僕と精霊〜The last magic〜

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再燃する戦火編

第39話 そして今がある

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 ユウスケは瀕死のアミィとセバスを病院へ運んだ。すぐに処置が施され、2人の怪我は完全に完治をした。しかし、2人は目を覚さなかった。

「なんで起きねぇんだよ...魔法は万能じゃ無いのか?」

「俺のせいだ...くそ」
病室で悲しみに暮れていると後ろの方から扉の開く音が聞こえた

「アミィ!大丈夫か!」
「サラさん」
やって来たのはサラだった

「何があったんだよ!ユウスケ!なんでアミィとセバスがやられてんだよ!」
ユウスケは事情を話した

「俺が此処に居れば周りに迷惑をかける、アミィに俺は死んだって伝えてくれ....」
ユウスケはそう言い残し、病室を出て行く

「あ...行っちまった、アミィになんて話すかな?」
「お姉ちゃん、今の話本当なの?」
「げっ!アミィ、お前起きてたのかよ」

「どうなのお姉ちゃん....」
涙を流しながらアミィはサラに抱きつく
「泣くなアミィ、ユウスケは死んでないぞ」

「そんなの分かってる!ユウスケさんが何処かに行っちゃったのにどうして止めてくれなかったの!」
「アミィ、アタシはアイツを止める気は無いよ」

「どうして?」
「それはアイツ自身が決めた事だからだ」

「そんな事ない!ユウスケさんは周りに振り回されてるだけよ!」
「そう思うならアミィが追えば良いでしょ」

「...むぅ!お姉ちゃんのバカ!」
アミィはフラフラしながら病室を出て行く
「あっ!おい待てよ!アンタは怪我人なんだから!」
サラも病室を出て行く

(アミィ様....)
セバスは1人病室のベッドに残された



「ユウスケさん!」
「アミィ...何の用だ?」

「何の用って!あなたを連れ戻しに来たに決まってるじゃないの!」
「やめとけ、また痛い目を見るだけだ」

 あの時のユウスケさんの目は怖かった。でもそれ以上に悲しい目をしていたわ。
「私は大丈夫よ!ほら今だってこうやってちゃんと歩...キャッ!」
「アミィ!」

「おっと!」
つまずいて転んだアミィをサラはキャッチする
「お姉ちゃん...」
「たくっ、無茶しやがって」

「お前らが何と言おうが俺はこの国を出る、そして2度と足を踏み入れない」
「アタシに止める気は無いよ。でもアミィはどうかな?」
「ぐっ....」
あの時よく見えなかったけど、ユウスケさんはとても辛そうな顔をしていたわ

「ユウスケさん!私大丈夫だから、だから...これからも一緒に暮らしましょ」
「ダメだ...俺はこれ以上、人が...お前が傷つくのを見たくない....」
ユウスケは膝から崩れ落ち、涙を流す

「ユウスケさん....」
「俺はただ自分が造りたい物を造って、暇のない生活を送りたかっただけだ....なのになんで俺が造る物は人を傷付けることしかできないんだよ...もう嫌なんだ、俺のせいで誰かが傷つくのは...」

「大丈夫...私はユウスケさんの造る物で傷つかないわ...だからもっと、自信を持ってみてよ」
「アミィ....俺は、どうすりゃ良いんだよ?」
2人は泣きながら強く抱きしめ合う

 アミィは本当に優しいヤツだ。こんな俺にですら情けをかけてくれる。

 ユウスケさんは本当に不器用な人。でも私に少し似ている。自分の力のせいで悩み続け、背負いきれない罪から逃げようとしている私と

「俺は一体何人殺したんだ?俺のせいでどれだけの人が死んだ?なんで俺が兵器なんか作んなきゃいけねぇんだよ....」
「大丈夫...大丈夫だから、私がもうそんな事させないから..!だからユウスケさんも私から離れないで!」

「アミィ..!」
「せめてユウスケさんだけでも守らせて」

 泣きながらお互いの気持ちを言い合い、愛を誓い合った



「こうやって私とユウスケさんは出会って、結婚をしたの」
「ほぉ~!アミィはそうやって運命の相手と出会ったのだな!」
「やだアスモンちゃんったら!運命の相手なんて照れるわ~」
アミィはルナと戯れるアスモンテスとツイスターと昔話をしていた

「素晴らしいお話でした、続きはあるのですか?」
「ええ、此処からがすごーく長いの、ジャン達が生まれてからも大変だったわ」

「達?」
「あ、うん。ルナちゃんが産まれた今もこうして大変で楽しい日々が続いているって事よ、さぁそろそろご飯の準備をしなきゃ」
ツイスターの疑問に一瞬だけ汗を流したがアミィは話を絞める


「ただいまー」
「アミィー!今日のご飯はなんだー!」
ジャン達が帰ってきた

「あっ!パンピー❗️」
「ぎょわぁ!」
「わぁ!アスモン!」
アスモンテスはジャンを突き飛ばしてパンプに抱きつく

「おかえりなさい、今作るからお風呂に入っちゃってて」
「分かった、パンプはどうするんだ?」

「むぎゅう....」
「パンピーはアスモンと入るー!」
「分かった、じゃあ先に入っててよ」

「スンスン、おや?シュン様とマツリさんの匂いがしますね」
「あ、そうそうしばらく2人の事、うちで泊めれる?」

「すみません、お邪魔します」
「お邪魔します」
シュンとマツリは深々と頭を下げる

「問題ないわよ、2人もそんなに固くならなくていいのよ?何回か泊まったこともあるんだし」
アミィは料理をしながら2人を迎え入れて笑顔を漏らす

「アドロンとスカルドは?」
「上で寝ていますよ、ところでユウスケさんは」
「ガレージでバイクの点検をしてるよ、僕も寝ようかな」

「今日はどんな任務だったんですか?」
「話せば長いよ~、それにしてもザル君が無事で良かった」
「ええー!そんな大変だったんですか!?」
ジャンはツイスターと今日の任務について話し始める

 我が家はどんどん賑やかになっています。イルちゃんの為にももっともっと楽しい家庭を作っていかなきゃね


科学軍 某施設

「やはりあの一族は危ない」
「そうですね、バーンの血を絶やさなければ我々に勝利はありません」
「うーむ、あまりこの手段は使いたくないが仕方ない、奴らと協力するか....」


















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