僕と精霊〜The last magic〜

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旅人の残火編

第80話 作戦開始

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 アミィは部屋に篭ってしまったパンプを説得しようと扉を開ける。

「パンプちゃん?」
「なんだアミィか、ふんっ!」
パンプはそっぽを向いて布団にくるまる
 
「さっきはごめんね急に叩いたりしちゃって」
「別に!アミィはオレの事が嫌いなんだろ?」
パンプの返答を聞いてアミィは自分の顔を叩く

「違うのよ、あれはねパンプちゃんがカナメちゃんを傷付けたからよ」
「あれはオレのせいじゃない、ジャンが悪い」
不機嫌すぎるのか泣きそうなのかは分からないがパンプは絶対にアミィと顔を合わせないようにしていた

「喧嘩でもしたの?良かったら私にも話してみてよ」
「違う!ジャンがアスモンを悪いヤツに渡しちゃったんだ!だから怒ったんだ!もうジャンの事なんて信用したくないね!」

「ジャンがアスモンちゃんを!まぁなんて事を...ジャンは一体誰にアスモンちゃんを渡したの?」
「たしか...アスモンの姉ちゃん」
「へ?お姉ちゃん?」
アミィはパンプの返答に少し身構えたが案外浅はかな答えだったので少し気が抜ける

「な!酷いだろ!」
「うーん、でもアスモンちゃんのお姉ちゃんなら大丈夫じゃないの」

「なんでだ?」
「だってアスモンちゃんのお姉ちゃんならきっと優しい人よ」
アミィは呑気にパンプの頬をくすぐる
「えー!でもアスモンの事ずっと怒ってたぞ!」

「それはきっと、いなくなったさアスモンちゃんを心配して怒っちゃったのよ」
「そんなもんなのかな?」
「ええそうよ、きっとそれだけ心配していたんだわ」
パンプは布団を振り払って考え込む

「うーん、確かにそれ以外特に何もしてなかったし、悪いヤツじゃなかったのかな」
「早とちりだったのかもね」
曇ったパンプの顔がみるみる明るくなる

「オレカナメに謝ってくる!」
「ええ、行ってらっしゃい」
パンプは家を飛び出して白夜家の方へと飛んで行く

「さてと、夕飯の支度しなくっちゃ」
アミィは居間に戻ってエプロンを身に付ける


龍神学園付近

 ジャン達は町についてからリラックスがてら景色を眺めながら歩いて帰ることにしていた

「パンプはともかく、イグニートのヤツは何処に行ったんだ?」
「クラム君達は気を失っていたからね、彼なりにかなり焦ってたんだと思うよ、きっと落ち着いたら戻ってくるよ」

「そうだと良いんですが、なんかとても嫌な予感がするんです」
「嫌な予感?」
ジャンは精霊石を抑えながら妙な汗を流す

「はい、僕を操ってまでクラム達をこっちに渡す必要があったのかがよく分からなくて」
「確かに洗脳ができるのであればわざわざ交渉なんてしなくても...!来る...!」
「○×>÷」
モニーとメルはすぐに戦闘体制に入る

 空間に歪みが発生し、歪みから虎型の魔獣が現れる
「シュルガ!」

「なんだ魔獣か」
「油断しないで!この魔獣何か違う!」
モニーは剣の唄口に息を吹き込んで唄を奏でる

「この曲は、心が安らぐ」
モニーは普段魔獣とは戦わない。何故なら魔獣が暴れる理由は環境に適応できないからである。だからこそモニー曲を奏でて魔獣とは戦わずに心を通わせ、魔獣界へと帰すのだ

「ギャアゥ❗️」
「何!?先輩の曲を聴いても暴れるのか!?」

「やっぱりね❗️」
モニーは焦る事なく剣を振るうが簡単に躱される
「速いな」

「僕も!」
「待て!」
ジャンも応戦しようとしたが後ろから声をかけられる

「学園長!」
「ファイアボール」
学園長は右手から巨大な火球を放って魔獣を一瞬で消し去る


「ふぅ...学園長、お久しぶりです。ありがと...ジャン君!逃げろ❗️」
「え?」
モニーは必死に叫んだが間に合わなかった

「エクスプロージョン‼️」
「うっ...!」
突如学園長が放った魔弾がジャンの元で爆発を起こした。モニーは咄嗟に音の壁を作ったがジャンは周囲の家ごと爆発に巻き込まれた







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