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絶海の孤島編
第117話 きけんなおさんぽ
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アミィの言葉を聞いたミセリアは家を悲しそうにうずくまる。
「どうしたのミセリア?」
「ううん...なんでもない...」
「痛っ!」
器用なアミィは誤って裁縫針で指を刺してしまった
「いたたたた」
「大丈夫母さん!?」
「大丈夫、大丈夫このぐらい怪我でもないわ」
アミィは指と指を擦り合わせて傷口を消し取る
「わ、私のせいだ..ごめんなさい、ごめんなさい!」
ミセリアはアミィの背中に抱きついて謝り続ける
「良いのよ、大丈夫大丈夫」
「で、でも私のせいで」
「ミセリアちゃんのせいじゃないわ。今のはミス、私がドジなだけよ、だからそんなに落ち込まないの」
「で、でも...」
「ミセリアちゃんが不幸を呼び寄せるなんて、誰が言ったの?」
「私がそう思ったから...お父さんとお母さんだって...」
「そんな事自分で認めちゃダメよ。自分が不幸な人だって認めちゃったら本当に不幸になっちゃうわよ」
「でも本当に!」
「そうだ!ちょっとお散歩にでも行きましょうか!」
アミィは縫い終わった服をミセリアに着せて、2人の手を引いて外へ出る
3人は歩いて歩いてとにかく歩いた
「ねぇ母さん、何処に行くの?」
「お散歩はお散歩、天気も良いしさぁさぁ歩きましょー!」
「ダメだよ、私と一緒にいっぱい外を歩いちゃ」
「どうして?」
「だ、だって不幸が...あっ!危ない」
突然アミィの頭上から花瓶が落ちてきた
「え?あら!」
「母さん!」
「ホッと!」
アミィはいつも通り余裕の表情で手を挙げるとふんわりと花瓶がスピードを落として地面に着地する
「2人とも怪我は無い?」
「僕は大丈夫!ミセリアは?」
「私も」
「そう良かった、さぁさぁ気を取り直してお散歩よ」
2人は心配そうな顔をするがアミィはニコニコと歩き続ける
「ごめんなさい」
「気にしなーい、気にしない。こんなの不幸でもなんでもないわ」
「でもなんで花瓶が落ちてきたのかな?」
「さぁ?そんなに深く考えても良いわ、雨だって空から降ってくるんだからお花が降ってきてもおかしくないわ」
「そうかなぁ~?」
「う~ん?」
アミィは頭にハテナを浮かべる2人を見て笑う
「まぁ冗談はさておき、えい!」
「うわっ!」
花瓶が落ちてきた家のベランダからジャン達と同じぐらいの少年が落ちてきた
「ヨッと!さぁ君、どうして私達に向けて花瓶を落としたのかなぁ?」
アミィは少年が怪我をしないように優しくキャッチする
「ひっ!ひぃ!ご、ごこごごめんなさい❗️」
少年は驚き、軽く涙を流し始める
「あー!」
「どうしたのミセリア?」
「ミ、ミセリアちゃん」
「この子同じクラスのタルス君!もしかしてタルス君が花瓶を」
「ご、ごめん...」
少年タルスはアミィの腕の中で謝罪の意を示す
「コラ!どうしてそんな危ない事したの?」
アミィはタルスの事を降ろして頭をコツンと軽くゲンコツする
「ぼ、ぼく...ミセリアちゃんの事が好きだったから...その、危なくなった所を助けたら好きになってもらえると思って...誰かに当てる気はなかったんだ!手が滑っちゃって」
「え?」
「好き?なんで好きなのに酷いことするの?」
ジャンは首を傾けながらミセリアを見つける
「さぁ?」
「好きなら好きって直接言わなきゃダメでしょ!そんなに回りくどい事して挙句は好きな子を傷つけるなんて、最低な人になっちゃうわよ!」
「ご、ごめんなさい...」
あの時は久しぶりに母さんが人を叱る姿を見た気がする。僕も叱られてる時ってこんな風なのかな?
