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絶海の孤島編
第110話 僕はいらない子
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ジャンは自分に何があったかを語り出した
「まずは俺が目覚めた時期だな」
「修学旅行の時だろ?確かオレらが暴走してからだよな」
「そう!俺の意識がハッキリし、この体を自由に動かせるようになったのはその頃だな」
「その言い方だと前から存在していたみたいですね」
白夜は顎に手を当てて考える
「まぁな、でもそれはまた別の話だ。今回話すのは俺が自由になった原因だ」
ジャンは指を立てて話を続ける
「もう気付いていると思うが暴走が俺の目覚めのトリガー、まぁこうもポンポンと暴走されると俺も成長しちまうわな」
「ポンポンってアンタ達があの時暴走したのって1回だけでしょ?」
ローズは頭にハテナを浮かべる
「冗談じゃない、ここ3年近くで毎年ペースで暴走されたら起きるに決まってるだろ」
「そういえばそうね」
「オレらってそんなに暴走してたのか」
パンプは自分の手を見ながら、なるほどという顔をしていた
「まぁ意識が飛んで記憶に残らないからな...俺は第三者として見てらからハッキリ覚えてたがな」
「でもアンタ、乱暴な性格だけどそんなに悪いことしてないじゃないの」
「アスモンの首絞めた!」
アスモンは頬を膨らませながらパンプの背中から顔を覗かせながら呟く
「あれは俺じゃねぇ」
「じゃあいつものジャンがあんな事を...」
パンプはしょんぼりと耳を下げて落ち込む
「悪いな俺じゃなくて...でもな、今はすげぇ深刻になってるんだ。パンプ、俺らの精霊石の色が無くなったのはな...うぐぅ!」
ジャンは少し胸を抑えると塞ぎ込むようにその場に座ってしまう
「おい!ジャン!どうしたんだよ!おい!」
「もういいよ...こんな事話したって僕の意思は変わらない....そうはさせるか❗️」
生気を失ったかと思うとすぐに立ち上がり怒鳴り出す。そんなジャンの姿を見て白夜はなんとなく状況を理解する
「だぁ!テメェはウダウダしやがってよ!うぐっ!」
「良いじゃないか、この体は元々僕のものだ。何をしようが僕の...ッ!!」
白夜はジャンの頬を力強く叩いて胸ぐらを掴む
「白夜!」
「まさか自分で死のうなんて考えてるんですか❗️」
「白夜さんには関係ないでしょ?...僕を殺そうとしたんだし」
「...っ!」
白夜は怒りを込めて上げた右手をぶつける事なく降ろした
「ほら、否定しないでしょ。それに学園長にだって殺されかけた...それに母さんにだって叩かれた....」
ジャンの声はどんどん震えを増していき、涙まで流し始めた
「もう僕は誰からも必要とされてないんだ...僕はいらない子...昔からそうだった」
「ジャン...違うぞ!オレはオレはジャンが居ないと嫌だ❗️ジャンはいらなくなんかない!」
「違う❗️僕は産まれなくて良かったんだ❗️みんなから疎まれて、気持ち悪がられて....どうせお前も僕を裏切るんだ❗️」
嗚咽混じりの悲痛な叫びは今までのジャンからは到底考えられないようなものばかりだった
だが、白夜は再びジャンの頬に鋭いビンタをくらわせる
「何するんだ❗️君は僕に死んで欲しいんだろ!?辞めろよそんな説教まがいな事!」
「そんなわけ..ないじゃないの..私はジャンさんに死んで欲しいなんて思ってなんかない..」
白夜は涙を流しながら、震える手で再びジャンの胸ぐらを掴む
「確かに私はあなたの事を裏切ってしまった...でもパンプさんはあなたのパートナーでしょ?どうしてそんな事が言えるの?...どうして....」
白夜のか弱い拳は何度もジャンの胸を叩いた
「僕は...僕は.....おい!急に変わるな!たくっ...悪い引っ込みやがった」
「そんな....どうして..」
「あの野郎は..テメェの女泣かせてどうすんだよ」
ジャンは泣き崩れる白夜を優しく抱きしめる
「なぁローズ、アスモン」
「なーに?」
「なんだ?」
「オレ、ジャンを裏切っちゃうのかな?」
