僕と精霊

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僕らの青春編

第109話 勝者は誰だ❗️

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 ジャンとモニーのハチマキの取り合いは激しさを増す。

「風‼️」
ジャンは加速する
「逃がさないよ!」
モニーも加速する

 パンプとメルはジャン達の戦いを離れて見守る
「なぁメル、どっちが勝つと思う?」
「*÷=%%$」
「そうか?でもジャンも腕を上げたぞ」
「☆♪+*」
「そうだな」
2人はジャン達について行く

「ジャン君、コレが何か分かるかい?」
モニーは赤ハチマキを2本持っていた
「考える事は同じですね」
ジャンも紫ハチマキを3本持っていた

「おっと!」
2人が通った道からハチマキがドンドン回収されて行く


 1-A教室付近

「しまった!俺のハチマキが‼️いつの間に❗️」
ラートは悔しがる
「ご主人...」

「私のハチマキも!」
ウリエラはあまりの悔しさにガブリラの肩をポカポカ叩く
「あのスピードは生徒会長ですね」
ガブリラは冷静に分析する


 体育館

「おい!こっちの方にはいたか?」
「いや、脱落者しかいない」
「もっと探せ!」 
紫ハチマキの3人組が体育館の真ん中で報告会をしている

「見つけ次第、袋叩きにしてやるぜ」
3人は精霊達と円陣を組み掛け声を上げる


 体育館 天井

「どうしよう、グライド...」
レートは小声で話す
「今がチャンスです、やりましょう」
グライドも小声で話す

「無理だよ、相手は3人しかも3年生だよ」
「やらずに負けるよりだったらやって負けた方が良いです」
グライドはそう言い、真っ直ぐな目でレートを見つめる

「はいはい分かりましたよ、勝負は一瞬だよ、共鳴して一気に決めるよ」
2人の精霊石が輝き、姿が変わる

「行くタイミングは分かるよね」
「はい」
2人は狙いとタイミングを定める

(今だ❗️)
2人は天井から降りる

「「ビッグサイクロン‼️」」
2人は一斉に暴風を繰り出す

「「「うわぁぁぁ!!!」」」
下にいた6人は暴風に飛ばされ、体を壁に打ちつけまくり倒れる

「やった!」
「やりましたよマスター!」
レートは喜び、ハチマキの回収に行く

「おっと待ちな!」
体育館にザックとシーフォンが入ってくる

「げっ!さっきの!」
レートとグライドは身構える
「ソイツら俺の獲物だったんだけどなぁ、まさか1年に取られるとは、中々見込みのある奴じゃないかお前」
「珍しいなザック、お前が人を認めるのは」
シーフォンは笑う

「ああ、だがコイツからハチマキを取れば全部俺らの物だ」
ザックはも笑う

「そう簡単に渡してたまるか」
レートがそう言うとザックは体育館から出ようとする
「おい!何処に行くんだ!」
レートは叫ぶ

「何処って、次の狩場だよ」
ザックは赤ハチマキを指で回す
「なっ!?」
レートは自分の頭を触ってみるとハチマキが無かった
「いつの間に!」
グライドも目を疑う

「そんじゃな!」
ザックは体育館を出る


(皆の者!報告だ!)
龍神の声が学園内に響き渡る
(残り人数が10人を切った、10人は最後まで全力を尽くすように!)


「なるほどね!もう10人を切ったんだね」
「ほとんど僕達が取ったんですね?」
ジャンとモニーは大量のハチマキを握っている

「僕達もそろそろ決着を!グラウンドに行くよ!」
「はい!」
2人はグラウンドに走る

「オレらも行くぞ!」
「♪♪→○」


 訓練所

「とにかくヤバいんだよ!ザックっていうヤツが!」
レートは白夜、ザル、アドロンに警告をする

「分かりました、そのザックと言う男に気をつければ良いのですね」
「にしても、一瞬でハチマキを奪うほどのスピードか...」
ザルは考える

「ツイスター、スカルド!俺の中に入ってろ!」
「おう」
「はい」
2人はアドロンに憑依する

「ここかな?」
「ああザック、確かに此処からニオイがするぜ」
2人が訓練所までやって来る

「全員!戦闘準備!」
ザルが声を上げると一同は共鳴をし、姿を変える
混沌の鎧・四重奏ルシルフル・カルテット‼️」
アドロンの体鎧になる

「盗賊の息吹❗️」
シーフォンの周りに風が吹いた
「まず、1本」
ザックは白夜からハチマキを取る

「はっ!」
白夜は驚く
「白夜!」
ローズは白夜の下へ走る

「アクアボール‼️」
ザルは水の球をシーフォンに投げる

「ゴボボッ‼️」
シーフォンは水の球の中に拘束される
「アドロン❗️」
「ああ、エレキショット‼️」
アドロンは電気纏った鉄球を水の球に放つ

「ガガガガガ‼️」
シーフォンは苦しむ

「お前ら、俺を忘れてないか?」
ザックはザルとアドロンのハチマキを奪っていた

「プハッー!死ぬかと思ったぜ」
解放されたシーフォンは体を伸ばす

「しまった!」
アドロンは膝をつく
(ドンマイだ)
(仕方ありません、相手の方が一枚上手でした)
(お兄ちゃんあんまり気を落とさないで、ほら!)
ロアは何かに気づく

