僕と精霊〜The last magic〜

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摩訶不思議!精霊界編

第60話 みんなと一緒なら

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 パンプ達が戯れあっている間、ラート達と合流したジャンは作戦を練っていた

「アイツに勝つためにはもっとメンバーが必要だね」
「ああ、とりあえずザルとウリエラは絶対に必要だ。あとは...あの巨体ならリベラもかな...そうだな、リベラ」

「結局、全員必要なんじゃねぇの?」
「まぁそうだな」

「多方面から一気に攻撃とかはどうかな?」
「多方面じゃあ、そんなにダメージを与えられねぇ。まずは一点だ」

「でもその一点攻撃をあの宝石で跳ね返されたら今度こそ全滅だよ」
「なんだよなぁ...どうしようかなぁ」

「はいはいはーい!俺提案!」
試行錯誤に黙り込む一同の中でラートが挙手をしながら立ち上がる
「なんだよラート、なんか良い案でもあるの?」

「へへへっ!ようはその宝石を使わせなければ良いんだろ?俺の考えた作戦はこうだ!こん中の誰かがソイツの気をそらせて!油断した所をみんなでドーンだ!」
ラートは鼻を高くしながら座る

「「「はぁ....」」」
「おっ!どうした?いい案だろ!」

「期待した僕が馬鹿だった」
「ちょっとそれは難しいんじゃないかな」
「で、誰が囮になる訳だ?」

「あー、えっと...レート?」
「弟を売るなよな」
「頼むよ、今度のお使い当番変わってやるから」
「割に合わないよ!」

「まぁ冗談はさておき、どうするかねぇ。ジャン、なんか思いつかねぇか?」
「あれ?俺の作戦は?」
「バカ兄は少し黙っててよ」
「おお辛辣」
ベクトル兄弟の茶番を無視してジャンの口が開く

「1つだけ」
「なんだ!言ってみろよ!」

「皆さん!ただいま参りました!」
ジャン提案を聞く前にウリエラがリベラを抱えて舞い降りて来た

「ウリエラさん!それにリベラさんも!」
「ナイスタイミングだ」
アドロンがガッツポーズを取るとザルとメイデンが続けてやって来た

「退いてください!」
「え?ぬおわぁ❗️」
勢いよくメイデンの突進をくらったラートは池に落ちる

「すみません!」
「殺す気か❗️」
ラートは池から飛び出てせいふくを脱ぎ捨てる

「ザル君!良かったザル君も来てくれ...!」
「ふんっ!」
ザルはメイデンから降りてすぐにジャンの顔を殴る

「何するんだよザル君」
「うるせぇ!テメェまた暴れやがったな!」
「う、うん」
ジャンの胸ぐらを掴んで一気に顔を引き寄せる

「おかげでメイデンはなぁ、家族に会えなかったんだぞ。何のほほんとしてんだよ」
「ご、ごめん」
「たくっ、謝るんならメイデンに謝れ」

「ザル様、私は構いません。すみませんジャンさん、ところで今回暴走の原因は」
「...」
メイデンの問いにジャンは黙り込む

「悪魔だ、悪魔が白夜の足を切り落としやがった」
アドロンがジャンの背中を摩りながら説明をする。ウリエラ達はその事を知り、ピンプ達と一緒に居た白夜に駆け寄る。

 白夜の宝石の足を見て、冷や汗を流す。中には涙を流す者もいた
「ああ...」
「嘘....」
「白夜、足...」

「すまないジャン、こればかりはキレて仕方ないな。てかキレなきゃお前を許せねぇよ」
「おのれ悪魔め、ガブリラの次は友に...」
ウリエラは髪を逆立たせて怒りの表情を浮かべる

「この方々もパンプちゃんのお友達?」
ピリつく空気の中を遮るようにピンプがくいつく
「そうだぞ」
「すごい!パンプちゃんにはいっぱいお友達がいるのね!皆さん弟がいつもお世話になっています!」
目の前にいるパンプのお友達に目を輝かせてピンプはお辞儀をする

「ピンプ、今は挨拶をしている場合じゃ」
「ほらお兄ちゃんお辞儀!」
「ぬおっ!」
ピンプはザンパの頭を下げる

「コイツらはまさか...」
ザルは2人に指を差してパンプを見る
「ああ!オレの兄ちゃんと姉ちゃんだ!」

「「「ええー❗️」」」
「パンプのお兄ちゃんとお姉ちゃん?」
ウリエラ、ザル、メイデンが驚く中、リベラだけ呆然としていた

「良かったじゃねぇかパンプ!お前の家族が見つかって!」
「良かったですねパンプ」
「えへへ」
珍しくザルとメイデンに祝われ、パンプはまた笑みを漏らす

「ってそうじゃない!ジャン!みんな揃ったからアイツ倒しに..うっうう!頭がまたガンガン」
パンプは頭を抑え、またうずくまる

「どうしたパン..!さっきと同じヤツか...!」
ジャンは周りを見て、黒く輝く宝石を見つける

「アレのせいか...!ファイア..ぐわぁ!」
火球を構えて投げようとするが精霊石から走る激痛にジャンは体制を崩す

「お任せを!シャイニング❗️レイ‼️」
ウリエラの背後に現れた無数の光の弾が宝石を貫き、破壊する

(助けて‼️)
(死にたくない‼️)
(みんな大嫌いだー‼️)
(恨んでやる)
宝石は不気味な音を漏らしながら消え去る

「お兄ちゃん、今のって」
「ああ、今まで生贄にされたヤツの嘆きだろう」
ザンパの推測を聞いてパンプは震える

「オレもああなってたのか?母ちゃんは今の苦しんでるのか?」
「....」
「大丈夫だ、今のは俺の勝手な予想だ。気にするな」

「そうよ、パンプちゃん。あれはアイツの作った偽物よ。きっとそうよ」
ピンプはパンプを抱きしめる。しかし、パンプには泣いた姉の顔が見えた







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