾って弾を込める。

「同じ道を歩いてたはずなのに..さぁ殺してくれ、地獄に戻るとするか」
「あの世を否定してたお前も..少し成長したな」
ユウスケは引き金を引き、ケンザキの頭を撃ち抜いた。

「あぁ...最後くらいは...愛されたかった」
ケンザキは灰となり、風と共に消えた。

「あばよ、旧友」
ユウスケは拳銃を壊して投げ捨てた。


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