僕と精霊〜The last magic〜

一般人

文字の大きさ
上 下
79 / 747
七大悪魔復活編

第27話 平凡に満ちた現実の世界で

しおりを挟む
 ロンとロアが亡くなって数十年、数百年が経った。ツイスターとスカルドは2人で最初の内はロン達の孫達と暮らしていたが2人がいない寂しさから旅に出る事にした。

 今や、2人を知る者はジーナス家には居ない


「ああロアさん、私はいつになったら貴方にまた会えるのですか?」
「姉ちゃん...」

「いつになったら...会えるんですか?私はいつまで待てば....」
どんなにしっかり者のツイスターでも所詮は1人の精霊。寂しい気持ちが続けば狂いたくもなる
「姉ちゃん!」

「うるさい!」
「うぎゃあ!」
ツイスターはスカルドに電気を流してしまう

「はっ...ス、スカルド申し訳ございません」
「姉ちゃん...もう良いじゃないか、2人で楽になろうよ。そしたらさ、また2人に会えるかもしれないし...へへ」
限界がきたスカルドはとうとうこの言葉を発してしまう

「.....そうですね、我々がこの世界で生きる必要はもうありません」
2人は海の方へ飛んでいく



「2人で此処で沈めば楽になれる」
「そうだね」
2人は手を繋いで波の方へ一歩一歩近付く

「海って久しぶりだね」
沈む夕日を眺めながら2人は昔を懐かしむ
「そうですね、最後に来たのは確か...みんなで...」 
「姉ちゃん、俺姉ちゃんとしか海に来たことがないぜ」

「そうですね、結局最後までこの違和感の謎が解けませんでしたね」
「良いじゃん、分かんない事は分かんなくたって」

 日没を眺めて、2人は動き出す
「おい待てお前ら、まさか死のうって考えてるわけじゃないよな」
後ろの方から心中を止めようとする声がしたが2人は無視をして進む

「バカ野郎...」
2人は何者かに抱かれる

「あなた....」
「あぁ.....」
その者を見た2人にの脳内に一気に流れ込んだ。大切な思い出が、絶対に無くしたくなかった宝物が数百年生きた中でのたった3年間の思い出が流れ込む

「「アドロン!」さん!」
2人の涙は止まらなかった。大切なパートナーが目の前に居る。それだけで満足

「おいおい...そんなに泣いてどうしたの?」
「バカバカバカ!寂しかったんですよ!」
「俺うれじいよ...!また会えでよがった!」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔になった2人をアドロンは何も言わずに強く抱きしめる

「帰ろ...みんなが待ってるぜ」
「はい」
「おう」
2人はアドロンの体に入り込む

「いくぜ!」
アドロンは両腕を鋼鉄の鉄球に変形させて電気纏う

「ブレイクインパクト❗️」
鉄球を振り落とすと空間にヒビが入り、世界が壊れる





 気がつくと学園に戻っていた。ツイスターとスカルドの数百年の思い出はただの虚像に過ぎなかった。

「ツイスターちゃん、スカルドちゃん具合はどう?」
ルナを抱いたアミィがなぜかそこに居た

「アミィさん、何故此処に?」
「アドロンが突然居なくなっちゃったから心配してきたのよ、そしたらみんなやられてて、あ!でもみんな手当てしてお家に帰してあげたわ」
「あう!」
穏やかな雰囲気を放ちつつ常に警戒をし続けるアミィの先にルドが立っていた

「ほう、俺の作った世界から脱出するとは?」
「そういう事ですか」
「俺本気で怒ったかも」
ツイスターは体から雷を放出し、スカルドは全身を鋼鉄に変える

「いくぜ...」
4つの精霊石が虹色に輝き出す。今の4人なら今まで出来なかった事が出来る気がした。スカルドとツイスターの姿がみるみる変貌し始める

「グルル❗️ガァァァ‼️‼️」
スカルドは鋼鉄の竜になり、雄叫び上げる
「キシャー❗️」
ツイスターは巨鳥になり、突風を巻き起こす

「ヌオォ!」
ルドは屋外に吹き飛ばされる

「義母さん、俺らがケリをつける...だから今日の夕飯はとびきり美味しいの作って!」
アドロンは全身を鎧に変形させてツイスター、スカルドに続いて外へ飛び出す

「はいはい...ルナちゃん、ちょっと貸してね~」
「あう?」
アミィはルナが持っていた先端に星が付いた棒のオモチャを借りて魔力を込める

「えい!...はいありがとう、アドロンお兄姉ちゃんは今忙しいからママと一緒に帰りまちょうね~」
「きゃ!きゃ!」
何かを唱えたアミィはそのままルナと一緒に家に戻る


「くぅ..ここに来て覚醒しやがったか!だがもう1度俺の作り出した世界に..!?」
突然、ルドは力を使えなくなる

「な、なんだ!?体に力が入らない、ま、まさか!あの女か!」
「キェェェ‼️」
ツイスターが羽ばたくと突風と雷が同時に吹き荒れる

「ぬおお!!」
「シャアアア‼️」
スカルドは鉄球のように大きい尻尾を振り下ろして、ルドを地面に叩き落とす

「ぐっ!ぐぐ....」
「お前を許す訳にはいかない...2人をずいぶんいじめたみたいね...ぶっ殺す」
アドロンが両手を合わせると巨大なギロチン台に変化し、ルドの首を捕らえる

