僕と精霊〜The last magic〜

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兄弟の絆編

第103話 兄弟

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 2人は鬼の姿になり、過激さを増しながら戦いは続けていた

鬼刹風きせつふう‼️」
レートは歪に肥大化したツノに風を纏わせて突進する
氷牙鬼ひょうがき‼️」
ラートは左腕に牙のような鋭い氷を纏わせて迎え討つ

「今更その程度氷で僕を止められるわけないだろ❗️」
「ソイツはどうかな!」
ラートは右手に握っている金棒でレートを払い除ける

(グライド!いい加減目を覚ましやがれ!)
(私はもう引かない!マスターの罪は私の罪、共に背負って生きてゆく)

「すまねぇな、こんなくだらねぇ兄弟喧嘩なんかにお前らを巻き込んじまって...」
「ガチャガチャうるさいなぁ、武器が喋るんじゃないよ」
(ぐわァァ‼️)
レートは双剣を地面に叩きつけながら禍々しいオーラが混じった魔力を迸らせる

「テメェの都合でどこまで大事なもん傷付けるつもりだ、この野郎」
ラートは金棒を両手で握り、レートの心臓一点に狙いを定める

「今目覚ましてやるからな...ん?」
(どうしましたご主人?)
「死ぬ気でやるぜ、ボノム」
(はいな)
何かに気付いたラートは精霊石を通してボノムに指示を送る

「もうめんどくさい、一気に決めてやるよ‼️グライド‼️」
(はっ‼️)
双剣の刃に集まり出した黒い風が本物の刃のように輝き出す

「ブラックサイクロン‼️」
レートはコマのように激しく回転をし黒い竜巻の中に消える
冷気氷山れいきひょうざん‼️」
ラートは金棒に極限まで氷を纏わせる

「死ねぇ‼️」
「オラァ‼️」


 勝負は一瞬。だがラートは勝負を捨てた
ラートは金棒をレートにぶつける事無くまったく違う方向に投げ捨てていた。

「無様だね、そんな甘さを持ってるから僕に勝てないんだよ」
「ハァ...ハァ....これで..よし. ウバァ❗️」
体中を切り刻まれたラートは血を吐き、流し倒れる

 だがラートが倒れるのと同時に空から何かが落ちて来た
「な、何だ!?」
レートは落ちてきたものを確認すると下半身が無くなっているレヴィアンであった

「な、なんで私が....」
「随分..いい席で俺らを見てやがったな...」
ラートは近くの木に寄り掛かりレヴィアン向かって血の混じった唾を吐き捨てる

「おのれぇ❗️この人間がぁ‼️」
オーラすら絞り出す事すら出来ないレヴィアンは最後の力を使ってラートに飛びかかる
 
「ラート❗️」
「ぐっ...!」
レヴィアンはラートの上半身と下半身を真っ二つに切り裂き、下半身を自分の身体にくっ付ける

(マスター❗️)
「くくくっ!ぷははは❗️無様ね!あなたは自分の母親も兄も殺しちゃうなんて!まさに悪魔的!流石は殺鬼族の末裔」

「何だと...」
「あら?気に障った?でも良いわ、だってあと少しであなたに埋め込んだ邪気魂が完全にあなたの魂と一体化しちゃうんだもの」

「なんだよそれ...」
(マスター?なんだこの熱い波動は!?)
2人の黒く染まった精霊石は再び輝きを取り戻し、光を放つ

「邪気魂が!?」
レヴィアンの目に映ったのは光に侵食されつつある邪気魂であった

「邪気魂が逆に飲まれてる!?なんで!」
レヴィアンは困惑するが気にする事なく、レートとグライドに変化が起きていた

 レートは歪に肥大化していたツノは真っ直ぐになり、グライドは双剣の柄同士がくっ付き弓になる

「まさか!あの状態から自力で正気を取り戻したの!?しかも邪気魂の力を逆に取り込んで!」
「ブレードウィング❗️」
レートが弓を振るうと再びレヴィアンの身体が真っ二つになる

「ぐっ...!せっかく手に入れた身体が...一時撤退ね..!?え?」
いつものように退散しようとしたレヴィアンの胸には矢が刺さり、そのまま倒れる

「グリフォンショット」
レヴィアンにトドメを刺したレートはそのまま崩れ落ちる

 





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