僕と精霊〜The last magic〜

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再燃する戦火編

第28話 誘惑の洞窟

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 龍神町から少し離れた洞窟・奥地

「アスモンテスお嬢様、ルドがやられました」
不気味な老爺は豪華な食卓に食事を並べながら報告をする
「えー!ルドがー!でもまぁ良いや!アイツ嫌いだし!」
広い食卓にただ1人、静かな雰囲気に似合わない幼女が椅子に座っていた

「そんな事を言ってはいけません、お嬢様は誇り高き色欲を継いだ偉大なる悪魔の1人、部下をそのような扱うなど先代が悲しみますぞ」
「もー!またチャルゴンはママの話ばっかり!アスモンは色欲なんてふしだらな悪魔じゃないのだ!一途なのだ~!そんな事より今日のご飯はなんだ?」
アスモンテスという名の幼女はフォークとナイフを持ってドンドン食卓を叩く

「はい....本日は人間の希望と絶望をグツグツ2日煮込んだ作ったソースをかけた魔獣のステーキでございます。これは」
「へぇ~よく分かんないけど美味しそ~!」
召使いのチャルゴンが説明を終える前にステーキにナイフが刺さる

「お嬢様、マナーがなっていませんぞ!またナイフとフォークが逆になっています」
「えー!またー!人間のマナーって難しいぞー!」
アスモンはナイフとフォークを逆さに持ってステーキを頬張る

「お嬢様....」



 ジャン達は6人で森でキャンプをしながら任務に備えていた
「よーし!腹いっぱい食ったし任務だジャン!」
「まだ食ったばっかりだろ?少し休憩だ」
「えー!」

「まぁ焦るなパンプ、戦ってる時に腹が痛くなったら嫌だろ?」
ザルは使った食器を魔法で作り出した水の玉の中で洗いながらパンプを説得する

「いやぁ~それにしてもジャンの料理はうめぇな!」
ラートは口周りに拭きながら大満足の様子だ
「どうよ、母さん直伝のビーフシチューは?」
「「満点」」
「でしょ」

「じゃあ遊ぼうぜ!ドーン❗️」
「ま、待てパン」「ちょっ!」
「「ズアァァァ‼️」」
パンプは勢いよくメイデンとボノムに突っ込む

「で、任務はこの洞窟の中で良いんだな?」
「うん、そのはずだよ」
ジャンはカバンから地図と依頼書を取り出す

『依頼 最近、竜の森から動物のうめき声が聞こえてきます。気になって森の中を探索すると大量の動物が洞窟に出入りをしていました。調査をお願いします』

「此処で間違いないね」
「しっかし、動物が出入りか...なーんかしょぼそー」
「気を抜くなよ」
「分かってるって」
3人は洞窟の入り口で異変が無いか観察を始める

「なぁ面倒だし、この洞窟ぶっ壊さね?」
ラートは手から氷を出して構える
「良いね!」
ジャンも火を構える
「バカ野郎!んな事して中に人でも居たらどうする」

「冗談だよ、冗談」
「何?ザルまさかお前、マジだった?」
「テメェら後で覚えてろよ」
ちょっとふざけて調査を再開

「特に変な所は無いな...」
「でもなんか良い匂いがするな」
ラートは小さな異変に気付く
「匂い?...パンプ!」

「んあ?」
「ちょっと此処らへんの匂いで変な所は無いか?」
「ちょっと待てよ...スンスン、スン..!なんか変だぞ!」
パンプはジャンに飛び付く

「甘い匂いがする!」
「な!言ったろ!」
メイデンとボノムも集まり、皆で警戒をする

「何か生き物の気配は感じるか?」
「いや、匂いはするけど気配は全く無いぞ」
「おいジャン、魔銃でちょっと中に撃ってくれよ」
「えぇ...分かったよ」
ザルの提案にジャンはしぶしぶホルスターから魔銃を取り出す

「何があっても責任は取らないよ、いいね」
「「了解」」
ザルは水をラートは氷を構える

 ジャンは引き金を引き、1発の弾丸が洞窟の中へ飛んでいく

「反応無しか」
「貴様ぁ、お嬢様に何かあったらどうしてくれる?」
「「「「!?」」」」
突然洞窟の中から現れた老爺はジャンの右腕を掴む

「ギャアア!何!何!?」
「貴様こそ何者だ?さては此処を攻め込みに来たのか」

「なんだこのジジイ!?」
「ザル様!この老爺からただならぬ気配を感じます!」
ザルは老爺から距離を取って、腕輪を盾と剣が1つになっているガントレットに変形させる

「答えようによっては貴様らの命はないぞ」
「イダダダダ!待って!タンマ!すみません!」
ジャンは魔銃を捨てて敵意が無いことをアピールする

「な、何もんだ!お、おい!爺さんその手を離せ!」
「そうだそうだ!」
ラートはジャンの腕を引っ張り、老爺から助け出そうと踏ん張る

「目的を話せ、何故攻撃をした?」
老爺の腕の力は緩まない
「イダダダダ❗️千切れる!千切れる!」

「やいお前!ジャンを離せ!ガブッ❗️」
パンプは思い切り老爺の腕に噛みつく

「ぎにゃああぁぁぁ‼️」



「ん?なんだ今の声は...それよりもチャルゴンのヤツ遅いなぁ、アスモン退屈ー!」
アスモンテスは1人洞窟の中で石遊びをしていた

「そうだ!ほんとはダメだけどちょっと外に出よっと!」
こっそり大胆に洞窟から走って飛び出した幼女が最初に見たのは倒れたチャルゴンであった


「チャルゴンー!何故お前が倒れてるのだ!うわーん!嫌だー!アスモンを1人にしないでくれー!」
突然現れては泣き出す幼女に戸惑うジャン達、この出会いがパンプ達の運命を大きく変える





















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