僕と精霊〜The last magic〜

一般人

文字の大きさ
上 下
133 / 747
摩訶不思議!精霊界編

第45話 ジュエルファミリーズ

しおりを挟む
 ジャン達は時間を忘れて精霊界を満喫していた。

「次は何処に行こうかな?」
「行きたい場所が沢山ありますね」

「なぁジャン!オレ他のカーバンクルがいる場所に行きたい!」
パンプはジャンの頬をペチペチ叩いてお願いをする
「そうだな、行くか」

「宝石の谷ならすぐそこよ」
「パンプさんのお母さんやお父さんがいるかもしれませんよ」
白夜の言葉にパンプは頬を膨らませる

「オレの母さんはアミィ!父さんはユウスケだ!」
「そんな事言って、いざ会ったら泣くんじゃないの?」

「ぜっーたい!泣かないもんね!」
「本当かしら?」
「本当だ!」

「喧嘩しないの、さぁ行きましょ」
「はーい」
「パンプも」
「おう!」
ジャン達は東の方向へ歩き始める。しばらく歩くと見覚えのある3人組が居た。

「あっ!アドロン達もこっちに来てたんだ」
「ジャンさん!ちょうど良かった。今からみんなで宝石の谷へ向かってたんですよ」
「姉ちゃんがパンプの家族に挨拶をしたいんだと」
「絶対に居ない!」
パンプは即座に否定をする

「お前らは今まで何処行ってたんだ?」
「ローズの家だよ、ドールの里って場所。アドロン達は?」
「俺らは雷平原に行ってきた...2人の家族に挨拶をしてきたんです」

「時間があったら行ってみようかな」
「良いですね」

 アドロン達と合流をし、しばらく歩いていると宝石が石ころのように転がる渓谷にたどり着いた

「此処が宝石の谷よ」
「綺麗」
「気をつけて、ここら辺の宝石は全部トラップだから浮いて行くわよ」

「了解、ツイスター、スカルド」
「はい!」
「おうよ!」
2人はアドロンの体に潜り込んで翼を生やす

「僕達も白夜さん」
「はい」
ジャンは白夜を背負って足から炎を噴射させる

「パンプ~」
「はいはーい」
パンプはローズを抱えて浮き上がる

「ねぇアンタならここら辺の宝石の中身が分かるんじゃないの?」
「あー、本当だ!見えた!えーと、あれが爆発、こっちが炎、そっちが雷、凄い数だな」
辺りに散らばる宝石の正体を知り、ローズは青ざめる

「ねぇパンプ、絶対落とさないでよ」
「え?なんだって?」
「キャアアア‼️ちょっと揺れないでよ‼️」
「うわぁ!ローズ、暴れるなよ!」
パンプ達はみるみる高度を下げていく

「何やってんだアイツら?」
「2人とも楽しそうですね」
ジャンと白夜は呑気に宝石の無い部分に着地する
「到着と」

「随分と宝石だらけの場所だな」
(綺麗ですね)
(でも危険っぽいぜ)
「よし、良いぞお前ら出てこい」
ジャンに続いてアドロン達が到着した。ツイスターとスカルドはアドロンの背中から飛び出して周りを見晴らす

「パンプ達遅いなぁ」
「おい貴様ら、何者だ」
崖を見下ろすジャンの頬を槍が掠る
「...!?」

「なんだ!」
「カーバンクルです!」
「侵入者は直ちに排除する。村の掟だ」
長身のカーバンクルが宝石の槍を構えて警戒をする

「僕達に戦う意志はない」
「信用できるか!」
ジャンは魔法陣を作り、柄を取り出す

「死ねぇ❗️」
魔刀まとう❗️」
柄から眩く光る刃が飛び出し、槍とぶつかり合う

「ちょっと!パンプ速くして!」
「うーん、今着くから待て」
遅れてパンプ達も到着する

「まだ居たか!侵入者めっ...!」
長身のカーバンクルは動きを止める
「なんだコイツ?」
「アンタとおんなじカーバンクルよ、たくっ!もうちょっと丁寧にできないの?」
ローズは埃を払いながら立ち上がる

「ジャン!コイツ敵だな!」
「待て待てパンプ、何も戦いに来たわけじゃないんだから」
パンプはジャンの方に乗り、目の前にいる同族を睨みつける

「パ、パンプだと...」
「なんだお前?オレを知ってるのか?」
「何故生きている、お前は死んだはずでは?」
「何言ってんだ?」
長身のカーバンクルはパンプ捕まえて、ジロジロ観察する

「何すんだ!離せ!」
「おでこの宝石、赤い毛並み...間違いない。パンプ!よく無事で居てくれた!俺は嬉しいぞ!」
「わわわ!なんだなんだ!苦しいぞ!誰だお前は!」

「はっ!すまない...初めましてだな。私はザンパ、お前の兄だ」
サンパという名のカーバンクルは涙を流しながらパンプを抱きしめる
「あに?お前がか?オレの?」

「パンプの兄ちゃん!?」
「どうやら客人のようだな、失礼した」
宝石の槍は光の粒子になり消え去る

「ザンパ..さん?君がパンプの兄って言うのは本当なのかい?」
ジャンも武器をしまい、質問をする

「そうだ、名はザンパ。もしや貴様らは人間か?」
「僕はジャン、ジャン・バーン。パンプのパートナーだよ」
ジャン達は自己紹介をする

「おお!貴様が弟のパートナーか!家に招待する家族が歓迎してくれるだろう!ついて来い!」
サンパは宝石の檻を作り出して皆を運び出す

「「「「うわぁぁぁ‼️」」」」
引きずられ目が回る。気がつくと宝石で出てきた住処に到着する

「みんなぁ!パンプが帰ってきたぞ!生きてたんだ!」
サンパの声が室内に響き渡ると3人の小さなカーバンクルがやってきた

「嘘!?パンプちゃん、生きてたのね!」
「私は夢を見ているのか?」
「....ふんっ!」

「もしかしてこの子達もパンプの家族?」
「ああそうだ!」
ザンパの答えにパンプはもちろん、ジャン達も驚いた















しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気が付くと見知らぬ部屋にいた。 最初は、何が起こっているのか、状況を把握する事が出来なかった。 でも、鏡に映った自分の姿を見た時、この世界で生きてきた、リュカとしての記憶を思い出した。 記憶を思い出したはいいが、状況はよくなかった。なぜなら、貴族では失敗した人がいない、召喚の儀を失敗してしまった後だったからだ! 貴族としては、落ちこぼれの烙印を押されても、5歳の子供をいきなり屋敷の外に追い出したりしないだろう。しかも、両親共に、過保護だからそこは大丈夫だと思う……。 でも、両親を独占して甘やかされて、勉強もさぼる事が多かったため、兄様との関係はいいとは言えない!! このままでは、兄様が家督を継いだ後、屋敷から追い出されるかもしれない! 何とか兄様との関係を改善して、追い出されないよう、追い出されてもいいように勉強して力を付けるしかない! だけど、勉強さぼっていたせいで、一般常識さえも知らない事が多かった……。 それに、勉強と兄様との関係修復を目指して頑張っても、兄様との距離がなかなか縮まらない!! それでも、今日も関係修復頑張ります!! 5/9から小説になろうでも掲載中

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...