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摩訶不思議!精霊界編
第49話 悲しみ背負って
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映像が終了した。宝石は輝きを失い、砕け散った
ダンパとピンプが膝から崩れ落ち、また泣いてしまった。しかし、ザンパだけは違った。家を飛び出し、森へ走った。
(パンプ!何処にいる!すぐに兄ちゃんが見つけだしてやるぞ!)
森を駆け巡り、隅々まで探して、探して、探しまくった。だが見つからない。
あの愛らしい小柄にキラキラ光おでこの宝石、天使の歌声のような笑い声は森の中で見つからなかった。
「まだだ!次!」
ザンパは怯む事なく、次の森を探す。次の森、次の森、次の森。宝石の谷周辺の森は全て探したがパンプの影すら見つからなかった
「...だよなぁ..赤ん坊が1人でこんな広い自然を生きることなんて不可能か....」
ザンパ、青ざめた顔で家に帰る
「一体何処に居るんだ、パンプ」
俺は何度も探した。お前は必ず生きていると信じて毎日、探せる場所は探した
ザンパは話を終えて、ジャンとパンプを見つめる
「という訳だ...パンプ、こんな情けない兄を許してくれとは言わない。ただ、わがままなのは分かってる...私達を家族と認めてくれ」
パンプを前にザンパは跪き、頭を下げる
「なんだよソレ、何なんだよ!お前らはオレを捨てた悪いヤツだろ?何でそんなヤツらなのに....何で何だよ!兄ちゃんも姉ちゃんも弟も父ちゃんも悲しませて、母ちゃんが死んだのはオレのせいじゃないか.....」
パンプはジャンの腕の中で泣きだす
「パンプ...お前は悪くない、誰も悪くないよ」
「ジャン...でもオレのせいで代わりに母ちゃんが...オレが生贄にさえなれば」
「お前の代わりなんかじゃない!絶対に違う!お前の母さんはそんな思いで生贄になったんじゃない!」
「でも、でも...!」
「パンプ、自分を責めるな。悪いのは全て村の掟、そしてそれに逆らえなかった私達だ」
「兄ちゃん達は悪くない」
「あーもうやめやめ!誰が悪いか、悪くないかなんてキリが無いよ」
空気の重さに耐えかねたジャンは2人を止める
「ジャン...」
「人間..いや、ジャン殿、すまなかった」
ザンパはその場に座り、頭をかきむしる
「貴様がベルを殺した人間か?」
「!?」
突然、ジャンの頬に刀が掠る。血が流れ落ち、辺りに緊張が走る
「何者だ貴様!何処から来た?」
すかさずザンパは武器を構える
「獣が、その程度の武器でオレに勝てると思うなよ」
男は宝石の槍を握り潰して刀を振るう
「ぐっ!」
「兄ちゃん!」
「パンプ!いくぞ❗️」
ジャンも魔刀で応戦する
「誰だお前は...!?」
「ベルを殺しただけある。中々の力、良いだろう!お前は俺の宿敵になる可能性がある!」
男はジャンを薙ぎ払い、刀を地面に刺す
「俺は憤怒の悪魔!サンドーガ、ベルを殺した貴様に敬意を評して、最強の悪魔であるこの俺が相手してやる」
「悪魔かよ..!こんな所にまで現れやがって、パンプ!」
「おう!」
「待て...!パンプ、お前では無理だ」
「任せろ兄ちゃん!オレ達強いんだぜ!」
2人の精霊石が青く輝き、変化が始まる
「刻むぜ、来い俺らが相手だぜ」
「2対1か...まぁハンデだ」
サンドーガは刀を鞘に納め、構えを取る
「なんだ?戦わないのか?」
「油断するなよ」
ジャンは警戒を解く事なく、魔刀に魔力を込める
