僕と精霊〜The last magic〜

一般人

文字の大きさ
上 下
268 / 747
過去との決着編

第89話 堕天する駄天使

しおりを挟む
 ジャンはザル達の方に向けて黒炎を放った

「リベラ!俺は良いメイデンと逃げろ!」
「で、でも!」
「ザル様!」
「うわぁぁぁ‼️」

「エンジェルウィング」
「あ、あれ?」
間一髪、黒炎が届く前に白い翼がザル達を守った

「こうなったのも私の責任、ジャンさんは私が倒します」
肩翼を失ったウリエラは燃えているもう片方の翼を掴み、そして引きちぎる

「ウリエラ!何してんだ!」
「悪魔の掌で踊らされる、天使にとってこれほどまでの屈辱..許されざる事は無い。私はもう天使である事を捨てます」
ウリエラは翼を投げ捨て、光の力で背中から流れる血を止める

「誰かと思ったら天使?あなたは確か...ウリエラだったかしら」
「悪魔に名前を覚えられるなんて反吐が出ますね」

「だって、あなたぐらいしか天使の生き残りなんて居ないじゃないの」
「何を言ってるのか、私以外の天使は沢山いますよ」
ウリエラの言葉にレヴィアンは鼻で笑った

「そんな雑魚達みーんな倒したに決まってるじゃないの、悪魔を舐めないでくれるかしら?もちろんあなたもその雑魚の1人よ」
「好きに言いなさい、今の私はもう天使ではない。目的はジャンさんを止める事、あなたなど眼中にありません」
ウリエラは両手をかざして魔法陣を作り出す

「さぁジャンさん、来なさい!」
「ウリエラァァ❗️ぶっ殺してやるぜぇ❗️」
ジャンは足から黒炎を噴射して一気に距離を詰めてくる

「速っ、くぅ!」
ジャンは魔法陣を殴り壊し、すかさず攻撃を仕掛ける
「テメェに開けられた腹は死ぬ程痛かったぜぇ!」

「グラビルド❗️」
ウリエラの手から放たれる魔力の流れがジャンの動きを遅くする

「ちぃっ!重力か!」
「良いの~?天使の力を使わなきゃアンタなんかに私の下僕は倒せないわよ~」

「うるさい!私はもう天使の力に頼らない、人間と同じ力で戦うんです!」
動きが鈍くなり、隙だらけになったジャンの腹にウリエラは雷を纏った発勁をくらわせる

「グギギギィ❗️効かねぇ...よ‼️」
「!?」
ジャンは体が痺れようが動ずる事なくウリエラの腕を掴む

「俺はお前に腹を貫かれた、テメェはどうなりたい?」
「ひっ!」
ウリエラは力一杯にもがくがジャンの腕は外れる事ない。黒炎が顔に近づくにつれ彼女の覚悟が決まった顔が崩れていく

「決めた、最初は顔の表面を焼いて、次は左足を焼き尽くしてやる。安心しろよ死にゃしねぇぜ、足が無くたって生きていけるからな~あの女みたいに」
恐怖に震えるウリエラはジャンが吐き出した暴言で我に返り、彼の顔に鋭いビンタをくらわせる

「あ?」
「貴方は本当にジャンさんですか?今の発言、今の発言だけは許しませんよ」

「許さない?お前が言える立場か?ぶっ殺す」
「くっ!」
ジャンは黒炎を纏わせた拳がウリエラの顔面へ

「ジャン!」
「オラァ❗️」
ウリエラは死を覚悟した。だが死んでいない、それどころか何故かジャンの両腕が地面に転がっていた

「え?」

「あー!クラム❗️よくもジャンの腕を切り落としたなぁ~!」
「あ、ありゃ?」
(ひ、ひぇ~!やり過ぎですよー!)
「うわぁー!ごめんジャーン❗️俺力の制御がまだ苦手で!悪い!」
騒がしく登場したのはクラム、パンプ、ツイスターだった

「ちょっと何ぃー?あー!人質君とおチビちゃんじゃないの」
「あっ!お前は!アスモンを返せ!この悪魔!」
パンプはレヴィアン向かって宝石を投げまくる

「妹ならアンタの足下に居るでしょ?バカね」
「あ?あ、本当だ」
パンプはアスモンを抱えてザル達を方へ飛んでいく

「おいアスモン!おーい!おーい?」
「うーん...あっ!パンピー!」
目を覚ましたアスモンはパンプを抱きしめて振り回す

「やったーアスモンを取り返したーってうわぁ!ザルどうしたんだその傷!」
「俺は良い、ラートの傷を」

「わ、分かった!」
パンプは急いで宝石を作る準備をする











しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。

名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

良いものは全部ヒトのもの

猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。 ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。 翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。 一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。 『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』 憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。 自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!

ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。 なのに突然のパーティークビ宣言!! 確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。 補助魔法師だ。 俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。 足手まといだから今日でパーティーはクビ?? そんな理由認められない!!! 俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな?? 分かってるのか? 俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!! ファンタジー初心者です。 温かい目で見てください(*'▽'*) 一万文字以下の短編の予定です!

遠くの光に踵を上げて

瑞原唯子
ファンタジー
敗北を知らない18歳の少年と、一族から蔑まれてきた10歳の少女の、出会いから始まる物語。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

処理中です...