「もうこんな事しちゃダメよ!」
「はい...反省し」
「ギャウ❗️」
「「「..!?」」」
タルスがお辞儀をすると同時に空間が歪み始め、飛び出してきた魔獣が彼の頭を食いちぎる
「セバス❗️」
「はっ!」
アミィの声にセバスが駆けつけ、何も言わずにジャンとミセリアを担いで帰宅する
「お二人ともご無事ですか!」
「セ、セバス!」
「いや、いやァァァ❗️」
夕暮れ時、少女の悲鳴が町に響いた
「どうしたのミセリア?」
「ううん...なんでもない...」
「痛っ!」
器用なアミィは誤って裁縫針で指を刺してしまった
「いたたたた」
「大丈夫母さん!?」
「大丈夫、大丈夫このぐらい怪我でもないわ」
アミィは指と指を擦り合わせて傷口を消し取る
「わ、私のせいだ..ごめんなさい、ごめんなさい!」
ミセリアはアミィの背中に抱きついて謝り続ける
「良いのよ、大丈夫大丈夫」
「で、でも私のせいで」
「ミセリアちゃんのせいじゃないわ。今のはミス、私がドジなだけよ、だからそんなに落ち込まないの」
「で、でも...」
「ミセリアちゃんが不幸を呼び寄せるなんて、誰が言ったの?」
「私がそう思ったから...お父さんとお母さんだって...」
「そんな事自分で認めちゃダメよ。自分が不幸な人だって認めちゃったら本当に不幸になっちゃうわよ」
「でも本当に!」
「そうだ!ちょっとお散歩にでも行きましょうか!」
アミィは縫い終わった服をミセリアに着せて、2人の手を引いて外へ出る
3人は歩いて歩いてとにかく歩いた
「ねぇ母さん、何処に行くの?」
「お散歩はお散歩、天気も良いしさぁさぁ歩きましょー!」
「ダメだよ、私と一緒にいっぱい外を歩いちゃ」
「どうして?」
「だ、だって不幸が...あっ!危ない」
突然アミィの頭上から花瓶が落ちてきた
「え?あら!」
「母さん!」
「ホッと!」
アミィはいつも通り余裕の表情で手を挙げるとふんわりと花瓶がスピードを落として地面に着地する
「2人とも怪我は無い?」
「僕は大丈夫!ミセリアは?」
「私も」
「そう良かった、さぁさぁ気を取り直してお散歩よ」
2人は心配そうな顔をするがアミィはニコニコと歩き続ける
「ごめんなさい」
「気にしなーい、気にしない。こんなの不幸でもなんでもないわ」
「でもなんで花瓶が落ちてきたのかな?」
「さぁ?そんなに深く考えても良いわ、雨だって空から降ってくるんだからお花が降ってきてもおかしくないわ」
「そうかなぁ~?」
「う~ん?」
アミィは頭にハテナを浮かべる2人を見て笑う
「まぁ冗談はさておき、えい!」
「うわっ!」
花瓶が落ちてきた家のベランダからジャン達と同じぐらいの少年が落ちてきた
「ヨッと!さぁ君、どうして私達に向けて花瓶を落としたのかなぁ?」
アミィは少年が怪我をしないように優しくキャッチする
「ひっ!ひぃ!ご、ごこごごめんなさい❗️」
少年は驚き、軽く涙を流し始める
「あー!」
「どうしたのミセリア?」
「ミ、ミセリアちゃん」
「この子同じクラスのタルス君!もしかしてタルス君が花瓶を」
「ご、ごめん...」
少年タルスはアミィの腕の中で謝罪の意を示す
「コラ!どうしてそんな危ない事したの?」
アミィはタルスの事を降ろして頭をコツンと軽くゲンコツする
「ぼ、ぼく...ミセリアちゃんの事が好きだったから...その、危なくなった所を助けたら好きになってもらえると思って...誰かに当てる気はなかったんだ!手が滑っちゃって」
「え?」
「好き?なんで好きなのに酷いことするの?」
ジャンは首を傾けながらミセリアを見つける
「さぁ?」
「好きなら好きって直接言わなきゃダメでしょ!そんなに回りくどい事して挙句は好きな子を傷つけるなんて、最低な人になっちゃうわよ!」
「ご、ごめんなさい...」
あの時は久しぶりに母さんが人を叱る姿を見た気がする。僕も叱られてる時ってこんな風なのかな?
「もうこんな事しちゃダメよ!」
「はい...反省し」
「ギャウ❗️」
「「「..!?」」」
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「はっ!」
アミィの声にセバスが駆けつけ、何も言わずにジャンとミセリアを担いで帰宅する
「お二人ともご無事ですか!」
「セ、セバス!」
「いや、いやァァァ❗️」
夕暮れ時、少女の悲鳴が町に響いた
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