「次元一閃」
サンドーガの刀から繰り出される斬撃が空間を切り裂き、2人の間をすり抜ける。
「なんだこの威力、本当に刀かよ」
「スッゲー!ジャンもアレやってくれよ!」
「無茶言うな!だけどお返しだー‼️」
炎の斬撃がサンドーガの胴に直撃する。しかし、傷口はおろか、痕すら残らなかった。
「何かしたか?」
「だったらオレが!スピンジュエル❗️ブーストジュエル❗️チェイン❗️」
パンプは2つの宝石を合わせて巨大なドリルを作り出す
「今度はちっこい方か」
「パンプのヤツ、母さんみたいな戦い方を」
ザンパは自身の怪我を治しながらパンプの力を見定める
「バカにするなよー!トルネードバースト❗️」
パンプは口から高密度のエネルギー波を吐き出して巨大なドリルを押し出す
「ぬうぅ!」
サンドーガはドリルを受け止めるがあまりの威力に足が地面に沈む
「チャージ❗️フルパワースラッシュ‼️」
ジャンは魔力が装填され、眩く輝く刀身をサンドーガに当てる
「この程度で倒せるとでも思ったか?」
サンドーガの背中から腕が生え、ジャンを刀で切り裂く
「うわぁ!」
「今の攻撃、褒めてやる。褒美に俺のオーラを見せてやる❗️」
「あ、ああ...」
「なんだこの圧!」
2人はサンドーガが放ったオーラの圧で地面に顔を叩きつける
「なんだ?何故2人は倒れている」
ザンパだけはオーラの圧に対抗している、というより効いていない
「所詮、俺のオーラには耐えられまい。さぁ今楽にしてやる」
サンドーガの刀は2人の首を切り落とすの楽しむように輝き出す
「まずい、動けない...」
「動けー!」
刀は振り下ろされる
「ウラァ‼️」
ザンパは宝石の盾で刀を弾く
「兄ちゃん!」
「お前らは逃げろ、此処は俺が引き受ける」
ジャンとパンプは宝石に包まれ、村の方へ飛ばされる
「兄ちゃーん!」
パンプには兄の背中がとても大きく、逞しく見えた
ダンパとピンプが膝から崩れ落ち、また泣いてしまった。しかし、ザンパだけは違った。家を飛び出し、森へ走った。
(パンプ!何処にいる!すぐに兄ちゃんが見つけだしてやるぞ!)
森を駆け巡り、隅々まで探して、探して、探しまくった。だが見つからない。
あの愛らしい小柄にキラキラ光おでこの宝石、天使の歌声のような笑い声は森の中で見つからなかった。
「まだだ!次!」
ザンパは怯む事なく、次の森を探す。次の森、次の森、次の森。宝石の谷周辺の森は全て探したがパンプの影すら見つからなかった
「...だよなぁ..赤ん坊が1人でこんな広い自然を生きることなんて不可能か....」
ザンパ、青ざめた顔で家に帰る
「一体何処に居るんだ、パンプ」
俺は何度も探した。お前は必ず生きていると信じて毎日、探せる場所は探した
ザンパは話を終えて、ジャンとパンプを見つめる
「という訳だ...パンプ、こんな情けない兄を許してくれとは言わない。ただ、わがままなのは分かってる...私達を家族と認めてくれ」
パンプを前にザンパは跪き、頭を下げる
「なんだよソレ、何なんだよ!お前らはオレを捨てた悪いヤツだろ?何でそんなヤツらなのに....何で何だよ!兄ちゃんも姉ちゃんも弟も父ちゃんも悲しませて、母ちゃんが死んだのはオレのせいじゃないか.....」
パンプはジャンの腕の中で泣きだす
「パンプ...お前は悪くない、誰も悪くないよ」
「ジャン...でもオレのせいで代わりに母ちゃんが...オレが生贄にさえなれば」
「お前の代わりなんかじゃない!絶対に違う!お前の母さんはそんな思いで生贄になったんじゃない!」
「でも、でも...!」