「お前こそ、俺のパートナーを忘れてないか?」
ザルとメイデンはザックの背後に立っていた

「イリュージョンホーン」
ザックの持っていたザルのハチマキが光になって消える

 ザルとザックは同時にお互いのハチマキを取る
「引き分けか...俺らは脱落だ、楽しかった、じゃあな」
ザックは訓練所から立ち去る

「クッソー!引き分けか!」
ザルはその場で地団駄を踏む
「落ち着いて下さいザル様、引き分けなだけ運が良い方です」
メイデンはザルをなだめる

「そうだぜ、俺らから一瞬でハチマキを取った相手を引き分けに持ち込んだんだMVP物だろ」
アドロンは肩を回しながら言う

 グラウンドの方から大きな音が聞こえてきた
「何でしょうか?脱落してしまった事ですし、音がする方へ行ってみましょうか」
白夜はローズを抱えてグラウンドの方へ歩く

「俺らも行くか..」
「そうだな」
ザル達は白夜について行く



 グラウンド

 全生徒と職員がジャンとモニーのハチマキの取り合いを観戦している

「怪我人はすぐに報告を❗️」
ケンザキは大きな声で生徒達に呼びかける

 剣を構えるモニーと共鳴したジャンとパンプがぶつかり合う
「まさか、ここまで腕を上げているとはね!」
モニーはジャン達の攻撃を剣で受け流す

「林‼️」
パンプはモニーの足下に緑の宝石を飛ばす。地面から生えてきたツタがモニーの足を拘束する。

「ありゃ、こうなったら」
モニーが剣の持ち手の穴に息を吹き込むと寒気のする音が鳴り響く

「グググッ❗️」
ジャン、パンプ、周りにいた人や精霊の体が痺れ出す

「グガァァァァァ‼️‼️」
パンプは雄叫びを上げ、モニーの出す音を掻き消す

「サンキューパンプ!」
ジャンはパンプの影に隠れる

「ジャン❗️思い切りやってくれ‼️」
パンプはジャンを激励する

「風‼️」
ジャンの姿はあまりの速さで見えなくなる

「林‼️」
グラウンド中に大量のジャンが現れる
「本物は!」
モニーは耳を澄ませ、本物のジャンを探す

「そこだ❗️」
モニーは本物のジャンに向かって音弾を飛ばす 

(今の俺に必要なのはパワーなんかじゃない!圧倒的なスピードだ!)
「迅‼️」
再びジャンの姿が消える

「なんてスピードなんだ!?」
モニーは剣を地面に刺し、振動させると弦楽器のような音が鳴り響き、モニーの周りに壁ができる

 モニーの正面以外を音の壁が覆い尽くす
「どんなに速くてもこうすれば良いんだよ」
モニーは剣を地面に刺したまま構えを取る
(次にジャン君が来た瞬間、決着がつく)

(ならお望み通りもっとスピードを上げるぜ!)
「雷‼️」
ジャンのスピードはさらに上がり、通った道に電流が流れる

「イケー‼️ジャン‼️」
パンプは叫ぶ

「「勝つのは‼️」」
「僕だ❗️」「僕だ❗️」
次の瞬間、音の壁が崩れ去る

「勝ったのはどっちだ!」
グラウンドの周りはザワザワし始める

「ジャンだ!」
ジャンはモニーのハチマキを掴んでいた
「いや!生徒会長だ!」
モニーもジャンのハチマキを持っていた

「あれ?引き分けか」
モニーは笑う

「フッ!」
ジャンも笑う

(皆の者‼️決着がついた❗️優勝したクラスは...)
周りがザワザワし始める

(1-Aだ❗️)
周りはざわめく

「どう言う事だ!どう見ても引き分けだろ!」
「審査をやり直せ!」
龍神へのブーイングの声が上がる

「コラー❗️無礼だぞ❗️」
教員達が生徒を黙らせる

(最後まで聞くのだ、1-Aの者にまだ脱落してないものがおるのだ❗️それは...)
再びグラウンドはざわめく

(リベラ‼️)
龍神の声は学園内に響いたがリベラは反応をしない

(リベラ❗️すぐに来るのだ❗️)
龍神は少し焦る。しかし、リベラは来ない
(そこか❗️ええい❗️起きんか❗️)
龍神はリベラを起こし、皆の前に転送する

「ふわぁ~アレ?ここ何処ですか?」
赤いハチマキをしたリベラはあくびをしながら皆の前に現れる

「リベラさん...」
ウリエラはリベラの下へ行き、耳元で事情を話す

「ええ❗️リベラが最後まで生き残ったんですか!?」
リベラは驚く
「たくっ、今まで何処にいたんだよ?」
リベラの反応に呆れたアドロンは尋ねる

「えーと、お花のお世話をしてたら、あまりにも太陽の光が気持ち良くて寝ちゃいました!」
リベラの発言に一同は呆れたが笑ってしまう

「こりゃ負けたわ」
ザックも笑う

「で、では表彰式を」
学園長も少し驚いていたが気を取り直して表彰式が始まった


 こうして、僕らが唯一他クラスや他学年と交流がある競技は寝ていたリベラのおかげで1-Aが優勝という平和的な終わり方をした。


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