僕と精霊〜The last magic〜

一般人

文字の大きさ
上 下
286 / 747
番外編

番外編 パンプ、人間になる その2

しおりを挟む
 パンプが突然、人間になった。理由は分からない。とりあえずどうすれば良いかも分からない

「ほらパンプちゃん、ばんざい!」
「こうか?」
「はい」
アミィは子供用の服をパンプに着せて、オムツを履かせる

「昔ジャンが着てたのが残ってて良かったわ」
「なんでそんな物残してるんだよ」
「なんでって、思い出は大切よ。2、3着だけ残してるの、はいあとはヨダレかけ」
最後にニコちゃんマークのヨダレかけをつけてパンプのお着替えが完了した

「動きづらいぞ」
「我慢、今日は学校休んだ方が良いわね」
「えぇー!やだ行きたい!」

「わがまま言わないの、お昼はいっぱい卵焼きを作ってあげるから」
「ぷいっ!」
母さんはルナが使ってる赤ちゃん用のおもちゃを並べでだけどパンプは気に入らないみたい。見た目が赤ん坊でもやっぱりパンプはパンプ、赤ん坊扱いが気に入らないみたい

「いってきまーす」
仕方ないから今日は1人で行く事にする
「いってらっしゃい」
「ああー!待てジャン!オレを置いていくな!」
パンプが僕の足に思い切りしがみ付いてきた。赤子とは思えないほどの怪力だな

「分かったよ連れてくから!学園では大人しくするんだぞ」
「何言ってんだ!いつも大人しくしてるじゃないか!」
どの口が言ってるんだ

「本当に大丈夫なの?」
「アミィは心配性だなぁ!オレはこの通り問題ない!」
どの通りだよ

「パンプさん、何かあったらこの笛を吹いて下さい。すぐに駆けつけます」
セバスがパンプの為に紐付きの笛を渡した。多分セバスだけに聞こえる凄い笛だな

「それじゃあいってきます」
「いってきまーす!」
「いってらっしゃい」
「いってらっしゃいませ」

 パンプを抱っこしながらいつも通り通学する事にした。流石のパンプも今のままでは走る事が出来ないから、今日は競争無しだな

「へへへ!学園に着いたらみんなに自慢するんだ、人間になれたって」
「それが目的かよ、変な事したらすぐに家に連れて帰るからな」
「分かってるって」
本当に分かっているのだろうか?まぁ今のパンプの笑顔を見れば強く言えないな


龍神学園

 教室に入るや、いや校門付近でかなり目線を感じたが教室でさらに視線が集中した。

「ジャン、お前弟居たっけ?」
「聞いてないぞ!」
「お名前はなんて言うのかな?」

「見ろよジャン、やっぱりみんな凄い反応だな!」
「遊ぶなよ」

「なぁジャン、パンプはどうした?」
ザル君の質問にパンプは更にニタニタと笑い始めた。そろそろ話した方が良いよな

「親戚の子ですか?」
「てかなんで連れてきてんのよ」
2人を囲んで教室はどんどん騒がしくなっていく

「そろそろ言ってあげなよ」
「仕方ないなー!みーんなオレの正体に気付かないなんてまだまだだな!」

「その口調」
「まさか」
「おいおい」

「なんとオレはパンプなのだ!朝起きたら人間になっていた!」
ジャンにゆっくり降ろされながらパンプは両手を上げて着地する

 当然、みんな驚いた。驚かない訳が無い
「パンプだと!?」
「嘘だろ?」
「本当にパンプなの?」
精霊達はパンプの顔や体をペタペタ触りながら様子を伺う

「なはは、くすぐったいぞ」
「どうやら本当のようだな」
「しかし驚いた、まるで人間の赤子だ」
ガブリラはパンプを抱え上げる

「人間だぞ?」
「そうなのか?」
「なぁジャン!オレ人間だよな」
「多分」
確かに人間かと聞かれればよく分からない。もしかしたら宝石の力で人間みたいになっているだけもしれない

「そうだパンプ、宝石を出せるか」
ガブリラからパンプを受け取りながら僕は疑問をぶつけてみた
「よーし!今出すぞ!ふーん....!」
まてよ、パンプは宝石を出す時に踏ん張らないぞ。なんか嫌な予感が...

「あれ?」
「ぁぅ....」

「あ...」
「ありゃ」
「まぁ」
「ふっ」
「ウケケ」
「なっ!」
まぁ僕が覚えているみんなの反応はこのぐらいかな。そんな事よりパンプが漏らしました。助けてください


 さてさてパンプは元の姿に戻れるのか...


それはまたいつか




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。

名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

良いものは全部ヒトのもの

猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。 ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。 翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。 一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。 『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』 憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。 自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!

ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。 なのに突然のパーティークビ宣言!! 確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。 補助魔法師だ。 俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。 足手まといだから今日でパーティーはクビ?? そんな理由認められない!!! 俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな?? 分かってるのか? 俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!! ファンタジー初心者です。 温かい目で見てください(*'▽'*) 一万文字以下の短編の予定です!

遠くの光に踵を上げて

瑞原唯子
ファンタジー
敗北を知らない18歳の少年と、一族から蔑まれてきた10歳の少女の、出会いから始まる物語。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

処理中です...