「パンプ、自分を責めるな。悪いのは全て村の掟、そしてそれに逆らえなかった私達だ」
「兄ちゃん達は悪くない」
「あーもうやめやめ!誰が悪いか、悪くないかなんてキリが無いよ」
空気の重さに耐えかねたジャンは2人を止める
「ジャン...」
「人間..いや、ジャン殿、すまなかった」
ザンパはその場に座り、頭をかきむしる
「貴様がベルを殺した人間か?」
「!?」
突然、ジャンの頬に刀が掠る。血が流れ落ち、辺りに緊張が走る
「何者だ貴様!何処から来た?」
すかさずザンパは武器を構える
「獣が、その程度の武器でオレに勝てると思うなよ」
男は宝石の槍を握り潰して刀を振るう
「ぐっ!」
「兄ちゃん!」
「パンプ!いくぞ❗️」
ジャンも魔刀で応戦する
「誰だお前は...!?」
「ベルを殺しただけある。中々の力、良いだろう!お前は俺の宿敵になる可能性がある!」
男はジャンを薙ぎ払い、刀を地面に刺す
「俺は憤怒の悪魔!サンドーガ、ベルを殺した貴様に敬意を評して、最強の悪魔であるこの俺が相手してやる」
「悪魔かよ..!こんな所にまで現れやがって、パンプ!」
「おう!」
「待て...!パンプ、お前では無理だ」
「任せろ兄ちゃん!オレ達強いんだぜ!」
2人の精霊石が青く輝き、変化が始まる
「刻むぜ、来い俺らが相手だぜ」
「2対1か...まぁハンデだ」
サンドーガは刀を鞘に納め、構えを取る
「なんだ?戦わないのか?」
「油断するなよ」
ジャンは警戒を解く事なく、魔刀に魔力を込める
「次元一閃」
サンドーガの刀から繰り出される斬撃が空間を切り裂き、2人の間をすり抜ける。
「なんだこの威力、本当に刀かよ」
「スッゲー!ジャンもアレやってくれよ!」
「無茶言うな!だけどお返しだー‼️」
炎の斬撃がサンドーガの胴に直撃する。しかし、傷口はおろか、痕すら残らなかった。
「何かしたか?」
「だったらオレが!スピンジュエル❗️ブーストジュエル❗️チェイン❗️」
パンプは2つの宝石を合わせて巨大なドリルを作り出す
「今度はちっこい方か」
「パンプのヤツ、母さんみたいな戦い方を」
ザンパは自身の怪我を治しながらパンプの力を見定める
「バカにするなよー!トルネードバースト❗️」
パンプは口から高密度のエネルギー波を吐き出して巨大なドリルを押し出す
「ぬうぅ!」
サンドーガはドリルを受け止めるがあまりの威力に足が地面に沈む
「チャージ❗️フルパワースラッシュ‼️」
ジャンは魔力が装填され、眩く輝く刀身をサンドーガに当てる
「この程度で倒せるとでも思ったか?」
サンドーガの背中から腕が生え、ジャンを刀で切り裂く
「うわぁ!」
「今の攻撃、褒めてやる。褒美に俺のオーラを見せてやる❗️」
「あ、ああ...」
「なんだこの圧!」
2人はサンドーガが放ったオーラの圧で地面に顔を叩きつける
「なんだ?何故2人は倒れている」
ザンパだけはオーラの圧に対抗している、というより効いていない
「所詮、俺のオーラには耐えられまい。さぁ今楽にしてやる」
サンドーガの刀は2人の首を切り落とすの楽しむように輝き出す
「まずい、動けない...」
「動けー!」
刀は振り下ろされる
「ウラァ‼️」
ザンパは宝石の盾で刀を弾く
「兄ちゃん!」
「お前らは逃げろ、此処は俺が引き受ける」
ジャンとパンプは宝石に包まれ、村の方へ飛ばされる
「兄ちゃーん!」
パンプには兄の背中がとても大きく、逞しく見えた
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