僕と精霊〜The last magic〜

悪魔の産声

第８話 組織のボスをぶっ飛ばせ！

「動くな❗️」
ジャン達を囲む警官達は一斉に拳銃を構える

「やっば...」
「どうするんだジャン！」
絶体絶命、少しでも動けば一瞬で蜂の巣だ。

「試してみるか...パンプ、僕が合図をしたら自分の身を守れ」
「でもそれじゃあジャンが」
「心配するな」
緊張の瞬間。ジャンを呼吸を止め構えを取る

「今だ❗️」
「ジュエルアーマー❗️」
パンプは宝石を身に纏い硬化する

「撃て‼️」
一斉に弾丸が飛び交う

　宝石は弾丸を全て跳ね返し、警官達を蜂の巣にする

「うーん、ジャンはどうなった？...！？」
ジャンは身体中に穴が空いていた

「心配するな..パンプ」
脳天を撃ち抜かれたはずのジャンが喋った。この光景に腰を抜かす警官もいた

「なんとか成功したな、だけど身体中が痛い...とりあえず一旦逃げるぞ！」
ジャンの傷口が完全に塞がる
「スゲェ❗️」

「バイン❗️」
突如ジャンが10人に分身をし一斉に魔銃で警官の足を撃ち抜く

「行くよパンプ！」
「おう！」
2人は組織のボスがいる部屋を目指して走る

「なぁジャン！今のヤツなんだ？」
「え？ああ、この前本で読んだやつなんだけど...変形魔法っていうらしいんだよ」

「アドロンみたいな魔法か？」
「アレとはちょっと違う、僕は自分の体を炎に変えたんだ」
「そんな事ができるのか！？」
「できるにはできるんだけど...コントロールが難しくてさ、体中が千切れるほど痛くなるんだよ...悪いけど打ってくんない？」
少しずつジャンの息が切れてきた

「ヒーリングジュエル‼️」
緑の宝石がジャンの体に打ち込まれる
「うっ！ふぅ、ありがと」

「よーし！じゃあ敵の部屋まで競争だ❗️」
「え、あ！待て！」
一瞬でパンプは消えてしまう

「しょうがないな、風ふう❗️」
ジャンも目で捉え切れないスピードで走り出す

『カクホ！カクホ！カク...』
2人を止めようと動き出した警備ロボットは一瞬でガラクタに変わる

「結構広いな、よーし！セット❗️」
ジャンは魔力を込めた魔銃を天井に向ける
「フルバースト‼️」
警察署に大きな穴が開く

「多分1番上だな！」
「あー！ジャン！ズルいぞ❗️」
「へへーん！ついて来い！」
2人は建物を壊しながらボスを探す

「所長！大変です！」
「なんだ！？なんの騒ぎだコレは！」
所長はコーヒーを床に叩きつけるほど慌てている
「脱獄犯です！あのジャン・バーンがケダモノと暴れているんです！」

「むむ！困った、ちょっと君こっちに来てくれないか？」
「え、あ、はい...」
部下は所長の方へ近づく

「ちょっとエネルギーが枯渇しててね、よこせ」
「がっ！、何を...！」
所長は部下の腹を腕で貫き、養分を全て吸い尽くす

「さてと、ジャン・バーンかコレは確実に殺さねばな」

「いっちばーん❗️オレの勝ちー❗️あ？」
パンプはミイラとマッチョを目の当たりにして困惑する
「ちぇ、また負けか、あら？」
ジャンも到着する

「貴様がジャン・バーンだな？」
「なるほど、いくよパンプ！」
「よーし！」
「まぁ待て」
所長は2人を止める

「この私の筋肉を見て何も感想h」
「ファイアボール‼️」
「ジュエルシュート‼️」
同時攻撃が炸裂する

「ぬぅ！貴様ら私の筋肉に興味が無いのか❗️」
「うるさい！お前敵だろ！さっさと倒すぞジャン！」
「了解」
2人の精霊石が輝き、共鳴しだす

「なるほど姿が変わるという噂は本当のようだな、では私も真の姿を見せよう」
所長の皮を破り、禍々しい角が生えた紫肌の男が現れる

「お前、電車のヤツとグルだな？」
ジャンは魔銃を構える

「グル？ふんっ！コレだから人間は困る。ヤツは所詮下の下、下級の悪魔に過ぎん。俺は中級悪魔のバッツール様だ、脳裏に焼き付けるのだな」
悪魔は不気味な笑みを浮かべる

「悪魔！？パンプ、コイツを倒したらすぐに学園に戻るぞ」
「でも遊学町に行くんじゃないのか？」
「状況が変わった、すぐに全員に集まってもらわなきゃならない」

「おいおい、俺を倒すだと？そりゃ無理な事だぜ！人間ごときに俺は倒せん」
バッツールは筋肉を輝かせながらマッスルポーズを取る

「へーん！オレは人間じゃないもーん‼️」
パンプは巨大な腕でバッツールを殴り潰す
「俺らは2人でどこまでも強くなれる、此処の人達には悪いが吹き飛んでもらう」
ジャンが繰り出した火球が警察署を消し飛ばす

「安心しろジャン！オレが守った！」
パンプは署内の人を宝石で守っていた
「よくやった」

「貴様ら調子に乗るなよ！俺の餌場を荒らしやがって！悪食モード...」
バッツールは自分の口を広げて周りの物を食べ始める
「ジュルルルルゥアアア‼️」

「アイツ岩食ってるぞ！バカだ❗️」
「言ってる場合か！よく見ろあの大きく開けた口の中を！核みたいな物がある。そこを一気に叩き込む」
魔銃に魔力を込めるとハンドガンの形状からライフル形状に変形する
「よーし！全力だー‼️」

「チャージ❗️フル...」
ジャンは銃身自体に最大限の魔力を注ぎ込む
「ジュエル...」
パンプの口元に高密度のエネルギーが溜まる

「「ブラスト‼️」」
同時に2人はエネルギー波を核に撃ち込む

「ジュルルルル....」
バッツールを倒す事は出来なかったが気絶させる事ができた

「今だパンプ！」
「つーかまえた！」
パンプは咄嗟にバッツールを小さな宝石に封じ込める
　
　2人は元の姿に戻る
「とりあえず、一件落着か」
「腹減ったぞジャン」
「僕も」
2人の腹の音が跡形もなく吹き飛んだ警察署で虚しく響く

『ユウスケ様！10m以内にジャン様とパンプ様の反応あり！』
「了解」
ユウスケが到着した頃には全て終わっていた

「父さん？どうしたの」
「おおー！ユウスケー！腹減ったー！」
瓦礫から瓦礫へと飛び移り2人はユウスケの下へ

「だろうと思ったよ、ほら朝ご飯のパンだ」
ユウスケが投げたパンにかぶりつくパンプ

　とりあえずは一件落着？