僕と精霊〜The last magic〜

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絶海の孤島編

第114話 忘れたい事、忘れられない事

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 7年前、僕達が5年生の頃の話。僕には友達という友達は居なかった。

 正確に言えば居たけど居なくなった。全ての始まりは1年生になって2ヶ月の頃になる

 
 更に4年前

 授業でみんなのお父さん、お母さんを紹介する作文が宿題に出た。

「それじゃあ、みんなのお父さんとお母さんの良い所をいっぱい書いて来てくださいね」
「「「「はーい!」」」」

「それじゃあ、明日も元気に授業を受けましょう。さようなら」
「「「「さようなら!」」」」
下校の時間、いつも通りみんなと一緒に教室を出ようとしたら僕だけ教室に取り残された

「ランプ先生、なに?」
「ジャン君にはね、お父さんの事について書いてもらいたいの」
「..父さんを?でも僕の父さんは...」
当時、父さんはある事件に巻き込まれて行方不明だったからあまり思い出したくなかった

「事情はわかるわ。でもねジャン君のお父さんの事、みんなが知ったらきっと今よりも仲良く出来るわよ」
「本当!?」

「ええ、本当よ。だってジャン君のお父さんはとっても凄い人なんでしょ?」
「うん!そうだよ!父さんはね!」
「そう、今言いたい事を作文にするのよ」
「はーい!」
僕はその日、下校してすぐに父さんについての作文を書いてみた。

 きっとみんな、僕の父さんの事を知ったら今よりも仲良くしてくれる。あの時の僕はそう考えてた。でも違った。全部間違ってた。

 翌日、僕は先生に言われた通りにみんなの前で作文を発表した。
「僕の父さんは凄い人です。なんで凄いかというといっぱい物を作る事ができるからです!今は居ないけど、僕が小さい頃にいっぱい物の作り方を教えてもらいました!いつか、また父さんに会えたらもっと凄い物の作り方を教えてもらいたいです!これで僕の発表を終わります」

 深々とお辞儀をして僕の発表は終わった。しかし、この日から僕はみんなから無視されるようになった。

「ねぇみんな、どうして無視するの?ねぇってば!」
「うるさいなぁ」
「うわぁジャンが来たぞ~」

「ジャン君のパパって、絶対浮気で居なくなったんだわ」
「悪い事したんじゃないの~?」
「噂で聞いたんだけど、科学軍の人間なんだって」

「お母さんが言ってたの。バーン君のお家は科学軍の人が居るから近づいちゃダメだって」
次の日からクラスのみんなが僕を馬鹿にし始めた。勝手に教科書を盗まれたり、返ってきたかと思えばビリビリのグチョグチョにされてたり、ずっとずっと続いた

 死ね死ねなんて事も言われた。

「やっちゃえカッちゃん!」
「くらえぇ‼️」
「うぅ...痛いよ」
覚えたての魔法の練習にも使われた。

「お前はいつもやり返してこないから便利で良いね」
「だ、だって、母さんが人に向けて魔法を使っちゃダメって...」
「へへへっ!マザコンかよ」
「気持ち悪ーい!」

「カッコいいわカスティブル君」
「1年生で魔法を発射出来るなんて天才だわ」
「なんでいそんぐらい」
「6年生が威張るんじゃないよ」

「それに対してアイツはいつも通りやられっぱなし、意気地無しだな」
「可哀想~」
「名前はジャン・バーンだっけ?」

「げっ!バーン?」
「なんだよ知らないのかよ、一時期科学軍の人間をかくまってたって噂になってんだぜ」
「あ~お婆ちゃん言ってたな」
「マジかよ、俺の父ちゃん科学軍の人間に殺されたんだ。俺後でアイツの事ボコボコにしよ」
「良いねぇ、僕も混ぜてよ」

 気付けばみんなが僕の敵になっていた。先生もいつも見て見ぬふりをする。だからぼくは職員室に直接言って話そうとした

「あ、あのしつれ...」

「えー!ランプ先生、ジャン君がこうなる事をわかってあんな事したんですか!?」
「もちろんですよ!科学軍の人間の血が混じった子なんて、敵も同然。私も仕事で溜まってるんですから、こうして発散しないと」
「大人気ないですね~まぁ私はあの子が壊れないようにケアしときますよ」

「ありがとうございます」
「「アハハハハ!」」

 僕は放課後、下駄箱で1人泣いた









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