「くそっ!まだ力が..!まっ、待て!どんな理想だ!どんな理想でも見せてやる!さぁ言え!」
力が復活しないルドは必死に命乞いをし始める

「じゃあ死ね」
無慈悲に降りる刃はルドの首を飛ばす
「くそー!本気でやりやがったな!この!...はっ!」
生首だけでも生きているルドを覆い隠すの巨大な影

「ギュルルガー‼️」
「ぷぎゅ!」
スカルドは生首を軽く踏み潰す

 精霊石の輝きが止まり、3人は元の姿に戻る。

「アドロンさーん!」
「アドロン!」
ツイスターとスカルドはすぐにアドロンに抱きつく
「凄かったぞ2人とも...すっごく強くてカッコよかったよ」

「へへっ、カッコよかったろ」
「これで皆さんに追いつけましたね」
「ふっ...そうだね!」

「よしっ帰るか!久しぶりで上手く体が動かねぇ」
「大丈夫ですか!?」
「支えてやるよ」
2人はアドロンを支えながら談話を始める


「ねぇ2人はどんな夢を見てたの?」
「ふふっ秘密です。これはアドロンさんにも教えられません」

「えーねぇ良いじゃん、ねぇスカルド?」
「え!俺も秘密!」

「ハハッ一体どんな夢を見てたんだか...ちょっとだけで良いから教えてよ」
「ダーメ!」
「秘密!」

 この日は4人で楽しく今の家に帰りました。不満なんて一切ありません。私思うんです、理想なんて案外すぐそばにあるのものなのかもって ツイスター














しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。

なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。 本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!

クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります

まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。 そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。 選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。 あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。 鈴木のハーレム生活が始まる!

赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!

ほむらさん
ファンタジー
ヘルメット、マスク、そして赤い軍服。 幸か不幸か、偶然この服を手に入れたことにより、波乱な人生が幕を開けた。 これは、異世界で赤い流星の衣装を一生涯着続けることになった男の物語。 ※服は話の流れで比較的序盤に手に入れますが、しばらくは作業着生活です。 ※主人公は凄腕付与魔法使いです。 ※多種多様なヒロインが数多く登場します。 ※戦って内政してガチャしてラッキースケベしてと、バラエティー豊かな作品です。 ☆祝・100万文字達成!皆様に心よりの感謝を! 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。  

虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武
ファンタジー
今よりも科学が発達した世界、そんな世界にVRMMOが登場した。 Every Holiday Online 休みを謳歌できるこのゲームを、俺たち家族全員が始めることになった。 最初のチュートリアルの時、俺は一つの願いを言った――そしたらステータスは最弱、スキルの大半はエラー状態!? ゲーム開始地点は誰もいない無人の星、あるのは求めて手に入れた生産特化のスキル――:DIY:。 はたして、俺はこのゲームで大車輪ができるのか!? (大切) 1話約1000文字です 01章――バトル無し・下準備回 02章――冒険の始まり・死に続ける 03章――『超越者』・騎士の国へ 04章――森の守護獣・イベント参加 05章――ダンジョン・未知との遭遇 06章──仙人の街・帝国の進撃 07章──強さを求めて・錬金の王 08章──魔族の侵略・魔王との邂逅 09章──匠天の証明・眠る機械龍 10章──東の果てへ・物ノ怪の巫女 11章──アンヤク・封じられし人形 12章──獣人の都・蔓延る闘争 13章──当千の試練・機械仕掛けの不死者 14章──天の集い・北の果て 15章──刀の王様・眠れる妖精 16章──腕輪祭り・悪鬼騒動 17章──幽源の世界・侵略者の侵蝕 18章──タコヤキ作り・幽魔と霊王 19章──剋服の試練・ギルド問題 20章──五州騒動・迷宮イベント 21章──VS戦乙女・就職活動 22章──休日開放・家族冒険 23章──千■万■・■■の主(予定) タイトル通りになるのは二章以降となります、予めご了承を。

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

ゆとりある生活を異世界で

コロ
ファンタジー
とある世界の皇国 公爵家の長男坊は 少しばかりの異能を持っていて、それを不思議に思いながらも健やかに成長していた… それなりに頑張って生きていた俺は48歳 なかなか楽しい人生だと満喫していたら 交通事故でアッサリ逝ってもた…orz そんな俺を何気に興味を持って見ていた神様の一柱が 『楽しませてくれた礼をあげるよ』 とボーナスとして異世界でもう一つの人生を歩ませてくれる事に… それもチートまでくれて♪ ありがたやありがたや チート?強力なのがあります→使うとは言ってない   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 身体の状態(主に目)と相談しながら書くので遅筆になると思います 宜しくお付き合い下さい

孤独な小人と蠱毒な少女

洞貝 渉
ファンタジー
魔法と科学、呪いと祝福に翻弄された小人と少女が出会うとき、でこぼこな物語は動き出す。

[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫
恋愛
 シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。  だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎  本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎ 〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜 夕方6時に毎日予約更新です。 1話あたり超短いです。 毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。

処理中です...