僕と精霊〜The last magic〜

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摩訶不思議!精霊界編

第65話 暗闇の奇跡

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 パンプ達が迷い込んだ空間。ザンパの憶測はおそらく本当の事であろう
「永遠って嘘でしょ?」

「だと良いのだが」
「母ちゃんが言ってたのか?」
「ああ、まぁただの教育の一貫だがな、この話を聞けば悪い事をする子供は居なくなる。プキンだってピンプにそう言い聞かされて悪い事をしなくなった」
ザンパはパンプを肩に乗せながらそう話す

「どうやって出るんだ?」
「出方は分からない、下手をすれば永遠に出ることができない」
「なぁローズ、永遠ってどのぐらいだ?」

「ずっとよ!死んでも出られないかもしれないの!」
「ええ!じゃあ早く此処を出なきゃ!」
「だからその出方が分からないのよ」
「あそっか、うーんどうしよっかな~?」
頭をかきながらパンプは考えに考える。しかし、ただ時間が過ぎるだけだった

「とりあえず、歩けばどっかに出口があるんじゃないのか?」
スカルドの提案に乗り、出口を求めて移動をする事にした


「なぁ兄ちゃん、なんか懐かしい感じがしないか?」
「懐かしい?いや、何も感じないな」

「あっちの方からなんか感じるんだ」
「出口かもしれやせんぜ、行きましょうぜ」
パンプの感覚に任せ、出口を探す。見つかったのは黒い宝石

「げっ、こんなとこにも。さっさと壊しちゃいましょ」
「もしや、これを壊せば外に出られるのでは?」
「確かにヤツが作り出した空間ですからその可能性は高いですね」

「そうと分かれば破壊する」
ザンパはハンマーを作り、振りかぶる
「兄ちゃん!壊しちゃダメだ!」
パンプはハンマーに掴まり、ザンパを抑えた

「何をするんだパンプ」
「そうよ!早く壊しちゃいましょうよ」
「ダメだ!この宝石から懐かしい感じがするんだ!」

「この宝石から?」
「そうだ!だから壊しちゃダメだ」
「アンタね、そんな事言ってる場合じゃ」
「まぁまぁローズ、この宝石はパンプさんが見つけたんですから少し様子を見ましょう」 
ツイスターはパンプの考えに乗り、ローズを止める

「なんだろう?なんでこの宝石から」
パンプが宝石に触れると大量の黒い子が飛び出してきた
「うわぁ!ちょっと!やっぱり敵が出てきたじゃないの!」

「グゥルル❗️」
今回は今回は少し違う、最後に巨大な個体も出てきた
「デッカ!」
「コイツは強敵ですかね?」
「とにかく一気に倒しますよ」
精霊達は戦闘態勢に入る

「パンプ!気をつけろ!」
「違う!コイツは敵じゃない!そうだよな母ちゃん!」
「えっ!?」
パンプは巨大に対して必死に声をかける

「何を言ってるパンプ!落ち着け!」
「兄ちゃんには分かんないのかよ!コイツは母ちゃんだ!なぁそうだろ?」
「ギュアア‼️」
「うわぁ!」
パンプは殴り飛ばされる

「パンプさん!」
「うぅ、なぁ母ちゃんなんだろ?」
「ギュルアァ❗️」
「うっ!絶対に母ちゃんだ、絶対に母ちゃんに戻してやる」
「パンプ!もうよせ!母さんはもう!」

「兄ちゃんには分かんないのかよ、懐かしくてあったかい感じがするだろ?絶対に母ちゃんなんだよ、なぁそうだろ?」
「パンプ!やめなさい!このままじゃアンタがやられちゃうわよ!きゃあ!」
ローズは必死にパンプを止めるが黒い子達に邪魔をされる

「ローズ!なぁ母ちゃん!やめさせてくれよ!みんなが傷ついちゃうよ!」
パンプの必死の叫びも届く事なく、巨体は暴れ回る

「これ壊しちゃダメなんですかね?」
「ダメです!パンプさんが納得するまで私達は待ちましょう!」
「そうだぜ!コイツらそんなに強くないし、俺は待つ!」
ツイスターとスカルドは黒い子を倒しながらパンプの事を考える

「だそうだ、やるしかないな」
「そうですね」
メイデンとグライドも戦いながらパンプを見守る

「そこまで言うんならまぁええか」
「リベラ達に今できるのはパンプを守る事、育つかな?」
リベラは地面にタネを植えて、パンプと他の黒い子達を分離させる


「母ちゃんが認めるまでオレは痛くないぞ!」
「ガウッ!」
「やめろ!」
「母ちゃんだってホントはこんな事したくないんだ!」
「ジャア!」
「パンプ!」

「オレは...諦めないぞ」
「ギャ...ウ」
「もう..やめてくれ」

「オレは諦めないぞ❗️」
パンプは黒い巨体に飛びつき、お互いのおでこの宝石を合わせる

 宝石から放たれた眩い光がツタを吹き飛ばし、暗黒世界を包み込む。
「ぐっ!この光は..!」
ザンパは目を疑った。目の前には死んだはずの母親が立っていたのだ

「やっぱり母ちゃんだった」
「...あなたをまた抱きしめるが私の夢だった」
黒い毛並みが赤くなり、ペルナは普通のカーバンクルに戻る事ができた

「母さん...」
「ザンパ、胸の傷はもう大丈夫ですか?」
「はい」 
ザンパは目の前にいる母親に涙を流す。今度は実体がある。抱きしめられさらに涙が流れる

「ピャー❗️」
「ピャーピャー❗️」

「攻撃が止んだ?」
「この子達は悪い子じゃありません、幼い頃に生贄にされたばかりに同じ境遇の者しか信じられなくなってしまったのです」
ペルナは黒い子達を撫でながら話をする

「なんか気が引けてきたわ」
「俺らそんなヤツらの事倒してたのかよ」
「ごめんなさい」
分かり合えぬ存在だの思っていた敵の境遇に皆、罪悪感に蝕まれる

「そんなに落ち込んではいけません、あなた達は此処から出ないといけません」
だがペルナは話を続ける








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