パンプは何も出来なかった自分が嫌になる
「まずは俺が目覚めた時期だな」
「修学旅行の時だろ?確かオレらが暴走してからだよな」
「そう!俺の意識がハッキリし、この体を自由に動かせるようになったのはその頃だな」
「その言い方だと前から存在していたみたいですね」
白夜は顎に手を当てて考える
「まぁな、でもそれはまた別の話だ。今回話すのは俺が自由になった原因だ」
ジャンは指を立てて話を続ける
「もう気付いていると思うが暴走が俺の目覚めのトリガー、まぁこうもポンポンと暴走されると俺も成長しちまうわな」
「ポンポンってアンタ達があの時暴走したのって1回だけでしょ?」
ローズは頭にハテナを浮かべる
「冗談じゃない、ここ3年近くで毎年ペースで暴走されたら起きるに決まってるだろ」
「そういえばそうね」
「オレらってそんなに暴走してたのか」
パンプは自分の手を見ながら、なるほどという顔をしていた
「まぁ意識が飛んで記憶に残らないからな...俺は第三者として見てらからハッキリ覚えてたがな」
「でもアンタ、乱暴な性格だけどそんなに悪いことしてないじゃないの」
「アスモンの首絞めた!」
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「あれは俺じゃねぇ」
「じゃあいつものジャンがあんな事を...」
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「悪いな俺じゃなくて...でもな、今はすげぇ深刻になってるんだ。パンプ、俺らの精霊石の色が無くなったのはな...うぐぅ!」
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「おい!ジャン!どうしたんだよ!おい!」
「もういいよ...こんな事話したって僕の意思は変わらない....そうはさせるか❗️」
生気を失ったかと思うとすぐに立ち上がり怒鳴り出す。そんなジャンの姿を見て白夜はなんとなく状況を理解する
「だぁ!テメェはウダウダしやがってよ!うぐっ!」
「良いじゃないか、この体は元々僕のものだ。何をしようが僕の...ッ!!」
白夜はジャンの頬を力強く叩いて胸ぐらを掴む
「白夜!」
「まさか自分で死のうなんて考えてるんですか❗️」
「白夜さんには関係ないでしょ?...僕を殺そうとしたんだし」
「...っ!」
白夜は怒りを込めて上げた右手をぶつける事なく降ろした
「ほら、否定しないでしょ。それに学園長にだって殺されかけた...それに母さんにだって叩かれた....」
ジャンの声はどんどん震えを増していき、涙まで流し始めた
「もう僕は誰からも必要とされてないんだ...僕はいらない子...昔からそうだった」
「ジャン...違うぞ!オレはオレはジャンが居ないと嫌だ❗️ジャンはいらなくなんかない!」
「違う❗️僕は産まれなくて良かったんだ❗️みんなから疎まれて、気持ち悪がられて....どうせお前も僕を裏切るんだ❗️」
嗚咽混じりの悲痛な叫びは今までのジャンからは到底考えられないようなものばかりだった
だが、白夜は再びジャンの頬に鋭いビンタをくらわせる
「何するんだ❗️君は僕に死んで欲しいんだろ!?辞めろよそんな説教まがいな事!」
「そんなわけ..ないじゃないの..私はジャンさんに死んで欲しいなんて思ってなんかない..」
白夜は涙を流しながら、震える手で再びジャンの胸ぐらを掴む
「確かに私はあなたの事を裏切ってしまった...でもパンプさんはあなたのパートナーでしょ?どうしてそんな事が言えるの?...どうして....」
白夜のか弱い拳は何度もジャンの胸を叩いた
「僕は...僕は.....おい!急に変わるな!たくっ...悪い引っ込みやがった」
「そんな....どうして..」
「あの野郎は..テメェの女泣かせてどうすんだよ」
ジャンは泣き崩れる白夜を優しく抱きしめる
「なぁローズ、アスモン」
「なーに?」
「なんだ?」
「オレ、ジャンを裏切っちゃうのかな?」
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