僕と精霊〜The last magic〜

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旅人の残火編

第73話 いざ出陣

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 ジャン達は白夜の庭園にて、イグニートの話を聞いていた
「で?何があった。お前はアイツらと一緒に旅に出てただろ?」

「うむ、話せば少し長くなるが端的に言うとクラム達が面倒事に巻き込まれた」 
「面倒事?」
イグニートはジャンの背中から体を出して話を続ける

「主人の従兄弟の国の人間達に捕まった」
「科学軍の人間に?」

「ああ、クラム達の特異な体の構造を調べる為にヤツらは我らを騙した」
「騙されたのか?」

「ヤツら、旅で疲れた我らにご馳走やらマッサージやらと歓迎の意思を見せたかと思われたが違った」
イグニートは自身の炎を激しく煮えたぎらせて感情を昂らせる

「あの外道どもめ!食事に毒を盛りクラム達を!そして我に不意打ちを!」
「それでお前程のヤツがやられたって訳か、よし助けに行くぞ」
ジャンは立ち上がり準備運動を始める

「主人!」
「弟が困ったら助けるのが兄ちゃんだからな!」
「兄上!」
パンプもジャンの肩から降りて体を伸ばす

「パンピーが言うなら仕方がないのだ」
アスモンはパンプの真似をする
「兄上夫人!」

「フジン?」
「お嫁さんって事」
「フンッ!分かっているみたいだな!」
アスモンは鼻を高くして高笑いする

「待てジャン君、今の君達だけで行かせるわけには行かない。僕も行くよ」
「÷+%>○→\$❗️」
モニーは着ている制服を戦闘用の服に変形させる

「先輩、すみません仕事中なのに」 
「気にしない、気にしない。僕はカナメお嬢様の専属、今は勤務時間外だよ。さぁ行こうか」
奇怪な音を出しながらモニーは浮き上がる

「ビーストジュエル!バード❗️」
パンプは宝石を纏い巨大な鳥になる
暗気活性あんきかっせい
アスモンは黒い瘴気を背中から漏らして翼を大きくする

「主人、我は翼になる」
「頼む」
イグニートはジャンの翼となり、全員で空へ舞い上がる


「うわぁ!アスモンそんなことできたんだな!」
「えへへすごい?ねぇすごい?」
「ああ!凄くカッコいいぞ!」
「やったー!パンピーに褒められた!見てたかジャン!なぁなぁ!」
アスモンはジャンの背中をバンバン叩いて嬉しさを爆発させる

「うおわぁ!」
(夫人!落ち着くのだ)

「そうだね、よかったね」
「うししし..!」
「本当に賑やかだね、もうじき到着するよ構えて」
モニーの指示通りに戦闘体制をとり高度を下げていく

(相手には珍妙な生物がいる。まるで気配が感じ取れず、我の炎もあまり効いていなかった)
「機械兵か、シュン兄の情報によるとアイツらは定期的に新しいのが作られてどんどん弱点が無くなっているらしいからな」

「それは厄介だね、僕の魔法は通じるかな?」
「やってみないと分かりませんね。ですが前戦った時は僕の技はもう通用しませんでしたからね」
ジャンは作戦を考えていた

「なんだ簡単な事だぞジャン!魔法が効かないんなら殴って壊せばいいんだ!」
「まぁそれしか無いか、今回は共鳴でいくよ」
「ああ!」
(此処だ!)

「よーし!行くぞー❗️」
パンプに続いて皆で科学軍の地面へ急降下し、着地する


科学軍の国 楽田町

派手な建物が並んでいるが人気が感じられない町にジャン達は到着した

「此処にクラム達が?」
「ああ、此処で間違いないはずだ」
イグニートは翼から実体に戻りジャンの体から飛び出す 

「人の気配どころか心の音すら聞こえないよ、メルはどう?」
「>>>>>€?」
「居ないみたいだね」
モニーは警戒を解いて一息つく

「誰も居ないのかパンピー?」
「うーん、でもなんかビリビリした気配が」
パンプは毛並みを逆立たせて鼻を動かす

「ちょこざいな!炙り出してくれるわ!大噴火‼️」
痺れを切らしたイグニートは空に炎を放ち、町中に炎の雨を降らせる
「おお!アスモンも手伝うぞ!すぅ~!ぱぁー‼️」
アスモンは口から光線を吐き出して建物を薙ぎ倒していく

「あらら...どうなっても知らないぞ、パンプ!」
ジャンとパンプも共鳴をして暴れ出す
















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