僕と精霊〜The last magic〜

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兄弟の絆編

第96話 悪魔に唆されて

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 ラートとレート達は別々に行動を始めてしまった。

「ご主人、さっきのは少しやりすぎじゃありやせんか?」
「だよな...ちょっとムキになりすぎた。俺ってヤツは本当に会話が下手だ。はぁ...アイツになんて謝れば良いんだか」
ラートは石ころを蹴りながら考える

「俺も一緒に謝りますから、レート達の方へ行きやしょう」
「すまねぇな」
2人は振り返って道を戻る


「マスター、さっきのは少し言い過ぎでは?」
「....」
「マスターの気持ちも十分理解していますが、兄弟という繋がりを否定するのは私も反対ですよ」
グライドは拗ねながら歩くレートの後ろにつく

「グライドもラートの味方?」
「そうではございません。私は常にマスターのお側に」
「だったら黙って僕の言う通りにすれば良いじゃん。僕を否定しないでよ」
「マスター...それではまるで先ほどのラートの思考と」

「何?僕がラートと同じって言いたいの?」
「それはその....」
「失礼なヤツ」
「マスター...」
グライドは頑固なレートに少し参る

「あら、ご機嫌いかが人間さん」
「お前は」
「貴様は!」
とぼとぼとレート達は道を歩いていると見覚えのある悪魔と遭遇した。レヴィアンだ

「相変わらず負の感情に満ちてて魅力的ね」
「グライド!」
「は...!」
「だーめ」
レヴィアンはグライドの嘴を掴んで翼を抑える

「今回は別に戦いにきたわけじゃないの」
「お前に用なんてない、戦わないんだったら大人しく僕に殺されてよ」
「もぅ!相変わらず怖い怖い」

「良いからグライドを離せよ❗️」
レートは竜巻を四肢に纏ってレヴィアンに飛び掛かる
「話を聞け」
「ぐっ....!」
首を絞められたレートの体から風が消える
「マスッ!」

「ちょっと調子に乗り過ぎじゃない?」
「ぐっ!がっなせ!」
「君はあのガキンチョ集団の中で1番弱いよね?」
「!?ガァァァ!」
レートの口から噴き出された風がレヴィアンの腕を切り裂く

「図星みたいね、一気に力も負の感情も溢れ出てきたわ。そんな弱~い君にとっーてもラッキーなチャンス❤️」
「離せっ!」
レヴィアンはグライドを投げ捨てて、指を怪しく輝かせる

「マスター❗️」
「あぐっ....」
光に反応してレートの胸から禍々しく輝く魂が飛び出す

「あらあら、こんなに成長させちゃって。何がそんなにあなたを刺激しちゃうのかなぁ?」
「貴様!マスターに何を!」

「前にあなたのご主人にこの邪気魂じゃきだまを埋め込んだの」
「邪気魂?」
レヴィアンはレートから飛び出た邪気魂の光にうっとりしながら舐めずりをする

「これを埋め込まれた人間は負の感情を抱く事に魂を侵食されて、この子みたいに完全に魂と一体化をするの。そうすればもう元に戻れない、あなたのご主人様はどんどん極悪人に...そう、とっても魅力的に」

「ならばソレを返せ!」
グライドは邪気魂向かって翼を羽ばたかせる
「おっと、気を付けなさい。これはこの子の魂でもあるんだから、下手に刺激しちゃうと死んじゃうわよ」
「ぐっ...!」
グライドは動きを止めて、その場に座り込む

「ふふふ、良い子ね。そこでじっくり見てなさい」
レヴィアンは邪気魂に口づけをしてレートの胸に戻す
「さぁ起きなさい」
頭を撫でられたレートは目を覚ます

「僕に何をした?」
「さぁ?何をしたでしょうか」
レヴィアンは笑いながら姿を消してしまう

「なんなんだよ、くそ!」
「マスター❗️体に異変は!何が違和感はありませんか!?」
グライドはレートの体の隅々を調べる

「大袈裟だな、何も異変は無いよ」
「だと良いのですが」

「おーい!レート!さっきは悪かった!許してくれ!」
「俺からも謝りますぜ!」
ラート達がやって来た

「ちっ、うるせぇヤツらが来たぜ」
「え?」
グライドは耳を疑った






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