僕と精霊〜The last magic〜

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絶海の孤島編

第112話 着火

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 ローズは無事に洞穴に戻ってきた

「白夜!綺麗な泉が、、、アァァァァァ❗️」
洞穴に戻って最初に見た光景が添い寝をしているジャンと白夜の姿であった。当然ローズは悲鳴を上げる

「んん...あら?ローズ、おかえりなさい」
白夜はあくびをして体を伸ばす
「おかえりなさいじゃないわよ!まったく!私達が外に出てる間に何やってるのよ!」

「ただ寝てただけよ、睡眠は心のリラックスに大事でしょ?」
白夜は寝ているジャンの頭を撫でながら説明をする
「ただ寝てただけって...どう見たって不純よ不純!こんな時に」

「そんな事してないわ、私達だって今の状況ぐらい分かってるわ」
「本当?その手はなんなのかしら?」
ローズはジャンの頭の上に乗ってる白夜の手を掴む

「もう、分かってるくせにイジワル」
「ふふ、そうそう綺麗な泉を見つけたの。コレで体を洗えるわね」
2人は胸の精霊石を輝かせながら笑う

「洗濯もしたいけど、そんな事言える状況じゃないか」
「あ、私と同じ事考えてた」
「「ふふふ」」

「おーい!朝飯取ってきたぞー❗️」
「アスモン達がこんな事朝飯前なのだ‼️」
パンプとアスモンは何匹かの狼の死骸を担いできた

「お、オオカミ!」
「この島に生き物が居たんですね」

「他にもいっぱい居るみたいだぞ!」
「アスモン達は優しいからこのぐらいにしておいてやったのだ!」
2人はお腹を鳴らしながら木と木を擦り合わせて火を起こそうとする

「アンタ何やってんのよ、火ならお得意の宝石で出せるでしょ?」
「それが出せないんだ、宝石は作れるんだけど中身を詰めらんないんだ」

「ちょっと!じゃあブーストジュエルは?」
「アスモンに試したけど使えなかった」

「うっそ!じゃあアンタほとんど力使えないの!」
「悪かったな」
ローズは一瞬残念そうな顔をしてニヤける

「ふっふっふー!今こそアスモンがパンピーを守る時、これを機に夫婦の愛をより確実なものに!」
「アンタは呑気ね」
「失礼な!アスモンは真剣に考えているのだ!」

「別に!宝石なんか出せなくてもローズより強いもんね!オレ」
「そうだそうだ!パンピーは強いのだ」
「たくっ、このバカ夫婦は」
ローズはうんざりしながらため息を吐くと木が燃えだす

「あら?」
「お、ローズつけてくれたのか」
「私じゃないわ」
「じゃあ誰が...あっ!」
火をつけたのジャンだった

「ジャン!元に戻ったのか!」
皆の目の前にはいつもの明るいジャンの笑顔が

「うん、なんかよく分かんないけど寝たらスッキリしたみたい...話はもう1人の方から聞いたよ、いろいろ迷惑かけちゃったみたいだね」
ジャンは深々と頭を下げる

「ごめん!」
「ジャンは謝る必要無いよ、元々オレが話を聞かないでジャンを疑ったんだ。だから謝るのはオレだ」
「アスモンも裏切り者と言ってしまった...」

「私も...あんな事を」
パンプ、アスモンに続き、白夜も頭を下げる
「え、え、え、あー!もう!みんなで頭ばっかり下げて!そんなメソメソしてたらもたないわよ」
ローズはそっぽを向きながら火を木を投げ込む

「そ、そうだよね、ごめん」
「また謝ってる」
「あ、ごめ...」
ジャンは言葉を詰まらせ、顎をかき始める

「ま、まぁ元に戻ったのならそれが1番です。みんなでご飯にしましょうか」
「そうね、オオカミ以外に何かあるの?」
ローズは串刺しにしたオオカミを火に当てながらパンプに聞く

「ああ!ほら変な木の実!途中で食ったけど美味しかったから持ってきたぞ!」
「しかも大きいのだ!」
パンプとアスモンはココナッツのような赤い果実を取り出す

「へぇ、よくこんな得体の知れない物を食べたわね」
「良い匂いがしたから」
「体に異変は?」

「無いぞ、でも表面がスッゲー硬いんだ。でも中身は凄く甘いんだ!ほらジャン!」
パンプはコンッコンッと果実を叩いてみせ、中の果肉をジャンに食べさせる

「うわっ!あっま!...」
果肉を食べたジャンのお腹から大きな音が鳴る




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