僕と精霊〜The last magic〜

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兄弟の絆編

第102話 狂弟

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 レートは母親の腹を貫いた。ラート達は何も出来ずにただ見る事しかできなかった

「ラート❗️テメェ‼️」
「はぁ...はぁ...」

 レートの左手はどっぷりと血まみれになり、母親から引き離す
「レ、レート....」

「ははは...やってやったぞ、僕はもう引けない。これで前より強くなれる」
「何やってんだぁ‼️」
ラートは壁から体を出して血を流し倒れる母の元へ駆け寄る

「母ちゃん❗️」
「ラ..ート」
「うるさい」
寄り添う2人にレートは無慈悲にも黒い風を飛ばす

「ボノム‼️」
「はいな❗️」
廊下に氷を巡らせて風を塞ぐ

「ウリエラ❗️」
「は、はい!」
ウリエラも体を起こしてラートと共にミールに回復魔法を使う

「母ちゃん、今治してやるからな」
「アタシは良いよ...アンタは早くレートを止めな」
「くっ...!ウリエラ!任せた❗️」
「はい!」
ラートはウリエラを置いて氷を解いてレートに飛び蹴りをする

「ぐうぅ❗️雑魚のくせに!グライド!」
「ですがマスター!」
「僕の言う事が聞けないのか❗️」
「...」
何も言わずにグライドはレートに加担し、羽ばたきと共に暴風を放つ

 しかし、風はボノムに防がれる
「見損ないましたぜ兄弟」
「すまない、私はマスターに逆らえない」
「こういう時に止めるのがパートナーの役目ちゃうかい!」
「こんな弱い私を許してくれ」
ボノムもグライドも互いに戦いたくはないがそういう訳にはいかない。パートナーの為に譲れない戦いが始まる

「おいレート!こっちに来い❗️」
ラートは地面に床に氷を張り巡らせて家を飛び出す
「逃すか❗️」
レートも風で体を浮かせてラートを追いかける

「ご主人!」
「マスター!」
ボノム達も2人を追いかけて走り出す



町外れの森

 此処なら周りに被害を出さずに戦えるだろう。ラートはそう考え人気の無いこの場所を選んだ
「此処なら本気でやれるな、おら来いよ❗️」

「またボコしてやるよ❗️」
「やってみろよぉぉぉぉ‼️」
2人は一気に距離を詰めて拳をぶつけ合う

「なんで母ちゃんにあんな事をした?」
「僕がこうして弱いのは全てアイツのせいだからだ」
「何?」
ラートは眉間にシワを寄せて構えを取る

「アイツが僕を弟と決めつけたせいで僕は弱くなった」
「何言ってやがる」

「僕は弟だったから、いつもお前に遅れをとっていたんだ」
「ふざけるな❗️」
ラートが飛ばした氷柱は簡単に防がれる

「弟だからいつもお前と比べられ、下に見られた」
レートは風の弾丸を指から発射し、ラートの四肢を撃つ
「ぐっ❗️」

「弟だからお前より友達が少なかった」
「がぁっ❗️」
「弟だからみんなに馬鹿にされた」
「てぇっ❗️」
「弟だから彼女もできなかった」
「めぇっ❗️」
「弟だから弱くなった」
「このぉ‼️」
体中に風の弾丸を撃たれながらもラートは怯む事なくレートに近づく

「ご主人❗️」
「ボノム‼️」
ボノムが追いつくと同時に2人の精霊石が輝き出す

「マスター‼️」
「来い❗️」
グライドとレートの精霊石は黒く輝き出す

「オラァ‼️」
「フンッ‼️」
2人は鬼のような見た目に変身し、金棒になったボノムと歪な双剣に変化したグライドがぶつかり合う

「テメェが弱でのはな!弟だからじゃねぇ!」
「何!?」
金棒でレートの腹を突いて、体中に冷気を走らせる

「何でもかんでも弟のせいにしてっからに決まってんだろ❗️」
「黙れぇぇぇ‼️」
ラートは口から一瞬で草木を凍らせる程の冷気を吐き出す。レートはそれに対抗するように口から台風レベルの暴風を吐き出す


「ふふふ...そうそう、それで良いのよ...もっとふの感情を膨れ上がらせて、もっともっと大事な人を奪ってちょうだい」
レヴィアンは2人の戦いを空から見下ろし、頬を赤く褒めて体を火照らせる


 ラート達の戦いは更に勢いを増していく




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