僕と精霊〜The last magic〜

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再燃する戦火編

第33話 機械仕掛けの大都市

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 ユウスケが焦りながら部屋を飛び出してきた

「どうしたのユウスケさん?」
「パンプ、ちょっと来てくれ」
ユウスケはパンプを引っ張り、ガレージに引きこもってしまう

「パンピー!」
「ごめんねアスモンちゃん、パンプちゃんが来るまでお菓子でも食べましょうか」
「でもパンピーと一緒が良い!」
アスモンテスはアミィに抱かれながら駄々をこねる

「それじゃあパンプちゃんが戻ってきたらにしましょうか」
「うん!」


ガレージ

「どうしたんだユウスケ?」
「ちょっと面倒ごとがあってな、一緒に向こうの国に行くぞ」
「向こうって科学軍の国か?」
「そうだ」

 ユウスケはガレージのシャッターを開けてバイクのエンジンを唸らせる

「なぁー!一体何があったんだー!」
「シュンから連絡があってな、ジャン達を助けてほしいんだとよ」

「仕方ないなぁ!ジャンにはオレが居ないと!」
「頼もしいな、よっしゃ!しっかり掴まってろよ、飛ばすぜ」
バイクは音速を超えてすぐに国を飛び抜ける

「うおぉ!速いぞ速いぞ!凄いなユウスケ!」
「そうだろ!俺が作り、改造に改造を重ねたこの最高級の発明品!ブーストローダーの性能は!」
「よく分かんないけどカッコいいぞ!」
「だろ!」
風の音に負けず2人は声を張って笑い合う


研究所

『問題が発生、直ちにシェルターを閉じます』
アナウンスと共に通路や部屋と部屋の間にシェルターが出現する

「鬱陶しいな!メイデン!」
「はい!」
ザルはメイデンを腕に纏わせてシェルターに穴を開けていく

「はぁぁぁ‼️サンボールシュート❗️」
ジャンは巨大な火球を警備ロボットの群れに向かってぶん投げる

 火球の熱で研究所内の至る所が溶けていく
「アッツ!おいおい気をつけろよ」
「ご、ごめん」

「じゃあこれでどうだ!ボノム!」
「はいな!」
「「絶帝零度ぜっていれいど‼️」」
次は機械と通路が全てが凍り付く

「寒すぎだ!ツルツル滑って走りずれぇし!」
「おっとっとっとっとっと!」
ジャンとザルがギリギリバランスを整えて前に進む中でラートとボノムは華麗にターンをしながら2人を追いこす

『ターゲットトトトトト!ホホホソソソクク!』
背後から壊れた機械音を鳴らしながらバークスが追って来た
「ま、まずいよ!アイツには魔法が効かない」
「おいラート!なんとかしろ!」

「無茶言うなよ....あっ!いい事思いついた!お前ら先に行ってろ!」
ラートは何か思いつきニヤける

「行けって、テメェの氷のせいで上手く動けねぇんだよ!」
「滑って前に行けないよ!」
「あそっか!」
2人の罵声を浴びてラートは指を鳴らすと氷が消える

「「プギャ!」」
突然氷が無くなり、顔から落ちて転ぶ2人
「ザル様!」

「っつー!後で覚えてろよ」
「気をつけてよ!」
ジャン達はラート達を置いて出口を目指す

「で?ご主人、何を思いついたんですかい?」
「聞けボノム、俺の完璧な作戦を!」

「焦らさず、教えてくださいな」
「簡単な事だ!今の俺らで倒せないんなら新しい力を使えば良いって訳よ」
ラートは白い歯を見せて、背後に氷の壁を作り出す

『ジジジジシ!ハハハハイジョョョジョ!』
「ソレってまさか俺らで爆共鳴するっちゅー事で!?しかし俺らはまだ1回も出来てませんぜ!」
「だから今成功させるんだろ?早速いくぜ俺に合わせろ!」
2人の精霊石が輝き出す

 ラートの頭の右側に生えた角が肥大化し、ボノムは雪の要塞の如く巨大化する

「まずは共鳴から」
「ウラァァァ‼️」
ボノムの巨大な拳がバークスを押し潰す

『ジジジジ!』
「うおわ!」
バークスはその怪力でボノムを腕を持ち上げる

氷牙鬼ひょうがき❗️」
ラートはすかさず牙のように鋭い氷で追い討ちをかける

『ドゥーン!ダンダンダダダ!』
「おっ!ちょっと魔法が効くようになってるな!」
「ご主人!今がチャンスですぜ!」
2人はさらに精霊石を輝かせる

『ジュジュジュジュ!』
ボノムは金棒に変化し、ラートはツノが更に肥大化し、おぞましい冷気を放つ鬼に変貌する

「コォォォ!!」
先程まで感じられたラートの陽気さが一切ない、そこにあるのは修羅の殺気

『ブブブブ!』
殺気が効かないバークスは無謀にもラートに攻撃を仕掛けるが近づいただけで凍り付いてしまう

冷鬼氷山れいきひょうざん❗️」
凍りついたバークスにラートは金棒を振り下ろし、粉々に砕く

「しょおぉぉぉ!」
ラートは体内の冷気を吐き出して元の姿に戻る

「ふえぇ、なんか出来たな」
「そうですねぇ、それにしても俺が金棒になると..腰が痛いですぜ」
「ほら背負ってやるよ」
「すんません」
ラートはボノムを背負って出口に向かう



研究所 独房

 シュンは1人でマツリが捕らえられている部屋に向かっていた

「マツリちゃん!」
「んーんー!」
椅子に縛られたマツリの口にはテープが貼られていた

「良かった、無事だったか」
「全然無事じゃないですよ!すごく怖かったんですよ!」
「ごめんごめん、立てる?」
「無理です、足が動きません」

「了解」
シュンはマツリを背負う
「あれ?マツリちゃん、重くなった?」

「なっ!失礼な!むしろ軽くなってます!」
「なははは、元気は良しと」
「あー!先輩の意地悪ー!」
マツリはシュンの頭をポカポカ叩く

「ごめんって、さぁバイクに乗って」
「もー!分かりました」
「しっかり掴まっててよ」
「はい!」
シュンはエンジンを唸らせバイクで壁を突き抜ける




















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